(株)コーセー⇒2024年7月に「南アルプス工場」の第1期建設工事に着手/250~300億円を投じ、2026年2月竣工、2026年上期中での稼働を目指す

  • URLをコピーしました!


 (株)コーセーは、山梨県南アルプス市に新たな生産拠点「南アルプス工場」の第1期建設工事に着手する。2024年7月に着工し、2026年2月竣工、2026年上期中での稼働を目指す計画。投資金額は250~300億円となる見込み。同社は、国内外で拡大する化粧品需要に応え、高品質で競争力のある製品を確実かつタイムリーに供給するため、2019年4月に国内生産工場3拠点目となる南アルプス工場の建設を発表しており、今回はその着手を決定したものとなっている。
 同社は化粧品ユーザーに寄り添う企業として、アダプタビリティ視点から今後も変化する多様なニーズにきめ細かく対応していく必要があると判断。新工場については、従来の大量生産型工場からコンセプトの抜本的な見直しを行い、需要の質的・量的変化に臨機応変に対応可能な、多品種生産工場として稼働させることを決めた。ISO22716(化粧品GMP)に準拠した生産体制と万全な品質保証体制で、高品質なモノづくりが行える環境を整備。そのための第1期建設に取り組み、今後の事業拡大を見据え、第2期以降の建設への対応を見据えた仕様にする予定だ。
 新工場では、同社企業メッセージ「美しい知恵 人へ、地球へ。」に基づき、「人」と「地球」の双方に向き合い、広く人に寄り添うとともに、環境保全を通じて水資源や森林などの自然環境に配慮するなど、サステナブルな要素を取り入れた整備を進める。 「人」への視点では、運搬作業の自動化などの作業負担の軽減や、工場内の様々な掲示の多言語対応、開かれたコミュニケーションスペースの設置など、従業員の多様性を尊重し、誰もが安心して働きやすい環境を整える。また、地域に向けては「人」に開かれた工場・企業を目指し、化粧品の製造過程の見学の受け入れやワークショップの実施なども予定。同社が掲げる新たな顧客づくりの方向性「3G(Global・Gender・Generation)」に則り、広く「人」に寄り添い、地域との共存共栄を図り、ともに社会課題を解決しながら、化粧品を通じて「うるおいのある毎日」の提供に努める。
 「地球」への視点では、南アルプスの清澄な水資源を生かし、主力生産品目をスキンケア製品とする。恵まれた自然環境から得られる多様な機能を活用するための「グリーンインフラ」による雨水管理や、排水の再利用による節水、日本一日照時間の長い地域特性を生かした太陽光発電など、環境へ配慮した設計を随所に取り入れる予定。また、再生可能エネルギーや循環型エネルギーシステムの導入により、廃熱や排水、廃棄物を有効活用し、環境負荷を低減。既存工場での廃棄物ゼロの運用を移管することで、グループ全体の廃棄物ゼロを継続していく。なお、同社は現在、「水」を通じて工場周辺の恵まれた自然や地域住民との共生を目指し、水資源を育む森林を守る活動や研究に携わっているとしており、今後も地域とともに環境課題の解決に向け、サステナブルな活動に取り組む方針だ。

※「南アルプス工場」の施設概要
建設地:山梨県南アルプス市野牛島
敷地面積:11万1,525㎡
主要用途: 化粧品工場(多品種 スキンケア製品中心)
【第1期建設】
延床面積:3万9,300㎡
計画概要:地上 3階て、S造
従業員数:300名程度
投資額:250~300億円
着工予定:2024年7月
竣工予定:2026年2月
稼働予定:2026年度上期

目次