物流施設 関連投資情報<3.21~3.27>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設・工場などの情報>

■日本GLP(株)<3月21日>
兵庫県尼崎市で関西最大級の物流施設「GLP ALFALINK尼崎北棟」を着工/リピートカスタマーである大手企業が2025年10月竣工後に1棟全体を利用


 日本GLP(株)は、兵庫県尼崎市で延床面積約11万2,500㎡の先進的物流施設「GLP ALFALINK 尼崎北棟」を着工した。同施設は、総延床面積約35万㎡の大規模多機能型物流施設「GLP ALFALINK 尼崎」の第2棟目。同社のリピートカスタマーである大手企業の専用施設として、2025年10月に竣工する予定だ。
 同施設は、地上4階建てのボックス型物流施設。1階には、入出荷作業を効率化するための両面バースが備えられており、天井高を標準より高くすることで、自動化や省人化をはじめ最新のテクノロジーを活用した庫内作業にも対応できる仕様となっている。快適な労働環境を提供するため、全館に空調設備を設置し、庫内環境も整備。また、従業員向けのカフェテリアやコミュニケーションスペースを設置することで、交流の場を設けるとともに、快適性のみならず充実した就労環境を実現する。
 同施設の敷地の北西部には、地域、環境、人、モノが循環するための重要な機能として、共用エリアを設ける計画。地域住民が利用可能なレストラン、コンビニエンスストア、多目的スペース、子育て支援施設などの機能が入った共用棟のほか、フットサル等が楽しめるマルチコートも整備する予定で、これら施設の設置により、地域共生を目指した快適な就労環境を追求する。一方、近隣緑地との連続性を保つため、敷地全周をめぐる遊歩道や共用棟エリアに開放感のある広場も設置。災害発生時には、この広場を避難場所として機能できるようにする。さらに広場から共用棟、そして施設の外壁通路を通って隣接するサイクリングロードへと繋がる動線を確保し、歩車分離を図ることで安全性を確保する。同エリアは「尼崎21世紀の森構想」の対象区域内に位置しているため、この構想の一助として、同社では施設の外壁通路に緑豊かな外構を設ける計画だ。
同社では、同施設における事業継続性や環境対策を考慮した取組も進める。具体的には、浸水対策として防災センターを2階に設置するほか、地震対策として建屋に免震PC造を採用し、建物の安全性を確保。環境配慮としては、自家消費型太陽光発電設備の設置し、入居企業の脱炭素化に向けたサステナビリティ推進への取組をサポートするほか、低炭素コンクリートの使用によりCO2排出量削減も図る。さらに、CASBEE認証やZEB認証の取得も予定されているという。

※「GLP ALFALINK尼崎北棟」の施設概要
所在地:兵庫県尼崎市道意町7-6他
敷地面積:約5万5,000㎡
延床面積:約11万2,500㎡
構造:地上4階建て、免震PCa造
着工:2024年3月
竣工:2025年10月末(予定)
認証取得:CASBEE認証、ZEB認証取得(予定)

■(株)IHI、野村不動産(株)<3月21日>
横浜市金沢区で建設中の大規模物流施設「Landport横浜杉田」で立体自動倉庫のシェアリングサービスと自動化機器のレンタルサービスの導入を決定/物流の労働力不足解消とさらなる物流効率化に向けた取組を実現


(株)IHI、野村不動産(株)は、現在建設を進めている大規模物流施設「Landport横浜杉田」で立体自動倉庫のシェアリングサービスと自動化機器のレンタルサービスの導入を決めた。物流業界における労働力不足の解消とさらなる物流効率化の実現が目的。物流2024年問題でドライバーをはじめとする労働力が不足する一方、EC市場の拡大等により物流量が増加するなか、両社は自動化機器・設備の導入負担と導入の手間を省くことができる両サービスを提案することで、物流危機の打開に貢献する意向だ。

〇立体自動倉庫のシェアリングサービス 
同施設の3・4階の一部に設けた約12mの吹き抜け空間に、最大4,020パレット(荷姿:幅1.2m×奥行1.2m×高さ1.6m)の保管が可能な立体自動倉庫を設置する。立体自動倉庫はIHIグループの(株)IHI物流産業システム(ILM)が提供するもので、保管容量の効率化および入出庫から保管までの工程を自動化することができる。シェアリングサービスでは、この立体自動倉庫を複数の入居テナントが共同利用することが可能。荷量に応じて任意の期間、パレット単位で予約することで、柔軟な入出庫・保管が行える仕組みだ。空き情報の確認や事前予約、実績の照会などは、各テナント共通のシステムで行えるという。 さらに、立体自動倉庫専用の非常用発電機の設置も想定。停電時でも約8時間電力を供給できるため、物流業務の停滞が防げる。
 また、同シェアリングサービスのメリットとしては、①導入費用・時間の削減〔(1)自動化設備導入の初期費用や固定費がかからず、新たな投資財源の確保が可能になる、(2)従量課金制のため、使いたいときに必要な分だけを利用することが可能になる、(3)自社で購入する場合と比べ、導入にむけたリードタイムが短縮可能になる〕、②固定賃借面積の合理化〔季節波動により発生する荷量の変動部分についてシェアリングを活用することで、固定賃借面積の削減に繋がる〕の2点が挙げられている。

〇「Techrum」および参画するILMによる自動化機器のレンタルサービス
 野村不動産は、自動化機器の効率的な活用により物流オペレーションの最適化を行うための企業間共創プログラム「Techrum(テクラム)」を2021年4月に開始している。Landport横浜杉田では、Techrumに参画しているパートナー企業の持つ自動化機器等を、テナントに対してレンタルサービスにより提供する。ピッキングや荷物の積み下ろしなどを支援するMH機器やロボット、WMSを必要に応じてレンタル可能とすることにより、庫内作業の省人化・効率化を実現し、労働力不足問題の解決を目指すとしている。
 なお、今回、IHI物流産業システムがTechrumに新たに参画することにより、同社が提供するMH機器やロボット、WMSも利用可能となる。立体自動倉庫のシェアリングサービスと同様、これら設備・機器、ITシステムの導入にかかる初期費用や固定費は不要となり、最新の設備・機器、ITシステムをすぐに利用できる環境が整うとしている。

※「Landport横浜杉田」の施設概要
所在地 :神奈川県横浜市金沢区昭和町3174
敷地面積:7万1,034.94㎡(21,488.06坪)
延床面積:16万3,483.78㎡(49,453.84坪)
構造・規模:柱RC梁S造 地上4階建て・免震 ダブルランプ型
着工:2023年6月15日
竣工:2025年3月末(予定)

■日本出版販売(株)<3月22日>
2024年10月に新設する物流拠点の名称が「N-Port新座」に決定/グループ物流拠点の最適化のためにCXの一部拠点の機能も統合へ


日本出版販売(株)は、グループ全体で取り組む「物流再編プログラム」の第1弾として、2024年10月に埼玉県新座市に開設する新拠点の名称を「N-Port新座」に決定した。また、同施設開設に伴い、グループ物流拠点を最適化するため、カルチュア・エクスペリエンス(株)(CX)の一部物流拠点の機能を統合するとしている。
日本出版販売は、持続可能な出版流通の実現に向けて、同社グループ全体での「物流再編プログラム」を実行し、物流コストの低減とともに、取引先のニーズに合わせた最適な物流を提供することに取り組んでいる。その第1弾として開設するN-Port新座では、先般発表のとおり自動倉庫「ラピュタASRS」を導入も決まっており、同施設は、先端のロボティクスや倉庫管理システムなどで高度化された物流システムの実現を目指す新拠点と位置づけられている。
同施設の特徴としては、①書店様の売場展開に合わせた文具・雑貨商品などの出荷拠点を拡張し、保管・仕分・出荷などの物流機能を効率化する、②GTPなどのロボティクスを先行的に導入し、商品ピッキング作業の生産性を現状に比べて約3倍に向上させることが目標で、作業者の歩行距離を短縮することにより作業者の身体的負担を軽減する、③グループ共通となる新しい倉庫管理システムを導入し、業務フローを標準化することで、さまざまな状況に応じた物流サービスの提供を効率よく実現する、④半径3km圏内に日販グループの拠点が4つ集積し、延べ1万7,000坪あまりの作業拠点が集中する。これにより拠点間輸送などの輸送距離が短縮されるとともに、繁閑に合わせた作業スペース、人員の融通などが可能になる。また近隣には出版社の倉庫も多く隣接しており、すでに将来的な物流連携の検討を開始している、⑤法令で定められた耐火性能を有するほか、耐震性や強度、遮熱性、遮音性に優れた性能をもっており、安全で快適な就業環境を提供する。また構内に災害用備蓄品を常設し、災害が発生した時には構内の従業員のみならず、近隣住民への支援を行うことも想定している―の5点が挙げられている。
また、同施設では、前述のとおり、分散していたグループの物流拠点や機能の整理・統合による物流拠点最適化を目的に、CXの「厚木サテライト」と「西日本センター」の文具雑貨在庫出荷機能を統合する。これにより、グループとしての物流コスト削減を図るとともに、文具・雑貨商品の物流機能を効率化し、取引書店により一層のオールインワン物流の価値を提供していく。
なお、新拠点の続報およびその先の物流再編プログラムの計画については、改めて順次発表する予定だ。

※「N-Port新座」の施設概要
所在地:埼玉県新座市中野1-13-20
延床面積:7,670坪
稼働予定:2024 年10月より順次
主要業務:文具雑貨商品等の保管および仕分・出荷
      出版社様からの物流受託事業の拡張
      他社からの物流業務受託(3PL)
竣工・稼働日:2024 年4月1日
取扱商品:ビールテイスト、RTD、ワイン、洋酒、和酒などの酒類製品
配送エリア:広島県、島根県

■(株)湖池屋<3月22日>
岐阜県海津市の駒野工業団地に新工場「中部工場(仮称)」の建設を発表/全国5地域目の生産拠点開業による物流効率の改善も狙い


(株)湖池屋は、岐阜県海津市の駒野工業団地に、同社としては中部エリアで初の生産拠点となる「中部工場(仮称)」を建設する。新工場は、関東工場(第一・第二・第三)、京都工場、シレラ富良野工場、九州阿蘇工場に続く5地域目の生産拠点。2024年9月に着工し、2025年8月に竣工する予定だ。
新工場は、中長期の成長戦略における重要な生産拠点と位置付けられており、その建設は物流効率改善を図る狙いも含まれている。同社では新工場開業を起点に、岐阜県で生産した商品を、中部エリアをはじめ、全国に出荷する。開業後は、岐阜県産の原料などを活かした新商品開発やスナック菓子の領域を超えた新商品の開発等にも取り組む。設備面では、既存のポテト系商品の製造ラインをはじめ、スナック菓子の領域を超える新商品の製造ライン導入も計画しているという。

※「中部工場(仮称)」の施設概要
所在地 :岐阜県海津市 駒野工業団地内
敷地面積 :約2万9,000㎡
着工予定時期: 2024年9月
竣工予定時期 :2025年8月
投資額(見込み): 約100億円
生産品目: スナック菓子

■三井不動産(株)<3月25日>
神奈川県海老名市で開発していた「三井不動産ロジスティクスパーク海老名南」が3月31日に竣工/日本ロジテム(株)が1棟を賃借


 三井不動産(株)は、神奈川県海老名市で開発を進めていた「三井不動産ロジスティクスパーク海老名南」が3月31日に竣工すると発表した。同施設は、入居テナントである日本ロジテム(株)が1棟を賃借し、同社の神奈川県央地区(厚木・綾瀬・平塚・海老名)の3PL事業で注力する重要拠点と位置づけ、新たな収益の柱としていく予定だ。

〇同施設のスペック
1Fトラックバースは45ftコンテナ車両に対応し、1F倉庫の積載荷重2.0t/m2等さまざまな保管ニーズに対応する。また、72時間対応の非常用発電を備える等のBCP対応も充実している。

〇同施設における環境配慮
屋上には出力容量約750kWの太陽光パネルを設置。三井不動産がこれを運用し、施設内に再エネ電力を供給するほか、太陽光発電の余剰電力を活用するMFLP初の試みとして、施設外への売電に取り組む予定もある。このため、(株)パワーエックスの蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger Compact」1台を導入し、太陽光パネルの余剰電力を有効活用できる体制を整える。また、屋内照明のLED化により省エネも推進する。最高ランクの「ZEB」認証取得およびDBJ Green Building 4つ星を取得する予定で、MFLPでは3施設目の「グリーンエネルギー倉庫」になるとしている。
日本ロジテムは、2023年度を初年度とした中期経営計画において、「サステナビリティの推進」を重点施策のひとつに掲げ、環境や社会への負荷低減につながる事業活動を通じて持続可能な社会の実現をめざしており、物流施設の選定では環境への配慮を重視している。

〇MFLP初の「BIOPHILIC LOGISTICS CENTER」に
同社は、自然とのつながりが疲労感やストレスの低減、創造性や生産性、幸福度の上昇につながるとし、同施設には、この観点から注目されている 「Biophilic Design」を、独自の空間プロデュースブランド「parkERs」のもとに採用。ワーカーが心地よく自然とのつながりを感じることで、リラックス効果や生産性の向上が得られることを目指した、MFLP 初の「BIOPHILIC LOGISTICS CENTER」とする。

※三井不動産ロジスティクスパーク海老名南」の施設概要
所在地:神奈川県海老名市本郷517
敷地面積:1万8,110m2 (5,478.28坪)
延床面積:3万7,470m2 (11,334.68坪)
規模・構造:地上4階建て・S造
竣工:2024年3月31日

■(株)コメリ<3月25日>
グループ12か所目の物流拠点「コメリ静岡流通センター」を6月に開設/東海エリアへの出店強化と店舗までの配送リードタイム短縮を目指す


 (株)コメリは6月、静岡県菊川市にコメリグループ12か所目となる物流拠点「コメリ静岡流通センター」を開設する。新物流拠点開設は、同社重点施策の一つである「物流センターの強化」の一環としての取組。新物流拠点の開設により、静岡県内のみならず東海エリアへの出店強化、および店舗までの配送リードタイムの短縮化を図れるとしており、物流2024年問題への対応を進める考えだ。

※「コメリ静岡流通センター」の施設概要
所在地:静岡県菊川市嶺田5161-6
敷地面積:6,010㎡
延床面積:3,966㎡
開発・運営:北星産業(株)(コメリの100%子会社)
稼動予定:2024年6月1日
機能:TC(仕分けセンター)
管轄地域:山梨県・静岡県・愛知県

■(株)上組<3月25日>
大阪市南港地区で建て替えを進めてきた「上組南港R定温倉庫」が竣工/定温倉庫における取扱貨物の増加に対応し、安定的なサービスの提供を見込む


 (株)上組は、大阪市南港地区で建て替えを進めていた「上組南港R定温倉庫」が3月25日に竣工したと発表した。
 同社は、大阪府内3地区(南港、泉大津、りんくう)に定温倉庫を保有している。近年は、食品・穀物等の定温倉庫における取扱貨物の増加が著しく、今後もさらなる需要拡大が見込まれることから、増加する需要に確実に対応するとともに、安定的なサービスを提供するため、同施設の建て替えに踏み切ったとしている。
 今回、同施設が平屋建ての常温倉庫から5階建ての定温倉庫に建て替えられたことで、保管貨物の総量および取り扱える貨物の種類が大幅に増加し、3地区で保管し切れなかった貨物の保管に対応できるようになる。同施設は大阪港の中核に位置し、主要コンテナターミナルや阪神高速道路湾岸線のインターチェンジに近接するなど、立地面でも利便性が高い。同社は、同施設のこれらの強みを活かし、顧客ニーズに即した質の高いサービスを提供することで新規案件の獲得につなげる考えだ。
 同施設の建て替えにあたり、屋上一面には太陽光パネルを敷設しており、同施設内の使用電力の一部を賄うことで、環境負荷を低減する。

※「上組南港R定温倉庫」の施設概要
所在地:大阪市住之江区南港北2-3-85
延床面積:2万4,870.62㎡
敷地面積:1万2,000㎡
構造:鉄筋コンクリート造 5階建て
主要装備:定温空調設備(5℃~15℃ / 1万6,350 ㎡)、LED照明、屋上太陽光自家発電パネル、垂直搬送機3基、貨物用エレベーター1基
太陽光発電量:303.45Kw
竣工:2024年3月25日

■(株)アスコット、日本国土開発(株)、(株)ボルテックス<3月26日>
福岡県小郡市で開発中の「小郡ロジスティクスセンター」が竣工/吉田海運ロジソリューションズ(株)がテナントとして入居


 (株)アスコット、日本国土開発(株)、(株)ボルテックスは、SPC(特別目的会社)を通じて出資している「小郡ロジスティクスセンター」が2月29日に竣工し、3月1日に𠮷田海運ロジソリューションズ(株)がテナントとして入居したと発表した。
同施設の開発は、2021年に新規参入した物流施設開発事業の第3号案件で、アスコットとしては九州地方で初めての物流施設開発だとしている。アセットマネジメント業務はシービーアールイー(株)と(株)ボルテックス投資顧問が、プロパティマネジメント業務は シービーアールイー(株)が受託している。

〇汎用性を踏まえた施設仕様
・CASBEE A ランク取得。1棟5,000 坪の環境配慮型物流施設(2分割利用が可能なボックス型ドライ倉庫)
・幅8mの庇を設置し、全天候型のオペレーション対応が可能
・貨物EV2基・垂直搬送機3基と充実した上下搬送設備
・区画ごとに専用の事務所・休憩室を設置

※「小郡ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:福岡県小郡市山隈字向浦83-20
敷地面積:1万2,167.09㎡(3,680.54坪)※登記面積
延床面積:1万9,106.61㎡(5,779.74坪)※登記面積
構造種別・階数:鉄骨造・地上3階建て
スペック:天井高:梁下有効高5.5m、床荷重:1.5t /㎡、床形式:高床式、バース:14台
貨物用EV:2基(W3,000×D4,000×H3,000、積載荷重:3.5t)
垂直搬送機:3基(W3,000×D4,000×H3,000、積載荷重:1.5t)¬
駐車場:普通乗用車57台、トラック待機場:4台、駐輪場:15台
竣工:2024年2月29日

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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