P&Gジャパン(同)⇒日本最大級の自動倉庫「高崎サプライ倉庫」を新設/倉庫保管オペレーションの自動化も推進、タッチレスなサプライチェーン構築により倉庫業務の効率化と物流の最適化を実現

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 P&Gジャパン(同)は、医療用洗剤をはじめとするファブリック&ホームケア製品の生産拠点である高崎工場の専用倉庫として、群馬県藤岡市に日本最大級の約5万2,000パレットの保管能力を有する自動倉庫「高崎サプライ倉庫」を新設し、4月1日から本格稼働を開始すると発表した。
 世界経済フォーラムから第4次産業革命をリードする世界の先進工場「Lighthouse(ライトハウス)」に選出されたのが高崎工場。2022年のことで日本の消費財メーカーとして初めての快挙だった。同社は高崎工場においてデジタルツインやAI、機械学習などの先進的なデジタル・テクノロジーを活用し、様々なイノベーションを推し進めてきたという。
 同倉庫では、高崎工場で生産された製品の保管オペレーションの自動化も進めた。これにより労働力不足や2024年物流問題に対応するタッチレスなサプライチェーンを構築するとともに倉庫業務の効率化と物流の最適化を実現する。
 同倉庫における自動化では、工場からトラックで運ばれてきた製品の自動入荷を実現する「自動トラック荷役システム(ATLS)」を導入。工場・倉庫間の運搬を担う同社専用トラックの荷台に新たにレーンを取り付け、入荷時にトラックのレーンと倉庫のATLSのレーンを繋げることで自動的に製品を入荷できる仕組みだ。従来約30分かかっていた入荷作業を約3分に短縮できる。ATLSを介して入荷した製品は、有軌道無人搬送車(RGV)により指定された倉庫内のラックに運ばれ、自動保管される。出荷時もRGVを介してトラック搬入口まで運ばれるため、入荷から出荷準備までの全プロセスの自動化を実現。倉庫業務を大幅に効率化し、省人化も図れる。さらに自動ゲートも導入し、事前に予約システムに登録した車両番号をゲートで照合することで受付作業を不要とした。またトラック予約システムと倉庫制御システムを連動させることで、トラックが自動ゲートに到着すると出荷予定の製品パレットのピッキングを開始し、搬入口まで自動運搬する仕組みとなっている。トラックドライバーは搬入口到着後すぐに作業できるため、スムーズに荷積みを行い、短時間で出発することができる。
 同社は同倉庫新設を機にこれまで分散していた複数倉庫を集約し、物流ネットワークを最適化することで工場からの直送率向上を図る。同倉庫が地理的にも主要高速道路へのアクセスに優れることから、輸送効率化も見込める。試算的にはトラック走行距離を年間約200万km削減することが可能となり、2024年物流問題への対応強化はもちろん、CO2排出量削減にも貢献できるとしている。今後は再生可能エネルギーの活用なども積極的に行い、環境に配慮した倉庫運営を目指す。

※「高崎サプライ倉庫」の施設概要
所在地:群馬県藤岡市本動堂538-5
建築面積:1万6,818 ㎡
保管能力:5万2,000 パレット
入出荷能力:30万 ケース/日
稼働開始日:2025 年4月1日

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