日本通運(株)は、自社拠点「西日本医薬品センター」で医薬品製造業許可1号区分「生物学的製剤等(製造工程の全部または一部)」を取得し、同拠点での生物学的製剤等の製造行為、出荷判定、卸売販売の物流にワンストップで対応する受託サービスを開始した。
(医薬品製造業1号区分取得による物流受託イメージ)
【許可取得の背景】
NXグループは、「NXグループ経営計画2028 – Dynamic Growth 2.0 “Accelerating Sustainable Growth~持続的な成長の加速~”」において、医薬品および医療機器を対象としたヘルスケア産業を重点産業と位置付け、医薬品物流の高度化・多様化するニーズに対応するため、国内外で安心・安全な医薬品サプライチェーンの構築に取り組んでいる。
医薬品市場では近年、創薬技術が非常に速いペースで発展しており、バイオ製剤等の新しい医薬品が次々と登場している。同社は、高度な品質管理が求められるこれらの医薬品物流にいち早く対応するため、今回、西日本医薬品センターで医薬品製造業許可1号区分を取得し、生物学的製剤等の製造サービスを開始したものだ。また、国内4カ所の医薬品センター(東日本、西日本、九州、富山)では、医薬品製造業許可5号区分「包装・表示・保管」も取得し、医薬品に関わる取扱い領域をさらに拡張したとしている。
【サービス概要】
・西日本医薬品センターでの医薬品製造業1号区分取得により、生物学的製剤等の医薬品の取り扱いが可能。
・同センターにて、モノクローナル抗体やワクチン等の製剤に関する一部製造工程の受託や製造所出荷判 定、市場出荷判定が可能。
・製剤調達や販売領域物流、輸出など、さまざまな医薬品モダリティのサプライチェーンに、医薬品物流プラットフォームでワンストップ対応。
・医薬品物流の全工程における温度やセキュリティや作業情報など、必要なデータの記録、管理が可能。
【医薬品製造業1号区分と5号区分について】
生物学的製剤は、生物学的な原料や生体内で作用する物質を利用して製造される医薬品を指し、バイオテクノロジーを用いた製造プロセスが特徴である。例えば、モノクローナル抗体やワクチンなどが生物学的製剤に該当する。これらの取扱いには、厳格な品質管理や製造プロセスの遵守が求められる。
医薬品製造業1号区分は生物学的製剤(体外診断用医薬品を除く)、国家検定医薬品、遺伝子組換え技術応用医薬品、細胞培養技術応用医薬品、細胞組織医薬品の製造工程の全部又は一部を行う場合に必要な業許可で、厚生労働大臣の許可が必要となる。一方、5号区分は医薬品製造業(無菌医薬品)および医薬品製造業(一般)の区分で製造が許可される医薬品の包装・表示・保管のみを行う業許可で、都道府県知事の許可が必要となる。