■物流施設 投資関連情報2022版<4.21~4.27>

  • URLをコピーしました!

<2022年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■(株)MonotaRO<4月21日>
⇒在庫保有能力60万点の新物流拠点「猪名川DC」が本格稼働、DXやAGVを使った効率的な物流を実現


 (株) MonotaROは、2021年11月に竣工した新大型物流拠点「猪名川ディストリビューションセンター(猪名川DC)」(兵庫県河辺郡)を2022年4月20日に本格稼働した。自動搬送ロボットや自動荷揃え装置の活用のほか、システムによる配送区分選定の自動化など、テクノロジーとオペレーションの力を増強しており、同社では猪名川DC本格稼働を通じ、顧客利便性向上に貢献するとしている。
 同社は前年比約20%の成長を続けており、猪名川DCは、それに伴う物量の増加、物流における出荷能力および在庫保有能力増強のほか、物流効率化に対応するために設置し、稼働させたもの。2017年に稼働した「空間ディストリビューションセンター」と2021年に稼働した「茨城中央サテライトセンター」と合わせ、顧客へのより迅速な商品配送を実現する。猪名川DCでは、物流効率化向上と従業員の負担軽減を目的に、小型無人搬送ロボット(AGV)を約800台導入。2022年3月に稼働した新規システムとの連携など、オペレーションの自動化・省力化を推進している。2023年の第2期稼働時には、従来の1. 6倍となる出荷能力を付与する予定で、さらなる生産性向上を実現するとしている。

■三菱地所(株)<4月22日>
⇒「ロジクロス座間」建設工事に着手、「ロジクロス」ブランドリニューアル後のマルチテナント型で最大規模の物件に


 三菱地所(株)は、神奈川県座間市栗原における大型マルチテナント型物流施設「ロジクロス座間」建設工事に着手した。本施設は、2021 年に実施した「ロジクロス」ブランドリニューアル後初めての開発物件で、「ロジクロス」ブランドのマルチテナント型物流施設としては延床面積が過去最大の物件となる。また、同社の物流施設開発実績は、2022年3月4日竣工の「ロジクロス座間小松原」で20棟目の節目を迎えたとしている。
 ロジクロス座間は、ブランドリニューアルを行った「ロジクロス」が掲げる4つの価値である「安全性」、「快適性」、「機能性」、「柔軟性」を軸に計画された。「安全性」については、免震構造の採用、防災倉庫の設置、井戸の設置による水源確保や、1,000kVA の大容量非常用発電機を設置し、共用部とテナント専有部に24時間以上の電力供給することでテナントの業務継続を支援する。「快適性」については、南北の大規模休憩室に施設内売店を設置することに加え、テナント企業が利用できる貸会議室やシャワールームを備えるなど、施設ワーカーの働きやすさ向上にも配慮した設計とする。また、テナント用の電源容量を確保することや危険物倉庫2棟を敷地内に計画すること等を通じて最新のスペックを発揮する「機能性」を拡充させるとともに、床スラブの将来開口対応や最上階の柱を間引くことで荷物保管やマテハン機器のレイアウトを可能にするなど、テナントのより広いニーズに答える「柔軟性」を備えるとしている。
 一方、ロジクロス座間小松原では、物流業界における人手不足の課題解決を目指し、倉庫内のロボティクス利用拡大に寄与する施設づくりを推進。G2P Robotics (Goods to Person Robotics)の運用時などに要求される倉庫コンクリート床の平坦性、レベル精度をより高めていく取り組みについては、床コンクリート設計・施工・適合性試験分野で世界的なリーディングカンパニーである CoGri Group(英国)の日本法人、CoGri Japan社と協業し、最先端の床コンクリートソリューション活用のほか、倉庫床に特化したコンクリートの配合調整や床仕上げ方法の工夫等により、日本初の「TR34 4th Edition FM2 クラス」を達成。CoGri Japan社との協業によるノウハウは、今後の三菱地所の開発物件にも活かしていくとしている。
 三菱地所グループは、グループ全体の温室効果ガスの中長期排出削減目標を掲げ、2050 年まで の事業で使用する電力を100%再生可能エネルギー化することを宣言している。ロジクロス座間小松原でも環境負荷軽減対策を積極的に採用。屋根上におけるPPAモデル太陽光発電設備の設置や、太陽光パネルにより発電した電力を施設内での使用により、自家消費型スキームを活用する等の取り組みを実施している。建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)で定める最高ランク評価の「『ZEB』認証を取得しており、「ロジクロス海老名」(2020年11月竣工)以降の物件では、今後も原則BELSを取得する方針だ。

※「ロジクロス座間」の計画概要
所在地:神奈川県座間市小松原2丁目
敷地面積:約21,900㎡(約6,600坪)
延床面積:約44,300 ㎡(約13,300坪)
構造:S造、地上4階
用途:マルチテナント型物流施設
着工:2020年11月1日
竣工:2022年3月4日

■ユーピーエス・ジャパン(株)<4月25日>
⇒「UPS新木場集配センター」を拡張リニューアル、センター機能はUPSにおけるアジア最大規模に


 ユーピーエス・ジャパン(株)は、「UPS新木場集配センター」(東京都江東区)の施設を拡張リニューアルした。荷捌きスペースは従来の2倍以上となり、地域の集荷・配送業務として利用する「センター」機能を有するUPS施設ではアジア最大。同社ではこの拡張リニューアルにより、貨物取り扱い能力を増強し、コロナ禍からの物流量の回復や、旺盛な越境EC需要などへの対応に加え、東日本エリアの営業強化につながるとしている。
 これまで本施設は、「プロロジスパーク東京新木場」の1階一部を使用していたが、今回の拡張で4階の全フロアを増床。首都高速道路湾岸線「新木場IC」から1.4kmと利便性が高く、リードタイムの短縮が求められる空港貨物の取り扱いに最適な施設となっている。
 なお、4月1日に同社代表取締役社に就任した西原哲夫氏は同月21日に行われたセレモニーで「日本国内のネットワークの拡充や新木場集配センターの拡張などの積極的な投資が示す通り、UPSが日本に根付いた企業として、物流を通じてお客様への幅広いサポートを展開し、これからもお客様から最初に選ばれる選択肢であり続けることを目指します」と述べた。

※「UPS新木場集配センター」の施設概要
所在地:東京都江東区新木場1-12-10 プロロジスパーク東京新木場
延床面積:1万741㎡
1階 上屋スペース: 4,816㎡、
1階 オフィス:725㎡、
4階 集配センター:4,460㎡、
4階 オフィス:740㎡

■(株)ハピネット<4月25日>
⇒西日本の物流センターを東大阪市に移転、佐川急便(株)営業所同居による物流効率化でCO2排出量を年間約15t削減


 玩具やビデオゲーム、映像・音楽ソフトなどエンタテインメント商材の流通及び企画販売事業を展開する(株)ハピネットは2022年5月16日、西日本の物流センターを大阪府東大阪市に移転し、「ハピネット東大阪ロジスティクスセンター」として稼働させる。
 移転先施設は、佐川急便(株)を中核とするSGホールディングスグループで不動産賃貸・管理・開発事業を展開するSGリアルティ(株)竣工の施設内。本施設は佐川急便の配送機能を有しており、物流業務の効率化と輸送リードタイムの短縮、さらに輸送エネルギーの削減が見込める。従来、集荷や配達のため、ハピネット物流センターと佐川急便営業所の間を往復していた輸送が不要となり、トラック走行によるCO2排出量も年間約15tの削減が可能で、現状排出量から95.5%の削減率を達成できるとしている。また、本施設では、LED照明等による省エネルギー化を推進するほか、太陽光発電システムと蓄電池設備を導入し、不足する電力をCO2フリー電力で賄う仕組みとしており、環境に配慮したサステナブルな物流施設として、「BELS」最高ランクである「ZEB」認証を2021年5月18日に取得している。
 本施設の立地エリアは、大阪中央環状線や阪神高速東大阪線など主要道路の結節点となっているため、隣接する大阪市のみならず大阪府全域への広域配送に最適。大阪メトロ中央線と直結する近鉄けいはんな線「吉田駅」から徒歩15分に位置するため、本施設従業員にとっても利便性が高く、人材確保の面でも優位性があるとしている。
 本施設は、災害発生時に事業の早期復旧を可能とする施設を目指し、緊急地震速報受信機器の導入や、太陽光パネルからの電力を蓄える蓄電池設備により、停電時にも施設一部の利用を可能にする計画を盛り込むなど、防災面にも配慮した設計となっている。

※「ハピネット東大阪ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:大阪府東大阪市吉田下島1-10 SGリアルティ東大阪
延床面積:2万734m²(6,238坪)
建物構造:鉄骨造

■ダイコー通産(株)<4月25日>
⇒東京営業所及び東京物流センター新築移転計画で東京・江戸川区内に用地取得


 ダイコー通産(株)は、2022年4月25日開催の取締役会で東京営業所及び東京物流センターの新築移転のための建設用地を取得した。
同社は、需要が増加している東日本ブロックの物流網の拡充のため、東京営業所及び東京物流センターの新築移転を計画し、建設用地の選定を進めてきた。今回、同社の希望条件に合致した建設用地が見つかり、取締役会を経て取得するに至ったという。

※「新東京営業所」及び「東京物流センター」建設用地の概要
所在地:東京都江戸川区臨海町三丁目6番8
土地面積:1,300.04 ㎡
契約締結日:2022年5月17日(予定)
物件引渡日:2022年5月31日(予定)

■大和物流(株)<4月26日>
⇒「兵庫小野物流センター」を開設、マルチテナント型物流施設「DPL兵庫小野」の一部を賃借


 大和ハウスグループの大和物流(株)は、大和ハウス工業(株)が開発したマルチテナント型物流施設「DPL兵庫小野」の一部を賃借し、2022年4月15日に「兵庫小野物流センター」として開設した。
 2024年以降、労働時間制約により、ドライバーが一度に運べる輸送距離に限りが出てくることから、在庫の分散化や中継輸送の実施による輸送距離の短縮など、物流センターを活用した物流効率化に対するニーズが高まっている。こうした中、大和物流では、昨年度、全国5か所(延床面積12万8,869.3㎡、約3万8,983坪)の物流センターを開設するなど物流拠点の拡充を加速し、荷主企業の物流ネットワークの再構築に対応してきた。今回もその一環として、兵庫エリアの物流基盤の強化を目的に、兵庫県小野市に新たな物流拠点を開設したもので、保管や流通加工機能も有する3PL拠点、関西方面で貨物を取り扱う荷主企業向けの中継・2次配送拠点などとして、幅広い物流ソリューションを展開していく。
 本施設は、山陽自動車道「三木小野IC」から約4.3km、中国自動車道「滝野社IC」から約14kmに位置し、大阪市内や神戸市内に約1時間でアクセスできる交通利便性に適した立地環境にある。また、広島市から約270km、松山市から約300kmの距離にあり、中四国エリアから関西方面へ貨物を出荷する際の中継拠点としての活用などにも適している。
 本施設は、地上2階建て、各階約4,700㎡(約1,421坪)の床面積を有し、建物の両面に配置されたトラックバースを活用することで、入出庫頻度が高くスピーディーな荷捌きを要する通過型センターとしての運用にも対応可能だ。

※「兵庫小野物流センター」の施設概要
所在地:兵庫県小野市池尻町字打越629-67
運用面積:9,381.34㎡(2,837.86坪)※事務所部分除く
構造:鉄骨造地上2階建て・高床式
床荷重:各階1.5t/㎡
搬送設備:貨物用エレベーター2基(3.5t)
稼働:2022年4月15日

■日本GLP(株)<4月26日>
⇒福岡県小郡市で「GLP 福岡小郡」を開発、九州の増大する物流ニーズに対応


 日本GLP(株)は、福岡県小郡市で延床面積約9万1,000㎡の先進的物流施設「GLP福岡小郡」を開発する。投資総額は約145億円で、2022年7月に着工し、2023年11月に竣工する予定だ。
 本施設は、長崎自動車道「鳥栖IC」より約2.7km、九州横断自動車道と九州縦貫自動車道の結節点となる「鳥栖JCT」より約700mと、九州全域への広域配送が可能。西鉄天神大牟田線「西鉄小郡駅」と甘木鉄道「小郡駅」から徒歩圏内と通勤アクセスも良く、住宅エリアも近くにあることから、雇用確保の点からも優位性がある。
 本施設は、3階に繋がるスロープを設置する計画で、1・2階、3・4階の組み合わせによる2層使い方式で最大8テナントの入居が可能。各区画には荷物用エレベーターと垂直搬送機が設置され、効率的なオペレーションを実現する。環境配慮面では、自家消費型の太陽光パネルを設置し、グリーン電力の館内供給、LED照明、室内と室外の空気を効率的に換気できる全熱交換器等の省エネルギー設備の導入。また、約2,000㎡以上の緑地化により冷暖房効率を高めることでCO2排出を抑制し、入居企業のオペレーションの環境負荷軽減に寄与する。
 労働環境としては、アクリルパネルを設置した従業員用ラウンジや非接触型のエレベーターなどの感染症対策を施し、快適性と安全性を高める。外に繋がるウッドデッキから直接アクセスできる「リビングラボ」を取り入れ、ワーカーだけでなく、地元住民も利用できる空間を創出する。災害時の避難場所や、地域の集会所、ファーマーズマーケットなどのコミュニケーションの場としての提供のほか、気軽に休憩をしながらくつろいでもらう場所とすることも検討しており、ワーカーや地元住民のより豊かな生活のサポートにもつなげる。

※「GLP 福岡小郡」の施設概要
所在地:福岡県小郡市小郡923-12
敷地面積:約4万3,000㎡
延床面積:約9万1,000㎡
構造:地上4 階建て、耐震S造
着工:2022年7月
竣工:2023年11月
認証取得:CASBEE認証(予定)、ZEB認証(予定)

■日本GLP(株)<4月27日>
⇒物福岡県糟屋郡で「GLP 福岡粕屋」が竣工、一棟全体をJP楽天ロジスティクスが専用施設として利用


 日本GLP(株)は、福岡県糟屋郡粕屋町で延床面積4万1,000㎡の先進的物流施設「GLP 福岡粕屋」が竣工し、さらにJP楽天ロジスティクス(株)が専用施設として一棟全体を利用することを明らかにした。
 九州エリアでは、福岡市近郊を中心に先進的物流施設への需要が近年高まっている。全国的なEC需要の拡大やアジア市場への輸出拡大、そして福岡都市圏人口の増加などを受け、今後も旺盛なニーズが続くと見られており、JP楽天ロジスティクスでは、包括的な物流・配送サービスを構築するために本施設を活用する予定だ。
 本施設は、敷地内の車両による周回が可能で、入出荷エリアを分けられる両面バースを備えており、効率的なオペレーションが行える。設計段階で建物とマテハンのBIMデータを重ね合わせ3次元に可視化することにより、相互干渉の有無などの確認がしやすいほか、マテハンのスムーズな設置も可能。高度なマテハンシステム導入に対応するため、柔軟な防火区画の設定や十分な電力供給も確保した。就労環境の面では、カフェテリアや無人売店を設置するスペースを設け、労働環境の快適性向上をサポートしている。
 本施設は、九州自動車道「福岡IC」から約1.5kmの至近に位置し、福岡市内のみならず九州全域へのアクセスに便利で、エリア配送および広域配送の拠点として優位性がある。また福北ゆたか線「門松駅」より約1.7 kmに位置し、周辺エリアは住宅地や工業団地が多く、労働人口が豊富であることから、雇用確保もしやすい立地だという。

※「GLP 福岡粕屋」の施設概要
所在地:福岡県糟屋郡粕屋町大字上大隈字部木原758
敷地面積:約2万500㎡
延床面積:約4万1,000㎡
構造:地上4階建て、耐震・鉄骨造
着工:2021年2月
竣工:2022年4月末
認証取得:CASBEE(新築)認証(予定)、ZEB認証(予定)

■福山通運(株)<4月27日>
⇒福山通運グループ「福岡支店」のリニューアル工事が竣工


 福山通運(株)は、福岡空港の拡張工事に伴って進めていた福山通運グループ「福岡支店」のリニューアル工事が竣工したと発表した
福岡支店は福岡市博多区と中央区を営業エリアとして集配サービスを行っており、今回の施設一部のリニューアルにより、現場作業の効率化を実現した。今後は、昨年12月にオープンした倉庫・整備工場の機能を有する「福岡空港流通センター」とあわせて物流機能をより充実させ、サービス向上に努めていくとしている。

■プロロジス<4月27日>
⇒草加柿木フーズサイトのマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク草加」が竣工、日本通運・スズケン・ヤオコーとの賃貸契約により満床稼働


 プロロジスは、埼玉県企業局が整備する草加柿木フーズサイト(草加市)において建設を進めていたマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク草加」が竣工したと発表した。本施設は、日本通運(株)、(株)スズケン、(株)ヤオコーとの賃貸契約が締結済みとなっており、満床での稼働となっている。
 本施設が立地する草加柿木フーズサイトは、東京中心部まで約20km、東京外環自動車道と国道4号バイパス(東埼玉道路)の結節点近くに位置しており、外環道「草加IC」から約7km、「外環三郷西IC」から約5kmと至近。外環道は「三郷南IC」~「高谷JCT」間が開通し、千葉湾岸エリアと接続したことで、物流の動脈としての機能が飛躍的に向上している。東埼玉道路は、国道16号と接続する計画で、広域物流、地域配送のいずれにも利用可能だ。JR武蔵野線「越谷レイクタウン駅」より徒歩約13分(1.1km)と、徒歩でもアクセスできるほどに利便性が高い。加えて、草加・越谷エリアは居住人口が多い地域であり、草加市は人口約25万人、開発地に隣接する越谷、三郷、吉川市の人口は合計約80万人にも上り、雇用環境も有利だ。
 本施設は、約7万㎡の敷地に、地上4階建て延床面積約15万㎡のマルチテナント型物流施設として開発された。中央車路とダブルランプウェイにより、45Fコンテナトレーラーが各階へ直接アクセス可能。最大約1万坪のワンフロアオペレーションが可能で、柱スパンは11m×11m仕様となっており、大規模な自動化設備も導入しやすい。
 1階は、草加柿木フーズサイトのコンセプトに合わせて食品関連企業の入居を想定。北側半分は、大規模な床かさ上げを可能な仕様とし、排水経路を確保することで食品工場やプロセスセンターとしても利用できるものとした。1階は4面にバースを備えるほか、多数の4tトラック用駐車スペースを整備し、食品流通やスーパーマーケットに適した仕様となっている。
 環境負荷軽減への取り組みとして、施設屋根面に2MWの太陽光発電設備を備えて自家消費を行うほか、余剰電力の自己託送を行う計画。通常のLED比で電気使用量を半減できる高天井用人感センサー付きLED照明(プロロジス共同開発)を採用し、入居企業の電気代削減にも寄与する。また、電気自動車用の急速充電設備を備えるほか、大型蓄電池の導入も計画。これらの取り組みにより、CASBEE(建築環境総合性能評価システム) Aランク、BELSを取得するとともに、ゼロエネルギービルディング(ZEB)とする予定だ。
 働きやすさに配慮し、カフェテリアや売店等を備えるほか、周辺地域からの車通勤も想定して、駐車場を400台以上確保。通勤利便性向上のため、南越谷駅および越谷レイクタウン駅を経由する専用バスの運行も予定している。さらに、感染症拡大防止の観点や利便性向上のため、1階エントランスホールに隣接した貸会議室を設け、外部からの来客が施設上階に入ることなく打ち合わせを行える環境を整えたという。
 同社は、本施設を関東エリアにおける防災拠点施設の一つとして位置づけている。地震対策としては、同社で初めて「球面すべり支承」による免震構造を採用したほか、非常用発電機燃料として地下に大型オイルタンクを設置。停電時には防災センターや入居企業の事務所エリアなどへ最大約7日分の電力供給が可能となっている。備蓄燃料は、災害発生時に同社が運営する周辺の物流施設への移送も想定。また、貯水槽には30日分のトイレ用水を確保し、断水時における入居企業の事業継続を支援する。同社のBCP標準仕様である緊急地震速報や衛星電話などの設備も備えている。
 同社は、防災性に優れた本施設を地域貢献に活用するため、草加市と「災害時等における施設の提供協力に関する協定」を締結。避難を要する災害の発生時に、自家用車での避難者のため屋上駐車場と、カフェテリアやトイレなどの共用部を提供するとしている。

※「プロロジスパーク草加」の施設概要
所在地:埼玉県草加市柿木町字宝1352-2
敷地面積:約6万8,631.07㎡(約2万760.89坪)
延床面積:約15万1,747.88㎡(約4万5,903.73坪)
構造:地上4階建、柱RC+梁S造(免震構造)
着工:2020年11月
竣工:2022年4月

目次