<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■(株)ヒューテックノオリン<3月6日>
「東北支店第二センター」屋上に導入した太陽光発電設備での電力供給を開始/自社電力使用量の約17%をまかなう予定、年間CO2 削減効果約208t-CO2見込む
SGホールディングスグループで低温物流事業を担う(株)C&Fロジホールディングスの主要事業会社(株)ヒューテックノオリンは、宮城県仙台市の「東北支店第二センター」の屋上に太陽光発電設備を導入し、電力供給を開始した。
今回導入した太陽光発電設備は太陽光パネル 734 枚と蓄電池。発電能力は約 429kWで年間供給電力量は約 453MWh/年となる計画だ。発電電力は全て自家消費し、同施設の消費電力量の約17%をまかなう予定だという。これによる年間のCO2削減効果は約208t-CO2となる見込みだ。
ヒューテックノオリンではこれまでも倉庫屋上や従業員用駐車場カーポートなどに太陽光発電設備を導入し、オフサイト PPA(電力購入契約)の導入を進めてきた。今後も地域の気象条件や利用状況に合わせて再生可能エネルギーへの切り替えを進めてCO2を削減し、環境負荷の低い冷凍倉庫の実現に取り組むとしている。
※「ヒューテックノオリン東北支店第二センター」 の太陽光発電設備の概要
所在地:宮城県仙台市泉区明通3-26
太陽光発電設備:585W × 734枚 = 約429kW
蓄電池容量:15.0kWh
年間想定発電量:453MWh/年
年間 CO2削減量:208t-CO2/年
運用開始:2025年2月
■東京建物(株)<3月6日>
環境配慮型物流施設「T-LOGI」シリーズの東北エリア初物件となる「(仮称)T-LOGI仙台」を着工/「仙台港」や仙台市内に近接する立地で首都圏配送の中継拠点としての機能も見込む
東京建物(株)は、宮城県仙台市でマルチテナント型物流施設「(仮称)T-LOGI仙台」の建設に着手した。同施設は敷地面積1万8,400㎡(約5,570坪)、延床面積4万2,300㎡(約1万2,800坪)の規模で、同社が展開する環境配慮型物流施設「T-LOGI」シリーズで東北エリア初の物件になる。
同施設は仙台東部道路および三陸道「仙台港北IC」から約2.6kmに位置し、東北道や常磐道などを経由すれば東北地方、さらには首都圏への長距離配送拠点として活用が可能。「仙台駅」にも約13.6km(車で約28分)の距離にあり、仙台市内への配送拠点としても優れた立地環境にある。
同施設は仙台市内の大規模物流施設として希少な4層スロープ型の物流施設。倉庫床の最小区画面積は約1,700坪で、各分割区画に荷物用EV、垂直用搬送機を1台ずつ設置することでテナント企業の効率的な縦搬送を実現する。男女それぞれのトイレを各階および3・4階の倉庫内に設置。2 階にはテナントワーカーの憩いの場となるラウンジを整備し、テナント企業の快適な就業環境の実現および人材確保に貢献するとしている。
同施設では、他の「T-LOGI」 シリーズと同様、屋上に設置した太陽光パネルにより発電された電力を商用電力と併せて施設内で自家消費する予定。同施設内で消費しきれない余剰電力は仙台市内で東京建物が所有するオフィスビルに送電し、再生可能エネルギーを余すことなく活用する。同施設はこうした自家発電・自家消費の仕組み等により、環境配慮施設であることを評価する「BELS」最高ランクの「ZEB」認証を取得予定です。
※「(仮称)T-LOGI仙台」の施設概要
竣工:2026 年6月(予定)
所在地:宮城県仙台市宮城野区中野字掃沼27-1他(地番)
敷地面積:1万8,420.89 ㎡(約5,570 坪)
延床面積:4万2,269.71 ㎡(約1万2,800坪)(予定)
規模:4 層スロープ型(1/2F片側バース)
構造:S 造
耐震区分:耐震
プラットフォーム:1階 高床式1.0m
梁下有効天井高:各階5.5m
柱スパン:10.4m(W)×10.3m(D)
床荷重:2.0t/㎡(1 階)、1.5t/㎡(2・3・4階)
ドッグレベラー:6基
垂直搬送機:6 基
荷物用EV:6 基(積載荷重3.5t)幅3,000mm×奥行4,000mm×高さ3,200mm
バース数:33 台
普通駐車場:117 台 一部小型車専用、軽専用を含む
トラック待機場所:6台 一部車両サイズの制限有
アメニティ:2 階休憩室設置
■(株)上組<3月10日>
茨城県鹿嶋市の「鹿島港」に「北海浜倉庫(仮称)」を建設/2026年3月竣工予定、既に大口需要家と倉庫使用の長期契約締結で大筋合意
(株)上組は茨城県鹿嶋市の「鹿島港」に「北海浜倉庫(仮称)」を建設すると発表した。3月に着工し、竣工は2026年3月となる予定。
鹿島港は鹿島臨海工業地帯の中心部に位置し、「国際バルク戦略港湾」に選定されており、製品原料などの取り扱いに特化している。同倉庫の建設予定地は同港の外港公共埠頭から約1.5kmの位置にあり、船舶からの荷降ろし後の荷物の倉庫への搬入に最適。既に大口需要家と倉庫使用の長期契約締結について大筋合意しており、開業時から入出庫および付帯輸送も含めた高い稼働率での運用が見込まれている。
※「北海浜倉庫(仮称)」の施設概要
所在地:茨城県鹿嶋市大字平井灘2276-9~13
敷地面積:2万2,878.95㎡
延床面積:8,570.50㎡
構造:鉄骨造 平屋建て
主要設備:ジェットパック車積込用タンク 25t×2
着工:2025年3月
竣工:2026年3月(予定)
■(株)上組、バンプージャパン(株)<3月11日>
「東京多目的物流センター」内に系統用蓄電池事業における「東京都海の森蓄電所」を建設/両社出資の特別目的会社を通じて再エネの普及や系統電力の安定化を目指す
(株)上組とバンプージャパン(株)は、両社出資で特別目的会社「東京都海の森バッテリー事業(同)」を設立し、上組の「東京多目的物流センター」内に再生可能エネルギーの普及と系統電力の安定化を目的とした系統用蓄電池事業を行う「東京都海の森蓄電所」を建設すると発表した。
再エネの需要は脱炭素社会の実現に向けて加速度的に増加することが予想されており、上組は同事業が再エネ導入促進に欠かせないものと期待している。
同社は中期経営計画の重点戦略に掲げる「新規事業の開拓」の一つとして同事業への参入を決めた。今後は同事業を通じ、系統電力の需給バランスの安定化を図ることで日本の再エネ導入促進やカーボンニュートラルな社会の実現に寄与する考え。
なお、同蓄電所は東京都の「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」に選定された、東京都内で新設される初めての蓄電所になるとしている。
※「東京都海の森バッテリー事業(同)」の概要
所在地:東京都江東区海の森1-3-4
事業内容:系統用蓄電池システムの導入・運営
※「東京都海の森蓄電所」の概要
所在地:東京都江東区海の森1-3-4
能力:出力1,999kW、容量8,226kWh
着工:2027年1月(予定)
竣工:2028年4月(予定)
■(株)ニチレイロジグループ本社<3月11日>
ポーランド子会社のFrigo Logistics Sp. z o.o. が「ノビ・ドブル物流センター」を新設/約3万t規模の自動庫設備導入で施設内業務を省力化、周辺3拠点の機能集約でより高効率な輸配送サービスを提供
ニチレイロジグループ本社(株)は、ポーランド子会社のFrigo Logistics Sp. z o.o.(以下Frigo Logistics Sp社)が同国首都であるワルシャワ近郊に「ノビ・ドブル物流センター」を新設したと発表した。2月27日には駐ポーランド日本国大使館の河野特命全権大使やノビ・ドブル・マゾビエツキ市の市長をはじめとする関係者約160名を招待し、同センターにてオープニングセレモニーを行ったという。
Frigo Logistics Sp社はポーランド国内で小売チェーンストア向け冷凍物流を中心に事業を展開している。首都圏エリアの基幹拠点となる同物流センターでは約3万t規模の自動庫設備を導入し、物流センター業務の省力化を図っている。同物流センターの新設を通じ、既存サービスのさらなる拡大を目指すとともに、川上物流のおう盛な保管・運送需要にも対応する。ポーランド北東部エリア向けの配送などを担っていた周辺3拠点の機能を同物流センターに集約し、より高効率な輸配送サービスを提供していく。
※「ノビ・ドブル物流センター」の施設概要
所在地:05-100 Nowy Dwór Mazowiecki, Poland
設備能力:4万2,552t
接車バース:11基
設備機能:自動庫、移動ラック
■西濃運輸(株)<3月12日>
愛知県豊川市の「豊川物流倉庫」を拡張してリニューアルオープン/自動車関連産業や製造業が集積する地域性に合わせ低床倉庫を採用
西濃運輸(株)は愛知県豊川市の「豊川物流倉庫」を拡張し、3月1日付でリニューアルオープンしたと発表した。今回の拡張・リニューアルオープンは物流施設への顧客需要に対応するもので、従来の保管施設を物流倉庫として全面建て替えし、床面積を約7倍に拡張した。同倉庫は輸送拠点である豊川支店と同じ敷地内にあることから、特積み機能を活かした物流施設として顧客ニーズに合わせた高付加価値サービスを提供していく。
同倉庫は地面と倉庫内の床がフラットな「低床倉庫」。このため重量物の運搬や大型機材の出し入れに適しており、フォークリフトやハンドリフトを使用したスムーズな運搬が可能だ。1階には46.4mのバースを設置しており、トラック12台が同時に接岸することができる。貨物用エレベーターも完備しているため、2階・3階への迅速な荷役作業も可能。天井も高く、パレット積みやラック収納で大量保管・広いスペースの活用などにも対応できる。商品の保管のほか、入出庫から保管、在庫管理、庫内作業(流通加工)、輸配送をワンストップで提供できるため、ストレスフリーなロジスティクスの実現をサポートすることも可能だ。
豊川市は愛知県東部の主要工業地域の一つで、自動車関連産業や製造業が集積している。同倉庫は自動車部品メーカーや電子部品工場、食品加工工場、建築資材メーカー、鋼材卸売業者などで取り扱われる重量物や大型機材の保管に適していることから、今後より多くの需要の取り込みが見込める。
交通の面では東名高速道路「豊川IC」から約1kmの距離に立地するため、地理的強みにより、関東・関西方面ともに優れたリードタイムでの輸送が可能。「豊橋港」からも30kmの近距離に位置しているため、海外輸送との連携も行える。
※「豊川物流倉庫」の施設概要
所在地:愛知県豊川市本野々原3-85
構造:S造 地上3階建て
敷地面積:2万6,330.26㎡(7,964.90坪)
延床面積:9,180.71㎡(2,777.16坪)
倉庫面積:8,384.28㎡(2,536.24坪)
■(株)ヒューテックノオリン<3月12日>
2027年9月に冷凍物流拠点(神奈川県川崎市)を開設/同社単一施設としては最大収容規模の拠点、東扇島の施設と併せた最大保管能力は約1.5倍に
SGホールディングスグループで低温物流事業を担う(株)C&Fロジホールディングスの主要事業会社(株)ヒューテックノオリンは、神奈川県川崎市川崎区に日本GLP(株)が開発を進める国内最大級の冷凍・冷蔵マルチテナント型物流施設「GLP 川崎Ⅱ」内に同社単一施設として最大収容規模の冷凍物流拠点を開設する。3月に着工し、開設は2027年9月となる予定。
ヒューテックノオリンは現在、川崎市川崎区東扇島で主に冷凍食品の共同配送事業を展開している。2002年4月に開設した「東京臨海支店第一センター」を保税蔵置場とし、輸入貨物の保管・荷役・通関手続きに対応するほか、関東圏エリアへの配送拠点として拡張を進め、4棟の冷凍倉庫を擁した低温物流サービスを提供してきた。ただ近年の冷凍食品の需要の高まりに伴い保管スペースは常に満庫状態に近く、外部冷凍倉庫に再保管するケースも出てきている。そこで同社は今後の高品質なコールドチェーン維持のためには新たな物流拠点が必要と判断。今回新たな物流施設の開設を決定した。
新施設はGLP 川崎Ⅱのキーテナントになる予定だという。新施設西側のうち、1階から3階までの延床面積約3万8,600㎡を使用し、収容能力は約5万5,000tと、ヒューテックノオリンの単一施設としては最大の収容規模になる。東扇島の施設と併せた最大保管可能能力は従来の約1.5倍に増強される。
GLP 川崎Ⅱの立地は首都高速道路神奈川1号横羽線の「浜川崎IC」から約1.5km、神奈川6号川崎線の「大師IC」から約4.6kmと、都心への輸配送に最適。JR鶴見線「昭和駅」から徒歩約1分と通勤の利便性が高く、ドライバー不足が課題となる物流業にとっては雇用確保面でも優位性がある。新施設にはテナントが利用できるラウンジやレストラン、無人売店などが設置される予定。従業員にとってはより快適な労働環境も期待できる。
環境面では太陽光発電設備の設置や、全館LED照明の採用のほか、冷凍機に自然冷媒を採用するなど自然環境に配慮する計画。災害対応としては免震構造も採用される。
※「ヒューテックノオリン川崎扇町拠点(仮称)」の計画概要
所在地:神奈川県川崎市川崎区扇町15番地 GLP川崎Ⅱ内
延床面積:約3万8,600㎡(賃貸区画のみ)
収容能力:約5万5,000t (賃貸区画のみ)
設備:移動ラック、垂直搬送機4基、貨物用EV2基、バース29基
開設:2027年9月(予定)
■大和ハウス工業(株)<3月12日>
ベトナム北部に建設した物流施設「DPL Vietnam Minh Quang」を開所/ベトナム北部で開発した同社初のマルチテナント型物流施設、タイ・WHA社との共同出資会社を通じて開発
大和ハウス工業(株)は2月27日、ベトナム社会主義共和国北部フンイエン省で2024年3月1日に着工し、同年12月26日に竣工したマルチテナント型物流施設「DPL Vietnam Minh Quang(ベトナムミンクアン)」(平屋建て、敷地面積7万109.20㎡、延床面積3万8,871.99㎡)の開所式を行った。
同施設は、同社とタイ王国で物流施設や工場の開発等を展開する最大手のWHA Corporation PCL(以下WHA社)が共同出資するDH WHA Logistics Property Minh Quang Vietnam Co., Ltd(DH WHAロジスティクスプロパティミンクアンベトナム)を通じて開発したもの。大和ハウス工業がベトナム北部で開発した初めてのマルチテナント型物流施設だ。ハノイ中心部(約45km)まで直接アクセス可能な幹線道路に面した利便性の高い立地で、ベトナム北部最大の国際空港や貿易港へのアクセス性にも優れる。このため陸・海・空の全ての物流に対する利便性が高く、国際貿易拠点としても適する。
大和ハウス工業は2016年からタイでWHA社との協業を開始し、物流施設開発をはじめ、商業施設など計5プロジェクト・12棟の施設開発を手掛けたほか、物流施設の運営・管理・賃貸事業でも協業している。今年2月からは同社海外初となる「オンサイト PPA」の共同事業もタイで開始しているという。大和ハウス工業は今後もWHA社との連携を強化し、ASEANでのさらなる事業拡大を目指す。
※「DPL Vietnam Minh Quang」の施設概要
所在地:ベトナム社会主義共和国フンイエン省ミンクアン工業団地
建物用途:マルチテナント型物流施設
事業主・運営会社:DH WHA Logistics Property Minh Quang Vietnam Co., Ltd(出資比率:大和ハウス工業(株):51%、WHA Corporation PCL:49%)
構造・階数:鉄筋コンクリート造・平屋建て
敷地面積:7万109.20㎡
建築面積:4万2,330.33㎡
延床面積:3万8,871.99㎡
賃貸面積:3万7,548.59㎡(最大10テナント、1区画の面積約2,800㎡から入居可能)
着工:2024年3月1日
竣工:2024年12月26日
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。