■物流施設 投資関連情報2023版<11.16~11.23>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■佐川グローバルロジスティクス(株)<11月16日>
冷凍冷蔵倉庫「Cold Logi船橋」で保税蔵置場の許可を取得/生鮮品や冷凍食品などを含めた温度管理が必要な外国貨物の取り扱いが可能に


 佐川グローバルロジスティクス(株)は11月1日、2023年7月から千葉県船橋市で運営する冷凍冷蔵倉庫「Cold Logi船橋」内の保税蔵置場について、横浜税関から許可を取得した。これにより、外国貨物(外国から到着した輸入手続き未済の貨物等)の取り扱いが可能。生鮮品や冷凍食品など温度管理が必要な商材を輸出入するユーザーに、リードタイムの短縮やコストの削減など、より効率的な物流サービスを提供していく。

〇保税蔵置場について
<対象区画>
1階 1,790.94㎡、3階 1,590.78㎡、合計3,381.72㎡
<保税蔵置場の許可取得のメリット>
・蔵置期間中の外国貨物には関税や消費税が課されないため、その税負担が不要となり、物流コストの削減につながる。
・外国貨物の状態で輸出入品の点検、改装、仕分け、手入れや値札付などの作業を行うことが可能となる。
・蔵置場で通関から出荷準備まで一貫して行うことで、輸送コスト、流通時間の削減にも貢献することができる。

※「Cold Logi船橋」の施設概要
所在地:千葉県船橋市栄町2-2-13、2-15、2-174、2-205
契約面積:約6,958㎡

■日本通運(株)<11月17日>
静岡県浜松市の新倉庫「浜松物流センター」が稼働/電子機器の保管・検品のほか、キッティング作業や流通加工にも対応


 日本通運(株)は11月1日、静岡県浜松市で新倉庫「浜松物流センター」を稼働させた。
 静岡県浜松市は、日本有数の「ものづくり都市」として知られ、繊維・楽器・輸送用機器・電子技術関連等の先端技術産業など、数多くの多様な産業が集積するエリア。同倉庫は、高度なセキュリティエリアを備えており、厳重な管理が求められる電子機器の保管・検品をはじめ、キッティング作業や流通加工を行うことが可能。高床ホームにはドックレベラーを備え、海上コンテナを含む様々な輸送モードに対応できる。
 同社は今後、カメラ検品システムや自動仕分が可能なロータリーラックなどの最先端物流システム導入を予定しており、スピーディーで高品質な物流サービスを提供していく考えだ。

※「浜松物流センター」の施設概要
所在地:静岡県浜松市中区神田町1399-1
構造:鉄骨造2階建て(準耐火構造)
延床面積:9,481.20㎡
主要設備:ドックレベラー3基、エレベーター2基、オートレーター1基
営業開始日:2023年11月1日

■(株)虎の穴<11月17日>
新物流センターを千葉県八千代市に移転/生産性向上や顧客満足度向上、従業員の環境整備、継続的な成長強化が目的


 ユメノソラホールディングスのグループ会社で、マンガ及びアニメ・同人誌やキャラクターグッズ等の委託流通販売事業を行う(株)虎の穴は、同社の物流センター「とらのあな物流センター(TLC)」を移転し、2023年11月17日に本格稼働させた。

〇移転の背景
 コロナ禍を迎えた頃から通販の急激な需要増が生じ、現在の物流センターではソフト面・ハード面とも対応が難しい状況が増えてきた。こうしたなか、顧客ニーズに応えるためには24時間365日稼働可能なオートメーション機能を駆使した物流システムをゼロから構築できる新拠点への移転が不可避であると判断。将来的な稼働の想定を踏まえ、千葉県八千代市の「プロロジスパーク八千代1」への移転を決定した。

〇主な目的
・生産性の向上
物流プロセスのDX化により効率的な配送体制を確立し、迅速かつ確実に商品を届ける。
・顧客満足度の向上
倉庫管理をオートメーション化することにより、配送する商品の品質保持と高い信頼性を提供。
・従業員の環境整備
センター内のアメニティ性能の充実を図り、携わる従業員が快適かつ効率良く働ける就業環境を整える。
・継続的な成長強化
同社EC事業の成長・拡大に伴い、今後も積極的な設備投資を図ると同時に、物流プロセスやアフターサービスの継続的な強化を図る。

〇今後の展望
同施設は、今回の移転での「AutoStore」システムの導入に伴うオートメーション機能により、高生産性を実現していることから、ポストサイズの投函発送物の出荷発送力については国内でも指折りの機能を有する物流センターとなる。

※「とらのあなロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:千葉県八千代市保品1809-1
従業員数:約200名
取扱商材数:約8万アイテム
延床面積:1万1,418㎡
機能:同人誌・コミック・アニメグッズの在庫保管、入出庫・検品業務

■大和物流(株)<11月20日>
「(仮称)鹿児島臨空物流センター」開発を決定/霧島市と霧島氏鹿児島臨空工業団地における立地協定締結も決定


 大和物流(株)は、鹿児島県霧島市での物流施設「(仮称)鹿児島臨空物流センター」の開発を決定した。また、同施設の開発決定に伴い、2023年11月14日には、霧島市と霧島市鹿児島臨空工業団地における立地協定を締結した。

〇同施設開設の目的
 同社はこれまで九州エリアにおいて、九州全域をカバーする物流拠点として「福岡物流センター」(福岡県糟屋郡)と「鳥栖物流センター」(佐賀県鳥栖市)を、2次配送拠点として「鹿児島営業所」(鹿児島県霧島市)を運営してきた。2024年度からドライバーの時間外労働に上限規制が適用されるため、従来体制での長距離輸配送が行えなくなることから、今後は南九州エリアにおいて在庫・2次配送拠点の需要が高まると判断し、同施設開設を決めた。

〇 同施設の特長
・九州南部の広域配送を担う好立地
 同施設は、九州の主要高速道路である九州縦貫自動車道「溝辺鹿児島空港IC」から約950mの距離にあるため、九州南部の広域物流拠点として鹿児島県・宮崎県・熊本県への配送に適する。
・ハイブリッドバース、幅広い荷物に対応
 同施設は、高床式と低床式の両方のバースを備えており、様々な荷物・荷役方法に合わせて効率的に入出庫作業ができる施設仕様となる。

〇 立地協定の締結について
・立地協定の締結
 同社は、霧島市と霧島市鹿児島臨空工業団地における立地協定を締結。同施設開設で、地域における雇用創出や物流の効率化などを通じて、地域経済の活性化に寄与することを目指す。
・調印式概要
 立地協定の締結にあたって、鹿児島県立ち合いのもと11月14日に霧島市で調印式を執り行った。

※「(仮称)鹿児島臨空物流センター」の施設概要
所在地:鹿児島県霧島市溝辺町麓字山神321-10ほか
敷地面積:1万8,972.31㎡
延床面積:1万9,074.00㎡
構造:鉄骨造 地上2階建て
バース形状:西面:高床式/北面:低床式
床荷重:1階:2.0t/㎡、2階:1.5t/㎡
搬送設備:荷物用エレベーター 4.6t:1基、3.6t:2基  垂直搬送機 1.8t:1基、1.5t:1基
環境設備:全館LED照明導入 ソーラーパネル敷設(※容量未定)
着工:2023年12月15日予定
着工:2024年4月1日予定
竣工:2025年4月30日予定
稼働:2025年5月1日予定

■川崎汽船(株)<11月20日>
インドネシアで総合物流事業を展開するグループ会社が完成車用物流新施設の運営を開始


 川崎汽船(株)は、インドネシアで総合物流事業を展開するグループ会社、PT.“K” Line Total Logistics Indonesia社が11月初旬からジャカルタにおいて完成車用物流施設「Kline Vehicle Processing Center」の運営を開始したと発表した。同施設は、ジャカルタ港から約10kmに位置するマルンダ地区の物流施設が集積するマルンダセンター内に設置されている。
同社の子会社のPT. “K” LINE INDONESIAは、2003年に現地企業Mobaru Diamond社と合弁でKMDI Logistics社を設立。以来、20年間にわたってキャリアカーによるインドネシア国内の完成車陸送事業を展開してきた。今回の新施設は、近年急成長を遂げている中国の電気自動車(BEV)メーカーの合衆汽車(ブランド名 NETA MOTOR)のインドネシア市場進出に伴い、その完成車物流業務を受託し、運営開始したものだという。

〇同施設の運営開始に伴って提供される完成車総合物流サービス
・ ジャカルタ港で水揚げされた完成車をKMDI Logistics社が施設まで陸送
・ Kline Vehicle Processing Centerで保管およびディーラーへの引き渡し前に各種点検(PDI-Pre Delivery Inspection)
・ KMDI Logistics社による最終配送

■(株)DROB<11月21日>
事業拡大に伴いJP楽天ロジスティクス(株)の「RFC市川2」に倉庫・物流拠点を移転


 (株)DROBEは、事業拡大に伴い、倉庫・物流の拠点をDROBEの株主である日本郵政キャピタルの関連会社、JP楽天ロジスティクス(株)が運営する「Rakuten Fulfillment Center 市川2」に移転した。同施設に入居した3PL企業の第1号で、11月から本格稼働を開始した。
 DROBEは、プロのスタイリストとDROBE独自のAIが、ユーザーの嗜好や体型、予算に応じた商品を選択し、商品を宅配するパーソナルスタイリングサービスを2019年から展開。サービス開始以降、提携アパレルブランドからのアイテムの取り寄せ・梱包・発送・検品など多岐にわたる複雑なフローを構築し、事業を順調に拡大してきた。
 今回は、事業拡大に伴う取扱アイテム・ブランド数などの増加への対応や、更なるスムーズな物流オペレーションの実現を目指し、JP楽天ロジスティクスの運営する同施設に移転したものとなっている。

※「Rakuten Fulfillment Center 市川2」の施設概要
所在地:千葉県市川市塩浜1-6-3
延床面積:約5万㎡

■日本GLP(株)<11月22日>
大阪市茨木で3棟目となるマルチテナント型物流施設「GLP ALFALINK茨木3」を着工/入居企業と地域のつながりを作り、地域経済・コミュニティ活性化を牽引


 日本GLP(株)は、大阪府茨木市で延床面積約12万㎡の先進的物流施設「GLP ALFALINK茨木3」を着工し、起工式を執り行った。
 同施設は、総延床面積約32万㎡の大規模多機能型物流施設「GLP ALFALINK茨木」の3棟目で、3棟の中央に位置するマルチテナント型先進的物流施設として、2025年7月に竣工する予定だ。(株)ケイシンと他1社の計2社と、着工前に賃貸借予約契約を締結しており、総賃貸面積2万8,230㎡の賃借がすでに決定している。
 「GLP ALFALINK茨木」は、土地区画整理事業「イコクルいばらき」の一部として建設されているもので、中でも「GLP ALFALINK茨木3」は、同区画内に立地予定の商業施設に一番近い位置に建設される予定。敷地の入口には、公園を整備し、散策路やベンチ、遊具などを備えた憩いの場を提供する。
 「GLP ALFALINK茨木3」内には、コンビニエンスストアや従業員用のカフェテリア、ラウンジなどを設け快適な就労環境を整備する。また、入居企業による情報発信やイベントなどが開催できるギャラリースペースを設け、一般人の入場も可能とする意向だ。2階からは、一般人も利用可能なカフェテリアのほか、イートインスペースを備えた共用棟と「GLP ALFALINK茨木1・2」に直結する渡り通路を設け、歩車分離を実現するとともに、人々の交流や新たなビジネスの創出を促す。
 同施設は地上6階建てで、ダブルランプウェイを備える。最大20社の入居が可能。各階にはバースを完備し、入居企業の効率的なオペレーションをサポートする。1区画800坪から賃貸が可能で、1階には温度帯別での物品保管や、加工設備の設置が行えるなど、入居企業の多様なニーズに対応する。隣接する「GLP ALFALINK茨木1」の6階には佐川急便(株)の入居が決定しており、入居企業は効率的な荷物の出荷・集荷が期待できる。

〇同施設の立地
・ 大阪府道14号沿いに位置し、名神高速道路、近畿自動車道、中国自動車道の結節点となる「吹田JCT」から約6.2kmとアクセスに優れた立地。
・ 近隣にトラックターミナル、卸売市場、鉄道貨物ターミナルなどの物流関連施設があり、物流拠点としての高いポテンシャルを有する。
・ 大阪内陸での人口密集地である北摂エリアに立地することから、雇用の確保も容易。

〇同当施設の特長
・ 地上6階建てで、最大20社が入居可能なマルチテナント型施設。1区画800坪から賃貸可能な柔軟な区画設定。
・ 1階に両面バース、2-6階に片面バースを完備し、効率的なオペレーションをサポート。また、各階への効率的なアクセスを可能にするダブルランプウェイを整備。
・ 1階には温度帯別の設備や、加工設備の設置が可能。
・ 倉庫棟内には、コンビニエンスストアや従業員用のカフェテリア、ラウンジなどを設け、快適な就労環境を整備。
・ 2階からは、共用棟のほか「GLP ALFALINK茨木1・2」に続く渡り通路が設けられ、「GLP ALFALINK茨木」内の人の往来を促すとともに、さまざまなアメニティ施設や公園などへのアクセスが容易。
・ 2階には一般人の入場可能なギャラリースペースを設置。入居企業の情報発信や、従業員向けイベント、地域イベントなどの実施が予定されている。
・ トラック待機場近くにシャワー室を設け、トラックドライバーの労働環境向上に貢献。
・ 人材派遣会社が入居し、入居企業の雇用確保をサポート。
・ 周辺環境や景観とのつながりを生むよう、施設外観のデザインには背景となる空と山に呼応するブルーとグリーンのグラデーションを採用。

〇同施設の当施設のサステナビリティへの取組
日本GLP(株)は、GLPグループが掲げるサステナビリティ原則に沿って、カーボン・ニュートラルの実現や地域社会への貢献、BCP対策等、「持続可能な資産の開発・運営」のための取組を推進しており、同施設では以下の対応を予定している。
・ 災害への対応:BCP面では、地震対策として、免震PC造を採用し安全性を確保するほか、非常用発電機や井水利用装置、ダブルランプウェイの各階アクセスの装備することで、事業の継続性を確保。
・ 再生可能エネルギーの活用:環境配慮として、太陽光発電設備の設置を検討中。入居企業の脱炭素化に向けたサステナビリティ推進への取り組みをサポート。
・ 環境認証の取得:LEED GOLD、ZEB Ready認証を取得予定。

※「GLP ALFALINK茨木3」の施設概要
所在地:大阪府茨木市南目垣・野々宮区画整理事業地内
敷地面積:約4万7,000㎡
延床面積:約12万㎡
構造:地上6階建て、免震造
着工:2023年11月
竣工:2025年7月末(予定)
認証取得:LEED GOLD認証、ZEB Ready認証取得(予定)

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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