■物流施設 投資関連情報2023版<1.26~2.1>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■三井不動産(株)、日鉄興和不動産(株)<1月26日>
都内最大となる延床面積25万㎡超の街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」を着工、板橋区・ヤマト運輸と災害に関する4者基本合意書も締結


 三井不動産(株)と日鉄興和不動産(株)は、「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」を2月1日に着工予定であることを発表した。本施設のプロジェクトは、日鉄興和不動産が 2021 年 6 月 30 日に従前地である日本製鉄(株)の工場跡地を取得後、板橋区の地域防災力向上に貢献する意図も含め、行政協議を重ねてきたもので、三井不動産がこれに参画した。両社は今後、それぞれの実績、ノウハウを最大限に活用し、2024 年 9月竣工(予定)に向けて本プロジェクトを推進するとしている。
<本施設の特徴>
1.都心部配送ニーズにも対応する東京都板橋区の希少な立地、都内最大の物流施設
本施設は、東京都板橋区に位置し、都営三田線「西台駅」から徒歩約10分と、従業員の通勤利便性に優れている。周辺5km圏内には約106万人が居住しており、物流施設の雇用確保においても有利。加えて、最寄りの首都高速5号池袋線「中台」出入口までは約2.7mと都心部への配送にも適している。延床面積は25万㎡超、ワンフロア約1万1,000坪・地上6階建ての大空間を実現した東京都内最大の物流施設とする計画だ。

  1. チルド配送やドローン活用など、物流業界の新たなニーズに対応する最先端の施設スペック
     本施設では、免震構造、72時間対応の非常用発電機等のBCP対策をはじめ、車番認証、入退館管理などオフィスビル同等のセキュリティ計画とするなど、業界トップレベルの施設スペックを整備する。また、物流業界の新しいニーズに対応するさまざまな施策や環境に配慮した取組を行い、持続可能な社会の実現に寄与する物流施設を目指すとしている。
    ①ニーズが拡大する大規模冷凍冷蔵倉庫へ対応可能な、倉庫床荷重 2t/㎡を整備
    生活様式の変化を受けて市場拡大が見込まれる食品類ECや、チルド配送のニーズ拡大に対応するため、1階には、大規模なコールドチェーンを支える大規模冷凍冷蔵倉庫にも使用可能な床荷重 2t/㎡を採用する。また物流業界では、既存の冷凍冷蔵倉庫の老朽化およびフロン排出抑制法が求める基準に未対応であることなどが課題となっており、本施設はこうした課題解決の一助となることも目指すという。 ②将来的なドローン配送を見据えた賃貸用 R&D 区画の整備
     物流業界で課題となっている労働力不足への対応等、産業分野におけるドローン活用の期待が高まるなか、2022 年12月5日にドローンの有人地・目視外飛行(レベル 4)が解禁されたことを受け、本施設では、広大な敷地を活かしたドローン飛行用のフィールドと、倉庫の一部スペースをドローン事業者等への賃貸用 R&D 区画として整備。ドローンによるラストワンマイル配送や災害時の支援物資搬送等、実証実験の場を提供することで、産業発展に寄与する。また、将来的にはドローンの飛行ハードルが低い河川上空を活用して、都心各地へアクセスが可能な立地を活かし、ドローンによる災害支援や物流配送拠点としての活用を検討するとしている。 3.板橋区・ヤマト運輸と「災害時等における防災施設整備等に関する 4 者基本合意書」締結
     本施設の着工に伴い、三井不動産および日鉄興和不動産は、板橋区・ヤマト運輸(株)と「災害時等における防災施設整備等に関する 4 者基本合意書」を締結した。板橋区が目指す、河川氾濫時における水害に強い安心・安全な街づくりの実現に向けて、本施設に隣接する「板橋区立・舟渡水辺公園」と一体となる高台広場、水害時の緊急一時退避場所や避難路等の防災上必要な公共施設の整備
    を行い、地域住民 1,000人の緊急一時退避場所を確保する。敷地内の高台広場は、緊急着陸用のヘリポートとしても使用可能。また、テナントにはヤマト運輸の入居が決定しており、災害時には支援物資の保管・配送拠点として活用もらうことで、地域防災を通じた街づくりに貢献する。なお、今後「板橋区立・舟渡水辺公園」と一体となった約3万㎡の公開空地、新河岸川沿いの歩行空間については、地域住民にも開放することを計画しているという。

※「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」の施設概要
所在地:東京都板橋区舟渡4-3-1
敷地面積:約9万3,200㎡
延床面積:約25万6,100㎡
規模・構造:地上6階建・S造(倉庫)・免震構造
着工:2023年2月1日(予定)
竣工:2024年9月末(予定)

■アイリスオーヤマ(株)<1月30日>
飲料水の生産能力増強で国内2拠点目となる「富士裾野工場」を新設、立地協定および防災協定を締結


 アイリスオーヤマ(株)は、新富士裾野工業団地内(静岡県裾野市)の土地及び建物を取得し、飲料水の生産・物流拠点となる「富士裾野工場」を新設する。1月30日に静岡県裾野市と立地協定及び防災協定を締結。新工場の稼働開始は6月となる予定だ。
 同社は、2021年2月に富士小山工場(静岡県駿東郡小山町)の一部を改修して飲料水事業に本格参入した。新工場では、天然水と強炭酸水の生産設備を導入して順次生産を開始する。富士小山工場の生産分も合わせ、前年比約2.5倍の供給体制で飲料水事業の一層の拡大を目指す。新工場敷地内には平置きの物流倉庫を新設し、物流・保管能力を強化することで災害時にも飲料水などの物資を迅速かつ円滑に提供できる体制も構築するとしている。
 同社はたま、新工場の取得と稼働に伴い、静岡県内で約300名を優先採用するとともに、同県に移住して新工場に勤務する従業員に対しては、引越し費用の補助等の支援を行う。今後も国内各地に生産拠点等を拡充し、産業基盤を強化することで、雇用の創出と経済活性化に貢献していく意向だ。

※「富士裾野工場」の施設概要
所在地:静岡県裾野市須山2810-4他
総投資額:300億円
生産能力:天然水1500ケース/時間、炭酸水1300ケース/時間
生産商品:富士山の天然水(500ml)、富士山の強炭酸水(500ml)
生産ライン特長:PETボトル内製化、全行程自動化による省人化
「富士小山工場」の約2倍の生産能力
新規雇用人数:約300名
工場設立日:2023年6月予定
敷地面積:6万759㎡

■日本GLP(株)<1月30日>
千葉県千葉市で「GLP 千葉北」を着工、澁澤倉庫(株)の専用施設として飲料製品の輸配送拠点に


 日本GLP(株)は、千葉県千葉市で延床面積約2万4,000㎡の先進的物流施設「GLP 千葉北」を着工した。本施設は、澁澤倉庫(株)が専用施設として一棟全体を利用する。2024年2月に竣工する予定だ。
 本施設は、市街化調整区域での建設を可能にする「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法)」の認定を受け、実際の運用を優先した車両動線を採用し、CO2の排出に配慮する物流施設を目指す。本施設が立地する千葉北エリアは、物流拠点が集積する湾岸エリアへの交通アクセスの良さと関東全域への配送の交通利便性の高さを兼ね備えており、今後も発展が見込まれている。また、飲料業界における輸配送拠点集約のニーズは堅調で、日本GLPは今後もこうしたニーズに対応した施設開発を進めていくとしている。
  澁澤倉庫は、これまでも日本GLPのマルチテナント施設に入居してきたリピートカスタマー。飲料物流の拠点としての立地優位性や、高低差のある敷地・環境を活かす造成計画を含めた日本GLPの提案力、物流施設開発における知見、カスタマーニーズへの柔軟な対応力を評価し、今回、本施設を専用施設として入居する決定をくだしたという。澁澤倉庫は飲料製品を扱う保管拠点としての使用を予定しており、既存の施設と連携して首都圏東部エリアの飲料物流のネットワーク強化に本施設を活用する予定だ。
<本施設の特長>
①飲料に特化した物流施設としてのオペレーションの効率性を向上させる、低床バース、大型のフォークリフト作業に最適な柱スパンを採用。
②床荷重を1、3階は2.0t/㎡とし、飲料の保管に適した設計。
③2パレットの積載に対応した垂直搬送機を導入。
④最適な床荷重やシャッターの高さを設定するほか、2階の一部に無人搬送フォークリフトの運用が可能な仕様を採用。
⑤保管効率を向上させるため3階の一部は「マジックラック」設置が可能な仕様を採用。
<本施設のサステナビリティ>
• 環境への配慮として、自家消費型の太陽光発電設備を設置。入居企業の脱炭素化に向けたサステナビリティ推進への取り組みをサポート。

※「GLP 千葉北」の施設概要
所在地:千葉県千葉市花見川区三角町762
敷地面積:約1万4,000㎡
延床面積:約2万4,000㎡
構造:地上3 階建て、鉄骨造
着工:2023年2月
竣工:2024年2月(予定)
認証取得:CASBEE認証(予定)、ZEB認証(予定)

■東洋製罐グループホールディングス(株)<1月31日>
東洋メビウス(株)の次世代倉庫「熊谷物流センター」が 2023年4月より営業開始、環境配慮・サービス向上・ホワイト物流の3つを実現


 東洋製罐グループホールディングス(株)は、連結子会社である東洋メビウス(株)の新物流倉庫「熊谷物流センター」(埼玉県熊谷市)が2023年4月より営業開始すると発表した。
 本物流センターは、延床面積約2万2,000㎡、およそ1万5,000パレット(1,440×1,100mmサイズ)が保管可能な大型倉庫。東洋メビウスは、本物流センターを、「環境配慮」、「お得意先へのサービス向上」、物流基盤の構築にともなう「ホワイト物流の推進」の3つを実現するための次世代倉庫のモデルケースとし、持続可能な物流の実現に取り組むとしている。
 <環境配慮>
 太陽光発電システムの設置をはじめ、高密度保管システムの採用、トラック予約受付システムの導入により、省人・省力・省エネ化に積極的に取り組む。また、茶殻をアップサイクルした「茶殻配合防音パネル」採用など、環境に配慮した地球にやさしい次世代倉庫を目指す。CASBEE建築評価Aランクを取得済みで、ZEB認証取得も審査依頼中だ。
<得意先へのサービス向上>
 本物流センターが位置する埼玉県北部近隣には酒類・清涼飲料充填工場が多く、従来から飲料容器を中心に365日24時間フルタイムでデリバリー対応を行っている。本物流センターは生産拠点と得意先群を繋ぐハブ倉庫として、より柔軟性の高い対応力にもとづき製品を配送するほか、これまで容器物流で培ったノウハウを活かし、衛生管理の行き届いた保管環境を提供することで、製品の安全と品質を守るとしている。
<ホワイト物流の推進>
 高密度保管システムやトラック予約受付システム導入などの環境整備を進めて、物流の平準化・効率化・共同化に向けた基盤構築を実現し、これによりホワイト物流の実現を進める。

<本物流センターの特徴>
①高密度保管システム「マジックラック」(住友重機械搬送システム(株))の採用
 ディープストレージ(多重配列保管)方式により保管効率向上を実現。また、入出庫と荷揃えの自動化により保管エリア内でのフォークリフト作業を削減し、飛躍的な作業効率の向上と省人化に貢献する。
②太陽光発電システムの導入
 東洋製罐グループ環境方針(https://www.tskg-hd.com/csr/environment/global/global01/)に則り、再生可能エネルギーの太陽光発電設備を採用することで発電時のCO2排出量を削減(年間削減見込122t-CO2)。平置き棟屋根上に688枚 の太陽光パネルを設置し、毎時最大約160kWの発電が可能。これにより年間使用電力量70万kWhの内、27万kWhを太陽光発電で賄うことによって再エネ率40%達成を目指す。また、太陽光変電室は床上2.6mの架台に設置し、停電時に自立運転機能を一部備えるため、災害時の非常用電源として活用することができるという。
③茶殻配合防音パネル((株)伊藤園)の採用
 (株)伊藤園の「茶殻リサイクルシステム」により開発された「茶殻配合防音パネル」を国内初採用。同社の持続可能な社会の実現への取り組みに賛同し、防音パネルの他、事務所壁面には茶殻入りデザインウォール「エコアートプラス」等の茶殻リサイクル品も採用している。

※「熊谷物流センター」の施設概要
所在地:埼玉県熊谷市妻沼西2丁目(妻沼西部工業団地内)
敷地面積:17,800㎡(5,400坪)
延床面積:22,000㎡(6,700坪)
倉庫仕様:平置き倉庫棟 3階層、梁下有効高 7.5m 床荷重 1.5t/㎡
      格納量 7,000パレット(1,440×1,100mmサイズ)
      出荷バース 4ケ所、高密度倉庫棟 2階層(2階事務所エリア)
      高密度保管システム ラック6段積み
      格納量 8,000パレット(1440×1100mmサイズ)
      出荷バース 6ケ所
施設仕様:物流倉庫(平置棟+高密度倉庫棟:高密度保管ラック)
     全館LED照明、垂直搬送機2基、荷物用EV1基
      除湿器、空調機、大型ファン
着工:2022年4月
完成:2023年2月末

■ボルテックス(株)<2月1日>
福岡県小郡市で「小郡ロジスティクスセンター(仮称)」を着工、2024年春に竣工予定


 (株)ボルテックスは、SPC(特定目的会社)を通じて、物流施設「小郡ロジスティクスセンター(仮称)」のプロジェクトに出資した。本施設は2月1日に本工事を開始し、竣工は2024年春となる予定だ。
 本件のアセットマネジメント業務を行うのはCBRE(株)と(株)ボルテックス投資顧問。優先出資者は同社のほか、(株)アスコットと日本国土開発(株)。プロパティマネジメント業務に関しては、CBRE(株)が受託する予定だという。
 本施設は、大分自動車道「筑後小郡IC」に隣接した立地で、大分自動車道、九州自動車道、長崎自動車道が交わる「鳥栖JCT」まで10km圏内にあり、九州全域への配送を担う物流拠点。また、甘木鉄道「今隈駅」まで徒歩5分と近く、通勤にも利便性が高く、本施設誕生にともなう地域雇用の活性化も見込まれる。

※「小郡ロジスティクスセンター(仮称)」の施設概要
建設地:福岡県小郡市⼭隈字柳、向浦、上岩田字杉⼭
敷地面積:約1万2,167㎡(約3,680坪)
建物用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
構造種別・階数:鉄骨造・3階建
建築面積(予定):約7,002 ㎡(2,118 坪)
延床面積(予定):約1万809 ㎡(992 坪)
竣工(予定):224 年春

■日本GLP(株)<2月1日>
広島市で「GLP 広島II」が竣工、雇用促進と物流課題解決をサポートする独創的な先進的マルチテナント型物流施設


 日本GLP(株)は、広島県広島市で延床面積4万9,792.47㎡の先進的マルチテナント型物流施設「GLP 広島Ⅱ」が竣工したと発表した。
本施設は、日本GLPが広島県で初めて開発したマルチテナント型物流施設。本施設が立地する広島市は中国地方の人口最多の中心都市で、西日本エリアを広域にカバーできる物流適地としてのポテンシャルも高く、同社は今後も中国エリアでの物流施設の積極的な開発を進めるとしている。
 本施設は地上5階建て(1-4階:倉庫、4階、5階:休憩所)で、最大4テナントが入居可能な汎用性の高いマルチテナント型物流施設。カスタマー企業のニーズに応じ、従業員が不在となる営業時間外でも荷物の積み降ろしができる置き配バースを導入しており、トラック待機問題解消や、輸送コスト削減と効率化に貢献する。置き配バースは庫外からもテンキーで開錠可能で、セキュリティも担保されており、安心して利用できる。
 同社はこれまで、施設従業員にとっての快適な就労環境づくりを通し、入居企業の雇用促進、生産性の向上を目指した施設開発に取り組んできた。今回は、新たに「ナッジ」の考え方に着目し、本施設を原裕介氏(建築家、千葉大学予防医学センター特任准教授)監修のもと、「ナッジ」の考えに基づくサインや意匠デザインを庫内・共用部に取り入れ、施設従業員の健康に配慮しながら生産性を高める快適な就業環境を整備した。アメニティや内装にも快適性を追求し、メザニン付き休憩所やテラスを設置することで空間の広がりも確保。ウェルネスに配慮した施設づくりを目指し、入居企業の従業員確保をサポートする。
 環境配慮面では、再生エネルギー100%達成を実現するため、太陽光自家消費電力をテナントに無償還元することで電気代削減に繋げるとともに、補完としての再生可能エネルギーの購入と合わせ、脱炭素社会の達成に取り組むとしている。
<本施設の特徴>
①周辺の3PL企業のニーズをとらえて幅広い荷物に対応できる汎用性の高いマルチテナント型で、最大4テナントが入居可能。
②高度なマテハン設備の導入をはじめとする倉庫の自動化が可能で、効率的なオペレーションの実現をサポート。
③外壁や屋根部分には強風対策・塩害対策を施すことで、建物の耐久性を向上。
④アフターコロナを見据えた、事務所や従業員休憩室の拡張が対応可能な施設仕様。
⑤カスタマー企業の生産性向上のニーズに対応して、従業員が不在時でも荷物を積み降しができる置き配バースを導入し、トラック待機問題の解消、輸送コストの削減と効率化を促進。
<本施設のBCP、環境配慮>
①BCP面では、地震対策として耐震性能の高いブレース材を採用し安全性を確保するほか、浸水や液状化対策を講じ、高い事業継続性を確保。
②太陽光自家消費電力をテナントに無償還元することで電気代削減を実現し、再生可能エネルギーの購入と合わせて再生エネルギー100%の達成を実現するため、脱炭素社会達成への貢献を目指す。

※「GLP 広島Ⅱ」の施設概要
所在地:広島県広島市中区江波南2-1461-1
敷地面積:2万3,106.75㎡
延床面積:4万9,792.47㎡
構造:地上5階建(1~4階:倉庫、4階、5階:休憩所)、耐震造
着工:2022年1月
竣工:2023年1月
認証取得:CASBEE(新築)認証、LEED GOLD、ZEB Ready認証、BELS認証(予定)

■ESR(株)<2月1日>
横浜市金沢区で「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター2」が竣⼯、施設従業員と環境へのやさしさを追求したマルチテナント型物流施設


 ESR(株)は、神奈川県横浜市⾦沢区幸浦の敷地⾯積 9万282㎡(2万7,310坪)、延床⾯積19万5,374㎡(5万9,100坪)の4階建てマルチテナント型物流施設「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター2」(横浜幸浦 DC2)が 2023年1⽉31⽇に竣⼯したと発表した。
<⾸都圏屈指の好⽴地に4期に分けて開発中の⼀⼤ロジスティクスパーク>
 本施設は、同社として全国で29件⽬、神奈川県内では6件⽬となる竣⼯プロジェクト。その建設は横浜市の最南端である⾦沢区の東京湾に⾯した約33万㎡(10万坪)の広⼤な⼟地に4期に分けて計画されている物流施設の2期⽬にあたり、2022年1⽉31⽇に竣⼯した1期⽬の「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター1」と併せ、⼀⼤ロジスティクスパークの半分が完成したものと位置付けられている。
 立地も国道357号線と16号線が⾄近で横浜横須賀道路「並⽊IC」より約2.5km、⾸都⾼速道路湾岸線「杉⽥IC」より3.0km、横浜港より15km、⽻⽥空港より31km、横浜中⼼部まで13km、東京都⼼まで46kmと、陸・海・空の輸送インフラも整っており、⽇本の物流・国際貿易・経済にとって⼤変重要なエリア。昨今の新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより政府・企業にとって最重要課題となった、サプライチェーンの再構築や頑健な供給網構築に寄与できる条件も満たしているという。また、開通時期は現在協議中だが、横浜環状南線(「⼾塚IC」〜「栄JCT」〜「釜利⾕JCT」)が開通すれば、圏央道に直結し、東名⾼速道路他、主要幹線道路へのアクセスが格段に向上する予定だ。
<倉庫内の平⾯使⽤、豊富な⾯積プランなど、使い勝⼿と安全性を重視した建築計画>
 本施設は、物流運営の効率性と汎⽤性を重視した設計で、45フィートコンテナトレーラーの⾛⾏が可能な上り下り専⽤ランプウェイを結ぶ中央⾞路・センターバース式の採用により、各階へ一⽅通⾏でアクセスが可能。荷物の積み下ろしのためのトラックバースは各階 50 台設置した。全フロア1mの⾼床式倉庫で、バースの奥⾏は14.5mを確保。ドックレベラーは、各階将来対応含め 20 基まで設置可能だという。また、敷地内には海上コンテナトレーラーに対応できるエリアも含め、トラック待機場を計54台備えさせた。
 倉庫の床荷重は1階:2.0t/㎡、2階~-4階:1.5t/㎡を確保し、全ての階で2.5tのフォークリフトが⾛⾏可能だ。梁下有効⾼は1階~3階:5.5m、4階:5.5m〜6.4m、柱スパンは間⼝11m×奥⾏き11.1m、最上階の4階は柱本数が少なく、ワイドスパンでより使い勝⼿の良い空間とした。荷物⽤エレベーターは各階最⼤10基まで、垂直搬送機は各階最⼤12基まで設置可能で、⾼い縦搬送能⼒も付与した。最⼩賃貸区画は約920坪、半フロア約6,500坪 からワンフロア約1万3,000 坪の中で豊富なプランの提案が可能。また、特別⾼圧電⼒の供給により、ロボティクス、冷蔵冷凍設備、倉庫内空調、ハイスペックな物流システム導⼊など⼊居企業の多様なニーズに応えることができる。
<「HUMAN CENTRIC DESIGN.」で快適かつ魅⼒的な職場環境を創造>
 同社は、「HUMAN CENTRIC DESIGN.(⼈を中⼼に考えたデザイン)」を基本理念に、同社施設で働くすべてのワーカーにとって快適で安全性の高い職場環境・サービスの提供に注力している。本施設では、ワーカー⽤の休憩ラウンジ「KLÜBB Lounge(クラブ ラウンジ)」を南側3階・4階と北側4階の3か所に設置し、各ラウンジ内には弁当や飲み物などを販売するショップ「KLÜBB Shop(クラブ ショップ)」も完備。南ラウンジに直結するテラスはガントリークレーンに正対する2層吹き抜けの迫⼒ある屋外空間で、上層からは富⼠⼭や⾦沢⼋景などの眺望を堪能でき、バーベキューができる屋上のスカイデッキ「KLÜBB Skydeck(クラブ スカイデッキ)」へつながる設計となっている。
 ⼦育て世代⽀援としては、延床10万㎡以上の施設に導⼊している託児所「BARNKLÜBB(バーンクラブ)」をガントリークレーンと海を臨む1階に設置。園庭には滑り台、クライミングスロープ、砂場などを設け、保育室は⼤⼩様々なアーチ型にくり抜いた壁によってゆるやかに仕切られており、⼦供達が⽣き⽣きと楽しめる空間デザインとしました。
 また、同社として初のマシンジム型フィットネス「KLÜBB Fitness(クラブ フィットネス)」を導⼊。本施設で働くワーカーは無料で利⽤できるものとした。その他、⼥性⽤パウダールーム、コインランドリー、ワークブース、ドライバーが利⽤できる休憩室、喫煙室、シャワー室、トイレなども完備している。
 南北に2か所ある建物エントランス前にはスロープと優先駐⾞スペースを設置し、館内にもバリアフリートイレなどバリアフリー設備を備え、⾞いすユーザーや障害者にも配慮。さらに、普通⾃動⾞⽤の駐⾞場479台(うち優先駐⾞スペース4台)、駐輪場200台分を⽤意し、ワーカーの通勤利便性向上もサポートする。最寄り駅の⾦沢シーサイドライン「並⽊北駅」から約1.2km(徒歩約 10分)と通勤利便性も高く、横浜市及び近郊、京急本線・根岸線沿いのベッドタウンの豊富な労働⼈⼝を背景に雇⽤確保にも優位な⽴地だ。
<環境への取組>
 同社は、 ESGを経営の核とし、持続可能な社会の実現のため、2025 年までに達成すべき⽬標や重要課題を特定した「ESG2025 ロードマップ」の戦略を策定。この戦略に沿って ESG への取組を推進し、ESGに関する国際イニシアティブにも積極的に参画している。2022年6⽉には国連責任投資原則(PRI)の署名機関となるなど、ESRグループ全体でサステナビリティ経営の⾼度化を進めており、持続可能な物流施設・データセンターの開発に積極的に取り組むとしている。。
 本施設でも全館 LED 照明、環境配慮型照明システムを導⼊し、外壁には断熱性の⾼い⾦属サンドイッチパネルを採⽤など、環境や省エネルギーに配慮。その評価として、CASBEE 4Aランク、BELS 最⾼位5スター、ZEB(太陽光含め173%削減)も取得している。
 また、建物屋上には太陽光パネルを設置し、5MW 規模の⾃家消費型太陽光発電所を稼働させる計画で、JQA((⼀社)⽇本品質保証機構)によるグリーン電⼒発電設備認定も受けた後に同社独⾃のグリーン電⼒証書発⾏システムを通じ、環境付加価値を取引する予定だ。
<災害に強い施設>
 本施設でも免震構造を採⽤。これにより、⼤地震時に入居企業の資産とワーカーの安全保護、ならびに建物の損傷を軽減させる効果を見込んでいる。南側エントランスホールには、コンテナをイメージしたデザインの免震装置の⾒学エリアも設けた。
 BCP対策として、⾮常⽤⾃家発電機を備え、停電時でも防災センター機能、事務所の照明・コンセントと倉庫の照明・荷物⽤エレベーターの⼀部、給排⽔ポンプ等が24時間以上使⽤可能な保安⽤電源を確保できるものとした。津波対策としては、ハザードマップ想定津波⾼を上回る倉庫床レベル(⾼床倉庫)を確保し、浸⽔被害リスクに備えた。また、受変電設備として東⻄ランプ内に架台を設けキュービクルを設置し、給電停⽌リスクを低減。ラウンジには災害等で停電になった際、⼈的操作で⾃販機内の商品を搬出できる災害救援⾃販機を導⼊した。館内には AEDを設置しており、⼈命救助措置も⾏える。
 また、同社施設運営・管理のスペシャリストであるプロパティマネジメントチームのもと、24時間365⽇の有⼈管理体制などセキュリティ対策や、様々な災害対策を講じ、⼊居企業とワーカーに安⼼・安全な施設環境を提供するとしている。

※「横浜幸浦ディストリビューションセンター2 」の施設概要
所在地:神奈川県横浜市⾦沢区幸浦 1 丁⽬ 8-3
敷地⾯積:9万282 ㎡(2万7,310坪)
延床⾯積:19万5,374 ㎡(5万9,100坪)
⽤途地域:⼯業地域
構造:地上4階建・PCaPC造・免震構造
⼯事期間:2021年6⽉1⽇〜2023年1⽉31⽇

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