キリンホールディングス(株)⇒「キリンサプライチェーン環境プログラム」をスタート/サプライヤー17社とのさらなる協働でGHG Scope3排出量削減を目指す

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 キリンホールディングス(株)は4月、GHG Scope3排出量削減に向けた取り組みを推進するため、「キリンサプライチェーン環境プログラム」をスタートした。同プログラムは、同社との取引においてGHG Scope3排出量の多い17社のサプライヤーが参加し、「GHGの実排出量データの相互開示」「SBT(科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標)水準のGHG排出量削減目標設定依頼・支援」「GHG排出量削減に向けた協働取り組み」を推進するもの。同社が中期目標に設定している「2030年までに2019年比でグループ全体のGHG Scope3排出量を30%削減」の1/3に当たる10%の削減に寄与する。
 同社は2020年2月に策定した「キリングループ環境ビジョン2050」で、「気候変動を克服している社会」を目指し、「バリューチェーン全体のGHG排出量をネットゼロにする」という長期目標を設定。2022年には、食品企業として世界で初めてSBTネットゼロの認定を取得している。また、長期目標の達成に向けた中期目標として、2030年までに2019年比でグループ全体のGHG Scope1とScope2排出量合計50%減、Scope3排出量30%削減を掲げている。
 同社のGHG Scope3排出量で最も多いのは「国内食領域の原料・資材の製造・輸送」で、同社はこの実態把握や削減に向け、これまでもサプライヤーと協働してきた。一例として、全サプライヤーに対し気候変動への取り組みを盛り込んだ「キリングループ持続可能なサプライヤー規範」遵守の協力を要請しているほか、サプライヤー各社におけるGHG排出量の把握状況や、削減目標の設定状況についての調査も行ってきたという。
 今回のプログラムスタートは、こうした取り組みを通じて「実排出量データの相互開示」「SBT水準の目標設定」「削減に向けた協働取り組み」の課題が判明したことから、これら課題を解決するために実行の運びとなったものだ。
 同プログラムでは、前述のサプライヤー17社とともに3年間の取り組み計画を立て、毎年活動をローリングしている。同社は参加サプライヤーに取り組みを依頼するだけでなく、サポートメニューなども用意しており、今後も協働のための取り組みを推進していく。

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