物流施設 投資関連情報2021版<12.16~12.22>

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<2021年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
 注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■シービーアールイー(株)<12月17日>
⇒(株)アライプロバンス初の自社開発マルチテナント型物流施設「アライプロバンス浦安」の開発プロジェクトを全面的にサポート、大型物流施設開発に関わる基本計画策定から施設管理やリーシングまでのトータルソリューションを提供

 シービーアールイー(株)(CBRE)は、総合不動産業を営む(株)アライプロバンスのマルチテナント型物流施設の開発サポートについて、これまでの経過と成果を発表した。                                      CBREは、2019年7月30日にアライプロバンスより、物流施設開発に関するアドバイザリー業務およびプロジェクトマネジメント業務を受託し、その後、2021年10月28日にプロパティマネジメント業務も受託している。当該プロジェクトの実施により、アライプロバンスが物流施設開発の第1弾として、千葉県浦安市で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「アライプロバンス浦安」(鉄骨造地上4階建、延べ床面積1万465.91坪)が2021年10月28日に完成。竣工時には主要テナントとなる日通・NPロジスティクス(株)が入居し、施設としてのオペレーションのスタートを切っている。
CBREでは、クライアントが目指す安定性の高い収益を確保するため、同社が保有するマーケット調査、開発、設計、建設に関するノウハウを組み合わせ、クライアントのニーズに合わせた開発プランを提案し、プロジェクト遂行に貢献したとしている。

■楽天グループ(株)、(同)西友<12月21日>
⇒「楽天西友ネットスーパー」の物流センターを千葉県松戸市に新設

楽天グループ(株)と(同)西友は、協働で運営する「楽天西友ネットスーパー」において、ラサール不動産投資顧問(株)と(株)NIPPOが共同で千葉県松戸市に開発する大型物流施設の全フロアを賃借し、BTS型の専用物流センターを新設すると発表した。同施設の稼働開始時期は、2023年上期の予定。
ECが生活基盤として定着し、ネットスーパーに対する需要は急速に拡大するなか、楽天西友ネットスーパーも2021年1月から3月の売上高が前年同期比29.9%増、また4月から6月の売上高が同28.4%増と、継続的に伸長している。今回新設を発表した物流センターは、延床面積約2万1,500坪(約7万1,000㎡)と、楽天西友ネットスーパーの物流センターで最大規模となり、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯で最大4万~5万アイテムの保管が可能。搬送などの自動化設備を導入し、倉庫内作業の効率化も図る。こうした取組により、当日配送枠を拡充し、首都圏における供給能力の強化を進めるとともに、サービスの利便性向上も図る。
楽天グループと西友は、今後も強固なサービス供給体制の構築を推進し、高まるネットスーパーサービスへのニーズに応え、ユーザーの利便性向上を目指すとしている。

※新設する物流センターの概要
所在地:千葉県松戸市稔台5丁目1番1
竣工:2022年1月(予定)
稼動開始:2023年上期予定
延床面積:約2万1,500坪(約7万1,000㎡)
貸借面積:約2万坪(約6万7,000㎡)
物件階数:地上4階建

■ケニス(株)<12月22日>
⇒大阪府門真市に新設の「ケニス門真ディストリビューションセンター」が2022年1月に稼働

 ケニス(株)は2022年1月、大阪府門真市に新設した「ケニス門真ディストリビューションセンター(ケニス門真D.C.)」を稼働する。保管能力の拡大により、即納体制向上を実現するのが目的。同センターでは、バケット自動倉庫や自動搬送装置、垂直搬送装置、パレット移動ラックなどの最新のマテリアルハンドリング機器と動線の最適化により、大容量の保管能力と大幅な入出荷能力の向上を実現。商品1つからスピード納品を実現する。また、在庫管理支援システムにより、常時、在庫を適正管理する。日々の売れ筋を分析し、適切なタイミングでの在庫補充をすることで、欠品などの機会損失を防ぐ。物流管理システムも導入し、入荷から出荷までをスピーディーに対応。商品を正確かつ迅速に届ける。

※「ケニス門真ディストリビューションセンター」の概要
住所:大阪府門真市三ツ島1-31-30
敷地面積:1,922坪(将来スペース:565 坪含む)
建築面積:788坪
延床面積:1,591坪(中2階・仮想床含む)
構造:鉄骨造 地上3 階(仮想床含む)
建物:横54m×縦51m×高さ16.65m

■プロロジス(株)<12月22日>
⇒茨城県古河市でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」に着工、マルチパーパス型ロジスティクスパーク「プロロジス古河プロジェクト フェーズ2」の1棟目

プロロジスは、茨城県古河市でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」に着工した。
同施設はプロロジスが開発を進めている「プロロジス古河プロジェクト フェーズ2」における1棟目。圏央道の「五霞IC」および「境古河IC」からいずれも約10分とアクセスに優れた北利根工業団地内に開発される。開発地は、関東地方のほぼ中央に位置し、国道・高速道路を利用して、東西南北の主要都市・港・空港まで約1時間で到達可能。東北道からダイレクトに繋がる加須エリアからも約10kmと近接しており、関東全域のみならず東日本における広域配送拠点としても最適。圏央道から接続する東名・中央・関越・東北・常磐・東関東自動車道も利用しやすく、東北方面や関西方面へのアクセスも容易だ。東北道と並走する新4号国道から至近(約3分)の立地で、新4号国道は、古河エリアから国道16号に接続する「庄和IC」までの全区間が片道4車線以上に整備されており、都心部方面へのアクセス利便性にも優れる。自動車30分圏内にはJR宇都宮線沿線の住宅地もあり、北は栃木県小山市までカバーされ、60万人超の人口を擁しており、雇用にも有利な地域だと言える。
開発地の北東隣では、「プロロジス古河プロジェクト フェーズ1」として、合計約10万6,000㎡の敷地に3つのBTS型物流施設「プロロジスパーク古河1・2・3」が稼働している。総敷地面積17万7,000㎡の「プロロジス古河プロジェクト フェーズ2」は、プロロジスが物流施設の集積するロジスティクスパークとして開発中で、今回着工した「プロロジスパーク古河4」のほか、延床面積約10万9,000㎡で複数のBTS型物流施設の開発を計画し、入居企業を募集している。
「同フェーズ2」は、様々な用途で利用できるマルチパーパス型ロジスティクスパークとして計画されており、敷地内に特別高圧電力を受電する計画。これにより、冷凍冷蔵倉庫、工場用途、大規模なマテハンや自動倉庫の導入、館内全域への空調設備など、大量の電気を使用する用途にも対応可能となる。
敷地内BTS型施設の入居企業の繁忙期には保管荷物が増加することも想定しており、増床希望時にはマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」を利用することで、敷地内での一体運用が可能。「プロロジスパーク古河4」では、短期・小規模でスペースを賃貸できる「プロロジス・フレックススペース」の提供も検討し、入居企業のスペース需要増減に柔軟に対応するという。
「プロロジスパーク古河4」は、「プロロジス古河プロジェクト フェーズ2」内において「マルチパーパス」のコンセプトを具現化する1棟目。約6万8,000㎡の敷地に3階建て延床面積約12万1,000㎡のマルチテナント型物流施設として開発される。
また、「プロロジスパーク古河4」は、ワンフロア最大9,000坪(約3万㎡)での効率的なオペレーションが可能な設計とし、大規模なマテリアルハンドリング機器の導入や自動化にも適した仕様とする方針。施設の相互通行のスロープを南北2か所に設け、1・2階は約140m×210m、賃貸面積約9,000坪(約3万㎡)のフロアには両面バースを備える計画だ。3階は約170m×240m、賃貸面積約1万1,000坪(約3万6,000㎡)の大平面を確保する。2・3階は、保管効率を重視したメゾネット形式とし、梁下有効高6.3m~最大8.6mとする計画。日用雑貨・消費財などの高積みやラックの4段積みも可能となり、一般的な5.5mの天井高に比べて保管効率が格段に向上する。また、ロボットストレージシステム等のさらに効率的な運用も実現可能。施設全体で最大6企業の入居に対応し、最小賃貸面積は3,700坪(約1万2,200㎡)から利用できる設計にするという。
施設内には、働く人のためのカフェテリアやコンビニエンスストアも整備する予定。安全な保管場所の需要が急増している化粧品やアルコール類などの保管も可能な小型倉庫を敷地内に併設する。工業専用地域の特性を活かし、様々な業種・用途の物流需要に対応する考えだ。
BCP(事業継続計画)の観点から、非常時の発電機燃料としてオイルタンクを備える予定。これにより、防災センターや入居企業の事務所エリアなどへ最大約7分の電力供給が可能となる。備蓄燃料は、震災等による停電時に、施設入居企業へ提供するほか、プロロジスが運営する周辺の物流施設への移送も想定している。断水時にも約30日間トイレが使用できるよう給水設備を整える予定だ。
ESG推進および環境負荷軽減のため、倉庫内には通常のLED照明比で電力使用量を半減できる高天井用センサー付きインテリジェントLED照明(プロロジス共同開発)を採用する予定。入居企業の温室効果ガス削減に寄与するため、約6MWの自家消費ソーラーを設置し、ゼロエネルギービル(ZEB)とする計画だ。

※「プロロジスパーク古河4」の計画概要
開発地:茨城県古河市北利根15番地
敷地面積:6万8,123.91㎡(2万0,609.29坪)
延床面積:12万3,266.43㎡(3万7,288.09坪)
構造:地上3階建、柱RC+梁S造
着工:2021年12月
竣工予定:2023年3月末

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