<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■名鉄都市開発 (株)<5月1日>
愛知県小牧市で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「MCD-LOGI小牧」が竣工/同社物流施設開発の第1弾、最大4テナントへの分割賃貸が可能
名鉄都市開発(株)は、愛知県小牧市で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「MCD-LOGI 小牧」が竣工したと発表した。
同施設は、同社物流施設開発事業の第1弾となる物件。計画地は名鉄 NX 運輸(株)小牧支店跡地で、名神速道路、中央自動車道、東名高速道路に近く、名古屋高速11号小牧線、16号一宮線を利用して名古屋第二環状自動車道にアクセス可能だ。中部圏や名古屋都市圏への地域配送のほか、関東圏や関西圏への広域配送が可能で、広域道路の結節点として交通ネットワークの利便性のある立地となっている。また、名古屋鉄道犬山線「岩倉駅」と名古屋鉄道小牧線「小牧駅」を結ぶ路線バスの停留所から徒歩約1分の距離にあるため、通勤利便性が高く、雇用確保面でも優位性がある。
同施設は、地上4階建て、延床面積5万4,372.20 ㎡(約1万6,448 坪)のマルチテナント型物流施設。車両が3階へ直接乗り入れできるスロープを設け、トラックバースを1階および3階に備えているため、最大4テナントに分割賃貸することができる。トラックバースは計52台の大型車が同時接車可能で、16台分のトラック待機場とともに効率的な入出庫オペレーションをサポートできる体制が整えられている。
天井高は有効5.5m(2Fは一部6.9m)で、床荷重は1.5tを確保した。また、荷物用エレベーターを合計8基(2基/区画)、垂直搬送機を合計4基(1基/区画)実装したほか、将来用として荷物用エレベーターを合計4基(1基/区画)、垂直搬送機を合計12基(3基/区画)増設することも可能。入居テナントの将来ニーズや様々な物流ニーズに対応し得る機能性と汎用性を付与した。また、72時間対応非常用発電機を設置したほか、昨今の異常降雨を踏まえ、1階床高や重要設備機器の基礎を想定浸水位(内水)の2倍程度の高さとするなど、顧客のBCPをサポートする環境を整えた。
同施設にはさらに太陽光発電を設置(予定)し、発電した再エネ由来電力を同施設で自家消費することで、約288 t/年(予定)の CO2削減に貢献する。太陽光発電設備により発電された再生可能エネルギーの自家消費、全館LED照明の採用、およびトップランナー機器の採用等により、 ZEB 最高ランクの「ZEB」、CASBEE-建築A、BELS6スターを取得しているという。
入居テナント全員が利用できる休憩ラウンジを1階および4階に設置。1階ラウンジ「Fumoto」には緑地帯のほか、屋外テラスおよびベンチなどのファニチャーを設ける。配置もバス停留場の近傍とし、入居テナント専用のバス待合所としても利用できるものとした。4階ラウンジ「Itadaki」からは名古屋市中心部が臨めるほか、日本の「さくら名所100選」に選ばれた五条川の桜並木を遠望することができるとしている。
※「MCD-LOGI小牧」の施設概要
所在地:愛知県小牧市新小木3-1
倉庫タイプ: 1階・3階片面バース/自走式スロープ形式/マルチテナント型
構造:鉄骨造地上4階建て
延床面積:約5万4,372.20㎡(約1万6,447.59坪)
敷地面積:約2万4,771.63㎡(約7,493.42坪)
着工:2024 年4月1日
竣工:2025 年4月30日
■日本GLP(株)<5月1日>
延床面積15万7,600㎡の先進的物流施設「GLP八千代Ⅴ」が竣工/ダブルランプウェイ付きで全カスタマー区画に電動シャッターも導入、(株)ダイワコーポレーションが1棟利用
日本GLP(株)は、千葉県八千代市で建設を進めていた延床面積15万7,600㎡の先進的物流施設「GLP 八千代Ⅴ」が竣工したと発表した。同施設は、物流サービスを提供する(株)ダイワコーポレーションが千葉県における旗艦施設として1棟全体を利用する。
同施設の開発は、日本GLPの豊富な再開発経験を活かし、竣工済みの「GLP 八千代Ⅳ」と隣接する敷地を最大限に利用した既存物件の建て替えプロジェクト。同プロジェクト遂行にあたっては、GLP八千代Ⅴを賃貸するダイワコーポレーションのニーズと敷地の特性を踏まえて、デザインや構造、設備の設計を行った。加えて、既存物件の解体にあたっては、工事工程を複数の工区に分割するとともに、既存物件の入居企業だった(株)あらたのGLP 八千代IVへの移転を連携して進め、あらたのオペレーションを中断させることなく、段階的な退去と明け渡しを実現したという。
GLP 八千代Ⅴは、立地する八千代エリアでは希少なダブルランプウェイを備えた先進的物流施設で、小分割区画の設定を可能にする設計や、全カスタマー区画に電動シャッターを導入するなど、カスタマーニーズを反映した物件。免震構造も採用し、カスタマー企業の事業継続性をサポートするものとなっている。ダイワコーポレーションは、同施設を多業種が入居できる物流施設として運用する予定だ。
※「GLP 八千代Ⅴ」の施設概要
所在地:千葉県八千代市大和田新田686-3
敷地面積:6万7,427.70㎡
延床面積:15万7,600.45㎡
構造:地上5階建て、免震PC造(一部S造)
着工:2023年9月
竣工:2025年3月末
認証取得:CASBEE Aランク(新築)認証(予定)、BELS 6Star認証、ZEB-Ready認証
■大和ハウス工業(株)<5月1日>
免震マルチテナント型物流施設「DPL小牧」が稼働開始/冷凍・冷蔵保管にも対応可能な東海地域の物流倉庫
大和ハウス工業(株)は、愛知県小牧市で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「DPL 小牧」が竣工し、5月1日付で稼働を開始したと発表した。
同施設は、名古屋高速11号小牧線「堀の内出入口」から約2km、「豊山南出入口」から約3kmに位置する。物流適地の一つである神奈川県厚木市から約300km、大阪府大阪市から約180kmの距離にあるため、関東・関西地域間の輸送における中継物流拠点としても機能する。また、東海・北陸地域にも3時間30分以内に輸配送でき、名古屋市の外周部を通る名古屋環状2号線へ車で約20分と近接しているため、アクセス性の高い立地だ。
同施設は、BCP対策として免震システムを導入。地震発生時にも揺れを軽減できるため、上層階の荷崩れ防止など、荷物や設備のダメージを最小限に抑え、短時間での事業再開が見込める。
同施設は、トラックが各階に直接乗り入れることができるダブルランプウェイ方式により、上りと下りの動線が分離しているため、トラック同士の交差や渋滞が発生しにくくなり、スムーズに出入庫することが可能。また、倉庫内の中央を通る通路である中車路を設けることで天候の影響を受けずに荷物を積み下ろしが行える。施設全体で195台分のトラックバースが用意されている。
同施設は、地上5階建て、延床面積19万2,385.22㎡(5万8,196.52坪)で、最大25社のテナント企業が入居可能。1区画の賃貸倉庫面積は約4,970㎡(事務所含めた1区画あたりの最小は約5,170㎡)~で、小規模の物流事業を検討されているテナント企業のニーズにも対応できる。テナントはEC事業者や近隣の工業団地の製造業者、小売業者などを想定。自社専用に建設するBTS型物流施設に比べて事業開始までの期間を短縮が図れる。物流ニーズの多様化により、急速に変化する事業環境の中でスピーディに事業を展開することが可能だ。
同施設で働く従業員の仕事と子育ての両立にも配慮し、施設内に保育所を設置した。テナント企業の従業員を対象に、最大36名の子どもの受け入れが可能で、子育て世帯でも働きやすい就労環境を提供する。カフェテリアや無人コンビニエンスストア、休憩スペースなども設け、テナント企業の労働環境整備を支援する。
また、生鮮食品や冷凍食品などを保管する冷凍冷蔵倉庫の需要が高まっているとの判断から、同施設には特別高圧受変電設備を施設内に設置しており、1階に冷凍冷蔵スペースを設けることが可能な仕様となっている。
※「DPL小牧」の施設概要
所在地:愛知県小牧市下小針中島2-144他
敷地面積:8万5,716.62㎡(2万5,929.28坪)
延床面積:19万2,385.22㎡(5万8,196.52坪)
賃貸面積:16万3,772.85㎡(4万9,541.28坪)
構造・規模:1~4階 鉄筋コンクリート造(柱)・鉄骨造(梁)、5階 鉄骨造 5階建て
着工:2022年5月9日
竣工:2025年4月15日
稼働:2025年5月1日
■名鉄ワールドトランポート(株)<5月7日>
西日本の物流強化のため大阪府和泉市に最新鋭物流拠点 「大阪グローバルロジスティクスセンター」を開設 /関西圏のサプライチェーン最適化を加速、既存の南港保税倉庫との連携も
名鉄ワールドトランスポート(株)は、西日本地域における物流サービス体制強化のため、大阪府和泉市あゆみ野に新たな旗艦物流拠点「大阪グローバルロジスティクスセンター(OGL)」を開設した。
OGL は、延床面積 6,467.94 ㎡(1,956.54 坪)を有する最新鋭の物流施設。大阪南港まで約 40 分、関西国際空港まで約25分とアクセスに優れ、時間価値を生み出す物流を提供する。また、内陸高台(標高 70m)の立地は自然災害リスクも低く、荷主企業のBCP上においても戦略的拠点になるという。
OGL開設により、既存の大阪南港保税倉庫(南港オペレーションセンター 大阪市住之江区)との連携が可能となり、西日本における物流ネットワークを質・量ともに拡充する。この2拠点体制により、OGLの強み(保管・在庫管理・流通加工・EC対応・プロセスセンター・広域配送)と、南港オペレーションセンターの強み(保税機能・航空貨物対応・輸出入業務)を組み合わせ、多様化・高度化する顧客のサプライチェーンニーズに対し、包括的かつ柔軟なソリューションを提供するとしている。 OGL は「東京グローバルロジスティクスセンター(TGL)」とも連携し、顧客のBCP対策強化や、全国規模でのサービス提供体制の強化も図る。
※「 大阪グローバルロジスティクスセンター (OGL)」の施設概要
所在地:大阪府和泉市あゆみ野1‐12‐1 G-SQUARE和泉1階
開設日:2025年5月1日
延床面積: 6,467.94 ㎡(1,956.54 坪 バース、事務所含む)
提供サービス:倉庫保管(非保税)、在庫管理(WMSによる管理)、入出庫作業(コンテナデバン、バンニング、調達物流集約、製造工程払出し等)、流通加工(仕分け、店舗振り分け、ローカライズラベル貼り、検品、EC対応等) 、国内輸配送など
■日本GLP(株)<5月7日>
熊本県菊池市で先進的物流施設「GLP 熊本菊池」の開発に着手/九州エリアでの半導体物流需要に対応、2階建てで庫内全館空調を完備
日本GLP(株)は、熊本県菊池市で延床面積約1万8,000㎡の先進的物流施設「GLP 熊本菊池」の開発に着手する。2025年7月に着工し、竣工は2026年8月末となる予定だ。
同施設は、台湾の半導体企業TSMCや、世界有数の半導体関連企業であるソニーや東京エレクトロンなどが集結する半導体工業団地の近隣に位置する。同地域は九州経済の成長をけん引する重要な役割を担っており、関連する原材料、部品や精密機械を保管するための先進的物流施設への需要が高まっているという。
同施設は国道325号線沿いに位置し、新設される自動車専用道路「大津西IC(仮称)」から約2.8kmに立地している。また、熊本空港から約12km、九州縦貫自動車道「熊本IC」から約15kmの距離にあり、九州全域をカバーする広域配送の拠点として優れた立地条件を備えている。さらに、周辺地域では半導体関連産業の拡大に伴いインフラ整備が推進されたことを背景に人口も増加しており、半導体および部品などの工業関係品に加えて日用雑貨などの流通・保管需要も高まると同社では予想している。
日本GLPは熊本県内で既に「GLP 熊本大津」の開発実績があり、半導体関連企業をはじめとして多くの企業から引き合いを得ている。GLP 熊本大津に続き、GLP 熊本菊池の開発周辺エリアにおいても、企業の事業拡大に伴う入居や移転、拠点集約ニーズなどの幅広い入居ニーズが見込まれることから、同施設の開発決定に至ったという。また、日本GLPは九州初の大規模開発「GLP 福岡ICプロジェクト」を始動させるなど九州地域での開発を推進している。
GLP 熊本菊池は、当該地域においてハイセキュリティを求める顧客ニーズに対応し、1社で占有的に施設を利用できる地上2階のボックス型施設。2層使いとすることで効率的な荷物の搬出入作業を可能にし、1階には片面バース、庫内に垂直搬送機と荷物用エレベーターを設置し、入居企業の効率的な物流オペレーションをサポートする。庫内には全館空調設備を設置することで、温度管理が必要な精密機器関連などのニーズにも対応する予定。また、従業員用の休憩スペースや豊富な駐車スペースを整備することで、従業員の快適な就労環境も提供する予定だ。
〇同施設の特長
・ 地上2階のボックス型施設で、シングルテナントを想定。
・ 2層使いとすることで効率的な荷物の搬出作業をサポート。
・ 1階には10tトラック19台分、4tトラック29台分が接車可能な片面バース、庫内に垂直搬送機2台と荷物用エレベーター2台を設置し、入居企業の効率的な物流オペレーションを実現。
・ 庫内には全館空調設備を設置し、精密機器などを取り扱うニーズに対応。
・ 従業員用の休憩スペースや給湯室、乗用車約100台分の駐車場スペースを整備し、快適な就労環境を提供。
※「GLP 熊本菊池」の施設概要
所在地:熊本県菊池市旭志川辺字下蛙石
敷地面積:約1万9,000㎡
延床面積:約1万8,000㎡
構造:地上2階建て、BOX型
着工:2025年7月(予定)
竣工:2026年8月末(予定)
■三菱ふそうトラック・バス(株)<5月7日>
KD輸出部品倉庫を横浜市新子安の「新子安グローバルロジスティクスセンター」に移転 /5月6日から稼働開始、レイアウト最適化や作業自動化でコスト削減・業務効率改善の実現へ
三菱ふそうトラック・バス(株)は、ノックダウン(KD)輸出部品倉庫(川崎市川崎区東扇島)を横浜市新子安地区へ移転し、「新子安グローバルロジスティクスセンター」として5月6日から新拠点での業務を開始した。
同施設は、三井不動産(株)およびENEOS不動産(株)が開発した「MFLP 横浜新子安」(横浜市鶴見区生麦)に所在しており、地上5階建て・延床面積約12万㎡の倉庫全体を貸借している。今回の移転により、輸出港との距離が短縮されることで物流コストの削減につながるほか、レイアウトの最適化や梱包仕分け作業の自動化を行い、作業効率を向上する見込みだ。
KD 輸出部品倉庫が所在していた東扇島拠点は、1991年の操業開始以来、20を超える海外市場に向けてKD部品を輸出してきた。輸出先には三菱ふそうトラック・バス最大の輸出市場であるインドネシアや台湾も含まれており、操業開始以来、東扇島から輸出した車両の数は、2025年4月末までに約220万台に達するという。
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。