<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■日本GLP (株)<4月17日>
大阪市東住吉区で先進的物流施設「GLP大阪Ⅳ」を着工/「GLP大阪市東住吉区まちづくりプロジェクト」の2棟目、自動化設備導入の最新物流施設、(株)あらたが専用施設として1棟利用
日本GLP(株)は、大阪府大阪市東住吉区で延床面積約2万8,500㎡の先進的物流施設「GLP 大阪Ⅳ」を着工した。同施設は「GLP大阪市東住吉区まちづくりプロジェクト」の2棟目となる開発物件。2026年10月末竣工予定で、すでに日用品卸大手の(株)あらたが専用施設として利用することが決定している。なお、隣接する「GLP 大阪Ⅲ」は2024年10月に着工済みで、竣工は2026年1月末となる予定だ。
GLP 大阪Ⅳは、近畿自動車道「松原JCT」から約6km、「東大阪JCT」から約16km、阪神高速4号湾岸線「南港中IC」から約12kmと大阪内陸部と湾岸部の中間点に位置し、阪神高速1号環状線「西船場JCT」からも約12kmと、関西広域および大阪都心の主要ICまで20~30分圏内の距離にある。関西主要都市への配達に適しており、阪神高速大和川線や大阪市を南北に縦断する幹線道路にも隣接しているため、大阪市の南の玄関口としての役割を果たすポテンシャルを有する。市街地に立地する特性からラストワンマイルでの利用も可能。和歌山・奈良方面への広域配送拠点として優れた立地条件を備えている。大阪南港をはじめとした主要沿岸部を包括する立地に加え、「関西国際空港」へのアクセスも容易。チルド食品から航空貨物まで幅広い荷物のニーズに対応できる。
通勤面では、近鉄南大阪線「矢田駅」から徒歩約10分、大阪シティバス「矢田行基大橋バス停」から徒歩約1分の距離に位置し、大阪メトロ御堂筋線「あびこ駅」、JR阪和線「我孫子町駅」からもバスでアクセスできるため、通勤の利便性が高い。施設周辺には住宅地が広がっており、雇用確保面からも優位な立地だ。
同施設は、地上4階建ての先進的物流施設。倉庫内保管エリアは構造ブレースのない仕様で、MH機器の導入・設置がしやすい。4層吹抜けの自動ラック倉庫エリアをあらかじめ計画することで最新技術を用いた高度な物流オペレーションも可能となる。
あらたは、「GLP 八千代Ⅳ」にも入居する日本GLPのリピートカスタマー。日本最大級の日用品卸として全国規模のネットワーク基盤を確立している。事業拡大に伴い今回入居するGLP 大阪Ⅳを関西地区における同社最大の配送拠点となる「関西新センター(仮)」として活用する予定。施設内では省人化・省力化を可能とするロボットやMH機器を導入するほか、人手不足への対策としてトラックの荷待ち時間短縮をはじめ、荷物の積み下ろしや仕分け作業効率化の仕組みを導入しる予定だ。同社は、GLP大阪Ⅳの立地の利便性、DX・IT化を実現する日本GLPの物流施設設計・ノウハウなどを高く評価しており、リピート入居を決定したという。
〇同施設の特長
• 地上4階建てのボックス型の施設で荷物用エレベーター2基を設け、施設内の効率的な物流オペレーションをサポート。
• 床荷重を1.5t/㎡、有効天井高を5.5mとし、4層吹抜けの自動ラック倉庫エリアをあらかじめ計画することで、最新鋭のロボットやMH機器を導入しての自動化への対応が可能。
• トラックバースはオーバースライダーの高さを全て5.2mとし、ウイングトレーラーによる入出庫にも対応。
• 外観はライトグレー系を基調とし、大和川・河川敷・公園の自然色の濃淡によるグラデーションとの軽やかなつながりを意識し、大阪市の南の玄関口としての景観を創出。
〇同施設のサステナビリティへの取組
• 災害への対応:BCP 面では、浸水を考慮した高さに受変電設備を配置するなど、被害を最小限にとどめる設備計画を実施。
• 再生可能エネルギーの活用: LED照明を設置、また太陽光発電設備を設置予定とし、入居企業のサステナブルな取り組みをサポート。さらに内装計画ではリサイクル建材を活用し、サステナブルな開発を推進。
• 環境認証の取得:CASBEE認証、ZEB Ready認証、BELS 5☆認証を取得予定。
※「GLP 大阪Ⅳ」の施設概要
所在地:大阪府大阪市東住吉区矢田5丁目
敷地面積:約1万7,700㎡
延床面積:約2万8,500㎡
構造:地上4階建て、耐震S造
着工:2025年4月
竣工:2026年10月末(予定)
認証取得:CASBEE認証、ZEB Ready認証、BELS 5☆認証(予定)
■(株)IHI、野村不動産(株)<4月18日>
横浜市金沢区で共同開発を進めていた大規模物流施設「Landport横浜杉田」が竣工/「オープン・シェア型」物流施設として地域の歴史継承や防災・環境保全に取り組む拠点に
(株)IHIと野村不動産(株)は、横浜市金沢区で共同開発を進めてきた大規模物流施設「Landport横浜杉田」が竣工し、満床稼働したと発表した。
同施設の開発にあたり、両社は物流業界の「ポスト2024年問題」への新たな対応策として「オープン・シェア型」物流施設とのコンセプトを掲げた。「オープン・シェア型」物流施設とは、屋上菜園や施設内の広場・樹木など、施設が有する様々なリソースを地域イベントの開催場所や防災拠点として広く共有するもの。施設や地域の関係者がつながり合い、地域の雇用や防災レジリエンス向上などの価値を創出できる施設だ。物流の自動化や人手不足への対応策として、主に「自動倉庫のビルトインによる自動化・省人化への環境整備」や「地域コミュニティ活動の促進による雇用機会の創出」などを打ち出しており、ハード・ソフト両面からの解決策を提案する。
同施設は首都高速湾岸線「杉田IC」から約680m、横浜横須賀道路「港南台IC」から約3.4km と、利便性の高い立地に所在している。都心まで約 30km 圏内に位置し、湾岸~都心ルートのほか、第三京浜道 路や保土ヶ谷バイパス等を使っての輸送など、神奈川県内陸方面や都心方面の幅広い配送に適した立地条件を備えている。
同施設では、(株)IHI物流産業システムをはじめとしたIHIグループの技術力と、野村不動産が培ってきた“カテゴリーマルチ®”型物流施設 の開発・施設運営によって得られたノウハウおよび最適な物流オペレーションの検証を行う企業間共創プログラム「Techrum(テクラム)」の取組を融合し、労働力不足や物流コストの増大を含むサプライチェーン機能の停滞等への課題解決を図る。
IHIと野村不動産は、「オープン・シェア型」物流施設というキーワードを掲げ、「地域に寄り添い、人々や企 業がつながり合う地域共創型の物流施設」の運営を推進する。 物流業界の「ポスト2024 年問題」への対応がさらなる重みを増しているからだ。具体的には、物流施設の自動化や省人化などの対応に、2026年4月からのCLO(物流統括管理者)の設置義務付けも加わり、 荷主企業自らが雇用対策・防災対策などを考慮した物流施設選択の必要性が高まっている。「オープン・シェア型」物流施設をコンセプトとした同施設では、自動機器レンタルサービスや地域共創の取組を通じ、ハード・ソフト両目から荷主企業の課題解決を目指す意向だ。
〇「Techrum」について
ロボティクスや ICT、搬送機器など物流関連技術を有する企業各社と連携し、野村不動産が核となって組成する企業間共創プログラム。様々な荷主・物流企業固有の課題解決へ向けた総合的なソリューション開発を推進している。協業パートナー企業は2025年3月時点で115社。IHI物流産業システムも参画している。
〇同施設における物流業務効率化に向けたその他の取組
・自動倉庫のビルトインおよび自動化機器レンタルサービスの提供で費用削減や賃借面積合理化に貢献。
・将来的な自動化機械等の導入に対応可能な電力容量として約4,000kVAまでの特別高圧受電を採用。
※「 Landport横浜杉田」の施設概要
所在地:神奈川県横浜市金沢区昭和町3174
敷地面積:7万1,034.94 ㎡(2万1,488.06 坪)
延床面積:16万3,409.47 ㎡(4万9,431.36 坪)
構造・規模:地上4階建・柱RC梁S造・免震構造 ダブルランプ型
特徴:①コミュニティスペースの設置(2025年4月末完成予定)⇒(1)施設東側のランプ下に、総座席数46席の「コミュニティスペース」を設置 、(2)テナント企業様だけでなく、地域住民の方も利用可能 /②BCP 対策⇒(1)地震による揺れを最小限に抑える「免震構造」の採用、(2)停電発生時から「72時間運転可能」な非常用発電機を完備 、(3)防災備蓄庫を設置し、災害に備えた備品を保管 /③サステナビリティの取組⇒(1)施設屋上を活用した太陽光発電システムを導入。使用電力をグリーン電力とすることにより、ZEB最高ランクを取得予定、(2)既存井戸を、外構広場の植栽散水用および有時の際の災害用水として再利用可能
■NIPPON EXPRESSホールディングス(株)<4月18日>
NXインドがハリヤナ州パタウディとインディラ・ガンディー国際空港内の2倉庫を拡張/NXグループ中計の成長戦略に基づきインドでのさらなる物流サービスの拡充を目指す
NIPPON EXPRESSホールディングス(株)は、インドのグループ会社 NXインド(株)がハリヤナ州パタウディの倉庫とデリーに位置するインディラ・ガンディー国際空港内の倉庫を拡張したと発表した。
NXグループは、中期経営計画「NXグループ経営計画2028」で「インドでの存在感の確立」を成長戦略として掲げ、新倉庫の設立や増設など、サプライチェーン強靭化に向けた取組を進めている。今回の2カ所での倉庫拡張はこの成長戦略に基づいたもので、インドでのさらなる物流サービスの拡充につながる。
ハリヤナ州グルガオン近郊のパタウディの倉庫は2月20日、顧客の需要拡大に対応するため、倉庫面積を約9,200㎡に拡張。同倉庫は最先端の火災警報システムやスプリンクラー、ドックレベラーなど、安心・安全で効率的な作業を可能とする設備を備える。今回の拡張でより多くの顧客に対する高品質サービスの提供可能になったという。
インディラ・ガンディー国際空港内の倉庫は、空港内のトランジット貨物の取扱、引越業務サポートおよび通関業務を担っている。近年の取扱貨物量増加を受け、1月23日に倉庫とオフィスを約1.5倍拡張した。最新鋭の倉庫設備を備え、きめ細かな顧客ニーズに即時対応できる体制を整えている。
※「パタウディ倉庫」の施設概要
所在地:Khasra No. 47/11/2, 12/1, 19/2, 19/3/1, 19/3/220/1, 21, 22, 26, 48/16/2, 17/1/2/2, 24, 25 Village -Jauri Khurd,Tehsil – Pataudi, Gurugram – Pataudi Road, Gurugram – 122 503, Haryana, India
面積:9,290㎡
業務内容:倉庫、貨物輸送、通関
※「インディラ・ガンディー国際空港内倉庫」の施設概要
所在地:Unit. Nos: N15 & N16: ACLC-2, Near New Customs House, IGI Airport – 110 037, India.
面積:790㎡
業務内容:倉庫、貨物輸送、通関
■(株)サンリツ<4月18日>
東京都府中市の物流施設「SANKEILOGI府中」内に「村山事業所府中倉庫」を開所/賃貸面積1万5,659㎡の機能性に優れた倉庫、売店併設カフェなどを設置するなど労働環境も重視
(株)サンリツは、東京都府中市の物流施設「SANKEILOGI府中」内に「村山事業所府中倉庫」を開所した。
同倉庫は、中央自動車 道「国立府中IC」から約3.6km、JR武蔵野線「北府中駅」から徒歩10分と利便性の高いエリアに立地している。倉庫としての機能性に優れるうえ、売店併設のカフェテリアなども設置されており、労働環境を重視した仕様。また、敷地内に現存する遺跡の保護など、地域住民との共生も考慮されている 。
※「SANKEILOGI府中」の施設概要
所在地 :東京都府中市武蔵台1-1-3
敷地面積:約1万6,877 ㎡(5,105 坪)
延床面積:約3万9,617 ㎡(1万1,984 坪)
(株)サンリツ賃借面積:1 階・4階⇒1万5,659.03 ㎡(4,736 坪)
床荷重:1.5t/㎡
設備:貨物用エレベーター(3.5t)、空調設備、耐震構造、機械警備、ドッグレベラー、垂直搬送機
■横浜冷凍(株)<4月18日>
岡山市南区で建設を進めていた物流施設「岡山CONNECT物流センター」が竣工/物流2024年問題への対応で保管・仕分け・流通などの機能を集約、トラックスイッチ輸送も開始予定
横浜冷凍(株)は、岡山県岡山市南区海岸通で建設を進めていた物流施設「岡山CONNECT物流センター」が竣工したと発表した。
同施設は、中四国エリア初となる本格的な冷凍倉庫機能を備えた物流拠点で、関西・九州・四国を結ぶ要衝に位置する。高速道路インターチェンジからのアクセスにも優れ、広域配送の効率化を実現する物流戦略拠点として、地域経済と流通網のさらなる発展に寄与する。物流2024年問題への対応で保管・仕分け・流通などの機能を集約。中継・集約型物流の効率化を図ることが可能な「CONNECT(つなぐ)」をコンセプトとしており、運送協力会社の協力を得てトラックスイッチ輸送も開始するという。
同施設はL字型トラックバースを完備した環境配慮型の次世代型冷蔵倉庫で、省エネの取組の一つとして、同社最大級の太陽光発電システムと大容量リチウムイオン蓄電池を導入している。平常時はもちろん災害等の非常時にも同施設で発電したエネルギーで倉庫内を冷却することができる。また、同施設の社用車にはEVを採用。太陽光発電システムと蓄電池を連携させた充電ステーションも設備されている。災害時には非常用電源として利用可能で、BCP対策にもなっている。
※「岡山CONNECT物流センター」の施設概要
所在地:岡山県岡山市南区海岸通2-4-31
構造・規模:鉄筋コンクリート造 3階建て 一部鉄骨造
敷地面積:2万3,102㎡(6,988坪)
延床面積:2万8,787㎡(8,708坪)
建築面積:1万349㎡(3,130坪)
収容能力:3万51t(F級:2万4,914t C&F級:4,537t C級:600t)
導入設備:省エネ型自然冷媒冷却設備、F級/C級/C&F級用⇒Newton R8000×2基(NH3/CO2冷凍機)、F級用(シットリーⅡ)⇒Newton F-600×1基(NH3/CO2冷凍機)、低温室用(1-3階・陽圧)⇒Newton C×2基(NH3/CO2冷凍機)、陽圧デジカント空調システム、自然対流冷却方式、移動棚(8,816PL)、カーゴナビゲーションシステム、EV自動充電ステーション、自立機能式パワーコンディショナーシステム(太陽光発電設備)、太陽光発電設備(665.5㎾)、リチウムイオン蓄電池(430㎾h)、ジェネレーター、ソーラーシステムによるBCP対策 など
■地主(株)<4月21日>
千葉県市原市で工場・倉庫用地を取得、テナントと定期借地権設定契約を締結/「土地のオフバランス提案」の一つの事例、テナントは土地のみ売却して建物の所有を継続
地主(株)は、同社グループが千葉県市原市で工場・倉庫用地を取得し、テナントと定期借地権設定契約を締結したと発表した。
今回の措置は、同社グループが推進する「土地のオフバランス提案」の一つの事例。テナントは土地のみを売却し、建物を所有しつづけることで事業運営環境を維持するとともに、バランスシートをスリム化し、成長投資等に向けた資金の確保、経営指標・財務状況の改善が見込めるという。
同物件は、卸業・製造業を営むテナントが所有・運営する工場および倉庫の土地(底地)。JR
「五井駅」から約2kmの距離に位置する京葉工業地域の一角で幹線道路からも近いことから、同社ではその転用性の高さも評価したとしている。
※取得用地の概要
所在地:千葉県市原市
種類 :土地
土地面積:約 2万5,680 ㎡
■(株)サンケイビル<4月21日>
東京都府中市の物流施設「SANKEILOGI府中」で「ZEB」認証を取得/屋上に太陽光発電所を設置して2026年1月から創エネを開始する予定、環境保護や持続可能な社会の実現に寄与する物流施設に
(株)サンケイビルは、東京都府中市の物流施設「SANKEILOGI府中」(2024年9月30日竣工)において、建築物の省エネ性能の評価制度であるBELS認証でBEI値0.32の高評価を受けたことに加え、屋上に太陽光発電所を設置して創エネを行うことにより、「ZEB」認証を取得したと発表した。今回の「ZEB」認証の取得は設備改修工事の実施を前提としたもので、設計完了時点での認証取得。同社単独物件としては初の取得になるという。
同施設ではエネルギー消費量68%削減を実証し、6☆を獲得。屋上にPPAモデル による太陽光発電所を設置し、発電した電力を自家消費することで、エネルギー収支ゼロを達成できるとしている。 屋上に 1MW 以上の太陽光パネルを設置し、同社初のメガソーラー発電所とする。発電所の稼働開始は2026 年1月となる予定だ。
※「 SANKEILOGI府中」の施設概要
所在地:東京都府中市武蔵台1-1-3
竣工:2024年9月30日
改修工事期間:2025年10月~12月(予定)
■アズビル(株)<4月21日>
京都事業所内に設立した新物流拠点「京都配送センター」が稼働/物流BCPを強化の取組の一環、神奈川県秦野市の配送センターとの相互補完体制を確立
アズビル(株)は、京都府船井郡京丹波町の京都事業所内に新たな物流拠点「京都配送センター」を設立し、稼働させた。
azbilグループは、甚大な被害を及ぼす自然災害や不測の事態、感染症の拡大等、生産・物流にかかわる国内外のリスクを考慮し、緊急事態発生時における顧客への影響を最小限に抑えるためのBCPに取り組んでいる。今回の京都配送センター開設はBCP対策の一環としての取組。これまで物流拠点は神奈川県秦野市の1カ所のみだったが、物流拠点を2カ所に分散して通常運用を行うことで、一方の配送センターが火災や地震などで機能停止に陥った場合ももう一方の配送センターが物流機能を補完することができる。
※「京都配送センター」の施設概要
所在地:京都府船井郡京丹波町
建築面積:2,900m² 平屋建て
稼働開始:2025年4月
■佐川急便(株)<4月21日>
関西国際空港に国際貨物専用センター「SAGAWAグローバルECセンター関西」を新設/グループの強みを生かして保税から仕分け・発送までのシームレス化を実現
佐川急便(株)は、関西国際空港の倉庫エリアに新たな国際貨物専用センター「SAGAWAグローバルECセンター関西」を設置した。同施設は、佐川急便・りんくう営業所が管轄するセンターとしての機能と、SGHグローバル・ジャパン(株)の保税蔵置場としての機能を併せ持ち、海外と日本をつなぐゲートウェイの一つとして4月11日から稼働している。
新設センターでは、SGHグローバル・ジャパンが管轄する保税蔵置場と、佐川急便が管轄する国内仕分けエリアをベルトコンベアにより連結する構造をSGグループとして初めて採用。これにより、保税から仕分け・発送までのプロセスのシームレスかつ効率的な業務運用を実現した。同施設の設置と自動化設備の導入により、従来2度行っていた仕分け作業が1度で完了するスキームが完成。さらに、仕分け効率と従業員の作業効率がともに向上したほか、リードタイム短縮も可能となった。
今後は取扱個数の増加を見据え、車両の積載効率向上や車両台数の適正化によるCO2排出量削減、集荷締切時間の延長による出荷人の利便性向上、24時間稼働体制の構築も視野に入れ、検討を進めていく予定だという。
国際貨物事業、物流倉庫事業を担うSGHグローバル・ジャパンは同施設を活用することで、海外のEC事業者に対する通関許可から国内発送までのサービスを、同施設内にある保税蔵置場の自動通関許可判別仕分け機と国内仕分けエリアの自動仕分け機とのシームレスな連結により、最短リードタイムで提供することができるものとなった。
※「SAGAWAグローバルECセンター関西」の施設概要
所在地:大阪府泉南市泉州空港南1
延床面積:全体9,477㎡(2,867坪)/佐川急便(株) 6,631㎡(2,006坪)、SGHグローバル・ジャパン(株) 2,846㎡(861坪)
処理能力:1万個/時
稼働時期:2025年4月
■(株)ダイワコーポレーション<4月21日>
千葉県八千代エリア最大級の大型物流施設「ダイワコーポレーション『千葉八千代営業所』」が竣工/同社の国内物流倉庫として31拠点目にして千葉県内11拠点目となる物流施設、地上5階建て延床面積約4万7,683坪とエリア最大級規模
(株)ダイワコーポレーションは、千葉県八千代市で建設を進めていた大型物流施設「ダイワコーポレーション『千葉八千代営業所』」が4月1日に竣工したと発表した。
同施設は、同社の国内物流倉庫として31拠点目にして千葉県内11拠点目となる物流施設。地上5階建て・延床面積約4万7,683坪とエリア最大級の規模を誇る。
東関東自動車道、京葉道路へのアクセスに優れ、東葉高速鉄道東葉高速線「八千代中央駅」か ら 1.9Km と市街地にも近い。「八千代中央駅」からの専用直行バスの運行に加え、敷地内には乗用車 389台、自転車254台を収容できる大規模な駐車場を保有するなど、施設内ワーカーの通勤利便性についても優位性がある。
各階に設置されたバースへのアクセス性や業務効率化に加え、施設内トラック運行の安全性にも配慮し、上り・下りそれぞれ専用の車両スロープを設けるダブルランプウェイと、汎用性の高いオールシャッターを採用。荷降ろし作業の効率化と施設内の安全性の向上を図るとともに、トラックドライバーの待機時間削減や働き方改革に貢献できる諸設備を備えた施設となっている。 倉庫内の各区画には作業環境の向上と環境負荷低減の両立を図るため、空気循環により庫内温度の均一化を図るシーリングファンを設置。施設内にはワーカー向けの食堂や無人売店も設けるなど、「働きやすさ」を 追求した施設設備を整えている。
※「ダイワコーポレーション『千葉八千代営業所』」の施設概要
所在地:千葉県八千代市大和田新田686-3
用途地域:工業地域
敷地面積:2万396.87坪
延床面積:4万7,682.73坪
貸床面積:3万8,639.87坪
構造:地上5階建て PC造 / 免震構造
床荷重:1.5t/㎡
軒下有効高:1~4階:5.5m / 5階:5.5-7.3m
認証取得予定: CASBEE Aランク認証、BELS 5☆認証、ZEB-Ready認証
その他設備:ダブルランプウェイ、 非常用発電機、井水利用装置、自動防火シャッター
駐車場:乗用車389台(うち外部用85台)、バイク26台、自転車254台、トラック待機場37台
■三井不動産(株)<4月22日>
神奈川県海老名市で新産業創造拠点 「三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)海老名 &forest」 を着工/複数テナント型の物流用途を含む複合業務施設で国内初の木造構造を採用
三井不動産(株)は、神奈川県海老名市で物流施設を含む新産業拠点「三井不動産インダストリアルパーク海老名(MFIP海老名) &forest」の建設に着手し、2026年6月末に竣工予定であると発表した。
同施設は、神奈川県海老名市の海老名市役所周辺地区に位置し、物流用途に加え、建物全体の約半分がオフィス・研究施設・ラボ等のマルチユーススペースで構成される。テナント企業の柔軟な拠点創造を支援し、社会のイノベーション・付加価値の創出の場となることを目指した複合業務施設だ。
同施設は、複数テナント型の物流用途を含む施設として国内で初めて国産材を建物構造の一部に採用することから、三井不動産グループの新たな木造建築ブランドの名称「&forest」を施設名称に付加した。木造柱の構造材の一部や燃え代層の見えがかり部分には、同グループの保有林(北海道美瑛町)から採取したトドマツ材を採用。木鋼ハイブリッド梁の被覆木材や天井などの仕上げ材・内装材にも保有林の木材を積極的に活用する。
国産材を建物構造に採用する共用部は特徴的な高い階高(6.6m)と、広い空間(10.8m×13m)で、木造柱+木鋼ハイブリッド梁(二時間耐火)で建設する。木鋼ハイブリッド梁には国土交通大臣認定を受けた耐火構造部材(2時間耐火)を採用。鉄骨梁の周囲に耐火被覆部材として、石こうボードと木材を取り付けた断面構成になっており、木材が炭化を伴いながらゆっくりと燃えることで熱の侵入を抑制し、耐火性能を確保することができる。構造様式は、木鋼ハイブリッド梁フレームに対して鉛直支持力を木造柱が担う「鉄骨造一部木造」となる。共用部のうち木造とした一部では木造構造や木質デザインを積極的に取り入れることにより、鉄骨造で建築した場合と比較してCO2排出量を約40%低減できる見込みだという。
同施設のメインエントランスは、木と植物の風合い、香りを感じられる有機的で柔らかい空間とする。また、壁面にはかつて田圃だった土地の記憶を紡ぎ、「豊作」を象徴する稲穂を表現したアートを設置。欄間職人が伝統技術を活かして造形し、人と自然の調和を表現する。3階ラウンジには、保有林の木材を内装・仕上げ材の一部に使用し、木質感あふれる空間を創出する。利用する木材の木が生育する北海道美瑛町エリアの森林で音源を採取し、ハイレゾ空間音響デザインソリューション「KooNe」を用いて森林内の音空間も再現する計画。物流用途施設に求められる耐火性能を確保しながら、1~4階までを木質あふれる空間とすることで、ワーカーや訪問者に安らぎと癒しを提供するとしている。
※「MFIP海老名&forest」の施設概要
所在地:神奈川県海老名市中央5-2
敷地面積:約1万9,822㎡(約5,996坪)
延床面積:約4万219㎡(約1万2,166坪)
規模・構造:地上4階建て 鉄骨造一部木造
用途:事務所および倉庫
着工:2025年4月1日
竣工:2026年6月末(予定)
■(株)ビィ・フォワード<4月23日>
倉庫業務委託先のアドレス・サービス(株)・東金サービスセンター内に新拠点「ポチロジ配送センター」を開設/海外輸送サービス「ポチロジ」の業務拡大に対応
(株)ビィ・フォアードは、同社が運営する海外輸送サービス「ポチロジ」の業務拡大に伴い、倉庫業務をアドレス・サービス(株)(以下ADS)に業務委託し、4月1日付でADS・東金サービスセンター内に「ポチロジ配送センター」を開設した。
ポチロジは、これまで200を超える国と地域への中古車輸出を通して獲得した同社流通網を活かし、国際航空輸送、自社コンテナ混載、中古車輸送といったサービスを、輸送手続きから現地配送までワンストップで対応するもの。海外発送の依頼は、日用品から食料品、美術品、家具、ピアノ、サーフボード、自転車、オートバイ、自動車などと多種多様なため、柔軟な対応が必要。これまでは東京都八王子市の倉庫で集荷を行っていたが、業務拡大に伴って今回第二倉庫としての役割を担う新拠点を開設した。
ADSには様々な顧客課題の解決に寄り添う体制が整えられているとしており、両社のサービス理念が合致していることから今回の業務提携に至ったという。新拠点では、海外輸送が禁止されている荷物の事前検知も可能になるため、顧客もより安心してサービスを利用できる。
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。