<2022年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります
■Mouser Electronics,Inc<8月18日>
⇒米国テキサス州ダラス・フォートワースの最先端物流センターを大規模拡張
米国の半導体・電子部品商社であるMouser Electronics,Inc(マウザー・エレクトロニクス社)は、本社・物流センター拡張のため、テキサス州ダラス・フォートワースの南に位置する物流センター内の約3万8,000㎡の敷地に3階建の新建屋を建設する大規模工事を開始した。
今回の物流センターの大幅拡張は今後10年間で膨らむビジネスニーズに対応するためのもので、1,200を超えるメーカーの100万種類以上のSKU数に達する膨大な製品在庫の収納が可能となる。新建屋には3つの中2階のフロアを設け、既存建屋とはスカイブリッジで接続。庫内オペレーションも高度のオートメーション技術により制御すると同社ではしており、EC物流に対応する最も先進的な入荷・受注・出荷機能を持つ企業としての地位を確立する方針だ。
同物流センターでは、2022年春に世界最多となる垂直リフトモジュール(VLM)120台の導入を実施。。VLMは、部品保管の棚と巨大な縦型ファイリングキャビネットを備え、自動エレベーターで従業員のいる作業場に部品を届ける仕組みで、作業効率と床面積のスペース効率の向上に寄与し、従業員の移動時間も45%以上短縮することができたという。
また、同物流センターには、自動製函機「Ultipack」やケース高さ自動調整機能付き封かんシステム「I-Packシステム」などを連結した自動包装システム(1分間に最大14件の注文の処理が可能)のほか、GTPシステム「OPEX Perfect Pickシステム」やロボットストレージシステム「AutoStoreシステム」が導入されている。これら先進自動化システムの導入は、主に効率性、生産性、正確さ、スピードの向上が目的であり、より持続可能なオペレーションと顧客満足の向上にも貢献しているという。
■大和物流(株)<8月23日>
⇒「(仮称)富山高岡物流センター」を着工、北陸エリアの建材共同配送ネットワークを強化
大和物流(株)は9月1日、富山県高岡市において物流施設「(仮称)富山高岡物流センター」を着工すると発表した。同社は今年4月に「金沢物流センター」(石川県白山市)を開設するなど、北陸エリア(富山県、石川県、福井県)における事業基盤強化を進めてきており、このたび富山県高岡市に新センターを開発・設置することで、北陸エリアにおける建材共同配送サービス拡充につなげる。また、建材の共同配送センターとしての運営を中心に、センターの汎用性の高さを活かした各種物流サービスを提供していく方針だ。
北陸エリアは、製造業の生産拠点が数多く集積し、日本海側を代表する工業地域が点在していることは周知のとおり。2024年春には北陸新幹線が福井県敦賀市まで延伸される計画もあり、首都圏、近畿圏へのアクセス向上による広域の産業振興が期待されている。富山県内有数の工業集積地帯である高岡市は、北陸エリアの主要都市や、東京・大阪・名古屋の三大都市圏へのアクセスに優れており、同社もこの点を評価し、新センター開発地に決定したとしている。
新センターは、能越自動車道「高岡IC」から約1.3kmに位置しており、北陸自動車道を経由することで、富山県富山市や石川県金沢市、福井県福井市への配送拠点などとして活用できる。北陸自動車道と東海北陸自動車道の結節点となる「小矢部砺波JCT」まで約15km(車で約15分)圏内のため、中京圏や近畿圏との広域配送にも優れた立地環境にある。
新センターには、建物の2面にトラックバースを設置する。北側は高床式、南側は低床式のハイブリッドバースとする計画で、様々な荷役方法に合わせたトラックバースの使い分けを可能とすることで効率的な入出庫作業を実現する。
同社は、北陸エリアで金沢物流センターを通じ、建材メーカーや電気設備メーカーなどに向けた二次配送サービスや共同配送サービスを提供してきた。また、大和ハウス工業新潟工場に隣接する新潟営業所では、北陸エリアの住宅建築現場への配送サービスを行うなど、建築・建材物流事業の実績を積み上げたという。今後は、新センターと北陸エリアの他事業拠点が連携することで、北陸エリアにおける効率的な共同配送サービスを展開していくとしている。
※「(仮称)富山高岡物流センター」の施設概要
所在地:富山県高岡市池田231-1他
敷地面積:1万2,052.00㎡(約3,645.73坪)
延床面積:1万1,805.07㎡(約3,571.03坪)
構造・規模:鉄骨造 地上2階建
バース形状:北側:高床式 南側:低床式
床荷重:各階2.0t/㎡
搬送設備:貨物用エレベーター2基(3.6t:1基、4.6t:1基)、垂直搬送機1基(1.5t)
環境対応:全館 LED 照明導入、ソーラーパネル敷設/2023年6月頃発電開始予定(総発電容量:ソーラーパネル:約722.63kW、パワーコンディショナー:約555.5kW、年間予定発電量:約77万 kWh)
着工(本体):2022年9月1日
竣工:2023年5月31日(予定)
稼働:2023年6月1日(予定)
■DHLサプライチェーン(株)<8月24日>
千葉県八千代市の新施設「DHL八千代ロジスティクスセンター」の起工式を開催
DHLサプライチェーン(株)は、千葉県八千代市内で「DHL八千代ロジスティクスセンター」の起工式を行った。本施設の建設は、同社が首都圏でさらにプレゼンスを高めるための布石。総面積約1万2,000坪の本施設はラグジュアリーライフスタイル商品をはじめとしたコンシューマー・リテール業界に特化し最適な物流サービスを提供するマルチユーザー型の施設で、2023年末の竣工を予定している。
本施設は国道16号線に隣接し、空港や港湾施設へのアクセスにも優れた戦略的な立地環境にある。同社が独自にネットワークを構築し、主要小売店及び商業施設向けに毎日運行しているファッション便の主要ルート上でもあることから、ファッション・アパレル業界を中心とした顧客の効率性と利便性の向上に寄与するとしている。
本施設は環境に配慮したサステナブルな設計で、倉庫やオフィスのエネルギー需要に対応する太陽光発電設備、雨水の再利用設備、モーションセンサー付きLED照明等の設備が設置される予定。スタッフの自転車通勤をサポートし、二酸化炭素排出量の削減を図るため、従業員用の屋根付き駐輪場も整備する。また、U.S Green Building Councilによる国際的なグリーンビルディングの認証制度であるLEED認証のゴールド取得も目指すという。
同社・代表取締役社長で、日本・韓国クラスターCEOであるジェローム・ジレ氏は「マーケットの需要の変化が非常に速く、迅速な対応が不可欠なコンシューマー・リテール業界は、世界最大規模のグローバルネットワークおよび高度に品質管理されたプロセスを誇るDHLサプライチェーンの強みが生かされる業界といえます。今回の投資は当社の市場での優位性と今後の成長性に対する自信の表れです。グローバルでのベストプラクティスや日本市場を熟知したノウハウ、長年培ったファッションロジスティクスの専門知識を活用して、お客様のニーズの一歩先を行くサプライチェーンソリューションでお客様のビジネスをサポートし、共に成長を図っていきます」とコメントしている。
※「DHL八千代ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:千葉県八千代市神久保120-8
延床面積:4万699㎡
構造/階数:鉄骨造(基礎:RC造)地上4階建倉庫棟+地上5階建オフィス棟
竣工(予定):2023年末