物流施設 投資関連情報2023版<11.23~11.29>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■(株)福岡運輸ホールディングス<11月26日>
子会社の札幌定温運輸輸(株)が本社及び新センター建設に着手/新築冷蔵庫としては10年ぶりで2025年6月完成の予定


 (株)福岡運輸ホールディングスは、グループ会社の札幌定温運輸(株)が運営する本社及び新センターの建設に着手すると発表した。
 札幌定温運輸が運営する冷凍冷蔵倉庫としては、2013年の帯広営業所のセンター以来10年ぶりの新築冷蔵庫で、2025年6月完成予定だ。これに伴い、札幌定温運輸子会社の北海定温運輸(株)の本社も新センターに移転する計画。福岡運輸では、今回の取組による保管量増加で物流効率化が図れるとみており、物流品質についても一層の向上を目指すとしている。

※「札幌定温運輸輸㈱本社・新センター」の施設概要
所在地:北海道札幌市西区発寒11条12丁目
敷地面積:1万8,990㎡
延床面積:1万2,630㎡
構造:S造2階・塔屋1階建て
温度帯:-25℃~+5℃

■福山通運(株)<11月28日>
大阪府泉佐野市で「りんくう流通センター(仮称)」を着工/倉庫保管から流通加工、輸送までのワンストップサービスを展開する国際物流拠点に


 福山通運(株)は11月28日、大阪府泉佐野市に新設する「りんくう流通センター(仮称)」を着工した。
 同施設は、集配業務に加え、流通加工、保管業務を兼ね揃えるロジスティクスターミナル。関西国際空港へのアクセスに優れることから、同社では国内と海外をつなぐ国際物流拠点と位置付ける考え。同施設開設後は、同社ネットワークを最大限に活かし、倉庫保管から流通加工、輸送までのワンストップサービスを展開していく。

※「りんくう流通センター(仮称)」の施設概要
所在地:大阪府泉佐野市りんくう往来北 2-47
敷地面積:6,769.75 ㎡
延床面積:1万2,258.36 ㎡
その他:地上4階建て、鉄骨造
竣工予定:2024年秋

■プロロジス<11月28日>
東北地方で最大規模のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡」が竣工/賃貸面積の約20%について日本通運(株)の入居が決定


 プロロジスは、岩手県紫波郡矢巾町で建設を進めていたマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡」が竣工したと発表した。
 プロロジスは、東北エリアで宮城県仙台市などに賃貸用物流施設を展開しており、岩手県内での物流施設開発は同施設が初めて。東北エリアの物流施設では最大規模で、その延床面積は約10万㎡に達する。また、すでに賃貸面積の約20%について日本通運(株)の入居が決定しているという。

〇開発地:「物流2024年問題」への対応として
 同施設は、東北地方の物流動脈である東北縦貫自動車「盛岡南IC」から約4.7km(約8分)、県道13号からも約1.5kmと至近に位置する。南は仙台、北は本州最北まで3時間以内に到達可能で、青森・秋田・岩手の東北3県をはじめ東北地方広域への配送に最適な立地だ。
 プロロジスは、東北地方での物流施設開発を、仙台市を中心に展開してきたが、災害対策や、「物流2024年問題」への対応から、最近では東北地方でも拠点分散化ニーズが増加している。そこで東北の物流ハブとなっている仙台市周辺に加え、今後は北東北エリアにおける中間在庫拠点の開発地ニーズが岩手県紫波郡矢巾町周辺で高まると判断し、今回進出を決めたという。

〇北東北エリア:「物流2024年問題」イメージ
 北東北エリアには大型物流施設が少なく、なかでも各階アクセスにより平面使用が可能な最新鋭物流施設の建設は、今回が岩手県内で初めて。同県内では賃貸用物流施設の空きは希少で、北上エリアや花巻エリアの増床ニーズは高い。入居予定企業の日本通運(株)は、北東北エリアの拠点戦略の見直しから、同施設への入居を決定したとしている。

〇施設概要:十分な寒冷地・積雪対策、ワーカーへの配慮
同施設は、約7万4,000㎡の敷地に地上3階建て、延床面積約10万㎡のマルチテナント型物流施設。上り下り専用のスロープを設け、各階のトラックバースに45フィートコンテナセミトレーラーがアクセス可能な仕様となっている。ワンフロアでの賃貸面積は最大約1万9,000㎡。最小約5,000㎡からの賃貸が可能で、最大12企業が入居できる。1階は、低床式で床荷重は2t/㎡と重量物にも対応。2階は、中央車路を挟んで西側の区画は4面にバースを有し、東側の区画は片面バースを採用している。3階は、中央車路を挟んだ東西2区画に専用バースを備えているという。
 同施設は、地形を利用した高低2段構造になっており、高低差を利用して、1階へも2階へも道路レベルから直接乗り入れが可能。スロープを利用すれば、3階へも直接アクセスすることができる。敷地内は全て一方通行とし、各階の出入り口を中央車路で繋げる構造を採用したため、安全で機動性の高い通行と荷捌きを実現する。
 寒冷地・積雪対策として、施設内の傾斜部分にロードヒーティングを敷設。雨どいにはヒーターを設置し、複数台のホイールローダーを敷地内に整備するなど、万全の体制を整えた。
 環境負荷低減への取組としては、施設屋根面に5.3MWの太陽光発電設備の設置を計画。倉庫内には、通常のLED照明比で電力使用量を半減できる高天井用センサー付きインテリジェントLED照明(プロロジス共同開発)を設置し、施設内及び入居企業のESG推進に寄与する。これらの取組により、CASBEE Aランク、BELSの最高位5スターのほか、ZEB認証を取得する予定。今後は、電気自動車用の充電設備も設置する予定だ。
 同施設の館内人口は500人程度を想定。施設内でワーカーが快適に過ごせるよう、カフェテリアには24時間営業の無人コンビニエンスストアや無料Wi-Fiを設けた。もともと植わっていた敷地内の樹木は、カフェテリアの内装材やエントランス庇の軒裏天井に再利用したという。また、「異彩を、放て。」をミッションに、主に知的障害のある作家と契約を結び、アートのライセンスビジネスをはじめとした多様な事業を手掛ける福祉実験カンパニー「ヘラルボニー」(盛岡市)の理念に共鳴し、契約作家である八重樫季良氏の作品を、施設空間を彩るアートとして採用した。外構部分についても、歩道部の「インターロッキング」の素材に再生プラスチックを採用。 再生プラスチックは、トラックバースのカーストッパーの一部にも使用しており、脱炭素社会実現に貢献するものとした。
 防災、BCPの一環として、緊急地震速報システムや災害用無線機「ハザードトーク」を導入。さらに停電時でも共用部の電力を72時間程度維持する非常用発電機を導入したほか、停電時に利用可能な組立型簡易トイレを準備している。この他にも、普段はベンチとして使い、災害時にはかまどとしても利用できる「かまどベンチ」を設置。館内は常時有人警備を実施し、24時間365日、入居企業の事業継続をサポートする体制となっている。

※「プロロジスパーク盛岡」の施設概要
所在地:岩手県紫波郡矢巾町大字広宮沢
敷地面積:7万3,713.12㎡
延床面積:9万9,604.61㎡
構造:地上3階建て、鉄骨造
着工:2022年3月
竣工:2023年11月

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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