日本出版販売(株)は、持続可能な出版流通の実現に向け、日販グループ全体で取り組む「物流再編プログラム」の第1弾として、埼玉県新座市で建設を進めていた新拠点「N-PORT新座」を開設した
日販グループで進めている物流再編プログラムでは、様々な商材・商流に対応した機械設備や、日販グループを横断した新しい倉庫管理システムの構築、さらにはロボティクスなど最新技術の導入などにより、ハード・ソフト両面から「汎用性」「柔軟性」「高い生産性」をコンセプトに、取引先の売り場の変化を支える物流の実現をめざしている。今回開設した新拠点は、これらコンセプトを体現した拠点の第1弾として位置づけられている。
新拠点は10月7日、王子流通センターから移管した雑貨の出荷を開始。10月中旬には日販グループ内のカルチュア・エクスペリエンスで扱う文具の移管・出荷を開始するほか、11月上旬には王子流通センターから文具を移管し、本格稼働する予定だ。さらに今後は出版物の取り扱いについても予定しているという。
〇新拠点の特徴
➀自在型自動倉庫「ラピュタASRS」:効率的な在庫管理機能/ピッキングシステム
細かいアイテムを効率よく管理する能力を有し、自社比で通常2~3倍の効率で商品の入荷検品・格納が可能。
➁椿本チエイン リニソート:高速アソート(仕分)機能
ソーターがループ式になっていることにより、一般的なストレートソーターに比べ、効率よく商品を仕分けることを可能にしている。
➂ESGへの取組
太陽光発電設備を設置することで、年間503t-CO2相当の発電を可能とした。1坪あたりの年間CO2排出量を566 t-CO2相当(王子流通センターの約1/4)と見込んでおり、実質CO2排出量は年間63 t-CO2になるとしている。ほかにも大型シーリングファン「HVLSファン」の導入により、作業所内に気流を発生させ、夏期は力強い風が体感を約4℃下げ、秋から春までは、天井の暖かい空気を空間全体に行き渡らせて快適さを提供する。これにより空調電力は、従来のセンターと比較しておよそ12%以上の節約が見込まれるという。湿度も約6%下がるため、結露対策としても有効だ。
➃BCP対策
法令で定められた耐火性能を有するほか、耐震性や強度、遮熱性、遮音性に優れた性能を付与した。また、構内に災害用備蓄品を常設し、災害が発生した時には構内の従業員のほか、近隣住民への支援を行うことも想定している。
※「N-PORT新座」の施設概要
所在地:埼玉県新座市中野1-13-20
延床面積:7,670坪
主要業務:文具雑貨商品等の保管および仕分・出荷、 出版社様からの物流受託事業の拡張、 他社からの物流業務受託(3PL)