物流施設 投資関連情報2024版<2.29 ~3.6>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■阪急阪神不動産(株)<2月29日>
大阪府内のマルチテナント型物流施設「ロジスタ大阪松原」と「ロジスタ豊中」が竣工/環境や省エネルギーに配慮した設備・機器導入でZEB Ready認証を取得


 阪急阪神不動産(株)は、大阪府松原市で建設を進めてきたマルチテナント型物流施設「ロジスタ大阪松原」と、大阪府豊中市で建設を進めてきた「ロジスタ豊中」が竣工したと発表した。竣工日は、前者が1月31日、後者が2月29日。両施設では、環境や省エネルギーに配慮し、館内 LED 照明や人感センサーライト、節水型衛生器具などを採用することで、ZEB Ready認証を取得しており、同社は今後も物流施設「ロジスタ」でZEB Ready 以上の認証取得を目指すとしている。

〇「ロジスタ大阪松原」について
・阪神高速道路松原線「三宅 IC」約3.5km、阪和自動車道「松原 IC」約4.4kmの地点に位置しており、複数の高速道路へのアクセスが良好。関西圏の消費地を広くカバーすることが可能だ。
・トラックバースは、合計12台の大型車が同時に接車することが可能。倉庫部分は、床荷重が1.5t/㎡、1階2階の天井有効高が 5.5mで、昇降設備は、荷物用 EV(積載荷重3.5t)と垂直搬送機をそれぞれ2基実装している。また、MH機器導入に伴う施設仕様の変更など、入居テナントの要望への対応や、先進的な物流施設に求められるニーズへの対応が可能な機能性・汎用性を兼ね備えた仕様となっている。

※「ロジスタ大阪松原」の施設概要
所在地:大阪府松原市岡1-176-1
敷地面積:約1万0,800 ㎡(約 3,200 坪)
延床面積:約1万4,000 ㎡(約 4,200 坪)
構造規模:S造・地上3階
用 途:マルチテナント型物流施設(ボックスタイプ※)
着 工:2023 年 2 月 1 日
竣 工:2024 年1月 31 日

〇「ロジスタ豊中」について
・阪神高速道路池田線「豊中南 IC」約3.5km、名神高速道路「豊中 IC」約4km、中国自動車道「中国池田 IC」約3.5km の地点に位置しており、複数の高速道路へのアクセスが良好。大阪中心部および関西圏の消費地への配送に適した立地となっている。阪急電鉄宝塚線「岡町」駅から約1.3kmの徒歩圏内にあるため、雇用確保面でも有利な立地だ。
・トラックバースは、合計10台の大型車が同時接車可能。倉庫部分は、床荷重が1.5t/㎡、天井有効高が5.5mで、昇降設備は、荷物用 EV(積載荷重4.1t)と垂直搬送機をそれぞれ1基実装している。また、MH機器導入に伴う施設仕様の変更など、入居テナントの要望への対応や、先進的な物流施設に求められるニーズへの対応が可能な機能性・汎用性を兼ね備えた仕様となっている。

※「ロジスタ豊中」の施設概要
所在地:大阪府豊中市勝部3-8-8
敷地面積:約5,000 ㎡(約 1,500 坪)
延床面積:約8,300 ㎡(約 2,500 坪)
構造規模:S 造・地上 3 階
用途:マルチテナント型物流施設(ボックスタイプ)
着工:2023年3月20日
竣工:2024年2月29日

■(株)エアークローゼット<2月29日>
2024年7月から物流拠点を「GLP ALFALINK流山」に拡張移転/月額制ファッションレンタルサービスの事業拡大や循環型物流プラットフォームのニーズ拡大で物流基盤を強化


 (株)エアークローゼットは、物流拠点を千葉県流山市の大規模多機能型物流施設「GLP ALFALINK流山6」に拡張移転すると発表した。今回の移転は、同社が運営する月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」の事業拡大、および循環型物流プラットフォーム「AC-PORT」のニーズ拡大に伴う、物流基盤の強化が目的。2024年7月から既存物流拠点に関連する機能の順次移転を開始する予定だ。
 同社は、創業時からモノをシェアリングする循環型ビジネスに特化した「循環型物流」を独自に構築し、これまで様々な物流領域の改善を行なってきた。2017年にはヤマト運輸(株)のEC事業者向けAPIを国内で初めて導入し、2019年にはRFIDを活用したアイテムの個品管理を導入、さらに2021年には自社開発したWMSの運用(特許取得)を開始している。
同社は、外部へのプラットフォーム提供を含む事業規模の拡大に伴い、倉庫・クリーニング・メンテナンス(修繕・染み抜き)の各機能が一体となる物流拠点構築によるオペレーションコストの改善を目指し、AC-PORTのアップデートに踏み切る。同社では、GLP ALFALINK流山について、新型倉庫の建設計画があり拡張性が高く、交通の要衛となる立地環境に恵まれているほか、関連地域の人口増加に伴う人材採用の利点などから、物流拠点としての優位性を評価し、今回の拡張移転先として決定した。
 AC-PORTは、同社の物流チームと、エンジニアを中心としたテックチームが開発したもので、このプラットフォームをスピーディーに改善するため、倉庫管理システムを独自運用している。この倉庫管理システムは、レンタル事業で必ず発生する「商品の返却」を前提としており、他社への横展開も対応可能。同社はこのため、AC-PORTの幅広い分野への外販を見込んでいる。具体的には、ファッション以外の他社レンタルビジネスの物流業務の受託、レンタルに限らない他社ファッションビジネスにおける返品再生業務の受託、その他個別機能の外販(クリーニング・メンテナンス)を想定。既にアウトドア用品のレンタル事業における物流機能の受託が確定しており、2024年7月から順次運営を開始予定だという。

■霞ヶ関キャピタル(株)<2月29日>
兵庫県神戸市内で物流施設開発用地を取得/冷凍食品の消費増加等で需要が拡大している冷凍自動倉庫の開発へ


 霞ヶ関キャピタル(株)は、兵庫県神戸市内で物流施設開発用地を取得する契約を締結した。
 同社は、ECの拡大や2030年のフロン規制、冷凍食品の消費増加等により需要が拡大している冷凍自動倉庫の開発を進めている。今回は、同社物流施設ブランド「LOGI FLAG」の開発用地を、新たに販売用不動産として取得するための契約を締結した。

※本件物流施設開発用地の概要
所在地:兵庫県神戸市
予定用途:物流施設(冷凍自動倉庫)
敷地面積:約8,400㎡
売買契約日:2024年2月29日
売買決済予定日:2024年3月下旬

■日本GLP(株)<3月1日>
兵庫県神戸市で全館冷凍冷蔵物流施設「GLP 六甲Ⅴ」が竣工/藤原運輸(株)が1棟利用


 日本GLP(株)は、兵庫県神戸市で開発を進めていた全館冷凍冷蔵物流施設「GLP 六甲Ⅴ」を、竣工と同時に取得したと発表した。JA三井リース建物(株)が同施設を開発し、日本GLP(株)が同施設の建物の設備や仕様を企画したほか、開発支援を行ったもの。総延床面積1万151.49㎡の全館冷凍冷蔵物流施設で、藤原運輸(株)が専用施設として1棟全体を利用するという。
 2013年から2022年にかけて冷凍食品消費量の年平均成長率が2.4%に達し、同期間の家庭用冷凍食品の国内生産金額は42.4%増加、年平均成長率は4.0%を記録するなど、冷凍食品業界は堅調に拡大しており、今後も安定した成長が期待される。また、2022年の食品EC市場規模は2.75兆円、年平均成長率は11.0%を達成するなど、コロナ禍を背景に内・中食需要が急増しインターネット通販が普及したことで、ネットスーパーでの食品購入も増加した。また、平成27年度税制改正によりふるさと納税がより身近なものとなり、寄付件数が増加している。カテゴリ別の寄付件数では、肉が1位、魚介・海産物が2位となっており、冷凍冷蔵食品へのニーズがあらゆる分野で拡大しており、これらの動向は冷凍冷蔵物流施設への需要増加にも直結している。
 同施設は、兵庫県神戸市の六甲アイランドに位置し、神戸港を一望できる立地にある。神戸港は従来、アジア諸国や関西・九州地方におけるハブ港として機能しており、現在は国際コンテナ戦略港湾としての地位を確立するため、国際海上コンテナターミナルの整備が進行している。また、阪神高速5号湾岸線「六甲アイランド北IC」から約1.1km、阪神高速3号神戸線「魚崎IC」から約3.4kmの距離にあり、神戸市内への都心配送や関西・中国地方への広域配送が可能な中間物流拠点として評価されている。庫内は、有効天井高約6.0m、耐荷重約2.0t/㎡という保管効率の高い仕様になっており、多様な商品のストレージニーズに応える柔軟なレイアウトが可能で、効率的な物流オペレーションの実現が見込める。
 藤原運輸は、国内外の物流サービスや3PL事業を展開するほか、商品の品質維持・管理、温度帯別管理、流通加工、梱包、ピッキングなど、多機能物流拠点としての「保管+α」のサービスを提供している。同施設については、冷凍を主体とした保管型施設として利用し、「GLPコンシェルジュ」と連携することで、今後の事業拡大を見据えた施設運用を計画している。

〇同施設の特長
・防熱後の有効天井高約6.0mを確保、耐荷重は約2.0t/㎡とし、保管効率を高めた仕様。
・自然冷媒を採用。
・災害への対応:非常用発電設備を有し、電気設備等を屋上に設置するなどの浸水対策を講じ、高い事業継続性を確保。
・環境への配慮:自然冷媒の採用と緑化エリアを確保するほか、全館LEDの整備を予定しており地球・地域・社会環境に配慮した施設を目指す。
・環境認証の取得:CASBEE認証を取得済み。

※「GLP 六甲Ⅴ」の施設概要
所在地:兵庫県神戸市東灘区向洋町東3丁目6-2
敷地面積:5,000.00㎡
延床面積:1万151.49㎡
構造:地上4階建て、耐震、鉄筋コンクリート・鉄骨造
着工:2022年10月
竣工:2024年3月
認証取得:CASBEE認証 取得済み

■鈴与㈱ <3月1日>
ワインの低温保管・流通加工を担う同社3か所目のFWC「東扇島ファインワインセンター」が稼働/輸入から保管、配送までの高品質ワイン物流サービスを実現


 鈴与(株)は3月1日、神奈川県川崎市にワインの定温保管・流通加工を担う「東扇島ファインワインセンター(ファインワインセンター3)」を稼働させた。
 同施設は同社3か所目のファインワインセンター(FWC)。ファインワインは、希少性の高い高品質のヴィンテージワインで、適温でムラのない温度管理によって熟成されたものを指す。FWCでは、ワインに最適な14℃帯の定温環境下での徹底した温度管理により、商品の乾燥や急激な温度変化を防ぎ、上質なワインにふさわしい保管環境を提供している。同社は2015年にワイン物流事業を開始し、ソムリエをはじめ、ワインに精通したスタッフを配備しており、業界トップクラスの160社以上のユーザーが利用している。昨年10月には、ワイン配送を専門とするリファーシステムジャパン(株)が鈴与グループに加わったことで、温度管理された専用車両での最適配送が可能になったとしており、輸入から保管、配送までを一気通貫する高品質なワイン物流サービスを実現している。

〇東扇島ファインワインセンターの強み
・輸入通関手続きから、入出庫、保管、配送までワンストップでの対応ができ、通関業務と倉庫業務の委託先を一本化することで、管理業務の負荷を軽減することが可能。
・東京港と横浜港の中間に位置し、各港からのアクセスが良く、輸入商品の保管場所として最適。
・ドックシェルター設備により外気に触れずに搬出入が可能となる他、庫内環境ではシートダクト空調を導入しており、ムラのない温度管理が可能。

※「東扇島ファインワインセンター」の施設概要
所在地:神奈川県川崎市川崎区東扇島14-3
延床面積:4,806㎡
稼働開始:2024年3月1日

■郵船ロジスティクス(株)<3月1日>
英国法人が自動倉庫システムなど導入の大型ロジスティクスセンターを2025年に開業/英国におけるコントラクト・ロジスティクス事業のさらなる強化のために総額約500億円を投資


 郵船ロジスティクス(株)はグループの積極的投資の一環として、2025年に英国法人Yusen Logistics (UK) Ltd. (Managing Director:David Goldsborough)で、自動倉庫システムなどを導入した大型ロジスティクスセンターを開業する。2024年2月には、SEGROグループの不動産会社と15年間の賃貸借契約に関し合意。投資総額は過去最大の約2.8億ポンド(約500億円)で、英国におけるコントラクト・ロジスティクス事業のさらなる強化につなげる。
 同施設は、同社英国法人の主要拠点であり、物流の要衝でもある英国中東部のノーサンプトンに位置する。同社施設で最大規模となる11万㎡超の大型ロジスティクスセンターとして、日用品から大型家電などの耐久消費財まで幅広い貨物を取り扱うほか、温度管理した医薬品専用スペースも設置。英国でのコントラクト・ロジスティクス事業をリードする拠点として位置づけられており、既存、新規いずれのユーザーニーズにも対応していく。
 同施設は、18mに達する天井高を最大限有効活用し、高密度で効率的な保管を実現する。自律走行搬送ロボットや、パレット立体自動倉庫機など最新の自動倉庫システムの導入により、時間を問わず正確で安定したオペレーションを行える環境を整備。グローバルでの自動倉庫システム導入を進めることで、従業員の労働環境改善や、今後予想される労働力不足にも備える。
 同施設は、環境問題に配慮し、屋根に太陽光発電パネルを設置。建設時からBREEAM認証のExcellent評価獲得が達成できる設計とした。さらに、同施設の近くには貨物鉄道ターミナルが建設される予定で、将来的には鉄道引き込み線を活用し、陸上輸送から鉄道輸送へのモーダルシフトにも対応できるとしており、より環境に配慮した輸送が実現できる見込みだ。
 同社は2024年中に、ベルギー・ジャンブルーでも自動倉庫システムを導入した医薬品専用ロジスティクスセンターを新設し、欧州における医療・医薬品物流サービスの拡大を図る。コントラクト・ロジスティクス事業のさらなる強化と同時に、太陽光発電パネルや電気自動車の充電スタンド等の設置により、環境に配慮した、持続可能な取り組みを推進していく。

※「SEGRO (JUNCTION 15) LIMITED」の施設概要
所在地:Plot 4, SEGRO Logistics Park, Northampton, United Kingdom
面積:11万647㎡
開業予定日:2025年

■大阪ガス都市開発(株)、三井不動産(株)<3月1日>
大阪市此花区で開発を進めていた「MFLP・OGUD大阪酉島」が竣工/大阪ガス都市開発初の物流施設事業で、三井不動産・物流施設事業としては初の関西圏での共同事業


 大阪ガス都市開発(株)と三井不動産(株)は2月29日、大阪市此花区酉島で開発を進めていた物流施設「MFLP・OGUD大阪酉島」が竣工したと発表した。
同施設の開発は、大阪ガス都市開発(株)初の物流施設事業で、三井不動産の物流施設事業としては初の関西圏での共同事業。立地は、大阪市此花区酉島に大阪ガスが所有する土地の一画に位置しており、大阪駅まで約7kmと大阪都心部へのアクセスが良好かつ阪神高速5号湾岸線「湾岸舞洲出入口」まで約3.9kmと、都市部、広域への配送の双方に対応可能。近隣に競合物件が少なく、大阪シティバスの「常吉一丁目バス停」から徒歩6分と、従業者の通勤利便性にも優れており、人材確保の面でも優位性がある。
 同施設は、72時間対応の非常用発電設備やガスヒートポンプにより、非常時のエネルギー供給が可能で、災害時にも館内従業者に配布可能な3日分の備蓄品を確保するなど、BCP対応も充実している。また、ワーカーの働きやすさを追求し、快適に休憩しリフレッシュできるラウンジを4階の東西に計2か所設置。ラウンジにおけるWi-Fiの提供、24時間無人コンビニを導入し、快適で働きやすい環境を提供する。
 同施設では、Daigasエナジー(株)とのコーポレートPPA事業により、屋上に約65万kWhを発電する太陽光パネルを設置しており、2024年4月からの稼働を予定している。共用部と専有部の屋内照明のLED化による省エネや、ニーズに応じてRE100対応のグリーン電力等脱炭素支援メニューを提供することにより、顧客の ESG 課題解決や、SDGs の推進もサポートする。これら環境配慮の取り組みにより、CASBEE大阪みらいAランク、および最高ランクの「ZEB」認証を取得済みで、さらにDBJ Green Building認証の取得も予定している。

※「MFLP・OGUD大阪酉島」の施設概要
所在地:大阪府大阪市此花区酉島5-121-2 ほか(地番)
敷地面積:2万6,829.11㎡(8,115.81坪)
延床面積:5万9,418.06㎡(1万7,973. 96坪)
規模・構造:地上4階建て・S造
着工:2022年12月1日
竣工:2024年2月29日

■三井不動産(株)<3月1日>
米国での物流施設事業に同社として初めて参画/米・Tishman Speyer社との共同事業契約を通じて物流施設開発2事業に出資


 三井不動産(株)は、米国物流施設事業に同社として初参画を果たしたと発表した。米国子会社Mitsui Fudosan America, Inc.(三井不動産アメリカ社)を通じ、米国を代表する不動産開発・投資会社であるTishman Speyerr(TS社)と2022年に共同事業契約を締結しており、米国全土を対象として物流施設の取得、開発、再開発、運営の検討を続けるなか、2事業に出資したもの。TS社と三井不動産アメリカ社との合弁会社が事業会社となり、これら事業を推進するとしている。
 米国の物流不動産マーケットは、国内のおう盛な消費マインド、EC市場の拡大、およびオムニチャネル化による物流ニーズのダイナミックな成長に支えられ、好調に推移しており、同社はかねてから米国での物流施設事業への参入を模索してきた。2022年には、全米を代表するデベロッパーであり、これまでも共同事業を通じて強固な信頼関係を築いてきたTS社と、三菱不動産の出資上限額を5億ドル(約680億円)として、共同で物流施設開発などの事業推進を行う事業契約を締結しており、今回の2事業への出資はこの枠組みにより実現した。
 出資した2事業は、カルフォルニア州オレンジ郡アーヴァイン市での「(仮称)Great Park Parcel 1」の開発と、カリフォルニア州サンフランシスコ市での「(仮称)2225 Jerrold」の開発。前者は、全米最大規模のロングビーチ港からアクセスのよい西海岸の主要物流マーケットのひとつに位置し、延床面積約5万5,300㎡を誇る大型開発案件で、後者は、既存物流倉庫を取得し、リニューアルを行うことで、テナントへの付加価値訴求が可能な施設に仕上げる案件だ。
TS社は、欧米を中心に36の国で、不動産の所有・開発等を行っており、住宅、オフィス、商業施設、物流施設など多岐にわたるアセットを所有している。同社は535棟、総面積2.3億sf、総額 1,280億ドル以上の不動産を取得・開発・運営しており、同社との共同事業のなかにはサンフランシスコ市における複合開発事業「ミッションロック」など、同市における象徴的な再開発プロジェクトも含まれている。

※「(仮称)Great Park Logistics Parcel 1」の施設概要
所在地:Great Park (Parcel 1), Irvine, CA
敷地面積:約140万sf (約12万9,000㎡)
延床面積:約59万6,000sf (約5万5,300㎡2)
用途:物流施設
構造・棟数:PC造1階全4棟(事務所部分中2階あり)
スケジュール (予定):第1期:2025年着工 / 2026年竣工
第2期:2026年着工 / 2027年竣工

※「(仮称)2225 Jerrold Ave Logistics Center」の施設概要
所在地:2225 Jerrold Ave, San Francisco, CA
敷地面積:約12万6,000sf(約1万1,700㎡)
延床面積:約8万8,600sf(約8,200㎡)
用途:物流施設
構造・棟数:PC造(屋根・梁木造)1階建て(事務所 中2階あり)
スケジュール:2023年 物件取得/2024年 リニューアル工事完成(予定)

■大和ハウス工業(株) <3月4日>
マルチテナント型物流施設「(仮称)DPL Vietnam Minh Quang(ベトナムミンクアン)」を着工/ベトナム北部での物流施設開発は同社として初めて


 大和ハウス工業(株)とタイ王国で物流施設や工場の開発等を展開する最大手のWHA Corporation PCL(WHA社)が共同出資するDH WHA Logistics Property Minh Quang Vietnam Co., Ltdは3月1日、ベトナム社会主義共和国北部のフンイエン省「ミンクアン工業団地」内で、マルチテナント型物流施設「(仮称)DPL Vietnam Minh Quang(ベトナムミンクアン)」(平屋建て、敷地面積7万109.20㎡、延床面積4万2,330.33㎡)の建設に着手した。ベトナム北部での物流施設開発は同社として今回が初めて。
 大和ハウスグループは、25の国と地域(計51都市)で地域密着型の事業を展開している。「第7次中期経営計画(2022年4月~2027年3月)」では、海外事業において2026年度には売上高1兆円、営業利益1,000億円を目指すとしており、ASEAN・東アジアでは事業施設などの大型開発を推進し、売上高500億円を計画している。ベトナムでは、2011年8月の「ロンドウック工業団地」の開発を皮切りに、南部を中心として物流施設やレンタル工場を開発。今回は、ベトナム北部における物流ニーズの高まりに対応するため、首都ハノイから東へ約40kmに位置する工業団地内で(仮称)DPLベトナムミンクアンを開発することになった。

〇開発背景
 ベトナムは、数十年にわたり人口増加と経済成長が続いている。また、多くの国と地域において自由貿易協定や経済連携協定を締結しており、国際貿易も盛んで、東南アジアにおける経済の中核を担う国の一つになっている。現在2,300社を超える日系企業が進出しており、今後もさらなる発展が期待されている。大和ハウス工業は、2011年8月にベトナム南部ドンナイ省ロンタン地区で、双日(株)、(株)神鋼環境ソリューションと共同で、「ロンドウック工業団地」(総敷地面積約270万㎡)の開発に着手し、企業誘致や工場建設の開発を展開。これまでベトナム南部において、物流施設3棟、レンタル工場5棟を開発したほか、2022年11月には、同社海外初となる4温度帯(冷凍・冷蔵・定温・常温)のBTS型物流施設を竣工させるなど、南部エリアを中心に事業を展開している ベトナム中部の交通網の発達や市内の人口増加などにより、今後も市場拡大や経済発展が見込まれるベトナム北部の物流ニーズの高まりに対応するため、首都ハノイ市近郊のフンイエン省「ミンクアン工業団地」内の7万109.20㎡(1区画)の用地(2022年9月に取得)で(仮称)DPLベトナムミンクアンを開発することになった。

〇ベトナム北部において当社が初めて開発する物流施設
(仮称)DPLベトナムミンクアンは、ベトナム北部で同社が初めて開発するマルチテナント型物流施設。同施設は、平屋建て、敷地面積7万109.20㎡、延床面積4万2,330.33㎡で、最大10社(1区画約2,800㎡~)のテナント企業が入居可能。立地面では、ハノイ中心部まで直接アクセス可能な幹線道路(アジアハイウェイ14号)に面しており、ハノイ市内への配送拠点としても優れた立地だ。また、ベトナム北部最大の国際空港「ノイバイ国際空港」まで約54km(車で約75分)、貿易港の「ハイフォン港」にも約80km(車で約100分)と、輸出入の拠点としても適する。同施設周辺は工業団地が集積したエリアであり、90社以上の日系企業が進出していることから、同エリアに展開している製造業などの企業が原材料や商品を保管する施設としての需要も見込まれるとしている。

〇タイで協業実績のあるWHA社との共同事業
 タイで物流施設や工場の開発等を展開する最大手のWHA社は、物流施設開発(総賃貸面積約290万㎡)のほか、物流戦略構築など幅広い事業サービスやインフラを提供し、タイおよび東南アジアに進出する企業を支援。タイで12か所、ベトナムで3か所の工業団地の開発を手掛けている。 大和ハウス工業は2016年、WHA社と合弁会社WHA Daiwa Logistics Property Co.,Ltd.を設立し、タイでの事業を開始し、物流施設の開発・運営・管理・賃貸事業でWHA社と協業。2023年3月には、大和ハウス工業として初めてタイ・バンコクでWHA社と商業施設を開発するなど、両社の連携を強化してきた。ベトナムでも工業団地の開発実績があるWHA社と、ASEAN・東アジアでのさらなる事業拡大に向け、2024年1月31日に新たな合弁事業契約を締結。(仮称)DPLベトナムミンクアン」を共同開発する運びとなった。今後は、両社の経営資源(物流施設開発に関する調査、設計、施工、建物の管理・運営に関するノウハウ、ネットワーク)を組み合わせ、海外で物流施設等を検討されている日系企業や世界各国の企業に対して誘致活動を行っていくとしている。

※「(仮称)DPL Vietnam Minh Quang(ベトナムミンクアン)」の施設概要
所在地:ベトナム社会主義共和国フンイエン省ミンクアン工業団地
敷地面積:7万109.20㎡
延床面積:4万2,330.33㎡
賃貸面積:3万7,548.59㎡
構造・階数 :鉄筋コンクリート造・平屋建て
着工:2024年3月1日
竣工:2024年12月27日(予定)
入居可能日:2025年1月2日(予定)

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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