
日本GLP(株)は、茨城県猿島郡境町で建設を進めていた延床面積約8万3,940㎡の物流施設「GLP 境古河Ⅰ」が竣工したと発表した。同施設は、境町が新たな産業用地として開発を進めてきた「猿山・蛇池地区開発事業」地区内に立地している。同敷地内に建設予定で、BTSニーズへの対応も可能な「GLP 境古河Ⅱ」と合わせた2棟の総延床面積は最大約16万3,000㎡に達する予定。同社は、同施設竣工前に、物流事業および関連人材派遣事業を展開するオオサカデリバリー(株)、寝具やトラベルなどのD2Cブランドを展開する(株)KURUKURUなど計3社と賃貸借契約を締結している。
同施設は、最小区画約740坪(約2,440㎡)から賃借が可能で、さまざまな保管ニーズに対応することができるマルチテナント型物流施設。1階は低床バースで床荷重2t/㎡となっており、自動車部品をはじめとする重量物の保管がしやすい。2階は1,000坪(約3,300㎡)以下の複数小割区画を設けており、多くの企業が入居しやすい設計となっている。3~4階には、有効天井高を最大7.0m確保したスペースを設け、保管効率を最大限向上させた仕様にするなど、圏央道エリアの庫内オペレーションに適した特色ある設備をフロアごとに実装し、多種多様な入居企業のニーズに対応する。
オオサカデリバリーは、同施設がIC至近であるほか、カフェテリアなど雇用環境の整った先進的物流施設を小区画から利用できる点などを評価。同施設を EC 事業者向けのフルフィルメントセンターとして利用するほか、同社が展開する物流特化型人材派遣事業により他の入居企業の雇用確保をサポートする意向だ。
KURUKURUは、EC商品の在庫保管および配送拠点として同施設を活用し、さらなる事業拡大と業務効率の向上を図る。空きスペースを活用した倉庫業への新規参入も計画しており、日本GLPの「GLPコンシェルジュ」などのソフトサービスを活用しつつ、柔軟かつ実践的な物流体制の構築に取り組む。
○同施設の立地
・同施設は、圏央道「境古河IC」から約0.4km、そして国道354号線沿いに立地することから、高速道と一般道双方へのアクセスに優れる。
・圏央道は最短2026年度を目途に4車線化へと拡大を予定しており、高速道による関東一円への広域配送がより一層可能。
・ 道354号バイパスは国道新4号線との接続を予定しており、一般道による東京都心および北関東エリアへのアクセスが向上し、今後さらに周辺エリアの交通の利便性が高まることが期待される。
・立地する茨城県西エリアは、既に日用雑貨や工業製品等の物流拠点が集積しているほか、自動車や産業用ロボットをはじめとする製造業の工場新設が増加しており、先進的物流施設へのニーズは一段と高まるものとみられている。
○同施設の特長
・4 階建てのマルチテナント型物流施設で、シングルランプを設置し、1階、2階、3階に接車が可能。
・3階と4階の2層使用した場合は最大約1万600坪(約3万5,000㎡)となり、拠点集約による保管効率を向上させることも可能。
・1階は低床バースと床荷重2t/㎡を導入し、自動車部品をはじめとする重量物を効率的に保管することが可能。また低床&高床のハイブリッド両面バースとすることで幅広い荷物の取り扱いにも対応。
・2階は最小区画を約740坪(約2,440㎡)とし、複数の小割区画を提供。入居ハードルの低減化に加え、適正な面積での賃借検討が可能な区画割を実現。
・4階の有効天井高を最大7.0mまで引き上げ、積載荷重5.0tの大型荷物用エレベーターを設置することで、高い保管効率と運用性を実現。また人感センサー付き照明とすることでローコストオペレーションに最大限寄与した区画を提供することができる。
・同施設のコンセプトは、倉庫・施設内ワーカーの双方を活発にする「Activation」。庫内に窓を設置し自然光を採り入れるほか、カフェテリアや無人売店を設置し、生産性向上につながる快適な就労環境を提供。外観および共用部のデザインは、明るく多様な色彩、動きのあるパターンやモチーフを取り入れることで空間に変化を生み出し、就業者や施設、物流自体がより活性化していくことを企図している。
○同施設のサステナビリティへの取り組み
同施設では、持続可能な開発・運営のための取り組みについて以下の対応を予定している。
・災害への対応:BCP面では、浸水対策として受変電設備等の重要機器を屋上に設けるほか、非常用発電機を設置し、事業の継続性を確保。
・再生可能エネルギーの活用:環境配慮として、太陽光パネルの設置を予定しているほかLED照明の採用、人感センサー付き照明設備を設置し入居企業のサステナブルな取り組みをサポート。
・環境認証の取得:CASBEE認証、ZEB認証を取得予定。
※「GLP 境古河Ⅰ」の施設概要
所在地:茨城県猿島郡境町大字蛇池字西原748
敷地面積:4万1,989.58㎡
延床面積:8万3,936.72㎡
構造:地上4階建て、耐震S造
着工:2023年12月
竣工:2025年5月
認証取得:CASBEE認証(予定)、ZEB認証(予定)