<2026年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■郵船ロジスティクス(株)<7月2日>
グループ欧州企業傘下のヘルスケア物流企業がベルギー拠点の医薬品倉庫を拡張/倉庫面積を2万1,600㎡に拡張、多温度帯対応と保税機能を備える医薬品拠点に/太陽光発電や自然冷媒導入で環境性能を向上、持続可能な施設を実現
郵船ロジスティクス(株)は、郵船ロジスティクスグループの欧州法人 Yusen Logistics (Europe) B.V.(=YLEU)傘下でヘルスケア物流サービスを展開するMovianto社がベルギー拠点「アールスト」の医薬品倉庫を大幅に拡張したと発表した。同拠点は2016年に稼働開始して以来、高品質なヘルスケア・ロジスティクスサービスを提供してきた。今回の医薬品倉庫の大幅拡張によりヘルスケア物流機能をさらに強化し、欧州で拡大するヘルスケア需要に対応する考えだ。
同拠点の医薬品倉庫は大きく拡張し、倉庫面積が2万1,600㎡となったことで、パレット保管能力は約2倍に増加。施設内には常温(+15~+25℃)、冷蔵(+2~+8℃)、冷凍(−20℃)、超低温(−80℃)の各温度帯の保管エリアを備え、厳格な温度管理が求められる医薬品や医療機器の保管に対応できるものとなった。GDP、GMP認証を取得し、TAPA(サプライチェーンにおける高価貨物の盗難防止やセキュリティに関する国際規格)にも準拠するほか、危険物や麻薬専用の保管エリアも新設したという。
拡張した医薬品倉庫では、治験薬や治験機器など幅広い製品の保管から、2次包装などの流通加工、品質管理まで一貫したサービスを提供する。さらに保税倉庫としての機能も持ち、輸送中貨物の免税保管や輸出入通関にも対応可能で、欧州域内のゲートウェイとして効率的なサプライチェーン構築に寄与する。
環境面では、屋上に太陽光発電設備を増設し、発電電力で敷地内消費電力の約50%を賄う予定。LED照明やヒートポンプシステムの導入、雨水再利用の推進に加え、冷蔵設備には自然冷媒を採用し、環境負荷を抑えた運用を行う。
6月11日には開所式を開催し、アールスト市長や顧客企業、パートナー企業、郵船ロジスティクスグループ関係者などが出席した。ベルギーはヘルスケア産業の重要拠点で、Movianto社はend-to-endで事業成長を支える高品質な物流サービスの提供を目指す。
郵船ロジスティクスグループはヘルスケア産業を重点分野と位置付け、基盤強化を進めてきた。2025年12月にはYLEUが欧州物流企業Waldenグループのヘルスケア事業を担っていたMovianto社など4事業体を買収。ロジスティクスサービスの高度化を図ってきた経緯がある。郵船ロジスティクスグループとMovianto社が培った専門性を組み合わせることで、欧州でのロジスティクスサービス提供体制を強化し、今後も多様化するニーズに応えていく方針だ。
■佐川グローバルロジスティクス(株)<7月2日>
北海道エリアの物流体制強化で新物流拠点「札幌米里営業所」を開設/EC拡大や小口・多頻度化の進展に対応する柔軟で安定した物流体制を構築/「札幌IC」至近の立地を生かした広域配送と市内配送も効率化
佐川グローバルロジスティクス(株)は7月1日、北海道札幌市に新たな物流拠点「札幌米里営業所」を開設した。これまで北海道エリアの自社拠点は「札幌営業所」だけだったため、新規案件や既存顧客の事業拡大には外部施設を活用して対応してきた。近年はEC市場の拡大や小口・多頻度化の進展、労働力不足、「物流2024年問題」などへの対応に迫られており、柔軟で安定した物流体制の構築が必要との判断から、今回新たな物流拠点の開設に踏み切った。
「札幌米里営業所」は倉庫・事務所合わせて約2,500坪の規模で、札幌市白石区に位置する。札幌市中心部から約7km、道央自動車道「札幌IC」から約0.8kmと、広域配送と市内配送の双方に適した立地条件を備える。既存の「札幌営業所」からも5km圏内と近く、拠点間連携による在庫管理やレイバーコントロールの高度化が可能となり、繁閑に応じた効率的なオペレーションを実行することができる。また、多様化する物流ニーズへの対応力に加え、既存顧客の取扱荷物の拡大や新規案件への対応力も強化される。一方、サプライチェーンの強靭化や安定供給の重要性が高まるなか、顧客からは持続可能で柔軟な物流体制も期待されているが、新拠点はこうした要請にも応えられる基盤として位置付けられている。
同社は今後も柔軟な拠点展開と物流ソリューションの提案を通じ、顧客と共に物流課題の解決に取り組む方針。最適な物流体制の構築を進め、北海道エリアにおける事業対応力をさらに高めていく。
※「札幌米里営業所」の施設概要
所在地:北海道札幌市白石区米里三条2-3-1
面積(同社借り入れ分):倉庫2,360.13坪、事務所 152.21坪
■東京建物(株)<7月2日>
太陽光パネルを導入した環境配慮型物流施設「T-LOGI仙台」が竣工/「T-LOGIシリーズ」としては東北初の物件、仙台市内で希少な4層スロープ型のマルチテナント型物流施設/「仙台港北IC」至近で全国配送やモーダルシフト展開の拠点としての可能性も
東京建物(株)は、宮城県仙台市で開発を進めていた環境配慮型物流施設「T−LOGI仙台」が6月に竣工したと発表した。「T−LOGI」シリーズとしては東北地方で初の竣工物件。「仙台港」や仙台市内に近接し、首都圏配送の中継拠点としても機能する立地を生かし、広域物流の需要に応える。
「T-LOGI仙台」は仙台東部道路「仙台港北IC」から約2.6kmに位置し、東北道、常磐道、三陸道を経由することで東北地方のほか日本全国への長距離配送に対応する。仙台臨海鉄道「仙台港駅」にも近接し、CO2排出量削減や労働力不足対策の観点から注目されるモーダルシフトの要衝としての役割も期待される。JR「仙台駅」から約13.6km(車で約28分)と、市内配送拠点としても利便性が高い。
同施設は、仙台市内では希少な4層スロープ型のマルチテナント型物流施設。1・2階に接車バースを設けることで、同規模のBOX型施設より多くの接車台数を確保できるほか、効率的な入出庫も可能となっている。倉庫床の最小分割区画面積は約5,500㎡で、仙台エリアで多い小規模賃貸ニーズに対応する。各分割区画には荷物用エレベーターと垂直用搬送機を1台ずつ設置しており、テナント企業の荷物運搬動線効率化に寄与する。
同施設の就業環境にも配慮し、男女別トイレを各階に設置したほか、2階にはテナントワーカー向けのラウンジを整備した。働きやすい環境を整えることで人材確保にも寄与する。
環境面では、屋上に設置した太陽光パネルで発電した電力を施設内で自家消費するほか、余剰電力を「東京建物仙台ビル」へ送電する。中心市街地に立地し再生可能エネルギーの創出余地が限られる同ビルに供給することで、再生可能エネルギーを有効活用する仕組みを構築した。これら取り組みにより、同施設は「BELS」最高ランクの「ZEB」認証と「CASBEE」Sランクを取得するなど、環境配慮型物流施設としての性能・評価を備えたとしている。
※「T-LOGI仙台」の施設概要
所在地:宮城県仙台市宮城野区中野字掃沼27-1他(地番)
敷地面積:1万8,420.89㎡(約5,570坪)
延床面積:4万2,269.71㎡(約1万2,800坪)
規模・形状:地上4階・4層スロープ型(1・2階片面バース)
構造:S造
耐震区分:耐震
プラットフォーム:1・2階 高床式1.0m
梁下有効天井高:各階5.5m
柱スパン:10.4m(W)×10.3m(D)
床荷重:2.0t/㎡(1階)、1.5t/㎡(2・3・4階)
ドックレベラー:計6基(1・2階)
バース数:計40台(1階:20台、2階:20台)
普通駐車場:115台 ※軽自動車専用を含む
トラック待機場:計6台(10t車:2台、40ftトレーラー:4台)
竣工:2026年6月26日
■プロロジス<7月2日>
都市型物流施設「プロロジスアーバン東京東雲1」の提供計画を発表/ヤマト運輸(株)にリースバックしていた物流施設を期間満了に伴うリノベーション工事で転換/2028年春からマルチテナント型物流施設として運営開始する予定
プロロジスは、ヤマト運輸(株)が運営していた物流施設を取得し、都市型物流施設「プロロジスアーバン東京東雲1」として提供すると発表した。同施設は2025年3月に取得後、ヤマト運輸へリースバックしていた。その期間が満了することに伴い、プロロジスは2027年4月からリノベーション工事を開始し、2028年春に複数企業が利用可能なマルチテナント型施設に転換して運営することを決めた。
「プロロジスアーバン東京東雲1」は東京都江東区に立地し、「東京駅」から5km圏内に位置する。「東京駅」まで車で約20分、首都高速道路「東雲JCT」まで約4分と、都心部へのアクセス性が高い。豊洲・有明エリアを含む東京湾岸地域や都内各地へのラストワンマイル配送に適しており、即日配送や医療機器の緊急配送、ECフルフィルメント拠点としての活用が見込める。また、りんかい線「東雲駅」から徒歩6分、東京メトロ有楽町線「辰巳駅」から徒歩14分と複数路線が利用可能で、周辺のオフィス・商業施設・住宅集積により雇用確保の面でも優位性がある。
リノベーション工事では、敷地面積約3,500㎡・地上5階建て・延床面積約9,300㎡の既存建物を改修する。低床仕様で床荷重は1階が1.5t/㎡、2階以上も1.0t/㎡を確保し、大型物流施設に匹敵する積載性能を付与する計画。4tトラックが利用可能なカーリフト兼荷物用エレベーターを2基設置し、車両による各階アクセスを可能とすることで効率的な荷捌きを実現する。また、リノベーション工事に合わせて屋上および1階外構の駐車スペースを再整備し、数十台規模の駐車場を設ける。都心部では希少な敷地内・施設内への車両乗り入れが可能な物流拠点に仕上げ、オペレーション効率の向上を図る。倉庫部分を含む全館空調や、各フロアオフィススペースの整備も行い、快適な就業環境を提供する計画だ。
プロロジスは、物流効率化と人材確保の両立が求められる都市型物流ニーズに対応する戦略的拠点として同施設を位置付け、都心部へのアクセス性を生かしたサプライチェーン高度化に貢献していく。
※「プロロジスアーバン東京東雲1」の施設概要
立地:東京都江東区東雲2-2-3
敷地面積:3,548.02㎡(1,073.28坪)
延床面積:9,262.31㎡(2,801.85坪)
構造:地上5階建て、鉄骨鉄筋コンクリート造
改修完了:2028年春(予定)
■丸十運輸倉庫(株)<7月6 日>
危険物保管にも対応する新物流拠点「東広島物流センター」が9月竣工の見通し/一般品・危険物・毒物・劇物・定温品の保管に対応する5種類の倉庫で構成
丸十運輸倉庫(株)は、広島県東広島市で建設を進めている「東広島物流センター」が9月に竣工する見通しであるとし、WEB上で特設ページを公開した。
「東広島物流センター」は、一般品のほか、危険物・毒物・劇物・定温品保管にも対応する5種類の倉庫で構成される新型物流拠点。第4類危険物(第1~4石油類)に対応できる危険物倉庫を完備する広島エリアで希少な拠点で、危険物を取り扱いで約30年の実績をもつ同社のノウハウが反映されている。定温危険物倉庫は5~15℃での定温管理が可能で、倉庫内の温度管理データを提供できる体制を整えるとしている。
倉庫棟間を屋根でつなぎ、その下に通路や荷捌きスペースを確保する。雨天でも荷物を濡らさずに積み替え・荷捌き作業が行える全天候型の仕様とすることで、ドライバーや荷役作業者の負担を大幅に軽減する。立地は「東広島中核工業団地」に隣接し、「高屋JCT」や「河内IC」から約10分の距離にあるため、山陽道における中継拠点としての活用も見込める。
※「東広島物流センター」の施設概要
建設予定地:広島県東広島市高屋台2-113-22
構造:鉄骨造1階建て
延床面積:14,876㎡(4,500坪)/一般倉庫8,264㎡(2,500坪)、一般定温倉庫(+15℃~+25℃) 661㎡(200坪)、屋内荷捌き場3,968㎡(1,200坪)、毒劇物倉庫991㎡(300坪)、危険物常温倉庫826㎡(250坪)、危険物定温倉庫165㎡(50坪)
対象危険物:第2類、第4類 第1~4石油類、アルコール類〔毒物・劇物の保管も可能〕
有効階高:一般倉庫7.5m、一般定温倉庫6.5m、危険物常温倉庫6.95m、危険物定温倉庫5.5m
床荷重:3t/坪
竣工:2026年9月(予定)
■ESR<7月7日>
三菱商事(株)のインドネシア100%子会社と現地物流施設2棟の共同開発契約を締結/カラワンとチカランで総資産価値8,000万米ドル超のグレードA施設の開発へ/防火設備や太陽光設置を見据えた設計、省エネと就労環境向上を両立
アジア太平洋地域に特化したアセット事業を展開するESRは、三菱商事(株)100%子会社でインドネシアにおける不動産開発実績を持つPT MC Urban Development Indonesia(=MCUDI社)と、ジャカルタ都市圏におけるグレードA物流・産業施設2棟の共同開発に関する契約を締結した。総資産価値は8,000万米ドル超を見込む。すでに建設がスタートしており、2027年第3四半期での竣工を予定している。
同プロジェクトは、両社の戦略的パートナーシップの第2フェーズに位置付けられており、第1フェーズで開発した「Karawang Logistics Park1」および「Cikarang Logistics Park1,2」の3件での開発・リーシングの成功を基盤とするもの。今回開発する2施設は、インドネシアでも成熟度が高く、需要旺盛な工業エリアであるカラワンとチカランに立地し、両社の強みを生かして資産価値最大化を図る。設計・建設は日本の施工会社が担い、ESRとMCUDI社の品質基準を満たす仕様とする。最新の防火設備や耐震設計を採用するほか、LED照明、FRP採光パネル、太陽光パネル設置を見据えた設計など、サステナブル要素を導入する。従業員中心の設計コンセプトを採用し、省エネルギー化と就労環境の向上を両立する。
カワランの開発物件の名称は「Karawang Logistics and Industrial Hub」。スルヤチプタ工業団地内の約10万㎡の土地に開発される3棟構成の平屋建て施設で、賃貸面積は約6万3,000㎡を予定する。グローバルの3PL事業者や製造業者の需要に対応し、ジャカルタ・チカンペック高速道路へのアクセスが容易で、将来的にはジャカルタ・チカンペック第2南高速道路との接続により交通利便性がさらに高まる見込みだ。
一方、チカランの開発物件の名称は「Cikarang Logistics and Industrial Hub」。ジャバベカ工業団地内の約6万8,000㎡の土地に建設される2棟構成の平屋建て施設で、賃貸面積は約4万8,000㎡を予定する。物流、EC、製造業者の需要に対応し、ジャカルタ・チカンペック高速道路への優れたアクセスにより広域輸送ネットワークを確保する。
ESRとMCUDI社は、インドネシアにおける物流・産業施設の高度化を進める戦略的パートナーシップを拡大し、需要が高まる工業エリアでの開発を通じて市場競争力の強化を目指す。
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。
