(株)PALTAC、オークラ輸送機(株)⇒段ボールケースの天面(上ぶた)切断装置の実用化で技術提携/PALTAC(株)開発の段ボールケース自動開梱装置をオークラ輸送機(株)が製品化

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 (株)PALTACとマテハンシステムメーカーのオークラ輸送機(株)は、段ボールケースの天面(上ぶた)切断装置の実用化に向け技術提携(ノウハウライセンス契約)を締結した。(株)PALTACが開発した段ボールケースの自動開梱装置をオークラ輸送機(株)が製品化し、製造・物流現場の省人化を推進するソリューションとして提供していく。

■技術提携の背景
 製造や物流の現場では、段ボールケースで入荷した材料や製品を取り出す開梱作業が自動化の遅れているエリ
アとなっている。物流倉庫のピッキング現場では、人がカッターナイフで天面のテープを切断しながら開梱し、ケース内の物品を取り出しているが、作業が単調なうえ、誤って手を切ったり、中の物品を傷付けたりすることもあり、量が多い場合は多くの人手が必要だ。
 PALTACは、20年以上前から開梱作業の機械化を独自研究して開発を進め、自動開梱装置を自社の物流センターに導入している。同社は以降も継続して研究開発を進め、より多種多様なサイズや形状のケースの開梱に対応できる、ロボットハンドを用いた新しい自動開梱装置を開発し、物流センターで実用化。この成果を踏まえ、自動化を検討している他企業にも新たな自動開梱装置を提供し、自社だけでなく業界全体に貢献するとの意向をもっていたという。
 一方、オークラ輸送機(株)には、段ボール自動開梱装置の導入希望が数多く寄せられており、多種類の段ボールケースにきめ細かに対応できるPALTACの技術に注目していた。今回の技術提携は、こうした経緯からPALTACが持つ技術・ノウハウをオークラ輸送機が製品化し、市場投入することで合意に至ったものだ。
 
■自動開梱装置の概要
 自動開梱装置は、ケース天面を切り落とせるカッター刃をロボットハンドに装着し、ロボットアームが人に代わって切断する。PALTACが独自開発したカット機構により、ケース天面を確実に切り落とす。ケース内の物品を傷付けることなく、高速で多種多様なサイズや形状のケース天面のカットができる点が最大の特長だ。同装置は、カッター刃付きロボットハンド、ロボットアーム、供給コンベヤで構成されており、切断した天面の自動除去機構や替え刃のオートチェンジ機構も備えている。
処理能力は毎時400ケース。

■今後の展開
 工場や倉庫の荷役作業を自動化する取組は産業界の大きな流れで、従来手作業主体で行っていた段ボールケース開梱作業を自動化する自動開梱装置の需要があることは明らか。両社は、同装置の供給を通じ、人手不足対策や、従業員の危険作業からの回避、物流2024年問題への対策など、社会的な課題解決に貢献できるとしている。今後は、PALTACが保有する技術・ノウハウを提供し、製造・販売はオークラ輸送機が行う。オークラ輸送機は、同装置を汎用モデルで製品化する意向で、そのためにPALTACの物流センターで稼働する装置に改良を加え、10月1日をめどに販売を開始する予定だという。

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