■物流施設 投資関連情報2025版<7.31~8.6>

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<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>

■大和ハウス工業(株)<7月31日>
広島県福山市で同市初となるマルチテナント型物流施設「DPL広島福山北」を着工/入居テナントは最大6社で1区画約5,000㎡から入居が可能、両面バース式で高床式・低床式のいずれにも対応


 大和ハウス工業(株)は8月1日、広島県福山市で同市初となるマルチテナント型物流施設「DPL広島福山北」の建設に着手した。
 同施設は最大6社のテナント企業が利用でき、1区画約5,000㎡から入居可能。一棟を専有することも可能で、ECや消費財を扱う小売業者の入居が想定されている。建屋は地上2階建てで、延床面積は約3万7,000㎡に及ぶ。両面バースを備えており、高床式・低床式のいずれにも対応できる。
 同施設は、福山北産業団地第2期事業地に立地。山陽自動車道「福山東IC」から約11km、中国道や西瀬戸道など複数の幹線道路とも接続し、広島・中国・四国エリアへの配送に適した立地だ。今後同団地内で工場建設が進むことも見込まれており、製造拠点に隣接した物流機能の強化にも貢献できるとしている。
 同社は2002年から物流事業「Dプロジェクト」を展開。顧客の事業スキームに応じて、BTS型やマルチテナント型の施設を全国で提供している。広島県内ではこれまでに「DPL広島五日市港」(2017年)や「DPL広島観音」(2021年)を開発しており、今回の着工で同県における展開をさらに加速させる。

※「DPL広島福山北」の施設概要
所在地:広島県福山市北匠町1番6、23、24、25、26
敷地面積:4万2,829.56㎡(1万2,955.94坪)
建築面積:1万9,087.79㎡(5,774.06坪)
延床面積:3万7,151.94㎡(1万1,238.46坪)
賃貸面積:3万5,152.15㎡(1万633.52坪)
入居テナント:最大6社、1区画約5,000㎡(1,500坪)から入居可能
構造・規模:鉄骨造・耐震構造・地上2階建て
建物用途:マルチテナント型物流施設
着工日:2025年8月1日
竣工日:2026年10月31日
入居可能日:2026年11月1日

■ラサール不動産投資顧問(株) <7月31日>
兵庫県尼崎市のマルチテナント型物流施設「ロジポート尼崎2」が竣工/大阪・神戸市中心部への配送に優位性、3温度帯にも対応


 ラサール不動産投資顧問(株)は、兵庫県尼崎市西向島町で建設を進めていたマルチテナント型物流施設「ロジポート尼崎2」が7月末に竣工したと発表した。
 同施設は、都市近郊型の利便性に加え、冷凍・冷蔵機能やBCP対応を強化した次世代型施設。敷地面積は約3万1,000㎡で、建屋は地上5階建ての鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)構造で、延床面積は約7万9,000㎡となっている。阪神高速「尼崎西IC」から1.5km、大阪市中心部から約10kmの距離に位置し、広域配送と都市型配送の双方に対応可能。最寄りの阪神電鉄「出屋敷駅」からは徒歩9分と、従業員の通勤利便性にも優れる。
 1〜4階に接車可能なシングルランプウェイを採用。4・5階は垂直搬送機および荷物用エレベーターを導入し、メゾネット賃貸区画とした。1階には冷凍・冷蔵対応で2分割が可能な約4,000坪の倉庫区画を設け、3温度帯に対応。食品や医薬品など温度管理が必要な貨物の保管も可能となっている。最小区画約1,200坪から分割利用できる点もアピールポイントだ。施設内には、従業員向けの休憩室や売店、シャワー室も準備し、働きやすい労働環境を整えた。
 BCP対応では、洪水や高潮リスクへの備えとして受変電設備の嵩上げに加え、72時間稼働可能な非常用発電機と防災備蓄倉庫を設置した。環境性能も高く、CASBEEのSランク、BELSのZEB-Ready認証の取得を予定だ。屋根への太陽光パネルの設置も計画されているという。
 竣工時点で賃貸借契約率は約80%に達しており、既に複数企業の入居を決定。関西圏での需要拡大を受け、同社では今後も都市近郊における高機能型物流施設の開発を進める方針だ。

※「ロジポート尼崎2 」の施設概要
所在地:兵庫県尼崎市西向島町1番4、1番5
敷地面積:3万1,480.93㎡ (約9,523坪)
延床面積:7万9,035.14㎡ (約2万3,908坪)
用途:マルチテナント型物流施設
構造:鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)、地上5階建て
着工: 2024年1月6日
竣工: 2025年7月31日

■三井物産都市開発(株) <8月1日>
愛知県豊田市でマルチテナント型物流施設「LOGIBASE豊田」を着工/延床面積1万8,426㎡の鉄骨造・3階建て、愛知県全域への広域・高頻度配送拠点としての活用見込む


 三井物産都市開発(株)は、愛知県豊田市御船町でマルチテナント型物流施設「LOGIBASE豊田」の新築工事に着手し、2026年6月に竣工予定であると発表した。
 同施設は、敷地面積1万3,473㎡、延床面積1万8,426㎡の地上3階建て。構造は鉄骨造で、梁下有効高さ5.5m、床荷重1.5t/㎡といった仕様になる。バースは26台分を確保し、垂直搬送機4基や荷物用エレベーター2基などの設備を導入する計画だ。
 立地は、猿投グリーンロード「西広瀬IC」から約0.5km、東海環状自動車道「豊田藤岡IC」から約3.8kmと交通アクセスに優れ、国道419号・153号にも近接。三河エリアに集積する自動車関連企業の生産拠点に近く、三河エリアはもちろん愛知県全域への広域・高頻度配送拠点としての活用が見込まれる。
 同社は今後も三井不動産グループの国内不動産開発事業を担うなか、企業活動の多様なニーズに応える物流施設適地を見定め、物流施設開発事業を進める構え。

※「LOBASE豊田」の施設概要
所在地:愛知県豊田市御船町山ノ神56-256他
用途地域:工業専用地域
着工:2025年4月
竣工:2026年6月
敷地面積:1万3,473㎡(4,075坪)
延床面積:1万8,426㎡(5,573坪)
構造・規模:S造・地上3階建て
天井高:梁下有効5.5m
床荷重:1.5t/㎡(倉庫部分)
バース:26台
トラック待機場:約4台
乗用EV:2台
乗用駐車場:68台
荷物用EV:2台(3.5t,W=3m,D=4m,H=3.15m)
垂直搬送機:4台(1.5t、カゴ車対応)

■センコー(株)<8月1日>
滋賀県竜王町の物流施設「CREDO滋賀竜王」内に物流拠点「滋賀竜王センター」を開設/関西・中部・北陸をつなぐ結節拠点、倉庫一部への空調設備導入で温度管理な貨物の保管にも対応


 センコー(株)は、滋賀県蒲生郡竜王町の物流施設「CREDO滋賀竜王」内に物流拠点「滋賀竜王センター」を開設した。
 新センターは、名神高速道路「竜王IC」に隣接し、JR「篠原駅」から約6.6kmに位置し、滋賀湖南エリアの工業集積地へのアクセスも可能。大阪まで約1時間10分、京都まで約40分、名古屋へも約1時間30分で到達できるなど、配送拠点として優れた立地となっている。高台に位置するため、洪水リスクが低い。72時間対応の非常用電源設備も備え、災害時にも事業継続が可能なBCP対応型拠点と位置付けられている。
 滋賀県は内陸工業県として知られ、特に湖南エリアは近畿圏の生産財・消費財の物流起終点として高いポテンシャルを有する。今回の新センター開設は、おう盛な物流需要に応えるとともに、県内での拠点拡充を図るのが目的だ。
 施設内には空調設備を導入した定温エリアを設け、温度管理が必要な貨物の保管にも対応。多様化する荷主のニーズに応える体制を整えた。また、ドライバー支援にも注力しており、置き配スペースの設置により拘束時間を短縮。専用の休憩室やシャワーブースを完備し、長距離輸送の負担軽減を図った。従業員向けにはカフェテリアスペースを設けるなど、労働環境改善にも配慮している。

■ファイズオペレーションズ(株) <8月1日>
横浜市金沢区の物流施設「Landport横浜杉田」内に新たな自社運営倉庫拠点「横浜杉田事務所」を開設/EC市場関連商材を対象とした3PLサービスを提供する計画


 ファイズオペレーションズ(株)は、横浜市金沢区の物流施設「Landport横浜杉田」内に新たな自社運営倉庫拠点「横浜杉田事業所」を開設した。
 同社は今回の自社運営倉庫拠点開設により、主にEC市場関連の商材を対象とした3PLサービスを提供する計画。同倉庫の面積は、バースや事務区画を含め約3万5,700坪で、同社運営倉庫の総面積は約9万2,000坪に達したという。中期経営計画「ONE2027」のKPIとなる自社運営倉庫面積は10万坪で、今後も10万坪達成に向けて事業活動に取り組む。

■三井不動産(株) <8月1日>
物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク」の2025年度開発計画を発表/累計開発施設数は国内外で78件、累計総投資額は約1兆3,000億円に拡大


 三井不動産(株)は、グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」のもと、ロジスティクス事業における、2025年度の開発計画を策定し、発表した。
 同社は、「物流の2024年問題」から1年経過し、官民を挙げて対応に取り組んでいるものの、未だに輸送力低下や人手不足の深刻な状況が続いていると指摘。特にEC市場の拡大や消費者ニーズの多様化で、宅配便を中心とした商取引の多品種・小口化の傾向が強まり、1件あたりの貨物量が1990年からの30年間で約3分の1に減少し、貨物全体の輸送量も約40%減少しているとした。一方、配送件数は約2倍に増加しており、持続可能な物流体制の構築が急務であるとし、政府においても次期総合物流施策大綱や、物流拠点の今後のあり方に関する検討が進められている状況にあることを示した。
 こうした状況を踏まえ、同社は単なる施設の賃貸・分譲にとどまらず、「MFLP &LOGI」サービスの拡充やデータセンター、マルチユース機能を備えた複合業務施設の開発など、様々なヒト・コト・モノをつなげる事業拡大を継続する。これにより、顧客のあらゆる物流課題の解決に寄与するとほか、「産業デベロッパー」として、街や社会全体のイノベーションを加速させ、より豊かで持続可能な地域・街づくりに貢献していくとしている。
同社がロジスティクス事業において開発・運営する施設は、今年8月時点で合計78物件(国内68物件・海外10物件)、総延床面積は約610万㎡に上り、累計総投資額は約1兆3,000 億円に達している。
 同社は2023年以降、「MFLP &LOGI Solution」や「MFLP &LOGI Sharing」など、物流課題解決に向けた様々なサービスを提供してきた。今年7月には、「MFLP船橋」で荷役時間を自動で可視化し、待機・荷役時間の削減および共同輸送を促進する新サービス「(仮称) MFLP &LOGI Berth」の実証実験を開始している。今回、「MFLP &LOGI」サービスをシリーズ化することで、多様化・複雑化する物流課題の一つひとつを的確に抽出し、解決へと導くほか、既存の顕在課題の解決から、今後の長期的な成長戦略策定までを支援する伴走可能な体制を整備する。今後も物流施設だけでなく、同サービスをはじめとする多彩なソリューションの提供を通じ、物流サプライチェーン全体の改革、基盤強化を支援するとともに、「ポスト2024年問題」をはじめとする複雑化した物流課題に対応していく。

■ニッコンホールディングス(株)<8月1日>
連結子会社である(株)日本陸送の新たな物流拠点「鈴鹿物流センター営業所」が竣工/自動車関連製品の輸送・保管・流通加工等の総合物流業務の拠点に


 ニッコンホールディングス(株)は、連結子会社である(株)日本陸送の新たな物流拠点「鈴鹿物流センター営業所」(三重県鈴鹿市山本町の鈴鹿椿工業団地内)が竣工したと発表した。
 新物流拠点は、 新名神高速道路「鈴鹿PA SIC」に隣接する極めて利便性の高い立地に位置しており、迅速・効率的な物流の実現に向けて最適な環境が整備されている。鈴鹿PA SICから約0.3km(車で約3分)、東名阪自動車道「鈴鹿IC」から約4.5km (車で約7分)とアクセス面で優位性があり、東西長距離輸送の中継地としても活用が可能。日本陸送は、新物流拠点で自動車関連製品の輸送・保管・流通加工等の総合物流業務を行う。 また、「太く運ぶ」という理念のもと、ダブル連結トラックなどを利用した効率的な大量輸送を推進することで、CO2排出量削減にも貢献し、環境負荷低い物流体制を構築する。 倉庫は鉄骨造2階建てで、作業場の延床面積は1万3,308.40㎡。設備は、貨物用エレベーター2 基、垂直搬送機1基、トラック用ホーム6レーン、トラック用接車レーン7レーン、コンテ ナ用ホーム2レーンが導入されており、ダブル連結トラックにも対応可能な構造となっている。

※「鈴鹿物流センター営業所」の施設概要
所在地:三重県鈴鹿市山本町3131番
敷地面積: 3万3,958.58㎡
延床面積:13万,308.40㎡
構造規模:鉄骨造 総2階建て
有効高さ:1F6.0m、2F5.0m

■ヒューリック(株) <8月4日>
埼玉県三郷市のマルチテナント型物流施設「ヒューリックロジスティクス三郷」が竣工/冷凍・冷蔵設備対応の電気容量を確保、空調設備を最上階に実装するなど多様なニーズに対応


 ヒューリック(株)は、埼玉県三郷市で開発を進めていた大型物流施設「ヒューリックロジスティクス三郷」が竣工したと発表した。同施設は、首都圏の人口集積地に隣接する立地を活かした「ヒューリックロジスティクスシリーズ」の第6号物件で、三郷北部土地区画整理事業区域内では初の竣工案件になるという。
 同施設は、外環道「三郷西IC」から約2.5kmに位置し、「三郷JCT」を介して首都高速や常磐道へのアクセスが可能。JR武蔵野線「吉川美南駅」から徒歩圏内で、雇用確保にも優位性を持つ。三郷エリアでは約3年ぶりの新築供給となる大型マルチテナント型物流施設で、既に一部区画の賃貸借契約が成約している。
 同施設は地上4階建てで、延床面積は約1万7,000坪に達する。1・2階はスロープ型で接車可能となっており、賃貸区画は約1,000坪から最大約3,500坪まで対応。最大7テナントの入居が可能で、床荷重1.5t/㎡、梁下有効高5.5mなど高水準のスペックを備える。冷蔵設備対応の電気容量を確保したほか、空調設備を最上階に実装するなど、多様なニーズに応える仕様となっている。
 共用部にはラウンジ「LOUNGE3310ミサト」を設置し、昼食・休憩・商談など多目的に利用できる空間を提供。地域の風景写真を展示するなど、就業者の快適性にも配慮した。ドライバー向けの専用休憩室も一部区画に設けられている。
 環境性能では、BELS(5スター)、CASBEE(Aランク)、DBJ Green Building(4スター)認証を取得。約1,350kWの太陽光発電設備を備え、年間約2,158MWhの発電が可能なZEB認証施設となっている。耐震性・BCP性能にも注力し、建築基準法の約1.25倍の強度を持つ構造体を採用。非常用発電設備(72時間相当)や災害時用マンホールトイレ、主要電気設備の高層階配置など、水害リスクを考慮した設計となっている。

※「ヒューリックロジスティクス三郷 」の施設概要
所在地:埼玉県三郷市彦糸2-149ほか (三郷北部土地区画整理事業区域)
敷地面積: 2万4,329㎡(7,359坪)
延床面積: 5万6,883㎡(1万7,207坪)
構造・規模:鉄骨造・地上4階建て
竣工:2025年7月

■シービーアールイー(株) <8月5日>
戸田建設(株)のマルチテナント型物流施設事業をトータルサポート/奈良県大和郡山市の大型物流施設「(仮称)TODA Park阪奈」の開発許可取得からリーシングまでを包括支援


 シービーアールイー(株)(以下、CBRE)は、戸田建設(株)が奈良県大和郡山市で推進する大型賃貸用物流施設「(仮称)TODA Park 阪奈」の開発プロジェクトにおいて、総合的な支援を行っていると発表した。同施設は戸田建設が関西エリアで手がける3棟目の物流施設で、竣工は2026年5月となる予定だ。
 CBREは、リーシングマネジメントからプロパティマネジメント、コンストラクションマネジメントなど、開発初期から竣工後の運用までを一貫して支援。調整区域・地区計画制限のある用地に関しても市・県との協議を進め、開発許可取得をサポートした。
 建設フェーズでは、CBREのコンストラクションマネジメントチームが中心となり、調達から施工までの各段階でスケジュール・コスト・品質を管理。マーケット動向やテナントニーズを反映した企画設計アドバイスも提供した。施工段階では、プロパティマネジメント部門が施設の汎用性やリーシングを考慮した品質チェックを実施し、運用面での改善提案も行っている。
 開発地の大和郡山市横田町は、西名阪自動車道「郡山IC」に近接し、大阪市中心部へ約40分、名古屋市へ約2時間と、関西・中部圏へのアクセスに優れる。さらに、京奈和自動車道の延伸により、和歌山・京都方面への交通利便性も向上する見込みだ。
 同施設は危険物倉庫を併設した大型マルチテナント型物流施設。倉庫内にはセンサー付きLED照明や空調設備を一部導入し、持続可能性と働きやすさを兼ね備えた設計となっている。

※「(仮称)TODA Park 阪奈」の施設概要
施設タイプ:マルチテナント型物流施設
所在地:奈良県大和郡山市横田町1195
着工:2024年11月1日着工
竣工:2026年(予定)
延床面積:2万4,322.88坪 / 8万406.32㎡
CBRE業務:リーシングマネジメント(LM)、コンストラクションマネジメント(CM)、プロパティマネジメント(PM)

■シービーアールイー(株) <8月5日>
(株)アルプス物流が保有する国内物流施設8物件でセール&リースバック支援/資産流動化と施設管理に一貫対応、米投資ファンドKKR系のJ-REITなどが出資する私募ファンドが取得


 シービーアールイー(株)(以下、CBRE)は、(株)アルプス物流が保有する国内物流施設8物件に関するセール&リースバックをサポートし、7月1日より施設管理業務(プロパティマネジメント)を受託した。
 CBREは、アルプス物流から保有不動産に関するアドバイザリーを受託し、アセット・ライト化を目的とした資産流動化戦略を策定。金融サービス部門であるインベストメントバンキングが主導し、売買仲介部門および物流施設のリーシング部門と連携して、8物件のセール&リースバックを支援した。売却先は、米投資ファンドKKR系の上場不動産投資信託(J-REIT)「産業ファンド投資法人」などが出資する私募ファンド。CBREは、戦略構築から売却実行、売却後の施設管理までを一貫して対応し、アルプス物流のポートフォリオの資産価値最大化に貢献したとしている。
 今回の取り組みは、2024年5月に発表されたロジスティード(株)の国内32物件の売却支援に続くもので、物流事業会社のアセット・ライト化を支援する事例として注目される。CBREは今後も事業会社向けに不動産の総合ソリューションを提供し、業界をリードしていく方針だ。

■伊藤忠ロジスティクス(株) <8月6日>
沼尻産業(株)と共同開発を進めていた「つくばメディカル物流センター第2期/TMLC2」が竣工/つくばで2拠点目となるメディカル専用物流倉庫、QMS省令に準拠した品質管理設備と管理体制を完備


 伊藤忠ロジスティクス(株)は、沼尻産業(株)と茨城県つくば市で共同開発を進めていた「つくばメディカル物流センター第2期/つくばメディカルロジスティクスセンター第2期(以下、TMLC2)」が7月に竣工し、8月6日に竣工式・落成式を実施したと発表した。
 同施設は、伊藤忠ロジスティクスと沼尻産業の共同開発物件で、2022年4月に竣工した「TMLC」に続き、つくばで2拠点目となるメディカル専用物流倉庫 (TMLC含め2万1,380㎡)。常磐自動車道、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)のICから至近で、「成田空港」を含めた関東各拠点へのアクセスや輸出入の利便性に優位性があることから、保税エリアを活用した一気通貫サービスの提供を進め、メディカル物流のさらなる拡充・展開を図る。
 つくばメディカル物流センター第2期/TMLC2は、敷地面積3万6,014㎡、倉庫面積1万4,252㎡(事務所含む)の鉄骨2階建て倉庫。医療機器や体外診断用医薬品の品質管理を定めたQMS省令に準拠した品質管理設備と管理体制を完備している。顧客の製品特性に対応するため、室温・冷蔵・冷凍の3温度帯を保有。高床式バースにはドックシェルターを完備し、医薬品・医療機器の入出庫に対応ができる設備仕様とした。センター内には3.5tの貨物用EVとT11型パレットを同時に2枚上下搬送できる垂直搬送機を2基設置するとともに、保管効率を高めるため、倉庫内天井高さを梁下7mに設計。環境対策として、全館LED照明や人感センサー、屋根上への自家消費型太陽光発電設備も導入している。また、災害に伴う停電が発生した場合でもオペレーションを継続できるようにするため、軽油を燃料とした大型非常用自家発電機(72時間稼働可能)を設置し、安定的・継続的に製品を供給できる体制が整えられている。

※「つくばメディカル物流センター第2期/TMLC2」の概要
所在地:茨城県つくば市高野台2-1
敷地面積:3万6,014.77㎡(1万894.47坪)
倉庫部分:1万3,587.88㎡(4,110.33坪)
事務所部分:664.52㎡(201.02坪)
建物構造:鉄骨造・2階建て
着工:2024年6月
竣工:2025年7月

■日本通運(株)<8月6日>
愛知県豊川市に物流拠点「NX豊川ロジスティクスセンター」を新設/空調設備やバンニング機能を装備、多様化する顧客ニーズに柔軟に対応


 日本通運(株)は、愛知県豊川市に新たな物流拠点「NX豊川ロジスティクスセンター」を新設した。
愛知県豊川市を含む東三河エリアは、自動車産業をはじめとする多様な産業が集積し、中部国際空港や名古屋港へのアクセスにも優れた地理的条件を有する。ただ市街化調整区域が多く、大規模マルチテナント型物流拠点が不足しているため、保管スペースの確保が大きな課題だった。同社はこうした状況を踏まえ、地域の物流ニーズに対応するため、今回の物流拠点新設を決めた。
 新物流拠点は、延床面積1万2,976㎡、鉄骨造4階建て(倉庫3層)。東名高速道路「豊川IC」に近く、交通アクセスに優れた場所に立地している。空調設備やバンニング機能を備え、多様化する顧客ニーズに柔軟に対応することができる。
 2026年中には倉庫屋上に太陽光パネルを設置予定。発電した電気を倉庫内で活用することで、環境負荷の軽減とBCP対策にも積極的に取り組み、持続可能な物流サービスの提供とともに、災害時にも安定した事業運営を実現する。
 なお、同施設は効率的で環境負荷の小さい物流を実現する施設として、7月9日付で国土交通省中部運輸局より「物流総合効率化法」に基づく認定を取得しており、税制特例を活用したコスト削減も図る。

※「NX豊川ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:愛知県豊川市本野ヶ原2-88、89
延床面積:1万2,976.96㎡
構造:鉄骨造・4階建て(倉庫3層)
営業開始日:2025年8月1日

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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