■物流施設 投資関連情報2023版<1.12~1.18>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 

■(株)関通<1月13日>
兵庫県尼崎市に「(仮称)関西新物流センターⅢ」を新設、EC物流対応で2025年6月1日から稼働開始


 (株)関通は、兵庫県尼崎市に「(仮称)関西新物流センターⅢ」を新設すると発表した。本物流センターは、EC物流需要の高まりを背景に新規顧客獲得を強化するため、三井不動産(株)が開発する「(仮称)MFLP尼崎Ⅰ」を1棟ごと借りることにより新設するもの。賃貸借期間は2025年6月1日から2035年5月末まで(予定)で、賃借面積は、倉庫部分が9,658.67坪(予定)、事務所等部分が600.92坪(予定)となる。賃貸借契約における敷金は2億7,800万円(2025年5月までに支出予定)。今後、本物流センターを利用する顧客(現段階で未定)のニーズに対応した物流設備をはじめとする固定資産を取得し、円滑な物流センター運営を図るとしている。なお、物流設備及び付帯設備に投じる金額は1億6,600万円(2025年6月から2027年2月までに支出予定)になるとしている。 

※「(仮称)関西新物流センターⅢ」の施設概要
物件名称:(仮称)MFLP尼崎Ⅰ
所在地:兵庫県尼崎市西向島町15-8(地番)
賃貸借期間:2025年6月1日から2035年5月末まで(予定)
      〔定期建物賃貸借契約による賃貸借〕
賃借面積:倉庫部分9,658.67坪(予定)、事務所等部分600.92坪(予定)
構造:耐震構造 地上4階建
サービス提供開始日:2025年6月1日(予定)
敷金:2億7,800万円(2025年5月までに支出予定)
物流設備及び付帯設備取得費用:1億6,600万円(2025年6月から2027年2月までに支出予定)

■ESR(株)<1月16日>
マルチテナント型物流施設「ESR福岡甘木ディストリビューションセンター」が契約率80%以上で竣工、作業効率化や環境・災害対策、労働環境快適性などに配慮した設備・設計


 ESR(株)は、福岡県朝倉市一木の敷地面積4万266㎡(1万2,181坪)、延床面積7万724㎡(2万1,394坪)の3階建てマルチテナント型物流施設「ESR福岡甘木ディストリビューションセンター」(福岡甘木DC)が2022年12月27日に、契約率80%以上で竣工したと発表した。
<ESRの九州第1号プロジェクト>
 九州はアジア各国への玄関口で、福岡をはじめとする各県には空港、港、高速道路、鉄道の交通インフラが整い、各県が物流網で繋がる一大経済圏。特に福岡県は若年層の人口増加率が高く、福岡市も国家戦略特区に指定され、イノベーションの創出や起業なども盛んで、同社としてもユニークな経済圏として数年前から注目していたという。また、豊富な水資源、広大な土地と温かい気候など環境の良さから、半導体・自動車・食品・製薬会社・化粧品など幅広い製造業の工場新設や増設の投資が相次いでいる。最近では、半導体受託生産の世界最大手企業が熊本県菊池郡に建設中の新工場が呼び水となり、福岡県でも半導体関連企業の拠点拡充が進み、特に完成品や原料を運ぶ物流のニーズが拡大中だ。こうした状況を踏まえ、九州第1号プロジェクトとなったのが本施設で、全国では28件目の竣工プロジェクトに数えられている。
<サプライチェーンの再構築に貢献できる好⽴地と汎⽤性の高い設計>
 昨今の新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界で渡航制限や国境封鎖が⾏われ、陸・海・空の物流に⼨断が生じ、サプライチェーンの再構築、頑健な供給網構築が政府・企業にとって最重要課題の⼀つとなっているが、今回竣工した本施設は、この課題解決に寄与できる⽴地条件を満たしているという。本施設は、⼤分⾃動⾞道および県道33号線沿いにあり、⼤分⾃動⾞道の「⽢⽊IC」から約1.7km(⾞で約4分)、⼤分⾃動⾞道と九州縦貫⾃動⾞道(九州⾃動⾞道)、⻑崎⾃動⾞道や国道3号など、九州の東⻄南北を結ぶ交通結節点で九州の物流の要所である「⿃栖JCT」から約14km(⾞で約14分)にあり、⿃栖エリアのサブマーケットと位置付けられ九州全域への配送を網羅することができる。また、JR「博多駅」、福岡空港、博多港まで⾞で40分圏内と、陸・空・海の輸送インフラも整っており、⾷品配送、輸出⼊貨物、在庫拠点、ECなど幅広いニーズに対応可能だ。
 本施設は、物流運営の効率性と汎⽤性を重視した設計。45フィートのコンテナトラック対応の上り下り専⽤スロープにより2階まで直接アクセス可能で、1階はクロスドックにも対応できるよう両⾯バースを設けたほか、2階には⾬天の影響を受けずに⼊出庫が可能な中央⾞路⽅式を採⽤した。敷地内にはトラック20台分の待機場を設置。また、下りスロープの天井に遮⾳・遮光パネルを設けるなど周辺に配慮した対策も⾏っている。
 倉庫の1階は、作業効率を⾼めるため、最⼤約6,800坪のワンフロアオペレーションタイプとし、2~3階は、保管効率の⾼いメゾネットタイプとした。また、荷物⽤エレベーター8基と垂直搬送機4基を標準装備し、高い縦搬送能⼒を付与。床荷重は1階:2.0t/㎡、2~3階:1.5t/㎡、梁下有効⾼は1~2階:6.5m、3階:5.5m~7.5m、柱ピッチは間⼝11m×奥⾏10.2mを確保した。ロボティクスや冷蔵冷凍、倉庫内空調など、テナント企業の多種多様なニーズに対応するため、⾼圧電⼒も提供できる体制となっている。
<HUMAN CENTRIC DESIGN.>
 同社は、基本理念である「HUMAN CENTRIC DESIGN.(⼈を中⼼に考えたデザイン)」に基づき、同社提供施設で働くすべてのワーカーに対し、快適で安全性の⾼い職場環境とサービスを提供することに注力している。本施設では、ワーカー⽤の休憩ラウンジを3階に2か所設置したほか、トイレには⼈感センサーに加え、⾃動洗浄機能も完備。また、⾮接触型カードリーダーの導⼊や換気の重要性を考慮した設備・設計とするなど、新型コロナウイルス等の感染拡⼤防⽌対策にも配慮した。建物のエントランス前にはスロープを設置し、優先駐⾞スペースも確保したほか、館内にはバリアフリートイレをはじめとしたバリアフリー設備を導入している。
 ドライバーが利用できる休憩室や喫煙室、トイレ、シャワー室なども完備。⼟地の記憶を残すため、2か所のエントランスホールには、本計画地で採取された⼟を焼成して作ったレンガを使⽤した空間デザインとした。また、以前に敷地内で使⽤されていた井⼾も移設し、植栽管理に再利⽤しているという。
 ワーカーの主な通勤⼿段が⾃家⽤⾞であるため、隣接する⼟地を駐⾞場⽤地として取得。敷地内と合わせ325台分の駐⾞場(内、優先駐⾞スペース1台)を⽤意し、通勤利便性をサポートしている。周辺には、コンビニエンスストア、飲⾷店、ショッピングセンターが揃っており、最寄りバス停から徒歩3分と公共交通機関を利⽤した通勤も可能で、⼊居企業の⼈材確保・⼈材定着率の向上にも寄与するとしている。
<環境への取組み>
 同社は、 ESGを経営の核とし、持続可能な社会実現のため、2025 年までに達成すべき⽬標や重要課題を特定した「ESG2025 ロードマップ」の戦略に沿った ESG への取組を推進し、ESG に関する国際イニシアティブにも積極的に参画している。2022年6⽉には、国連責任投資原則(PRI)の署名機関となるなど、グループ全体でサステナビリティ経営の⾼度化を進めており、持続可能な物流施設・データセンターの開発に積極的に取り組んでいる。
 こうした姿勢のもと、本施設では、全館 LED照明、トイレ・共⽤部の⼈感センサーなど環境配慮型照明システムを導⼊したほか、断熱性能の⾼いサンドイッチパネル、ヒートポンプ式空調、井⼾⽔の緑地散⽔への活⽤など、省エネに⼗分配慮した計画とし、CASBEE Aランク、BELS 5スター、ZEB(太陽光含め 232%削減)認証を取得している。また、建物屋上には太陽光パネルを設置し、2MW 規模の⾃家消費型太陽光発電所を稼働させる計画で、JQA((一社)⽇本品質保証機構)によるグリーン電⼒発電設備認定も受けた後、同社独⾃のグリーン電⼒証書発⾏システムを通じ、環境付加価値を取引する予定だ。
<災害・火災に強い施設>
 本施設は、座屈拘束ブレースを採⽤したS造の耐震構造としたほか、地盤⾯を⼗分に嵩上げすることで、豪⾬による浸⽔被害リスクを抑えるなど、地震・⽔害にも強い構造・設計となっている。⽕災対策としては、1階の倉庫中央部には排煙⽤可搬式送⾵機を、3階倉庫屋根部には排煙⽤トップライトを設置。 BCP対策としては、⾮常⽤⾃家発電機を備え、停電時でも防災センターと⼀部の荷物⽤エレベーター、2階トラックバー ス前電動シャッター、トイレ等が24時間以上使⽤可能な保安⽤電源を確保できるものとした。また、3階ラウンジには災害等で停電になった際、⼈的操作で⾃販機内の商品を取り出せる災害救援⾃販機を導⼊している。また、館内にAEDを設置し、⼈命救助措置にも対応できるものとした。
 同社では、施設運営・管理のスペシャリストであるプロパティマネジメントチームのもと、24時間365⽇の有⼈管理体制などセキュリティ対策や、様々な災害対策を整備しており、⼊居企業とワーカーに安⼼・安全な施設環境を提供してきた実績がある。地域社会と共存共栄を⽬指す本施設でも多くの雇⽤を創出する予定だが、こうした企業理念と取組が評価され、竣⼯前から就業希望の問合せが多数寄せられているという。同社は今後も朝倉市や地元⾃治体とも協⼒しながら、地域経済・社会の発展に貢献していきたいとしている。

※「ESR 福岡⽢⽊ディストリビューションセンター」の施設概要
所在地:福岡県朝倉市⼀⽊59-4
敷地⾯積:4万266㎡(1万2,181坪)
延床⾯積:7万724㎡(2万1,394坪)
構造:地上3階建S造、耐震構造
⽤途地域:準⼯業地域
⼯事期間:2021年11⽉1⽇〜2022年12⽉27⽇
総投資額:約125億円

■大和物流(株)<1月16日>
広島市西区の物流施設「広島観音物流センター」が竣工・稼働、幅広い顧客ニーズに対応した柔軟なオペレーションが可能


 大和物流(株)は、広島市西区で建設を進めていた物流施設「広島観音物流センター」が2023年1月10日に竣工し、同12日に稼働を開始したと発表した。
<本施設における事業内容>
 本施設は、広島県を中心に中国・四国地域をカバーする在庫型物流センターや2次配送センターなどとして、建築現場向け資材のほか、家具、日用品、雑貨といった幅広い貨物を取り扱う。広島市中心部へ約6kmという立地優位性を活かし、顧客の要望に合わせたさまざまな物流ソリューションを展開する。
<本施設の特長>
①広島市内及び周辺エリアへの配送に適した好立地
 本施設は、工業団地「広島イノベーション・テクノ・ポート」内に位置する。広島市役所まで約20分と広島市中心部に近接し、市街地への配送拠点として優れるほか、国道2号線などを利用することで、東広島市、呉市、廿日市市などの周辺都市へも60分以内でアクセス可能。山陽自動車道「五日市IC」と「廿日市IC」から約10kmと近接しているため、中国・四国地域への広域配送拠点としても適する。
②顧客ニーズにあわせたセンターオペレーション
 本施設は、重量物の取扱いにも対応可能な2.0t/㎡の床荷重の仕様を採用。1フロアあたり約5,000㎡(約1,500坪)の床面積を活かし、多くの人手を要する流通加工から、大型貨物や異形物の保管・入出庫作業まで、商材や業態に合わせた柔軟なセンターオペレーションに対応できる。

※「広島観音物流センター」の施設概要
所在地:広島県広島市西区観音新町4-10-66-3号
敷地面積:8,403.58㎡(約2,542.08坪)
延床面積:1万3,875.96㎡(約4,197.48坪)
構造・規模:鉄骨造 地上3階建、高床式 (一部、2階建)
床荷重:各階2.0t/㎡
梁下有効高:各階5.5m
搬送設備:貨物用エレベーター2基(3.6t:1基、4.6t:1基)
垂直搬送機2基(1.5t)、ドックレベラー2基
着工:2021年9月8日
竣工:2023年1月10日
稼働:2023年1月12日

■ブラザー工業(株)<1月16日>
名古屋市港区の港工場敷地内に新倉庫「港第2倉庫」を建設、総事業費約50億円を投じて2025年11月に完成予定

 ブラザー工業(株)は、名古屋市港区にある港工場敷地内に新倉庫「港第2倉庫」を建設すると発表した。新倉庫は、延床面積約1万6,000㎡の3階建てで、総事業費約50億円を投じ、2025年11月に完成する予定だ。
 ブラザーグループは、2030年を見据えたグループビジョン「At your side 2030」において「産業用領域」を注力領域として位置づけており、同領域のビジネス拡大を見込んでおり、関連製品や部品の保管需要増加が予想されている。また、現在の港工場敷地内には複数の工場棟があり、主に倉庫として活用しているが、工場棟の老朽化に加え、海抜の低い港湾地区での津波等による水害リスクを低減する必要に迫られていた。今回の新倉庫建設は、これらの課題に対応するためのもので、港工場に複数ある工場建屋の一部を解体し、その跡地に新倉庫を建設する計画だ。
 新倉庫は、建物の床面を津波で想定される高さよりも80cm高い位置に設置することで、BCP対策への対応を図るほか、屋上には太陽光パネルを設置し、再生エネルギーの利用も促進する。新倉庫の建設場所は、2021年11月に完成し、同年12月から稼働している港第1倉庫の隣。新倉庫完成後には、マシナリー事業の保管需要増加への対応に加え、名古屋市南区にある物流センターの機能を移管し、国内におけるグループ全体の倉庫・物流業務の効率化を図る予定だ。

※「港第2倉庫」の施設概要
所在地:ブラザー工業(株) 港工場敷地内(名古屋市港区港明1-1015-1)
施設用途:製品、部品の保管用倉庫、オフィス
着工予定:2024年秋
完成予定:2025年11月
建設延床面積:約1万6,000㎡、3階建

■C&W(株)<1月16日>
埼玉県加須市で物流施設の開発用地を取得、約2.7万㎡の物流施設を開発へ


 クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国、日本本社:C&W(株))は、グループ傘下のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント(株)が加須ファシリティ特定目的会社を通じ、埼玉県加須市で約2.7万㎡の開発用地を取得したと発表した。。今後約2.7万㎡の物流施設「(仮称)LF加須」を開発し、2024年5月の竣工を目指すとしている。
<開発地の特長>
 開発地は、東北自動車道(東北道)「羽生IC」から約5.1km、同「加須IC」から約5.8kmに位置しており、東北道及び首都圏全域へのアクセスに優れるほか、広域配送拠点としての交通利便性に優れている。市街化調整区域内に立地しているものの、都市計画法第34条第12号の区域指定により、適法に賃貸用物流施設を開発することが可能で、倉庫業法に基づく営業倉庫登録も行える。また、加須・大利根工業団地に近接しているため、24時間操業が可能な立地だという。
<「(仮称)LF加須」の特徴>
 「(仮称)LF加須」は、約2.7万㎡の敷地に地上2階建ての物流施設として建設される。柱スパンは間口11m×奥行10.5m、倉庫の梁下有効高さ5.5m、床荷重1.5t/㎡を確保し、荷物用エレベーター及び垂直搬送機を各4基実装する。テナント区画は、1棟貸し、または、2分割に対応可能で、駐車場は約100台、大型車待機スペースは10台以上設置する計画。さらに、倉庫全館に空調を導入することに対応可能な電気容量を予め確保するなど、様々な物流ニーズに対応できる。
<サステナビリティへの取組>
 開発する施設は、CASBEE Aランク認証の取得、受変電設備の設置高さの嵩上げを計画するなど、事業用不動産におけるサステナビリティを体現する。

※「(仮称)LF加須」の施設概要
所在地:埼玉県加須市上樋遣川
土地⾯積:約2万7,000㎡
用途地域:市街化調整区域(都市計画法第34条第12号区域)
延床面積:約2万7,000㎡(予定)
構造:地上2階建、鉄骨造(予定)
着工:2023年4月(予定)
竣工:2024年5月(予定)
認証取得:CASBEE Aランク(新築)認証(予定)

■(株)トーハン<1月16日>
埼玉県に新物流センター2拠点の新設計画を発表、入間郡三芳町の「トーハン三芳センター」と川口市の「トーハン川口センター(仮称)」


 (株)トーハンは、出版取次事業の要である物流機能の一層の品質改善と効率化、及び将来の流通改革への布石として、新規物流センターの開設を軸とした新たな物流高度化計画をスタートさせる。
<経緯と狙い>
 同社は、中期経営計画「REBORN」で、新本社の建築と跡地の収益化を図ると同時に、物流機能の品質改善と業界全体の流通効率化を実現するため、これまで「和光センター」の新設や日本出版販売(株)との雑誌返品協業化、大日本印刷(株)との協業による「桶川SRC」構築などの計画を実現し、成果をあげてきている。
 こうした取組を踏まえ、今般、物流ネットワーク整備の第2ステージとして、上記の雑誌返品協業化によって主たる役割を終えた「東京ロジスティックスセンター」(埼玉県加須市)の売却を決定し、残存していた倉庫機能を新たな拠点に移管させるほか、経年劣化が進んでいた雑誌の発送拠点「西台雑誌センター」(東京都板橋区)と「戸田センター」(埼玉県戸田市)の2拠点を廃止して、西台社用地の収益化を図ると同時に、新たな雑誌発送拠点を開設すること、の新規2計画(「トーハン三芳センター」、「トーハン川口センター(仮称)」)を構想し、進めることにしたものだ。
<新センターの高度活用>
① グループ企業の事業戦略拠点
 「トーハン三芳センター」は、基本概要に定めた取次事業での使用に加え、トーハングループの(株)トーハンロジテックスが進めている3PL事業の物流拠点としても活用し、グループの物流事業全体の高付加価値化を進める。
② 出版物流ネットワークの次世代モデル創出
 「トーハン川口センター(仮称)」は、西台・戸田に代わる新たな雑誌発送拠点としてスタートさせるが、雑誌流通量の推移を踏まえ、書籍や雑貨など様々なパッケージ型商材にも対応できるフレキシブルな物流拠点として構築する。
 なお、新センターの立地は凸版印刷(株)・川口工場と隣接しているため、雑誌製造・流通の効率化に向けた連携に関しても2社間で検討をスタートしているという。

※新センターの基本概要
①「トーハン三芳センター」
所在地:埼玉県入間郡三芳町大字藤久保1124-1
延床面積:3,374坪(2階建)
稼働予定:2023年7月
主要業務:採用品業務、マルチメディア商品の在庫管理 など
②「トーハン川口センター(仮称)」
所在地:埼玉県川口市(設計検討中のため、住所・面積は未定)
稼働予定:2024年12月
主要業務:雑誌(週刊誌を含む)発送業務 など

■日本GLP(株)<1月17日>
埼玉県日高市で「GLP 狭山日高III」が着工、(株)カインズが関東における先進的物流拠点として利用


 日本GLP(株)は、埼玉県日高市で延床面積約6万7,000㎡の先進的物流施設「GLP 狭山日高Ⅲ」を着工した。
 本施設は、全国でホームセンター事業を展開する(株)カインズの専用施設として1棟全体の賃貸借契約を締結しており、2024年3月に竣工を予定だ。カインズは本施設を首都圏エリアの店舗への配送機能と保管機能を併せ持つ、関東における最大の物流拠点である「次世代大型物流センター」として位置づけており、日本GLP提供施設では「GLP 北本」に続く2棟目の入居。日本GLPは今回のカインズとの契約について、本施設の都心へのアクセスがしやすい立地の優位性と、効率的なオペレーションを実現する同社の提案力と柔軟な対応力に加え、ニーズに沿ったコスト面での最適化、これまでの実績などが高く評価されたためだとしている。
<本施設の立地>
①都心から約43km、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)「狭山日高IC」から約3.4kmに位置し、圏央道と国道16号の結節点に立地。
②首都圏の広域配送および、東名高速道路・中央自動車道・関越自動車道・東北自動車道・常磐自動車道へ接続することにより中部以西および東北までアクセスが可能となる、物流拠点として優れた立地。
<本施設の特長>
①スロープによる2階への直接アクセスや、1階での3面バース採用により保管および配送業務を効率化。
②建物外周部にブレースを配置することで、庫内の機械化に向けた設計の自由度を確保。
③17台のトラック待機場を設置し、トラックドライバーの負荷軽減に取り組む。
④従業員向けの駐車場を約260台分用意し、通勤アクセスの利便性を確保。
⑤大型シーリングファンを装備し、快適な庫内環境を整備。
⑥エントランスや休憩室の内装には自然素材を取り入れ、先進的でありながらぬくもりのあるデザインの施設空間を演出。
<本施設のサステナビリティについて>
①自家消費型の太陽光発電設備設置を予定。
②敷地内にある既存林の伐採樹木をエントランスホール・休憩室の内装に再利用し、サステナブルな施設として環境負荷低減に寄与。

※「GLP 狭山日高Ⅲ」の施設概要
所在地:埼玉県日高市上鹿山
敷地面積:約5万5,000㎡
延床面積:約6万7,000㎡
構造:地上3階建、耐震S造
着工:2023年1月
竣工:2024年3月(予定)
認証取得:CASBEE(新築)認証(予定)、ZEB認証(予定)

■エア・ウォーターグループ<1月17日>
(株)桂通商による「熊本低温物流センター」の建設計画を発表、2023年6月着工で2024年2月稼働予定


 エア・ウォーターグループの物流事業会社である(株)桂通商は、熊本県の主力産業である農業の担い手不足や物流2024年問題といった社会課題の解決を目指し、熊本県玉名市に低温物流センターを建設すると発表した。
 エア・ウォーターグループは、今後の企業成長に向け、これまでの事業展開で培った農産加工技術と物流インフラの機能を組み合わせることで、フードロス低減や食料自給率向上に加え、生産者と消費者の視点に立った新しい農産事業のビジネスモデルの構築を通じ、地域農業振興に貢献していくことを目指している。本施設建設もその一環で2023年6月に着工し、稼働開始は2024年2月になる予定。ドライバー不足などに起因する運べない時代に対応するとともに、コールドチェーンを活かした高付加価値物流を通じて「地域を起点とする農産流通事業」を推進するとしている。
<エア・ウォーターグループの農産流通事業の取組>
 エア・ウォーターグループは、1929年に札幌で産業・医療用ガスの供給事業を開始して以来、エネルギーや農業・食品、物流など事業領域を広げながら、産業や暮らしを支える様々な事業を展開している。また、グループが有する多様な事業領域と地域の事業基盤を活用し、気候変動や超高齢化といった社会課題を踏まえた2つの成長軸である「地球環境」と「ウェルネス」に沿って、事業活動を通じた社会課題の解決により持続的な成長と企業価値の向上を図っていくことを今後の成長方針として定め、その実現に向けた様々な取組を推進しているという。
 その中でも「ウェルネス」領域においては、農産物の調達・加工・販売に至るバリューチェーンと全国をカバーする物流ネットワークを掛け合わせた「地域を起点とする農産流通事業」の構築に注力している。具体的には、産地から消費地へ至る流通経路で、いつでも安定した量と品質の青果物を提供できる仕組みを構築するとともに、その青果物の付加価値を向上させるため、青果物物流、食品加工、青果物販売などへの事業展開を積極的に推進。こうした取組により、販路拡大などによる地域農業の振興に加え、規格外農産物の有効活用による廃棄ロス低減、ひいては食料自給率の向上などに貢献することを目指している。
<低温物流センター建設の目的>
 桂通商は、関西圏に冷蔵倉庫を複数有し、青果物の鮮度を保持した低温保管・輸送を主力事業としている。現在、熊本県を産地とする青果物の輸送は、大型車両による長距離輸送が主軸。大消費地である関東までの輸送では、走行距離が片道1,100㎞を超え、その長時間運転はドライバーにとって負担が大きい。また、荷積み・荷下ろしなどの荷役作業や長時間の待機など対処すべき課題も山積している。
 桂通商はこうした状況を踏まえ、このたび、国内有数の農産地である熊本県内に本施設建設を決定した。県内各地から集荷した青果物を保管し、積み合わせを行う共同センターとしての機能を本施設に担わせる考えで、荷役作業の効率化やトラック積載率の向上を図るとともに、法改正を見据えた持続可能な青果物輸送に対応できる体制を整える。また、本施設の整備により、選果後の低温保管による出荷タイミングの調整が可能となるとし、さらに品目ごとに最適な温度管理を徹底することで、青果物の品質維持も図れるとしている。
 桂通商はさらに、京都市、兵庫県西脇市、大阪市の自社物流施設でも、物流中継拠点としての機能整備を進め、大消費地までの長距離輸送における効率的な輸送とコールドチェーンを駆使した付加価値の高い物流モデルを構築する意向だ。
<背景>
 エア・ウォーターグループは、熊本県農業協同組合連合会(JA熊本経済連)、熊本県果実農業協同組合連合会(JA熊本果実連)とともに3年に渡り「持続可能な物流体制の構築」「物流を通じた青果の付加価値向上」「規格外青果の活用」を協議・検討してきた。いずれも農業経営に直結する重要な観点で、将来的に安心して生産活動を続けるために必要不可欠な取組であるとの認識から、「持続可能な物流体制の構築」、「物流を通じた青果の付加価値向上」、「規格外青果の活用」の3つの取組を通じて、熊本県の一次産業の課題解決を目指す。

※「熊本低温物流センター」の施設概要
所在地:熊本県玉名市寺田367
敷地面積:5,804㎡
建設面積:2,434㎡
温度帯:5~15℃(チルド倉庫、3温度帯で対応可能)
投資額:約6億円
新規採用:20名
着工予定:2023年6月下旬
事業開始:2024年2月(予定)

■日鉄興和不動産(株)<1月18日>
埼玉県狭山市の物流施設「LOGIFRONT狭山」が竣工、総延べ床面積約7万8,000㎡のBTS型施設


 日鉄興和不動産(株)は、埼玉県狭山市で建設を進めていた「LOGIFRONT狭山」が12月28日に竣工したと発表した。
 本施設は、総延床面積約7万8,000㎡(約2万3,600坪)の4階建て専用物流(BTS型)施設。
狭山工業団地の北東部に位置し、首都圏中央連絡自動車道「狭山日高IC」から約1.7km、関越自動車道「川越IC」から約8.6km の距離にあり、交通利便性に優れる。建屋は、ブラック&シルバーのスタイリッシュな外壁に同シリーズのシンボルである「ビッグ L(エル)」が映える外観。内部空間は、単一テナント向け専用物流施設として、テナントのニーズに合わせて倉庫内部空間をフレキシブルに活用できる柱スパンとし、ブレースを配置しない平面計画および断面計画となっている。また、免震構造を採用し、地震時における従業員の安全確保とお客様の荷物の保護に配慮。その他、設備面では、全館空調を採用したほか、庫内動線の効率化など、労働環境の整備も図られている。

※「LOGIFRONT狭山」の施設概要
所在地:埼玉県狭山市広瀬台2-591-28
敷地面積:3万8,757.56㎡(1万1,724.16坪)
延床面積:7万8,187.75㎡(2万3,651.79坪)
構造・階数:免震 PCaRC・S造(APRSS構法)・4階建
着工:2021年 8月2日
竣工:2022年12月28日

■三菱商事都市開発(株)<1月18日>
環境配慮型マルチテナント型物流施設「MCUD野田Ⅱ」が竣工、太陽光発電システムを導入


 三菱商事都市開発(株)は、千葉県野田市にて開発計画を進めていた物流施設「MCUD野田Ⅱ」が2023年1月18日に竣工したと発表した。
<立地特性>
 本施設は、首都圏の主要な地区を環状に囲むように結ぶ国道16号線の近くに立地し、常磐自動車道「柏IC」と、東北自動車道「岩槻IC」の二つのICを利用することで、東京・関東エリアへのスピーディーな配送を実現する。
 千葉県と埼玉県を結び通勤利用者も多い東武野田線「川間駅」から徒歩圏内に立地しているため、徒歩や自転車を利用しての通勤が可能であり、労働力確保の面でも期待できる。
<施設機能・環境負荷軽減への取組>
 本施設は、ラック充填効率を最大限に活用できるスタンダードな平面プランで、最大2テナントで分割賃貸が可能。ゆとりある柱スパンとトラックバースを備えており、多様な業種・荷物に柔軟に対応することができる。また、本施設は施設内設備の省エネ化と太陽光発電設備の設置により、環境負荷軽減を実現する。太陽光発電設備は照明や電力を賄うのに余裕のある発電量を確保しており、消費するエネルギーをネットゼロにすると同時に快適な室内環境を実現することで、ZEB認証制度における最高評価「ZEB」を取得予定だという。
 同社は今後も、三菱商事グループで長年培った物流施設の開発・運営ノウハウ、また同グループが持つ情報力を最大限駆使し、テナントや投資家のニーズに沿った優良な物流施設を収益不動産市場に提供するため、継続して開発事業を推進していくとしている。

※「MCUD野田Ⅱ」の施設概要
所在地:千葉県野田市七光台368番1,3,4,5,370番1
敷地面積:約1万1,899.78㎡(約3,599.68坪)
延床面積:約2万4,119.24㎡(約7,296.07坪)
構造・規模:一部鉄

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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