物流施設 投資関連情報2023版<12.14~12.20>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■(株)三鷹倉庫<12月14日>
物流2024年問題やSDGs・BCPなどに対応する最先端物流拠点を「TRC」に開業/陸・空・海の交通利便性を武器に物流の高速化と効率化を実現


 (株)三鷹倉庫は2023年12月25日、東京都大田区平和島の大規模流通センター「TRC」に物流拠点を開業する。物流2024年問題への対応と、SDGs、BCPの強化が目的。持続可能な発展目標や災害対策にも対応し、これら課題の克服を見込む。
新拠点の開設施設は、物流自体の付加価値で差別化できること、多様な荷主ニーズに対応できることを勘案し、TRCに決めた。同施設は、陸・空・海の物流の玄関口に近く、物流の高速化と効率化が可能。また、東京モノレール「流通センター駅」から徒歩1分という利便性の高さから、労働力の確保も容易になると同社ではみている。大田区平和島に4万6,000坪の敷地をもつ同施設は、首都高速羽田線・湾岸線、環状7号線に囲まれ、物流拠点として理想的な場所に位置し、首都圏と全国、そして世界を結ぶ物流のハブとしての役割を担っている。同社は、こうした立地環境の優位性に加え、きめ細かな庫内オペレーション、貿易・通関サービスを提供することで、国内外を統合した総合物流の拠点を確保し、スピードを武器として競合他社との差別化を図りたいとする荷主ニーズに応える考えだ。

■サントリー食品インターナショナル(株)<12月14日>
西日本エリアの生産・物流体制を強化/サントリープロダクツ(株)・高砂工場に無菌充填PETボトル飲料製造ライン増設し、自動倉庫も新設


 サントリー食品インターナショナル(株)は、グループ主力工場のサントリープロダクツ(株)・高砂工場(兵庫県高砂市)に無菌充填PETボトル製造ラインを増設するほか、同工場敷地内に物流機能向上のための自動倉庫を新設すると発表した。同工場を生産拠点としてだけでなく、西日本エリアの物流拠点として再編し、機能強化を図ることが目的。設備投資額は総額約250億円で、2026年春の稼動を目指すとしている。
 同社は、物流2024年問題やGHGへの対応が大きな社会課題であり、事業継続の観点でもますます重要になっていると認識。今回の取組により、今後も伸長が予想される茶系飲料やコーヒー等の小容量PETボトル製品の中長期的な安定供給を図るほか、関東エリアから西日本エリアへの長距離トラック輸送量を従来比で約50%削減するとともに、年間CO2排出量の約3,700t削減を見込む。

※「サントリープロダクツ(株)・高砂工場」の施設概要
所在地:兵庫県高砂市荒井町新浜2-2-1 
設備仕様の増減:無菌充填PETボトル製造ライン(1ライン増設)、物流倉庫(新設)
着工:2024年秋(予定)
竣工・稼動:2026年春(予定)
年間生産能力:約1,100万ケース(増設分)〔工場全体:約3,500万ケース⇒約4,600万ケース〕
主な製造可能商品:サントリー緑茶「伊右衛門」、「クラフトボス」「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」など

■(株)シーアールイー<12月14日>
「広島市中央卸売市場新中央市場整備事業」に参画/市場内余剰地において市場機能の活性化・効率化にも資する大型物流施設を開発予定


 (株)社シーアールイー(CRE)は、広島市が実施する「広島市中央卸売市場新中央市場整備事業」に、余剰地活用事業者として参画すると発表した。
〇市場内余剰地において大型物流施設を開発予定
 同事業は、「安全・安心な生鮮食料品等の安定的な供給を担う、中四国地方の拠点市場」とのコンセプトを踏まえた市場施設の整備を行うとともに、余剰地を活用し、物流施設を一体的に整備し、「にぎわい」の創出を目指すことが目的。同社としては、卸売市場施設のコンパクト化により創出される余剰地約3万㎡を広島市より賃借する予定だ。
 今後は、市場施設整備事業者である共同企業体(代表企業:五洋建設(株)、構成員:(株)東畑建築事務所)が市場施設の建替え工事を進める一方、CREは、市場内余剰地で市場機能活性化・効率化に資する大型物流施設を開発していく予定。建物規模で延床面積約7万㎡超の大型物流施設開発プロジェクトになるとしている。

■中央日本土地建物(株)<12月15日>
「一宮物流センターⅡ」竣工/愛知県一宮市に延床面積 7万1,000㎡超のマルチテナント型物流施設が完成


 中央日本土地建物(株)は、かねてから建設を進めてきた愛知県一宮市の物流施設「一宮物流センターⅡ」が竣工したと発表した。
同施設は、地上 4 階建て、延床面積 7万1,000 ㎡超のマルチテナント対応スロープ型施設。2021 年 3 月に開通した東海北陸自動車道「一宮稲沢北 IC」より 0.5km、「一宮西 IC」(隣接する一宮 JCT から名神高速道路にアクセス可能)より約 3.7km の距離に位置する。
 同社は、 2022 年 5 月に物流施設開発事業に参入。第1号物件「LOGIWITH 厚木」の開発実績があり、現在、八王子市でも新築物件の建設を進めている。習志野市、綾瀬市、寝屋川市でも物流施設用地を取得しており、いずれの用地でも物流施設の開発を進める。
同社グループは、新規開発物件を、安定的・多様な収益機会の獲得につながる資産回転型開発事業の一つとして位置付けており、同社グループが運用する私募リート「中央日土地プライベートリート投資法人」などへの売却も視野に入れ、各プロジェクトを企画・推進する。また、不動産ポートフォリオの強化と資産効率の向上を通じて、中長期的なグループ企業価値の最大化を図りながら、社会的ニーズに対応した都市開発事業に取り組んでいくとしている。
〇「一宮物流センターⅡ」の特徴
①名古屋近郊および中部地方への広域配送に対応可能な好立地
 本施設は、2021 年 3 月に開通した東海北陸自動車道「一宮稲沢北 IC」より 0.5km、名神高速道路にアクセス可能な「一宮西 IC」より約 3.7km の距離に位置している。中部地方における物流の一大集積地・小牧市に隣接する当エリアは、名古屋市近郊へのアクセスだけでなく、中部地方全体への広域配送に対応可能な立地。周辺には大手物流会社や生産工場が所在しており、拠点集約・分散ニーズの観点からも物流施設に適したエリアとなっている。
②延床面積 7万1,000 ㎡超、最大 8区画まで分割可能なスロープ型物流施設
 同施設は延床面積が 7万1,000㎡超、4階建てのマルチテナント型の施設で、1区画あたり 6,500㎡超の計8区画まで分割可能な計画としている。各フロアは梁下 5.5m、荷重 1.5t/㎡を確保しており、スロープによって 1階だけでなく 3階のトラックバースにも、大型トラックが直接アクセスできる。1階東側には入居企業様向けの共用ラウンジを設け、職場環境の向上および雇用促進に寄与する。
③CASBEE 建築認証 Aランクを取得、BELS 認証5スター(ZEB Ready 認証)を取得予定
 同施設は、環境配慮への取り組みにより「CASBEE 建築認証 Aランク」取得。2023年 12月末には「BELS 認証5スター(ZEB Ready 認証)」も取得する予定だ。

※「一宮物流センターⅡ」の施設概要
所在地:愛知県一宮市大和町北高井字石田 7 他(地番)
敷地面積:3万2,195.52㎡(約9,739坪)
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造 地上 4 階建て
延床面積:7万1,089.43㎡(約21,504.55坪)
駐車場:乗用車 130台、トラックバース 80台、大型車待機用 16台
着 工:2022年7月
竣 工:2023年12月

■NRS(株)<12月18日>
需要おう盛な化学品物流への対応で米国・アリゾナに総合物流拠点を新設/半導体やバッテリー原材料などの物流機能をワンストップで提供


 NRS(株)は、米国における化学品物流のおう盛な需要に対応するため、半導体や電池の集積基地としての成長が見込まれる米国・アリゾナ州(中南部のカサ グランデ)に、同社のあらゆる物流機能をワンストップで提供する総合物流拠点を開設する。
 同施設で保管するのは、需要拡大が見込まれる半導体やバッテリー原材料など。半導体やバッテリー製造に使用される、可燃性や腐食性の高い化学物質などに対応する危険物倉庫や、高圧ガスの貯蔵所を備える。また、鉄道輸送用の引き込み線も敷設する予定で、これにより西海岸から到着する貨物のスムーズなモーダルシフトが可能となり、柔軟なサービスの提供、ストックポイントとしての国内外市場へのアクセス強化、CO2 排出量削減などの実現が見込めるとしている。

※「NRS LOGIOS AMERICA INC.(NRS ロジオス アメリカ)」の施設概要
所在地:Casa Grande, Arizona, U.S.A.
敷地面積:約 16万 ㎡
開業:2024年11月予定
設備:一般品倉庫、危険物倉庫、高圧ガス貯蔵所ISO タンクコンテナ置き場、ISO タンクコンテナメンテナンスISO タンクコンテナ用高圧ガス(毒性ガス)貯蔵設備 非常用発電装置
輸送事業:ISO タンクコンテナ輸送、トラック輸送、国際複合一貫輸送、通関、鉄道輸送
対応製品:危険物、毒物劇物、高圧ガス、一般化学品
荷姿:Bottle, Can, Drum, Cylinder, IBCs, ISO tank, MEGCs 等に対応

■大和ハウス工業(株)<12月18日>
茨城県つくば市で大規模複合開発プロジェクト用地を取得/物流施設も含む「(仮称)SSCつくば学園南プロジェクト」として開発に着手


 大和ハウス工業(株)は、茨城県つくば市で日本自動車研究所(JARI)の未利用地を取得し、「(仮称)SSC(スーパーサイエンスシティ)つくば学園南プロジェクト」として開発に着手すると発表した。同プロジェクトは、JARIが行った「つくば市学園南エリア未利用地売却に係る事業者公募」で最優秀提案者に選定されたもの。12月4日にJARIと土地売買契約を締結し、土地の引き渡しを受け、開発着手に至った。分譲マンションや教育施設、商業施設、研究施設、産業・物流施設、保育施設等の建設が計画されている。
 同プロジェクト開発地は、つくばエクスプレス「研究学園駅」より徒歩約9分の場所に位置している。また、首都圏中央連絡自動車道「つくば中央IC」から約3km、首都圏と東北地方を結ぶ常磐自動車道「谷田部IC」から約6kmの場所に立地し、県道土浦坂東線(エキスポ通り)や取手つくば線(サイエンス大通り)などの主要幹線道路にもアクセスしやすい。近郊には、つくば市役所をはじめ、大型複合商業施設「イーアスつくば」や会員制大型量販店「COSTCO」があり、生活利便性にも優れる。開発地の北側には、分譲マンションと教育施設、中央には広場や商業施設、南側には研究施設や物流施設、保育施設などを建設する計画。敷地面積15万5,389㎡(東京ドーム約3.3個分)の大規模複合開発プロジェクトになるという。
 同社は、第7次中期経営計画(2022年度~2026年度)において、地域を活性化させる「地方中核都市を中心とした複合再開発」を推進。分譲マンション・ホテル・商業施設・教育施設・医療施設等で構成された「マールク新さっぽろ」や、研究施設・商業施設・店舗・賃貸住宅等で構成された「いとLab+(いと・らぼ・ぷらす)」などを開発している。

※「(仮称)SSCつくば学園南プロジェクト」概要
所在地:つくば市学園南2丁目8番4他
敷地面積:15万5,389.76㎡(47,005.4坪)
総工期:2024年8月~2028年4月(予定)

■大和ハウス工業(株)<12月20日>
熊本県益城町で工業団地「DPIシリコンヒルズ熊本」の開発に着手/工場に関連する研究施設や倉庫など、企業の事業展開に沿ったエリア拠点新設が可能に


 大和ハウス工業(株)は12月20日、熊本県益城町で工業団地「DPI(ディープロジェクトインダストリー)シリコンヒルズ熊本」の開発工事に着手した。同社と益城町は、産業の振興と雇用機会の拡大に寄与するため、同工業団地における協力協定を8月25日に締結しており、今回の開発工事着手はこの協定に基づいたものだ。
 同社は、熊本県益城町の国内外企業誘致のポテンシャルの高さを評価し、同工業団地開発を決めた。開発地は、合志市と菊陽町にまたがる「セミコンテクノパーク」など、大型半導体関連施設が相次いで建設されているエリアに近接しており、半導体関連企業の工場や食品工場などの開発にも適するとしている。
① 製造業など大型施設の開発用地
 同工業団地は、機械や食品の製造工場の建設に適した大型区画のほか、工場に関連する研究施設や倉庫など、企業の事業展開に沿ったエリア拠点の新設が可能。敷地面積は、「福岡 PayPayドーム」の約1.1倍となる約7.9万㎡(販売予定面積:約7.4万㎡)で、約8,200㎡~1万7,000㎡の6区画に分割する予定だ。
②交通アクセスに優れた立地
 同工業団地は、半導体関連施設の集積地「セミコンテクノパーク」からわずか約10kmと近く、半導体製造工場など関連施設の立地場所として最適。また、九州自動車道「益城熊本空港IC」から約8km、熊本空港から2.5km、熊本駅から18kmに位置し、自動車輸送から空輸、貨物輸送まで対応可能な交通アクセスに優れた立地特性を有している。
③益城町との協力協定締結
 益城町では、企業立地を促進し、産業振興と雇用機会拡大を図ることで、町の発展に寄与するため、進出企業の誘致やサポートを積極的に展開している。同工業団地については、益城町と大和ハウス工業が「活力と魅力にあふれるまちづくり」の実現に貢献するほか、町民が安心して働ける場所を確保するため、「くまもと臨空テクノパークへの新たな工業団地造成に関する協力協定」を締結している。

※「DPIシリコンヒルズ熊本」の施設概要
所在地:熊本県上益城郡益城町大字小谷2083-7、2167-3
事業規模:約110億円を想定(土地と建物)
敷地面積:約7.9万㎡(「福岡 PayPayドーム」1.1倍)
販売予定面積:約7.4万㎡(現状の計画。今後協議のうえ決定)

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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