■物流施設 投資関連情報2023版<6.8~6.14>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 

■(株)関通<6月8日>
初の九州拠点として福岡県に冷蔵から超低温までの3温度帯対応の物流センターを開設、ニーズ高まる低温物流ニーズへの対応と「2024年問題」の課題解消を図る


 (株)関通は、福岡県福岡市にチルドから低温、-50℃の超低温まで対応した冷凍冷蔵専用の物流センター「九州冷凍冷蔵物流センター」を開設した。これにより同社は、関東・関西以外に九州地方でも冷凍冷蔵温度帯での低温物流対応が可能になるとしている。
〇開設の背景
昨今の冷凍食品の需要増からくる冷凍冷蔵倉庫のニーズ増への対応のほか、対応エリア面を九州地域に広げることで、顧客の配送リードタイムの効率化を実現し、「2024年問題」の根幹である長距離輸送の課題解消も図れる。
〇「九州冷凍冷蔵物流センター」について
冷凍庫内には、電動式移動パレットラックを設置し、パレット単位での保管を可能とした。同社が得意とするバラピッキング等の作業にも対応可能で、BtoB、BtoC両方の物流に対応できる。輸送面では、福岡料金所から1km圏内に位置するため、福岡市内はもちろん周辺地域への輸送もスムーズに行えるものとなっている。
〇冷凍冷蔵配送センターサービスについて
同社が提供する冷凍冷蔵配送センターサービスは、ケースピッキングのほか、バラピッキングにも対応しており、1,000種類に及ぶ商品対応と、バラピッキング月間30万点以上の出荷実績がある。様々な販売形態にも対応しており、法人向けや個人向けの物流業務だけでなく、冷凍食品の定期便配送の実績がある。

※「九州冷凍冷蔵物流センター」の施設概要
所在地:福岡県福岡市東区蒲田4-437
構造:鉄骨造2階建
対応温度帯:チルド:0〜5℃
冷凍庫:-20〜-30℃
超冷凍:-50℃

■大和ハウス工業(株)<6月8日>
北海道北広島市でマルチテナント型物流施設「DLPサッポロ南Ⅳ」を着工、平屋建て両面トラックバース採用や2.5tフォークリフト対応設計で効率的な物流オペレーションを実現


 大和ハウス工業(株)は、北海道北広島市の「北広島市輪厚(わっつ)工業団地」内でマルチテナント型物流施設「DPL札幌南Ⅳ」(平屋建て、敷地面積:2万9,804.93㎡、延床面積:2万160.00㎡)の建設に着手すると発表した。
 同社は、道内でマルチテナント型物流施設「DPL札幌東雁来」(満床)をはじめ、「DPL札幌レールゲート」やBTS型物流施設など合計10棟、総延床面積約30万㎡の物流施設の開発を手掛けてきた実績がある。2015年には、札幌市に隣接する北広島市の「北広島市輪厚工業団地」内の約20万㎡の用地を「D-Project Industry 札幌南」として取得。マルチテナント型物流施設「DPL札幌南Ⅰ」(満床)、「DPL札幌南Ⅱ」(満床)、「DPL札幌南Ⅲ」(2023年8月竣工予定)の開発を進めてきた。今回の着工した「DPL札幌南Ⅳ」は工業団地内で4棟目の物流施設になる。
 同施設は、道央自動車道「輪厚スマートIC」や「北広島スマートIC」に近接していることに加え、札幌市街地から約22kmと、降雪時も市街地へ安定した配送が可能な距離に位置する。また、道央自動車道を利用することで「新千歳空港」や「苫小牧港」「小樽港」へもアクセスしやすいため、札幌市街地への近距離配送だけでなく、国内外の広域輸送や物流拠点としても優れる。
 同施設は、2テナントが入居可能なマルチテナント型物流施設。平屋建てで両面トラックバースを採用したほか、2.5tフォークリフトに対応する設計ともなっており、効率的な物流オペレーションの実現に加え、テナント企業の幅広いニーズにも応えられる。冬期の雪の吹き込み対策として、トラックバース前方にシャッターを設置するなど、地域特性に考慮した設計も施されている。
①交通アクセスに優れた好立地
 同施設は、道央自動車道「輪厚スマートIC」、「北広島スマートIC」から5km以内と近接していることに加え、札幌市街地からも約22kmと、降雪のある北海道でも、市街地への安定した配送が可能。国道36号線にも至近した立地のため、道内の主要拠点へのアクセスにも優れる。また、「新千歳空港」から約30km、道内の港湾取扱貨物量の約半分を占める「苫小牧港」から約48km、「小樽港」から約58km、「石狩湾新港」から約43kmと、航空・海上の両輸送においても利便性が高い
②テナント企業の幅広いニーズに対応可能
 同施設は、平屋建て、敷地面積:2万9,804.93㎡、延床面積:2万160.00㎡で、2テナントが入居可能なマルチテナント型物流施設。マルチテナント型物流施設は、テナント企業が建設費や維持管理費を抑えて物流事業を展開できるため、BTS型物流施設と比べて事業開始までの期間を短縮が可能。多様化する物流ニーズに対応した、よりスピーディーな事業展開が見込める。

※「DPL札幌南Ⅳ」の施設概要
所在地:北海道北広島市輪厚工業団地1-3-4、3-5
敷地面積:2万9,804.93㎡(9,015.99坪)
延床面積:2万160.00㎡(6,098.40坪)
賃貸面積:2万43.14㎡(6,063.05坪)
入居テナント数:最大2テナント
構 造・規 模:鉄骨造・平屋建
建物用途:マルチテナント型物流施設
着工日:2023年6月9日
竣工予定日:2024年5月31日
入居予定日:2024年6月1日

■日本GLP (株)<6月8日>
神奈川県相模原市の「GLP ALFALINK相模原」全棟が完成、「Open Hub」「Integrated Chain」「Shared Solution」がコンセプトの「創造連鎖する物流プラットフォーム」第1弾が満床稼働


 日本GLP(株)は、神奈川県相模原市で建設を進めていた「GLP ALFALINK相模原2」が竣工し、満床稼働したと発表した。これにより「ALFALINK」ブランドの第1弾である「GLP ALFALINK相模原」の全4棟、総延床面積67万5,136.43㎡が完成し、全棟一体での満床稼働にこぎ着けたことになる。なお、「GLP ALFALINK相模原」の総投資額は1,500億円以上のぼるとしている。
 GLP ALFALINK相模原2は、延床面積9万470.59㎡の先進的マルチテナント型物流施設。2階のサブエントランスから「GLP ALFALINK相模原」の共用棟「リング」へと直接つながるブリッジが設けたほか、アメニティ施設を整備することで労働環境の快適性を向上させ、雇用安定につなげるとともに、施設内ワーカー同士の交流、新たなビジネスの創出を促す。
①同施設の特長
・倉庫エリアの防火区画を全てシャッターとし、レイアウトや動線、マテハン設備の導入に対して高いフレキシビリティを確保
・「2024年問題」に向け、カスタマー企業の生産性向上ニーズに対応して、従業員不在時にも荷物の積み降ろしができる置き配バースを導入。荷受け・荷待ち時間を短縮することにより、トラック待機問題の解消、輸送コストの削減と効率化を促進
・各事務所スペースのドアには非接触ドアを導入
・ 顔認証による入館システムを導入し、高いセキュリティレベルを確保
・施設一部に大型シーリングファン、高断熱素材を用い、快適な就労環境を提供
・休憩室にはオンラインミーティングの際などに活用できるワークブースを設置し、快適な労働環境を提供
②同施設のサステナビリティについて
・環境面では、屋上に自家消費型の太陽光パネルを設置し、CO2削減に取り組む
・BCP対策としては、免震構造を採用。また井水の再利用を可能とし、72時間の非常用電源を設置

※「GLP ALFALINK相模原2」の施設概要
所在地:神奈川県相模原市中央区田名字白雨台3532-15
敷地面積:3万8,751.93㎡
延床面積:9万470.59㎡
構造:地上6階建、免震・PC造
着工:2021年11月
竣工:2023年5月末
認証取得:LEEDゴールド認証(予定)、ZEB認証取得済み

■東京建物(株)<6月8日>
「T-LOGI」シリーズ第10弾で初の東京都内物件「T-LOGI あきる野」が竣工、(株)サンリオやトナミ運輸(株)の入居決定


 東京建物(株)は、同社が展開する物流施設「T-LOGI」シリーズの第10弾で初の東京都内所在物件となる、「T-LOGI あきる野」が2023年5月31日に竣工したと発表した。同施設は竣工時点にすでに(株)サンリオ及びトナミ運輸(株)の一部区画内への入居が決定しており、サンリオは同社商品の輸配送拠点として、トナミ運輸は倉庫事業及びエリア輸配送拠点としての運用する予定。同施設の残り区画についても多数の引き合いが寄せられており、同社では早期満床稼働を目指して準備を進めているとしている。
①「T-LOGI あきる野」の特徴
(1)利便性の良い立地
本施設は、圏央道「日の出IC」から約2.5kmで、関越自動車道、中央自動車道、東名高速道路いずれへのアクセスも良く、国内輸送拠点として利便性の高い立地環境にある。「八王子IC」まで国道411号または都道46・169号の地域高規格道路(新滝山街道)を通りスムーズにアクセス可能(約11.3km)で、都心への地域配送にも適する。また、最寄りのJR五日市線「武蔵引田駅」までは徒歩約6分で、この「武蔵引田駅」は4路線が乗り入れる東京西部のハブ駅「拝島駅」から約15分の距離にあり、立川市、昭島市、日野市といった人口集積地に近接していることから、雇用面でも豊富な人材の確保も見込める。
(2)使い勝手の良い施設仕様
本施設は、倉庫3フロアに対し、1階、2階の2フロアにバースを設けることで、1階は平面使い、上層階は2層使いで利用可能。倉庫内の柱スパンは11.5m(W)×10.8m(D)に設定し、十分なスペースを確保することにより、効率的な倉庫保管を実現する。また、1階倉庫の床荷重は、通常1.5t/㎡のところを一部1.9t/㎡にすることで、重量物等の多様な荷物の保管に対応可能な仕様となっている。また、建物エントランス及び共用部を東西にそれぞれ設置し、従業員用休憩室についても東西に1か所ずつ計2か所(計120坪超)設け、テナント従業員が快適に働ける環境を整えた。
(3)環境配慮の取り組み
 本施設は、他のT-LOGIシリーズと同様、屋上に設置した太陽光パネルにより発電された電力を商用電力と併せて施設内で自家消費する予定。また、本施設内で消費しきれない余剰電力については、一般送配電事業者の送配電網を利用し、同社所有施設に「自己託送」の仕組みを利用して送電することにより、再生可能エネルギーを余すことなく活用する。本施設はこうした自家発電・自家消費の仕組みにより、環境配慮施設の証である「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」最高ランクである「ZEB」認証及び「CASBEE」Sランクを取得している。

※「T-LOGI あきる野」の施設概要
所在地:東京都あきる野市伊奈字引田ノ上643-1
敷地面積:8,535坪
延床面積:1万5,121坪
規模:地上4階(事務所用中2階有、倉庫は3層)
形状:スロープ(1,3F片側バース)
構造:S造
耐震:区分 耐震
着工:2022年3月
竣工:2023年5月
プラットフォーム:1階/3階 高床式1.0m
梁下有効天井高:各階5.5m(一部例外あり)
柱スパン:11.5m(W)×10.8m(D)
床荷重:1階1.9t/㎡(一部1.5t/㎡) 、3階・4階1.5t/㎡
ドックレベラー:1階8基、3階8基
垂直搬送機:3階・4階に4基(1.5t)  最大荷姿1700W×1500L×2500H
荷物用EV: 3階・4階に4基(4.0t) 3500W×4500D×3150H
バース数:94台
普通車駐車場:46台(うち身障者用1台)
トラック待機場: 6台
アメニティ:中2階に休憩室を設置

■JX金属(株)<6月14日>
茨城県北茨城市の磯原工場内に物流ヤードを新設・稼働、荷捌き・荷受け作業の安全性と効率性の向上と併せてトラック運送事業者の業務環境改善にも配慮


 JX金属(株)は、茨城県北茨城市の磯原工場内に貨物荷捌きを行う物流ヤードを新設するとともに、同施設周辺の総合的なリニューアルを行った。リニューアルしたエリアは約7,150㎡で、物流ヤードは2023年5月から稼働を開始している。
 同工場は「2040年JX金属グループ長期ビジョン」で成長戦略のコアと位置づける、先端素材分野からなる「フォーカス事業」の主要拠点のひとつ。半導体用スパッタリングターゲットをはじめとする中長期的に需要が伸びている製品を生産している。同工場で取り扱う貨物も増加傾向にあり、今回の物流ヤード新設はより安全で効率的なトラックへの荷捌き作業実現を目指したものだ。
 新エリアは工場入口付近にラウンドアバウト(環状交差点)が設けられており、トラックやその他の車両の交通制御に加え、物流ヤード内をトラック及び荷積み荷下ろし専用エリアとすることで荷受作業時の安全性や効率を大幅に向上させた。トラック専用の待機スペースを物流ヤードの内外に設けたほか、トラック運転者のための休憩室を物流ヤード内に設置するなど、トラック運送事業者の業務環境に従来以上に配慮をした設備となっている。物流ヤードは自然環境や防災にも配慮した仕様にしており、屋上へのソーラーパネル設置を計画しているほか、災害発生時の従業員の避難場所としての機能も付与している。
 同社は、国土交通省・経済産業省・農林水産省が中心となり取り組む「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同。事業活動に必要な物流の持続的・安定的な確保が経営課題であると認識し、物流改善を推進している。また、同社関連会社で物流パートナーの(株)丸運とともに物流関係業務のシナジーを追求しており、今後もグループとして物流に関連する様々な施策を推進し、社会に必要な素材の持続的・安定的な供給に努めるとしている。

■大和ハウス工業(株)<6月14日>
神川県小田原市でマルチテナント型物流施設「DLP小田原」を着工、「2024年問題」に対応可能な中継物流拠点

 大和ハウス工業(株)は2023年6月15日、神奈川県小田原市でマルチテナント型物流施設「DPL小田原」(地上2階建て、敷地面積:2万4,808.53㎡、延床面積:2万4,845.99㎡)の建設に着手する。
 同社は神奈川県内で計3棟からなるマルチテナント型物流施設「DPL新横浜Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」のほか、BTS型物流施設など合計24棟、総延床面積約130万㎡の物流施設の開発を手掛けてきた。 小田原市では、2019年に小田原市の中北部に位置する「鬼柳(おにやなぎ)・桑原(くわはら)地区工業団地」内の一部の用地(約6万5,000㎡)を取得し、「D-Project Industry小田原」として当該用地を5区画に分け、企業の物流施設や工場などの開発を進めてきた。今回は、同工業団地内で最大面積を誇る約2万4,000㎡の区画で「DPL小田原」を開発するものだという。
 同施設は、東名高速道路「大井松田IC」から約4.5km、小田原厚木道路「小田原東IC」から約3kmと、高速道路ICに近接している。トラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」が来春に迫るなか、同社では、同施設が首都圏だけでなく関西や中部エリアもカバーできる立地にあることから、中継輸送の物流拠点に適すると評価している。
 同施設はまた、神奈川県と「災害発生時における物資の保管等に関する協定」を締結しており、災害発生時に神奈川県の協力要請に基づき、物資拠点として施設内のスペースを提供し、地域の安全・安心確保に貢献するという。
①「2024年問題」に対応可能な中継物流拠点
 小田原市は、東名高速道路や小田原厚木道路、西湘バイパス、国道1号線などの幹線道路網も充実した交通利便性の高いエリアで、首都圏の西の玄関口として発展している。同施設は、東名高速道路「大井松田IC」から約4.5km、小田原厚木道路「小田原東IC」から約3kmと、各幹線道路へもアクセスしやすく、交通利便性が高い。さらに東京中心部までは車で約1時間と、首都圏へのアクセス利便性に優れていることに加え、東名高速道路と名神高速道路を結ぶ「小牧IC」から約3時間でアクセスできるため、中部エリアや関西方面への配送もカバーでき、東名阪の中継拠点としても対応可能な物流施設だと言える。
②スピーディーに事業展開できるマルチテナント型物流施設
 同施設はマルチテナント型物流施設で、地上2階建て、敷地面積2万4,808.53㎡、延床面積2万4,845.99㎡、最大3社のテナント企業が入居可能。マルチテナント型物流施設は、自社専用に建設するBTS型物流施設に比べ、建設費や維持管理費を抑えられ、契約後すぐに事業を開始することができるため、昨今の物流業界を取り巻く市場環境の変化や多様なニーズにも対応可能だ。 同当施設はまた、各区画に荷物用エレベーターや事務所スペース、フォークリフトの充電スペースなどを備えているほか、垂直搬送機やドックレベラーの新設も可能なため、テナント企業の幅広いニーズにも応えることができる。

※「DPL小田原」の施設概要
所在地:神奈川県小田原市鬼柳146-2他
敷地面積:2万4,808.53㎡(7,504.58坪)
延床面積:2万4,845.99㎡(7,515.91坪)
賃貸面積:2万3,137.17㎡(6,998.99坪)
入居テナント数:最大3テナント、1区画約7,600㎡~ご入居可能
構造・規模:鉄骨造・地上2階建
建物用途:マルチテナント型物流施設
着工日:2023年6月15日
竣工予定日:2024年6月28日
入居予定日:2024年7月

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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