
郵船ロジスティクス(株)は、郵船ロジスティクスグループの欧州法人 Yusen Logistics (Europe) B.V.(=YLEU)傘下でヘルスケア物流サービスを展開するMovianto社がベルギー拠点「アールスト」の医薬品倉庫を大幅に拡張したと発表した。同拠点は2016年に稼働開始して以来、高品質なヘルスケア・ロジスティクスサービスを提供してきた。今回の医薬品倉庫の大幅拡張によりヘルスケア物流機能をさらに強化し、欧州で拡大するヘルスケア需要に対応する考えだ。
同拠点の医薬品倉庫は大きく拡張し、倉庫面積が2万1,600㎡となったことで、パレット保管能力は約2倍に増加。施設内には常温(+15~+25℃)、冷蔵(+2~+8℃)、冷凍(−20℃)、超低温(−80℃)の各温度帯の保管エリアを備え、厳格な温度管理が求められる医薬品や医療機器の保管に対応できるものとなった。GDP、GMP認証を取得し、TAPA(サプライチェーンにおける高価貨物の盗難防止やセキュリティに関する国際規格)にも準拠するほか、危険物や麻薬専用の保管エリアも新設したという。
拡張した医薬品倉庫では、治験薬や治験機器など幅広い製品の保管から、2次包装などの流通加工、品質管理まで一貫したサービスを提供する。さらに保税倉庫としての機能も持ち、輸送中貨物の免税保管や輸出入通関にも対応可能で、欧州域内のゲートウェイとして効率的なサプライチェーン構築に寄与する。
環境面では、屋上に太陽光発電設備を増設し、発電電力で敷地内消費電力の約50%を賄う予定。LED照明やヒートポンプシステムの導入、雨水再利用の推進に加え、冷蔵設備には自然冷媒を採用し、環境負荷を抑えた運用を行う。
6月11日には開所式を開催し、アールスト市長や顧客企業、パートナー企業、郵船ロジスティクスグループ関係者などが出席した。ベルギーはヘルスケア産業の重要拠点で、Movianto社はend-to-endで事業成長を支える高品質な物流サービスの提供を目指す。
郵船ロジスティクスグループはヘルスケア産業を重点分野と位置付け、基盤強化を進めてきた。2025年12月にはYLEUが欧州物流企業Waldenグループのヘルスケア事業を担っていたMovianto社など4事業体を買収。ロジスティクスサービスの高度化を図ってきた経緯がある。郵船ロジスティクスグループとMovianto社が培った専門性を組み合わせることで、欧州でのロジスティクスサービス提供体制を強化し、今後も多様化するニーズに応えていく方針だ。
