■物流施設 投資関連情報2023版<9.14~9.20>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 

■小林製薬(株)<9月14日>
米国カイロ売上成長を見据え米国拠点の生産/倉庫エリアの拡張建設を開始

 小林製薬(株)は、経営計画の達成に向け、米国カイロの売上成長を見据えた生産効率の最適化を目的とし、アメリカ合衆国ジョージア州に有している同社100%子会社小林ヘルスケア インターナショナル インコーポレーティッドの営業倉庫、および小林アメリカ マニュファクチュアリング エルエルシーの製造エリアにおいて、10月12日より拡張建設を行う。
拡張建設の背景
 小林製薬グループは、2030年グループ連結売上高2,800億円(うち国際事業900億円)を目指し、海外への製品提供力の強化を含め、多岐に渡り取組みを強化している。その中でも、同社の海外事業売上の約半分を占める米国での事業活動は重要な位置付けになっている。
 同社はカイロを世界でトップブランドに成長したが、米国では日本と比べカイロ未認知者が多いため、配荷チャネルを増やすとともに、新製品開発を積極的に推進することで、更なる市場拡大を図っていく。
 米国カイロの売上成長を見据えた生産/物流効率の最適化を目的とし、営業倉庫、製造エリアを拡張建設する。
本拡張建設の特徴
 同社では、米国内における継続的な製造労働人口の減少、および人件費高騰を見据え、人手に極力頼らない製造・出荷フロー構築の必要性を強く感じていた。
 拡張建設によって、2040年までの供給に対応可能な製造エリアを確保し、さらに生産工場と新設する営業倉庫を直結させる事による構内物流自動化を計画している。
 構内物流の改善による効果として、生産ラインから営業倉庫の保管・出荷までシームレスなデータ管理を行えるようになり、高精度の在庫マネジメントが実現可能となる。

※「米国ジョージア営業倉庫・製造エリア」の施設概要
建設予定地:245 Kraft Drive, Dalton, GA
延床面積:4万3,840㎡ 
建築面積:3万8,345㎡(既存建屋含む、拡張後全体の面積)
生産能力:約1億5,000万~2億5,000万製品(既存建屋含む、拡張後全体の生産能力)
投資規模:約50~100億円
着工予定:2023年10月12日
竣工予定:2025年中
稼働予定:2025年中

■東急不動産(株)<9月14日>
タイ・バンコク近郊での物流施設開発「アルファ パントンプロジェクト」開発に参画


 東急不動産(株)は、現地子会社のTOKYU LAND ASIA Pte.Ltd.を通じて、タイ大手上場不動産デベロッパーであるOrigin Property Public Company Limitedおよびタイ大手上場物流事業会社であるSCG JWD Logistics Public Company Limitedの合弁会社であるAlpha Industrial Solutions Company Limitedが開発を進める物流施設開発事業「アルファ・パントンプロジェクト」に参画する。
バンコク都市圏での物流施設開発計画
 ASEAN域内においては現在、国をまたいだ交通網(経済回廊)の整備が進められ、タイはその中でも地理的に中心に位置していることや製造業が集積していることを背景に、物流マーケットの成長が見込まれている。
 同物件は、タイ最大の湾岸工業地帯(EEC)を構成するチョンブリ県における物流施設開発案件となる。タイ国内でも最大規模の工業団地であるアマタシティーチョンブリ工業団地に隣接し、自動車産業をはじめとした幅広い産業からの倉庫需要が旺盛なエリアとなる。同施設計画は、平屋建て倉庫2棟から成るマルチ型物流施設となる。
 現在、タイは、新型コロナウィルスの感染が終息し、海外からの人の流入が着実に復調傾向を示している。タイの物流施設はコロナ下においても比較的安定したマーケット動向を示していたが、人の流れや経済が引き続き活性化すれば、タイ物流マーケットの更なる成長につながると考えられる。

※「アルファ パントンプロジェクト」の施設概要
敷地面積:約6万6,000㎡
賃貸面積:約4万㎡(予定)
建物計画:倉庫
着工:2023年7月
竣工・引渡:2024年4月(予定)

■日本GLP(株)<9月15日>
岡山県早島町に物流最適地でBTS型・マルチテナント型2棟の大規模開発


 日本GLP(株)は、岡山県早島町で先進的物流施設「GLP 早島Ⅲ」、「GLP 早島Ⅳ」の開発を行うことになった。同開発により日本GLPが岡山県内で管理・運営する物件は、県内早島エリアに位置する「GLP 早島」、「GLP 早島Ⅱ」を含め、全部で7棟となる。「GLP 早島III・IV」の延床面積はそれぞれ約1万8,000㎡と約5万5,000 ㎡で「GLP 早島Ⅲ」は2025年1月末、「GLP 早島Ⅳ」は2025年9月末の竣工を予定している。
 「GLP 早島Ⅲ」は両備ホールディングス(株)、両備トランスポートカンパニーが専用施設としての入居を決定している。「GLP 早島IV」はマルチテナント型で最大9社の入居が可能となる。
 「GLP 早島Ⅲ・Ⅳ」は、「早島IC」から約1.9kmの、物流施設が立ち並ぶエリアに立地している。同エリアは、歴史的にも流通・物流の要衝であり、関西・中四国エリアの各大都市圏の中間点に位置して山陰方面への配送もカバーする。
 両施設が立地する早島エリアは、日用雑貨メーカーや食品流通系企業、工業メーカーが集まる岡山県総合流通センターにも至近であり、先進的物流施設へのニーズは一段と高まるとみられている。また周辺には住宅エリアが隣接し、雇用確保にも適した立地となる。
【当施設の特長】
「GLP 早島Ⅲ」
• 地上3階建てのボックス型。
• 低床、高床バースを併設しあらゆるニーズに対応。
• 倉庫内に空調設備を実装し、快適な庫内環境を実現。
「GLP 早島Ⅳ」
• 地上3階建てのボックス型で、最大9テナントが入居可能な汎用性の高いマルチテナント型施設。
• 最小区画約1,300坪台から賃借が可能で、多様なニーズに応える面積プラン。
• 各区画に垂直搬送機と荷物用エレベーターを設置し、効率的なオペレーションをサポート。
• 駐車場約130台分、休憩室やシャワー設備など、快適な就労環境を提供。

※「GLP 早島Ⅲ・Ⅳ」の施設概要
施設名:「GLP 早島Ⅲ」
所在地:岡山県都窪郡早島町早島字畑岡4775番地 他
敷地面積:約1万1,000㎡
延床面積:約1万8,000㎡
構造:地上3階建、耐震造
着工:2024年1月(予定)
竣工:2025年1月末(予定)
認証取得:ZEB Ready認証(予定)

施設名:「GLP 早島Ⅳ」
所在地:岡山県都窪郡早島町早島字畑岡4651番3外
敷地面積:約3万3,000㎡
延床面積:約5万5,000㎡
構造:地上3階建て、耐震造
着工:2024年7月(予定)
竣工:2025年9月末(予定)
認証取得:ZEB Ready認証(予定)

■霞ヶ関キャピタル(株)<9月15日>
賃貸型冷凍冷蔵倉庫「LOGI FLAG COLD大阪茨木Ⅰ」が着工


 霞ヶ関キャピタル㈱は、アセットマネジメント業務を受託している「LOGI FLAG COLD 大阪茨木Ⅰ」が着工したと発表した。
 同施設は、名神高速道路「茨木IC」から約1kmと物流施設として高い交通利便性を有している。新名神高速道路・中国自動車道など複数の広域幹線道路を利用することで広域配送も可能であることに加え、大阪内陸の人口密集地である北摂エリアに立地することから、物流拠点や雇用において高いポテンシャルを持つ物流適地となる。BCP面としては、北摂の丘陵地であり標高も高く、海岸線までの距離が約20kmの場所に位置しており津波被害を受けにくいエリアとなる。
 また、同施設は2030年のフロン規制を見据えて、CO₂を用いた自然冷媒による冷凍機を設置した賃貸型冷凍冷蔵倉庫であり、急速に伸び続ける冷凍食品ニーズに応えた物流施設となる。幅広いテナントのニーズに応えるため、一部フロアにおいて、+5℃~-25℃の範囲で温度調節が可能となるチルド・フローズン対応の冷凍冷蔵設備を導入しており、使用規模に応じて3テナントまで入居が可能だ。貸主側で冷凍冷蔵設備の導入および防熱対策工事をおこなうため、借主側のイニシャルコストおよび退去時の原状回復費用が削減できることも同施設の大きな特徴である。

※「LOGI FLAG COLD 大阪茨木Ⅰ」の施設概要
所在地:大阪府茨木市上郡2-251 他3筆
敷地面積:1万4,435.85㎡(4,366.84坪)※建築対象面積
延床面積:2万9,357.02㎡(8,880.49坪)
竣工予定:2025年2月
建物構造:鉄骨造地上5階建(倉庫4階建)、耐火構造
入居テナント:未定(最大3テナント)

■(株)東京流通センター<9月20日>
「LOGI’Q湾岸習志野」のPM業務受託/PM事業が総延床面積150万㎡超える
 

(株)東京流通センターは、「LOGI’Q湾岸習志野」のPM業務を受託した。LOGI’Q湾岸習志野は、東急不動産(株)が千葉県千葉市美浜区にて開発を進め、2023年8月31日に竣工の地上4階建て延床面積約1万4,000㎡の物流施設となる。
現時点におけるPM業務の受託物件は合計36物件、総延床面積は約150万㎡となる。今後もノンアセットビジネス事業分野における、より積極的な事業展開を行っていく。

※「LOGI’Q湾岸習志野」の施設概要
所在地:千葉県千葉市美浜区浜田2-43-2,3
竣工:2023年8月(予定)
敷地面積:約1,980坪(予定)
延床面積:約4,000坪(予定)
階数:地上4階建(予定)

■全日本空輸(株)<9月20日>
成田国際空港(株)は成田空港貨物ターミナル地区に全日本空輸(株)最大の貨物上屋となる「第8貨物ビル」を新設

 成田国際空港(株)は、成田空港貨物施設の分散や狭隘化の対策として、第8貨物ビルを新設する。全日本空輸(株)は、同社最大規模の貨物上屋となる延べ面積:約6.1万m2(うち、上屋面積:約3.8万m2)の第8貨物ビルを成田国際空港(株)より借用し、全日本空輸(株)最大規模の貨物上屋として、2024年10月より供用を開始する。
 全日本空輸(株)はこれまで、成田空港内6カ所の貨物上屋を活用し、旺盛な貨物輸送の需要に応えてきた。今後の更なる需要に対応するため、隣接する既存の第7貨物ビルと新設される第8貨物ビルの2カ所に全日本空輸(株)貨物上屋を集約することで、ハンドリング体制の効率化や十分なスペース確保を図り、貨物取り扱いの更なる品質向上を目指す。
 成田国際空港(株)と全日本空輸(株)は新たな第8貨物ビルの活用により、成田空港のアジアゲートウェイ機能、ならびに日本からの輸出・輸入の強化による貨物の国際競争力を高めていく。
オペレーションの効率化
・分散化された上屋の集約
 上屋を集約することで貨物の受け渡しを1つの上屋で完結することができる。
また、三国間貨物の発着作業を同一上屋で行うことが可能となり、接続時間を短縮し、アジア=北米間における三国間需要の利便性向上を図る。
・自動搬送車の導入
 上屋内では、自動搬送車の導入により、貨物の搬送・蔵置作業を自動化する。デジタル技術を活用した作業の効率化により、省人化を図る。
上屋内設備の拡充
 医薬品や生鮮品などの温度管理が必要な輸送需要に対応するため、温度管理施設を拡充する。全日本空輸(株)は2017年に国際品質認証であるCEIV Pharma、2023年にCEIV Fresh認証を取得した。CEIV認証規格に準拠した設備の完備により、高品質なサービスを提供する。加えて動物庫や貴重品庫を拡大し、幅広い輸送需要に対応する。
 また、上屋内には一連の貨物ハンドリングを行う自動ULDラックを設置することで上屋空間を有効活用、預った貨物の保管スペースを拡充するとともに、ULDの搬送・蔵置作業を自動化することにより、オペレーション品質を向上させるとともに、省人化を図る。
「ZEB Oriented」認証取得・太陽光発電システムの導入
 成田国際空港(株)は、2021年に「サステナブルNRT2050」を策定し、2050年度までに成田空港から排出されるCO₂を50%削減 (2015年度比)することを目標としている。脱炭素化推進の取り組みの1つとして、建物の新築時にはBELSに基づきZEB化を目指しており、第8貨物ビルは高効率の空調設備や断熱性能の高い建材の採用等により「ZEB Oriented」認証を2023年7月28日付で取得した。加えて、太陽光発電システムの導入による「創エネ」を実施します。成田国際空港(株)は今後も持続的に発展できるサステナブル・エアポートを目指す。
貨物ゲートの新設
 第8貨物ビル供用に合わせ、第8貨物ビルに近接する場所に貨物ターミナル地区にダイレクトにアクセスできる貨物ゲートを新設することから、第8貨物ビルへのアクセス向上が期待される。

※「第8貨物ビル」の施設概要
規模:鉄骨造2階建
延べ面積:約6.1万m2(うち、上屋面積:約3.8万m2)
取扱貨物:輸出貨物・輸入貨物・三国間貨物・国内貨物
供用日:2024年10月(予定)

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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