■物流施設 投資関連情報2024版<7.11~7.17>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■ANAファシリティーズ(株)<7月11日>
名古屋市港区で建設を進めていた物流施設「エルオージェイ1」が竣工/アセットマネジメント事業進出の第1号物件、7月1日から賃貸開始


 ANAファシリティーズ(株)は、愛知県名古屋市港区野跡で建設を進めていた物流施設「エルオージェイ1」が6月末に竣工したと発表した。同施設は、同社のアセットマネジメント事業第1号物件。7月1日から賃貸を開始し、自家用倉庫として順次稼働する予定だ。
 同施設は、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線「野跡駅」から徒歩1分、伊勢湾岸自動車道「名港中央IC」から約3.8km(車で6分)の距離に立地している。東棟・西棟の2棟構成の倉庫兼事務所で、倉庫部分は1階、事務所スペースは2階に設けた。一般的な倉庫に比べてゆとりのある事務所部分の構成や、資材置き場の設置など、ユーザーニーズにも対応。使い勝手に配慮し、快適に長期間利用される設計にしたという。
 同社は、名古屋市および名古屋港管理組合と協力し、野跡駅近くの同施設で日曜朝市(マルシェ)を開催するなど、地域のにぎわいを創出する取組を推進する。また、非常用備蓄物資の設置や緊急避難場所の提供などの取組を通じ、地域住民の安全に貢献する意向だ。
 なお、ANAグループ唯一の不動産会社である同社は、物流施設など事業用不動産のコンサルティング、サブリース・プロパティマネジメント、建築請負、不動産売買仲介などを展開している。その幅広い事業領域を活かし、ユーザーに最適なソリューションをワンストップで提供するため、今回、アセットマネジメント事業にも進出した格好だ。同施設では、SPC組成、エクイティ出資、開発、資金調達、信託受益権化を担い、併せてマスターリースおよびプロパティマネジメントについても受託するなど、一気通貫の取組を進める。同社は今後、投資助言業と第二種金融商品取引業のライセンスを活用し、協業先と共同投資を行い、他のアセットタイプにも領域を広げ、さらなる事業拡大をめざす。

※「エルオージェイ1」の施設概要
所在地:愛知県名古屋市港区野跡
敷地面積:8,352.40㎡(2,526.6坪)
延床面積:4132.77㎡(1,250.16坪)
主要用途:倉庫、事務所
竣工:2024年6月末

■NIPPON EXPRESSホールディングス(株)<7月11日>
NXエンジニアリングベトナム(有)がベトナム北部で「ハイフォン・ロジスティクスセンター」を着工/総倉庫面積約2万3,500㎡の規模で温湿度管理にも対応


 NIPPON EXPRESSホールディングス(株)のグループ会社、NXエンジニアリングベトナム(有)は、ベトナム・ハイフォン市の物流施設「ハイフォン・ロジスティクスセンター」の第2期センターの建設に着手した。
 ベトナム北部ハイフォン市とその近郊には、工業団地が多く、日系企業のほか多くの外資系製造業が進出している。アジア圏内外への物流アクセスに優れる国際深水港もあり、ベトナム北部の玄関口としての役割を果たしていることから、物流拠点の立地に適する。
 同施設は、2015年に第1期センターが稼働開始しており、今回新たに建設する第2期センターは、2025年2月末に完成し、3月から稼働開始する予定。多様な顧客ニーズに応えるため、保管物に合わせた温度管理が可能な定温保管室を複数設けたほか、ベトナム特有の高湿度環境にも対応するため、大型空調設備を設置する。これにより湿度を常に70%以下に保ち、医療機器や電子機器など、温湿度管理が必要な高付加価値商品の保管に最適な環境を整える。第2期センターの完成で総倉庫面積は約2万3,500㎡に達し、ベトナム北部の物流能力がさらに強化されるとしている。

※「ハイフォン・ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地 Land plot CN5.6B Dinh Vu Industrial zone, Dong Hai 2 ward, Hai An district, Hai Phong city, Vietnam
〇第1期倉庫/ 2015年稼働
敷地面積:5万5,300㎡
構造:倉庫 S造平屋建て / 事務所 RC造3階建て
倉庫面積:1万4,963㎡
主要設備:保税倉庫、コンテナフレートステーション、一般倉庫、定温・低湿空調、エアカーテン付きコンテナドック(14基)
〇第2期倉庫/ 2025年3月稼働予定
敷地面積:2万988㎡
構造:RC造(一部S造)、地上1階建(一部メザニン)
倉庫面積:8,550㎡
主要設備:保税倉庫、コンテナフレートステーション、定温・低湿空調室、庫内全域低湿度空調、エアカーテン付きコンテナドック(7基)

■三井不動産(株)<7月11日>
「三井不動産ロジスティクスパーク」新事業戦略を策定、国内新規開発8物件を発表/施設開発は国内外計75物件、総延床面積約600万㎡に、累計総投資額は約1兆2,000億円に拡大


 三井不動産(株)は、4月に公表した新グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」のもと、今後のロジスティクス事業における新事業戦略を策定するとともに、これまでの開発・運営施設67物件に加え、新たに国内8物件の施設開発が決定したと発表した。
 新規開発施設は、物流施設が6物件、データセンター(DC)が2物件といった内訳。物流施設は「三井不動産ロジスティクスパーク横浜新子安」(MFLP横浜新子安)、「三井不動産ロジスティクスパーク京都八幡Ⅰ」(MFLP京都八幡Ⅰ)、「三井不動産ロジスティクスパーク京都八幡Ⅱ」(MFLP京都八幡Ⅱ)、「(仮称)三井不動産ロジスティクスパーク仙台名取Ⅱ」(MFLP仙台名取Ⅱ)、「(仮称)淀川区加島物流施設計画」、「(仮称)MFLP杉戸」で、DCは「日野DC計画」と「相模原DC計画」となっている。
 こうした国内新規開発8物件を加えると、同社ロジスティクス事業における施設開発は、国内66件、海外9物件の計75物件、総延床面積約600万㎡となり、その累計総投資額は約1兆2,000億円に拡大するとしている。

※「MFLP横浜新子安」の施設概要
特徴:首都高速神奈川1号横羽線「生麦IC」至近。神奈川産業道路や国道15号線へのアクセスも良好。首都圏広域への配送に加え、都内配送にも優れた物流立地。
所在地:神奈川県横浜市
敷地面積:約6万189㎡(約1万8,207坪)
延床面積:約13万6,641㎡(約4万1,334 坪)
規模:地上5階建て/ダブルランプウェイ型
着工:2023年10月
竣工:2025年2月(予定)

※「MFLP京都八幡Ⅰ」、「MFLP京都八幡Ⅱ」の施設概要
特徴:新名神高速道路の新規区間開通により、名古屋、大阪、神戸への良好なアクセスが期待できる好立地。
所在地:京都府八幡市
敷地面積:約11万6,103㎡(約3万5,121坪)
延床面積:Ⅰ=約8万1,338㎡(約2万4,604坪)、Ⅱ=約16万6,798㎡(約5万456坪)
規模:Ⅰ=地上4階建て/スロープ型、Ⅱ=地上4階建て/ランプウェイ型
着工:Ⅰ=2026年2月(予定)、Ⅱ:2026年10月(予定)
竣工:Ⅰ=2027年7月(予定)、Ⅱ:2028年9月(予定)

※「(仮称)MFLP仙台名取Ⅱ」の施設概要
特徴:「MFLP仙台名取Ⅰ」に続く東北エリア第2号物件。周囲の就業環境が整っているため、雇用確保も期待できる。市内配送と広域配送の両面に対応可能。
所在地:宮城県名取市
敷地面積:約1万5,985㎡( 約4,835坪)
延床面積:約3万2,248㎡(約9,755坪)
規模:地上3階建て/BOX型
着工:2024年9月(予定)
竣工:2025年12月(予定)

※「(仮称)淀川区加島物流施設計画」の施設概要
特徴:SGリアルティ(株)との共同事業。阪神高速11号池田線「加島出入口」に近接しており、名神高速道路や大阪市内および周辺の主要港へのアクセスも良好。通勤利便性も兼ね備える好立地。
所在地:大阪府大阪市
敷地面積:約9万3,225㎡( 約2万8,200坪)
延床面積:約20万6,578㎡(約6万2,490坪)
規模:地上5階建て/ダブルランプウェイ
着工:2025年12月(予定)
竣工:2027年9月(予定)

※「(仮称)MFLP杉戸」 の施設概要
特徴:国道4号線、16号線に近接しており、関東各方面への配送に適する。様々な温度帯に対応可能な、同社初のマルチ型冷凍冷蔵倉庫として開発。
所在地:埼玉県北葛飾郡
敷地面積:約7,554㎡(約2,285坪)
延床面積:約1万1,877㎡(約3,592坪)
規模:地上3階建て//BOX型
着工:2025年6月(予定)
竣工:2026年12月(予定)

■テス・エンジニアリング(株)<7月12日>
日本生命保険(相)所有の大規模物流施設「ニッセイロジスティクスセンター鳥栖」への再生可能エネルギー電気供給が決定/オンサイトPPAモデルを活用した自家消費型太陽光発電システムで


 テスホールディングス(株)の連結⼦会社、テス・エンジニアリング(株)は、日本生命保険(相)が所有・管理を行う大規模物流施設「ニッセイロジスティクスセンター 鳥栖」向けに、再生可能エネルギー電気の供給を行うことが決定した。供給する再生可能エネルギー電気は、オンサイトPPAモデルを活⽤した⾃家消費型太陽光発電システムで発電したもので、2025年2月から供給開始する予定だ。
 同事業では、テス・エンジニアリングが、同施設の屋根に⾃家消費型太陽光発電システムを設置し、オンサイトPPAモデルとして所有・維持管理するとともに、再⽣可能エネルギー電気を同施設に供給する。発電容量は約0.4MWで、年間想定発電量は約29万kWhとなり、発電した電力の全量を同施設に供給することで、同施設の年間電力需要量の約45%を賄う予定。また、CO₂排出削減量は年間約124t-CO₂となる見込みだ。
 同事業は、需要家の再生可能エネルギー電気の利用に際して、太陽光発電システム導入に関わる初期投資が不要で、電力需要の変動や燃料問題に左右されない長期にわたる安定電源の確保にもつながるという。同事業ではまた、さらなるCO₂排出量の削減を見込み、広大な物流施設屋根の設置スペースを最大限活用し、自家消費用途のほか、発電容量約1.9MW(年間想定発電量:約210万kWh、年間CO₂排出削減量:約902t-CO₂)の太陽光発電設備を設置する。この設備により発電された電力は、テスグループがFIP制度を活用して卸電力市場等に売電するほか、環境価値を高めるための有効活用を進めるとしている。
 オンサイトPPAモデルへの取組は、テスグループの中期経営方針の一つである「ストックビジネスを充実させることで安定した経営基盤を構築する」に貢献するもので、「2030年までにオンサイトPPAによる自社発電容量を250MW以上に拡大」という中期目標に向けて、今後も積極的に推進していく⽅針。テスグループでは、我が国の推進する2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、今後も顧客企業の脱炭素ニーズに対応する多様なソリューションを提供していく。

〇同事業の概要
設置場所:ニッセイロジスティクスセンター 鳥栖
所在地:佐賀県鳥栖市
PPA事業者:テス・エンジニアリング(株)
システム内容:オンサイトPPAモデルを活用した自家消費型太陽光発電システム
発電容量:約350.46kW(Jinko Solar製590W×594枚)
モジュール種別:単結晶
供給開始:2025年2月(予定)
契約期間:20年

■サッポログループ物流(株)<7月12日>
「サッポロビール千葉工場」の隣接地に「京葉湾岸物流センター」を新設/輸配送に関わる作業を年間約2万時間削減、トラックドライバーと倉庫作業員の負担を軽減


 サッポロホールディングス(株)のグループ企業、サッポログループ物流(株)は、持続可能な物流体制の維持や構築に向け、「サッポロビール千葉工場」の隣接地に「京葉湾岸物流センター」を新設する。これに伴い、現在、ワインや洋酒などの保管・出荷作業を担っている既存の「京葉物流センター」(以下、旧物流センター)でのすべての業務を新倉庫に移管し、8月19日から出荷を開始する予定だ。
 現状、ワインや洋酒などの製品とビール製品のトラックへの積み込みを旧物流センターとビール工場の2拠点で行っているため、出荷準備作業などの重複が生じていた。新物流センターでは、隣接しているサッポロビール千葉工場との間に連結動線を確保することで、出荷機能を1拠点に集約する。これにより、トラックドライバーの運行時間や倉庫作業員を含めた出荷付帯業務を年間約2万時間削減し、年間CO₂排出量を約116t削減できる見込みだ。
 また、新物流センターのレイアウトを工夫することで保管効率を高め、外部倉庫に保管していた製品や資材についても新物流センターに集約する。さらに、主に手作業で行っているワイン検品やギフト加工についても作業効率を高め、身体への負担を軽減し、高齢者や女性にとってもより快適な労働環境を整える。今後は、倉庫内の自動化・機械化に向けた基盤づくりにも取り組むとしている。

※新「京葉湾岸物流センター」の施設概要
所在地:千葉県船橋市高瀬町1-2(王子物流社物流センター内)
延床面積:約1万2,000坪(約3万9,600㎡)
出荷開始日:2024年8月19日
主な取扱商品:ワイン、洋酒、和酒、ビール製品資材
ポイント:(1)ビール工場とワイン、洋酒などの製品の倉庫を隣接させ、連結動線を確保し、出荷機能を1拠点に集約、(2)保管効率を高め、外部倉庫に保管していた資材や製品を新たな物流センターにすべて集約、(3)ワイン検品やギフト加工作業の負担を軽減

■ロジスティード中部(株)<7月12日>
名古屋市で建て替え工事を進めていた「熱田物流センター」が竣工・稼働/好立地を活かした効率的な物流サービスの提供へ


 ロジスティード(株)のグループ会社、ロジスティード中部(株)が愛知県名古屋市で建て替え工事を進めていた物流施設「熱田物流センター」が竣工し、7月12日に稼働した。
 同施設は主要道路へのアクセスが容易で、名古屋中心部まで5km圏内、名古屋港まで約18kmの好立地に位置しており、荷主企業の多様な物流ニーズに対応できる多目的汎用物流センター。太陽光発電、LED照明、EV充電設備などを導入しており、環境負荷の小さな物流サービスの提供に向け、同社では温室効果ガスの削減とエネルギー利用の効率化にも取り組むとしている。同施設内の一部エリアでは今後、警備ロボットや顔認証による監視カメラなどを導入し、堅固なセキュリティ体制下でパソコンや情報通信機器のキッティングを行う付加価値サービスにも対応する計画だとしている。

※「熱田物流センター」の施設概要
所在地:愛知県名古屋市瑞穂区桃園町317
建屋仕様:鉄骨造(地上5階建て)
敷地面積:1万4,568㎡
延床面積:2万1,342㎡
主要設備:荷物用EV 2基、垂直搬送機 3基、ドックレベラー 3基など
稼働:2024年7月12日

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