■物流施設 投資関連情報2023版<10.26~11.1>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 

■(株)永谷園ホールディングス<10月27日>
茨城県高萩市に新工場を建設/生産効率向上や環境配慮等の推進で生産体制をさらに強化

 (株)永谷園ホールディングスは、「生産効率の向上」や「環境への配慮」等の推進により生産体制の更なる強化を図るため、10月27日開催の取締役会で同社グループの基幹工場となる新工場の茨城県高萩市内での建設を決議した。

※ 新工場の概要
所在地: 茨城県高萩市大字赤浜 赤浜地区工業団地
敷地面積:約4万5,000 ㎡
着工予定時期:2024 年 7 月
竣工予定時期:2025 年 7 月
投資額(見込み):約 70 億円
生産品目:お茶づけ、ふりかけ、粉末みそ汁

■佐川急便(株)<10月27日>
東京・江東区内に「東京中継センター」を新設/関東エリアの中継機能強化と輸送ネットワークのさらなる効率化を推進

 佐川急便(株)は、東京都江東区内に2026年2月稼働予定の大規模な「東京中継センター」を新設する。
 東京中継センターは、関東エリアの中継機能の強化と輸送ネットワークのさらなる効率化の推進が目的。現在稼働中の大型物流施設「Xフロンティア」内の佐川急便中継センターに次ぐ規模となるとしている。
 関東エリアにある7か所の中継拠点を同施設に集約し、輸送ネットワーク網の要として荷物の集約効果を高める。これにより積載効率が改善することで、大型トラック運行台数の最適化やCO2排出量削減等の効果が見込める。また、自動化設備導入で省人化を図り、人員配置の最適化も行う。同社はまた、持続可能な物流の実現に向け、2026年7月には「関西エリア中継センター」新設も予定している。

※「東京中継センター」の施設概要
所在地::東京都江東区
延床面積::約8万6,000㎡
処理能力:5万個/時間
バース数:164バース
稼働時期:2026年2月(予定)

■三菱地所(株)<10月27日>
厚木エリア 3 件目となるマルチテナント型物流施設「(仮称)厚木市上依知物流施設計画」を着工 /首都圏をカバーする延床面積約 5万2,900 ㎡の広域物流拠点


 三菱地所(株)は、神奈川県厚木市上依知でマルチテナント型物流施設「(仮称)厚木市上依知物流施設計画」を2023 年 9 月に着工した。厚木エリアにおけるマルチテナント型物流施設の開発は今回が 3 件目。竣工は 2024 年 11 月末となる予定だ。
 同施設は、延床面積約 5万2,900 ㎡、地上 4 階建てのマルチテナント型物流施設。圏央道「相模原愛川 IC」から約 3.0kmの位置にあり、圏央道・国道 129 号線・東名高速道路及び新東名高速道路へのアクセスも良好。東京都心から 50km圏内に位置し、首都圏をカバーする広域物流拠点であり、首都圏と関西・東海地方を繋ぐ配送拠点としても適した立地環境にある。神奈川県内陸工業団地内に位置しているため、24 時間 365 日の運営が可能だ。
 専有部倉庫内においては、同エリアでの開発実績の中で得た顧客ニーズを反映。両面バースを採用することで、柔軟な施設運用が可能な計画となっており、共用部には、従業員用休憩スペースやトラックドライバー用喫煙室及びトイレを併設するなど、ワーカーの利便性や快適性向上が図られている。また、LED 照明をはじめとする省エネ機器も導入し、環境に配慮。さらに災害時にも48 時間の施設稼働を可能とする非常用発電機の設置により、テナント企業のBCP 対策を支援する体制も整えられている。なお、昨今電気自動車の普及に伴って需要が拡大しているリチウムイオンバッテリーのほか、新型コロナウイルスの影響で荷物量が増加している医薬関連品等の危険物保管ニーズの高まりを受け、同施設竣工後には危険物倉庫を増設する計画だ。

※「(仮称)厚木市上依知物流施設計画」の概要
所在地:神奈川県厚木市上依知字上ノ原 3029-3,4,7(地番)
用途:マルチテナント型物流施設(縦割り最大 4 テナント想定)
規模・構造 :地上 4 階建て、ボックス型、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、耐震構造
敷地面積 :約2万9,600 ㎡(約9,000 坪)
延床面積: 約5万2,900 ㎡(約1万6,000 坪)
着工:2023 年9 月4日
竣工:2024 年11月30日(予定)〔危険物倉庫は 2025 年 7 月竣工の想定〕

■(株)ビーイングホールディングス<10月30日>
大阪府での業務拡大に伴い新センターを開設/(株)コラビス運営のもとで

 ビーインググループは、大阪府での業務拡大に伴い、2023年10月31日付で(株)コラビス運営のもと、新センター「大阪TC」を開設すると発表した。

※「大阪TC」の施設概要
所在地:大阪府摂津市鳥飼本町2-10-57

■(株)阪急阪神エクスプレス<10月31日>
アラブ首長国連邦・ドバイに現地法人を設立/中東における物流ネットワークの整備など進める

 (株)阪急阪神エクスプレスは、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに現地法人HANKYU HANSHIN EXPRESS MIDDLE EAST LOGISTICS L.L.Cを設立する。
 ドバイはアラブ首長国連邦最大の都市であり、世界最大級の人口港であるジュベル・アリや国際ハブ空港であるドバイ国際空港を有する。同国には従来、ドバイ駐在員事務所があったが、中期経営計画の重点施策として、アフリカ、中東、インドでの事業拡大をより一層進めていくため、現地法人にその機能と人員を継承することにしたもの。中東の物流拠点であるドバイにおいて、周辺国とのネットワークの整備を進めるとともに、アフリカ、中東諸国、インドとの中継地としての機能を高める。

※「HANKYU HANSHIN EXPRESS MIDDLE EAST LOGISTICS L.L.C」の概要
所在地:P.O Box 61475, LB16406 Jebel Ali Freezone Dubai, UAE
資本金:AED 500万
出資比率:(株)阪急阪神エクスプレス 100%
設立日:2023年6月19日
営業開始日:2023年11月1日

■トーヨーカネツ(株)<10月31日>
和歌山県橋本市内に新工場建設用地を取得/製品増産への対応に加え、国内外からの 物流システム調達品の品質管理拠点としても機能

 トーヨーカネツ(株)は、新たな生産拠点を建設するため、和歌山県橋本市の工場用地取得を決定した。
①背景と目的
同社は、グループ中期経営計画(2022~2024 年度)において「未来に向けた成長路線を確立する」を基本方針とし、様々な社会課題の解決を通じた企業価値向上に取り組んでいる。主力事業である物流ソリューション事業では「事業領域拡大による高成長企業への進化」を基本方針とし、現在の和歌山工場(有田市)を中心にこれまで生産を行ってきた。ただ、近年の省人化ニーズの高まりを背景に、多様化・高度化を伴う物流システム需要の増加に応え、さらなる事業規模の拡大を実現するためには、生産体制の増強が不可欠と判断し、新工場建設を決定したものだ。
②新工場建設用地選定の理由
新工場建設用地として選定した和歌山県橋本市あやの台北部用地は、現在の和歌山工場との相互
支援や補完が可能で、同社が効率的に生産機能を拡大していくことできる立地環境にある。工業団地用地であるため、操業時間等の制約も少なく、さらなる生産量増加にも対応が可能だ。また、橋本市は和歌山県第 3 位の人口を有し、大阪・奈良方面からのアクセスにも優れるため、人材の確保も見込める。
③今後の見通し・目指す姿
新工場は、製品の増産に止まらず、国内外からの物流システム調達品の品質管理拠点としても機能するほか、取引先への設備設置工期短縮のための製品のユニット化を進めるなど、同社物流ソリューション事業のバリューチェーン全般にわたる効率化への貢献を目指す。また、新工場の建設により、現在の和歌山工場との2拠点体制が構築されることで、BCP 対策の強化も図れるとしている。

※「 (仮称) トーヨーカネツ(株) 和歌山橋本工場
所在地: 和歌山県橋本市あやの台北部工業団地第一地区
敷地面積: 約 49,916 ㎡
投資額 :(土地)14 億 5,000 万円、(建物・設備)未定
操業開始:2028 年予定

■日本デルモンテ(株)<11月1日>
調味料及び飲料などの生産体制を群馬工場に集約/生産性のより一層の向上を図るため、2025年6月に長野工場での生産を終了する予定

 日本デルモンテ(株)は、生産性のより一層の向上を果たすため、長野工場(長野県千曲市)を閉鎖し、群馬工場(群馬県沼田市)の1拠点体制に再編する。
群馬工場ではトマト調味料を、長野工場では飲料を主な生産品目として生産している。今後は、群馬工場に新たに設備投資を行い、生産品目を集約することで、効率的な生産体制を構築する。
現在、長野工場に勤務する従業員については、日本デルモンテ他事業所への配置転換のほか、親会社であるキッコーマン(株)の国内グループ会社及び他事業者への再就職支援等を行い、雇用の確保に努めるとしている。
なお、長野工場での生産は2025年6月に終了する予定。

■(株)ZOZO<11月1日>
自動化で30%省人化に成功した新物流拠点 「ZOZOBASEつくば3」が本格稼働/11月からの全機能稼働により、時間あたり出荷能力は最大1万件を見込む


 (株)ZOZOは、同社最大規模の新物流拠点「ZOZOBASEつくば3」が2023年11月1日に本格稼働したと発表した。同拠点は、今後の商品取扱高の成長を見据えて開設した5つ目の物流拠点で、商品の入荷・保管・出荷機能を有する。2023年2月の竣工後、工事等を経て、8月より保管・出荷機能を順次稼働開始し、11月1日に入荷を含む全機能が稼働開始した。出荷能力は、最大で1時間あたり1万件を見込んでいるという。
 アイテムごとに形状が異なり、かつ小ロットで多品種という商品の特性をもつ同社では、物流拠点の自動化は難しいとされていた。しかし、ZOZOBASEつくば3では、将来的な人口減少への対応として既存拠点の約4倍の設備投資を行い、自動化を推進。結果、国内初導入の自動仕分けシステム「Pocket Sorter」をはじめとする機器を用いたオペレーションにより、既存拠点と比較して約30%の省人化に成功したという。
 なお、延床面積や設備能力は同社内における最大規模で、今回の本格稼働開始により、在庫保管可能点数はZOZOBASE5拠点全体の約1.3倍となる見込みだ。

 同社は今後も、ZOZOBASEの安定稼働とさらなる効率化を追求し、企業理念「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」の実現を目指していくとしている。
①オペレーションの主な自動化ポイント
(1)入荷した商品を種類別に仕分ける作業を「t-Sort」で自動化
ブランド企業から入荷した商品の保管先ごとに自動仕分けを実施。ZOZOBASEつくば3内に約500基設置しており、1時間あたり約3万2,000点の仕分け処理が可能。
(2)注文された商品の発送順立て管理を「シャトル&サーバ」で自動化
注文が入った商品の一時保管と、発送の優先度を踏まえた順立てを、システムの導入により自動化。約5,000コンテナ(8万5,000点)の商品の保管が可能で、1時間あたり約2,100コンテナ(3万5,000点)の商品の入出荷が可能。
(3)複数注文された商品を注文別に仕分ける作業を「Pocket Sorter」で自動化
レールから吊り下げられたポケットに、注文が入った商品を1点ずつランダムに投入すると、顧客の注文ごとに商品の自動仕分けを実施。複数点注文の場合のみに使用。レールの総延長は約7kmあり、ポケットの総数は約2万6,000で、1時間あたり1万5,000点の仕分けが可能。国内初の導入事例だ。
②デザイン性が高く快適な、2つの休憩室
1Fはデ二ム、プレイド(格子)をテーマに、スタッフが快適に過ごせるよう休憩室を完備。ZOZOUSEDの破棄商材を休憩室内のアート等に使用している。

※「ZOZOBASEつくば3」の施設概要
所在地:茨城県つくば市御幸が丘34
延床面積:約13万7,000㎡(賃借エリア)
階数:地上5階建て
着工:2021年9月
竣工:2023年2月
本格稼働:2023年11月
使用電力:東京電力エナジーパートナー(株)グリーンベーシックプラン
電力種類:再生可能エネルギー由来の電力を100%導入(太陽光・バイオマス由来ほか)
休憩室:(株)乃村工藝社(企画・デザイン・設計・施工)

■(株)エアウィーヴ<11月1日>
愛知県一宮市に新たな配送センターを開設/事業拡大に伴い、サプライチェーンを最適化


 (株)エアウィーヴは、愛知県一宮市に新たな物流拠点として「(株)エアウィーヴ 西日本配送センター」を開設し、2023年11月1日から稼働を開始した。
〇開設の目的
同社は「The Quality Sleep(眠りの世界に品質を)」をミッションに寝具の製造・販売を行う総合寝具メーカー。創業当初より睡眠研究に力を入れ、そこで得た知見を基に、より良い睡眠を追求する寝具の開発を行ってきた。同社はこれまでも、トップアスリートや高級ホテル・旅館など、多くの一流から選ばれてきたが、 「いずれは個人が体格や体重に合わせてマットレスを選ぶ時代をつくりたい」という想いで製品開発を続けているという。同社は「睡眠のトータルソリューションカンパニー」を目指し、今後さらに製品開発を進めていく。
〇西日本センターの特長
西日本配送センターの面積は3,600坪で、2023年9月に竣工した「ロジスクエア一宮倉庫」内で運用していくもの。名古屋と神戸をつなぐ名神高速道路、東海地方と北陸地方をつなぐ東海北陸自動車道、地方主要道路である西尾張中央道に隣接しており、東京以南の広域物流拠点として機能している。全館LED照明、人感センサー、節水型衛生器具の採用など、環境や省エネルギーにも配慮した最新鋭の設備が採用されており、顧客向け配送拠点をはじめ、部材の供給拠点、製品の集約保管場所、部品などの検査場所など、多機能な物流拠点としての役割が担える。

■(株)カクヤス<11月1日>
飲食店向け新物流拠点「大谷田センター」が稼働/首都圏での飲食店向け販売を担う9個前のルート配達拠点

 (株)カクヤスは、東京都足立区に飲食店向け販売の新たな物流拠点「大谷田センター」を新設し、2023年11月1日に稼働させた。
同センターは、アフターコロナの追い風を受けて飲食店向け販売の需要が拡大するなか、首都圏での飲食店向け販売を担う9個目のルート配達拠点。同センターの稼働により、既存物流センターの収納率の改善や作業スペースの拡大、搬出入環境の改善を図ることで、顧客サービスのより一層の向上と持続可能な物流の実現に向けた業務の最適化を目指していく。
 同社はまた、千葉県や埼玉県等の新たなエリアへの進出も今後検討するとしている。

※「(株)カクヤス 大谷田物流センター」の施設概要
所在地:東京都足立区大谷田5-32-3
延床面積:約434.2坪
稼働開始日:2023年11月1日

■三菱商事都市開発(株)、インベスコ・グローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インク<11月1日>

北海道札幌市で建設を進めていた約5,200坪の物流施設「MCUD札幌」が竣工/札幌市圏への配送拠点や、北海道内広域物流を支える保管拠点としての機能を期待

 三菱商事都市開発(株)とインベスコ・グローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インクは、北海道札幌市白石区米里で共同開発を進めていた物流施設「MCUD札幌」が2023年10月31日に竣工したと発表した。
〇立地特性
 同施設は、札幌市内中心部から約7kmに位置する米里北地区工業団地内に所在する。230万人の人口を抱える札幌都市圏への配送拠点のほか、道央自動車道「札幌IC」や札樽自動車道「雁来IC」への近接性を活かした北海道内広域物流を支える保管拠点としての機能が期待できる立地となっている。
〇施設機能
同施設は、14台同時接車可能なトラックバースを1階に備えた約5,200坪の3階建てBOX型物流施設。テナント区画は2分割が可能で、最小2,600坪から貸し出しすることができる。
 倉庫部分は、床荷重1.5t/㎡、有効高さ5.5m以上を確保し、照明には全てLED照明を導入。また、荷物用EV、垂直搬送機をそれぞれ2基ずつ、ドッグレベラーは4台実装している。建物全てを凍結等に備えた寒冷地仕様とし、約25mの屋内型トラックバースをシャッター内に設けることで、降雪を気にせず、屋内での荷下ろし作業が可能となっている。
三菱商事都市開発とインベスコは、同施設が今後、北海道における配送網整備及び不動産マーケット活性化に寄与することを願い、今後も継続して開発事業を行ってまいります。

※「MCUD札幌」の施設概要
所在地:北海道札幌市白石区米里3条2-3-1
敷地面積:8,570.00㎡(2,592.42坪)
延床面積:1万7,079.15㎡(5,166.44坪)
建物用途:倉庫

■東京ロジファクトリー(株)<11月1日>
神奈川県厚木市、埼玉県鶴ヶ島市、乙教徒羽村市で新センター開所を予定/2024年4月から2025年12月にかけて

 TSTグループの東京ロジファクトリー(株)は、2024年4月から2025年12月に、3地区ブロック(神奈川県厚木市、埼玉県鶴ヶ島市、東京都羽村市)で新センター開所予定であることを発表した。
同社は2,000~3,000坪規模の総合物流サービスを行う業務を数社から受注しており、それぞれ開設準備プロジェクトを設置。オペレーション運営と生産性管理、安全管理を推進するとともに、教育強化のための準備期間が設け、同社既存センター内で事前トレーニングを行うとしている。

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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