■物流施設 投資関連情報2024版<4.11~4.17>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■富士フイルム(株)<4月12日>
バイオ医薬品の開発・製造受託事業の成長を一段と加速/北米で建設中のノースカロライナ新拠点に約1,800億円の大規模追加投資を決定し、抗体医薬品原薬の生産能力を大幅増強


 富士フイルム(株)は、バイオ医薬品の開発・製造受託事業の成長を一段と加速させるため、バイオ医薬品CDMO(Contract Development & Manufacturing Organization)の中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)の北米拠点に約1,800億円(12億ドル)の大規模投資を行う。FDBがノースカロライナ州ホーリースプリングス市に建設している新拠点(2025年稼働予定)に追加でさらなる設備投資を行うもので、抗体医薬品の原薬製造設備を大幅に増強し、2028年に稼働させる予定だ。
 抗体医薬品市場は、抗体薬物複合体(ADC)や、バイスペシフィック抗体を用いた次世代型の需要拡大も加わり、年率8%で成長することが見込まれている。同社はこれを踏まえ、抗体医薬品の生産能力の大幅増強に向けて2万ℓの動物細胞培養タンクの設備投資を進行。現在、デンマーク拠点では稼働中のタンク6基に加えて14基、ノースカロライナ新拠点では8基の導入を進めている。この取組は、高い生産性と各種認証取得実績があるデンマーク工場と設計・設備を共通化し、他拠点に展開するアプローチ(KojoX)による設備増強で、拠点間の迅速な技術移管を実現し、高い品質の確保や建設リードタイムの短縮化が図れるとしている。
 同社は今回、抗体医薬品のおう盛な製造委託ニーズが現在増強中の生産能力を上回ることから、現在8基のタンクを建設中のノースカロライナ新拠点に、新たに2万ℓの動物細胞培養タンク8基を追加導入することを決定。ノースカロライナ新拠点における抗体医薬品原薬の生産能力増強は、同サイズのタンクを16基有することで当初計画を大幅に上回り、北米のバイオCDMO製造拠点として最大級になる見込みだ。
 同社はノースカロライナ新拠点を、原薬製造から製剤化・包装までを一貫して受託できる拠点とする意向で、そのための設備の導入も進めており、原薬の大量製造に止まらず幅広い顧客ニーズに対応する。一方、ノースカロライナ新拠点での消費エネルギーを、再生可能天然ガスや、敷地内の太陽光発電の利用、バーチャルPPA導入による12.5万MWh/年の再エネ電力証書の購入で相殺することで、実質的にCO2排出ゼロを実現する。また、同社CSR計画「Sustainable Value Plan2030」で定めた目標を踏まえ、水使用量や廃棄物の削減に対する取り組みも推進する。なお、ノースカロライナ新拠点は、米国グリーンビルディング協会(USGBC)により、建物の環境性能を評価する世界的な認証制度であるLEEDゴールド認証を取得する見通しだという。

※ノースカロライナ新拠点における追加設備投資の概要
設備投資内容:2万ℓ動物細胞培養タンク(8基)
投資金額:約1,800億円(12億ドル)
新規雇用人数:2031年までに680人
稼働時期:2028年

■アズビル(株) <4月12日>
工業設備の海外需要拡大に対応し、タイ生産子会社に新工場棟を建設/海外事業のさらなる伸長を目指してグローバル生産体制を強化


 アズビル(株)は、タイ生産子会社のアズビルプロダクションタイランド(株)に新工場棟を建設し、グローバル生産体制を強化する。
 アズビルプロダクションタイランドは、2013年創業以来、10年にわたってものづくり技術の向上に取り組み、生産品目を拡大してきた。現在の生産品目は、工業向け温度調節計、各種センサから空調用コントローラまで多岐にわたり、東南アジア諸国、東アジア各国に向けた製品の生産、直接の出荷拠点として重要な役割を担っている。今回の新工場棟建設は、工業設備の海外需要拡大に対応し、海外事業のさらなる伸長を図ることが目的。新工場棟には、電磁流量計を中心とした大型加工、組立、塗装、検査、出荷を効率的に配置した新しい生産ラインを設置する。2024年4月から順次工程を立ち上げ、自動化設備の導入を進める。
 新工場棟の完成により、同社グループの海外事業拡大に伴って増加する受注にも対応できる見込み。また、工業市場向けの電磁流量計、差圧発信器といった高度な生産技術を要する多様な製品を求める海外のニーズに対応するため、今後もさらなる生産能力の強化、生産品目の拡大を目指すとしている。

※「アズビルプロダクションタイランド(株) 新工場棟」の施設概要
建築面積:6,069m² 3階建て
延床面積:1万5,064m²
投資金額:3億9,100万タイバーツ(約15億円)
稼働開始:2024年4月

■(株)トヨコン<4月12日>
愛知県豊川市内の荷主との共同プロジェクトで「豊川ロジテックセンター」を開設/東三河で初となる自動倉庫型ピッキングシステム「オートストア」導入を予定


 (株)トヨコンは、愛知県豊川市内の荷主との共同プロジェクトとして、同市内に新物流センター「豊川ロジテックセンター」を開設した。
 同施設は敷地面積4,700㎡の鉄骨造2階建てで、東三河では初となる自動倉庫型ピッキングシステム「オートストア」を導入する予定。同システムは、ロボットが製品を格納したコンテナを受注に応じ自動的に出し入れするもの。同施設は同システムの導入により、倉庫機能に加え、ピッキング機能も備えることになる。

※「豊川ロジテックセンター」の施設概要
所在地:愛知県豊川市上長山町
敷地面積:4700㎡(1,400坪)
構造:鉄骨造・地上2階建て
本稼働:2025年5月(予定)

■イケア・ジャパン(株)<4月17日>
愛知県豊橋市に「商品受取りセンター豊橋」を開設/東海地方すべての県での受取りセンター設置が完了


 イケア・ジャパン(株)は、ユーザーとのタッチポイントをつなぎ、総合的にアプローチするオムニチャネル化推進の取り組みの一環として、愛知県豊橋市に同県初となる商品受取りセンターを開設する。
同センターの名称は「商品受取りセンター豊橋」。愛知県豊橋市やその周辺地域のユーザーは、「IKEAオンラインストア」や「IKEA長久手」のほか、他のイケア店舗で購入した大型家具を同センターで受け取ることにより、通常配送より安く購入することができる。
 同センターは、全国42番目の商品受取り拠点。同センターの開設により、東海地方のすべての県(愛知県〔豊橋市〕、岐阜県〔可児群・大垣市〕)、三重県〔津市・四日市市〕、静岡県〔静岡市・浜松市・沼津市〕)に商品受取りセンターが設置された。同社は、商品受取りセンターの全国拡大が物流2024年問題の解決や、ラストワンマイル配送の負荷軽減、環境配慮などに貢献するものと認識しており、この取組を積極的に推進している。

※「商品受取りセンター豊橋」の概要
所在地:〒441-8123 愛知県豊橋市若松町字中山180-11
サービス申し込み場所:IKEAオンラインストアまたは全国のイケア店舗
商品受取り可能時間:9:00~18:00
サービス料金:総商品重量上限300kgまで一律3,900円
商品出荷店舗:IKEA長久手

■鈴与(株) <4月17日>
スズヨメキシコの3番目となる新物流拠点「シラオ倉庫」が稼働開始/おう盛な市場ニーズに対応し、強みのコンテナ輸送や倉庫での在庫保管サービスの提供体制を強化


 鈴与(株)は、メキシコ現地法人Suzuyo Mexico, S. de R.L. de C.V.(スズヨメキシコ)の3番目の物流拠点「シラオ倉庫」が稼働を開始したと発表した。
 同施設は、グアナフアト州エリア最大の工業団地で、日系企業も多く入居しているプエルトインテリオール工業団地内に立地しており、主要高速道路からのアクセス性にも優れる(約5分)。同州には多くの完成車メーカーや自動車部品メーカーが進出しているため、近年はメキシコ国外に輸出する自動車の生産需要が膨らみ、物流インフラニーズも高まってきているという。スズヨメキシコは、同施設の新設により、同社の強みであるコンテナ輸送や倉庫での在庫保管サービスの提供体制を強化することでおう盛な市場ニーズに対応していく。

〇スズヨメキシコの強み
・メキシコ北部荷主へのストックポイントとしての活用
・競争力のある価格でのアメリカ・メキシコ間の陸上輸送の提案
・戦略的業務提携先であるUPS社のWWEFサービス(緊急航空便)の提供
・販売先近郊で工場の製品・調達品の保管(危険品保管も可能)
・IMMEX制度(輸出品製造のための一時輸入)対応

※「シラオ倉庫」の施設概要
所在地:Av. Mineral de 5 senores #100, Int.113, Parque Industrial Santa Fe IV, Silao de la Victoria, Guanajuato, C.P. 36275, Mexico
延床面積:7,500㎡
稼働開始:2024年4月

■日本通運(株) <4月17日>
熊本県益城町に新設した半導体関連産業対応の物流拠点「NX熊本ロジスティクスセンター」が稼働開始/半導体関連産業ニーズに対応する高品質物流サービスの提供が可能に


 日本通運(株)は、熊本県益城町に新設した半導体関連産業対応の物流拠点「NX熊本ロジスティクスセンター」が稼働を開始したと発表した。
 半導体受託生産の世界最大手である台湾TSMC社の半導体製造工場(JASMが運営)の建設決定を皮切りに、熊本県では半導体関連企業の進出が続いている。2月には、TSMC社・熊本工場が完成し、これと同時に第2工場の建設も発表されており、今後さらなる企業の集積に加え、物流需要の増加が予想される。
 今回の新物流拠点は、最新の物流システムと豊富な経験を持つ日本通運のノウハウを結集しており、半導体関連産業などのユーザーに高品質な物流サービスを提供することが可能。倉庫内には空調設備を完備して半導体の保管に最適な温湿度を維持するほか、非常用発電機、セキュリティ設備および太陽光発電設備も設置している。
 なお、同社は、2024年2月にJASMを中心とした半導体産業関連業務への営業強化のため、「九州半導体事業所」を新設するなど、同事業所を通じて半導体関連産業の業務に対応する専門的なサポートを提供できる体制も整えている。

※「NX熊本ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:熊本県上益城郡益城町平田2561-1(熊本支店 熊本総合物流事業所内)
構造:鉄骨造2階建て
延床面積:8,755m2(2,648坪)
主要設備:空調(前室—作業用空調25℃±5℃、保管室— 20℃-25℃)、非常用発電機(24時間)、録画式監視カメラ(屋外10台、屋内30台)太陽光発電(倉庫屋根に設置)、避雷設備

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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