
若松梱包運輸倉庫(株)は石川県白山市で建設を進めていた「本社第二共配センター」が6月27日に完成し、7月1日に本格稼働したと発表した。新センターは、荷主の F-LINE(株)とともに物流総合効率化法の適用を受けており、両社は今後、環境に配慮した効率的な物流事業を展開するとしている。
若松梱包運輸倉庫はこれまで、TC運営を主力事業としてきた。日常の輸配送に迅速に対応することで在庫コストの低減が図れるほか、タイムリーな業務対応が可能となるためだ。だが、地方都市への輸送については需要量の関係で積載率の低下が課題に浮上。昨今はトラックドライバーの働き方改革や、頻発する豪雨や雪害、地震も含めたBCP対策も求められるようになっている。同社はこれら課題に対応するため、近年はDCの構築を進めており、今回冷凍・冷蔵保管にも対応する新センターを稼働させたのもその一環だとしている。DCの保有は、季節や時間帯、社会情勢などによる物流量の変動に対応に加え、積載率向上や地震などの自然災害の備えにもつながる。輸送効率向上はドライバーなどの労働時間削減にも直結することから、強靭でサステナブルな経営を実現できる。
今回本格稼働した新センターは、自動保管装置とWMSによる在庫管理機能を備える。温度管理が必要な商品の保管容量も大幅に増加しており、高い作業効率性を併せ持った倉庫となっている。
環境対応面では、太陽光発電システムの設置や、冷凍設備への自然冷媒(アンモニア/CO2)の採用などを実施。BELS最高ランクを獲得すると同時に、「ZEB」認証も取得している。さらに、F-LINEとの協力体制のもと、輸配送を含めた業務の効率化を図り、CO2排出削減も図る。
※「本社第二共配センター」の施設概要
敷地面積:1万7,043.45㎡(5,155.64坪)
建物構造:鉄骨造3階建て
建築面積:7,006㎡(2,119.32坪)
延床面積:1万3,982.50㎡(4,229.71坪)
機械装置:冷凍加工食品を保管する自動倉庫
保管数量:7,644PL(棚高150cm)
設備仕様:ドックシェルター(17基/ 大型6基、中型11基)
空調設備:冷蔵庫、冷凍庫、自動ラック倉庫、事務所
温度管理:集中温度管理システム
垂直搬送機:1階⇔2階⇔3階 2基
貨物用エレベーター:1階⇔2階⇔3階 1基