■物流施設 投資関連情報2024版<9.19~9.25>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■(株)ハピネット、(株)ハピネット・ロジスティクスサービス<9月19日>
千葉県市川市の「ハピネット市川ロジスティクスセンター」を23年ぶりにリニューアル/自動保管設備とロボット技術を導入、人手不足対応で省人化・自動化を推進


 (株)ハピネット子会社の(株)ハピネット・ロジスティクスサービスは、人手不足に対応するため、23 年ぶりに「ハピネット市川ロジスティクスセンター」のリニューアルを実施し、 9 月 2 日に稼働させた。
 近年は物流業界の人手不足も深刻で、特に物流倉庫が集中するエリアでは、安定した労働力の確保が困難な状況にある。同社物流倉庫も例外ではなく、この問題に対応するため、荷役作業の省人化・自動化を推進している。こうしたなか、2001年10月からハピネットの物流機能の中心として稼働してきた同施設が機械・設備の老朽化で本来の能力が発揮できない状態となっていたことから、さらなる自動化・省人化・効率化を実現することが必須と判断。ハピネット・ロジスティクスサービスがこれまで培ってきたエンタテインメント物流の経験を活かし、今回、新しい物流設備の導入と機械の入れ替えを実施したものだ。
 ハピネット・ロジスティクスサービスでは、取り扱い商材の多様化や顧客ニーズに高品質かつ迅速に対応するため、これまでにも高速自動ピースソーターや協働型ピッキングアシストロボット、ロボット仕分けソーター、自動梱包機などの先進的なソリューションを導入しており、処理能力の向上を推進している。

〇リニューアルでの 3 つの主な変更点

①ケース立体自動倉庫「ファインストッカー」((株)ダイフク)の導入

スタッカークレーンが商品の入ったコンテナや段ボール箱などを棚に自動で運び、保管する自動倉庫。作業者の元に商品が搬送される、GTPの考え方を実現した仕組み。高さ 5.5m の空間を有効活用でき、労力と人員を削減するだけでなく、在庫管理精度の向上などにも繋がる。今回導入した自動倉庫は、最大 2万2,000 個のケースまたは折りたたみコンテナ(オリコン)を収納することができ、様々なサイズのケースやオリコンの格納に対応する。

②ピースソーター((株)椿本チエイン)の入れ替え

リニューアル前から使用しているピースソーター(リニソート)を入れ替えまた。同時に 178 店舗分の仕分け作業を行うことで、1 時間あたり 1万3,000個の商品を仕分けることが可能。商品の JAN コードを自動で読み取る機能が追加され、作業の効率化・簡略化を実現している。

③「T-Carry system」と「シャッターアソートシステム」(ともに(株)椿本チエイン)の併用

仕分け作業の効率化を図るため、商品を複数の小型 AGVで搬送する自動出荷システム「T-Carry system」と、「シャッターアソートシステム」を導入。小型 AGV が作業者の元に商品を運び、作業者は出荷に必要な数量を「シャッターアソートシステム」に入れるため、繊細な商品の仕分け作業ができるようになった。同時に 180 店舗分の仕分け作業を行うことが可能で、40 台以上の AGV が 9,000 個の商品をステーション(=シャッターアソートステム)に運搬する仕組みとなっている。

■豊田合成(株)<9月19日>
インド南部でセーフティシステム製品・内外装部品の工場を新設/主要日系自動車メーカーの自動車生産能力拡大に対応


 豊田合成(株)は、インドにおける主要日系自動車メーカーの生産能力拡大に対応するため、カルナタカ州ハロハリに工場を新設する。
 新工場では、自動車生産拡大に伴って需要伸張が見込まれるエアバッグやハンドルなどのセーフティシステム製品とコンソールボックスなどの内外装部品の生産を2026年から開始する予定。効率的なモノづくりを追求するため、協働ロボットと「からくり技術」を組み合わせ、投資コストを抑制しながら自動化を実現する「賢い自動化工程」や、省エネ効果の高い生産設備などを導入する。また、既存の「テクノパーク工場」にも、バンパーやインストルメントパネルなどの内外装部品の生産設備を増設し、インド南部で最適な生産体制を構築する計画で、同工場を同社グループの豊田合成サウスインディア(株)の分工場として新設するとしている。
 インドでは、自動車市場の急成長に伴う交通死亡事故の増加を背景に、同社主力製品であるエアバッグの需要が拡大している。また昨今は、SUV人気の高まりを受け、自動車メーカーの生産能力拡大が続いており、同社としても同国を重点市場と位置付け、今後も開発・生産体制の整備を進める方針だ。

※「インド カルナタカ州新工場」の施設概要
所在地:インド国 カルナタカ州 ハロハリ
敷地面積:約4万㎡
延床面積:約1万8,000㎡
生産品目:セーフティシステム製品(エアバッグ・ハンドル)、内外装部品(コンソールボックス・ピラー)
生産開始:2026年1月 (予定)
従業員数:約580名 (27年時点)
主な設備:電動成形機、ハンドル工程(ダイキャスト・ウレタン成形設備)、自動搬送機、太陽光発電パネル
投資額:約20億5,000万ルピー(約35億円)

※豊田合成サウスインディア(株)の概要
設立:1998年9月
資本金:3億400万ルピー
所在地:インド国 カルナタカ州
従業員数:1,290名(2024年3月末)

■日鉄興和不動産(株)<9月20日>
横浜市鶴見区で建設を進めていた物流施設「LOGIFRONT 横浜鶴見」が竣工/(株)ダイワコーポレーションが1棟賃貸利用へ


 日鉄興和不動産(株)は、横浜市鶴見区で建設を進めていた物流施設「LOGIFRONT 横浜鶴見」が竣工した。すでに(株)ダイワコーポレーションの入居が決定しており、同施設を1棟賃貸利用する運びだ。

〇立地環境
 同施設は、神奈川県道6号東京大師横浜線(産業道路)沿いに面し、首都高速道路「生麦IC」から約900m、首都高速道路「汐入IC」から約1.2kmの距離にあり、交通面で首都圏全体のカバーに有利な立地だ。また、物流倉庫操業に適した工業専用地域にあるほか、JR 鶴見線「鶴見小野駅」から徒歩6分圏内にあり、隣接住宅エリアからの雇用者確保も期待できる。
〇施設計画
 同施設は、動線における安全性を確保するため、車両と歩行者および自転車の出入口を分離している。大型車両は、スロープを経由し直接 3 階へのアプローチすることが可能で、トラックバース 70 台、トラック待機場 16 台を備えている。また、荷物用エレベーターを10台、垂直搬送機を4台配置しており、4分割でも利用可能な汎用性のある施設計画となっている。
 機能面では、非接触 IC カードキーを用いた入退室管理設備と、ITV カメラを随所に配置し、高いセキュリティ性能を確保。1階共用部には、休憩室・喫煙室各2か所と、喫煙室付きのドライバー休憩室を配置しており、従業員に快適な就業空間を提供している。

※「LOGIFRONT 横浜鶴見」の施設概要
所在地:神奈川県横浜市鶴見区末広町1-1-11(地番)
敷地面積:2万8,819.96㎡(約8,718.03坪)
延床面積:6万2,625.55㎡(約1万8,944.22坪)
構造・階数:S造 一部SRC造 一部RC造・スロープ型・4階建て
着工:2023年4月
竣工:2024年8月

■アマゾンジャパン(同)<9月24日>
日本全国15か所にデリバリーステーションを新設/日本のラストワンマイル配送への250億円以上の追加投資の一環、茨城・新潟・三重・長崎・大分・鹿児島では初めての開設


 アマゾンジャパン(同)は、Amazon配送拠点のデリバリーステーションを日本全国 15か所に開設する。 茨城県、新潟県、三重県、長崎県、大分県、鹿児島県 での拠点開設は今回が初めて。同社では、これら拠点の開設により、安全衛生管理者やステーションマネージャー、Amazon Flex ドライバーなどの職種に関連し、3,000以上の新規雇用機会を創出する予定だとしている。
 今回の配送網の拡大は、同社が8月に開催した年次イベント「第10回Amazon Academy」で発表した、日本のラストワンマイル配送への250億円以上の追加投資の一環。今回の15か所の拠点新設に伴い、日本国内のデリバリーステーションは65か所以上になるという。

※新設デリバリーステーション(名称仮称)の概要
一宮デリバリーステーション(愛知県)→3月開設予定
浜松デリバリーステーション(静岡県)→5月開設予定
津デリバリーステーション(三重県)→5月開設予定
大分デリバリーステーション(大分県)→5月開設予定
袋井デリバリーステーション(静岡県)→7月開設予定
宮城デリバリーステーション(宮城県)→8月開設予定
大田デリバリーステーション(東京都)→8月開設予定
茨木デリバリーステーション(大阪府)→8月開設予定
つくばデリバリーステーション(茨城県)→9月開設予定
駿河デリバリーステーション(静岡県)→9月開設予定
中村デリバリーステーション(愛知県)→9月開設予定
鹿児島デリバリーステーション(鹿児島県)→9月開設予定
野木デリバリーステーション(栃木県)→10月開設予定
新潟南デリバリーステーション(新潟県)→10月開設予定
長崎デリバリーステーション(長崎県)→10月開設予定

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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