■物流施設 投資関連情報2022版<10.13~10.19>

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<2022年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■立川ブランド工業(株)<10月13日>
滋賀工場に最新の塗装ラインを備えた塗装棟を竣工、11月から本格稼働の予定


 立川ブラインド工業(株)は、主力生産拠点のひとつである滋賀工場に、最新の塗装ラインや自動倉庫を備えた塗装棟を新設し、今年11月に本格稼働すると発表した。
 同社は新たな設備で地球環境に配慮した生産活動を行うほか、この塗装ラインと自動倉庫の増設により、ブラインドや間仕切などで使用する塗装部材の生産・在庫を国内複数拠点で実施する。また、これにより近年増加している自然災害等による事業リスクへの対策強化が図れるとしている。
 なお、当該塗装ラインや、自動倉庫および塗装棟の竣工により、2019年から総額約45億円を投じて計画的に進めてきた滋賀工場の一連の工事プロジェクトは完了する。

※「滋賀工場 塗装棟」施設概要
所在地:滋賀県愛知郡愛荘町東円堂923-1
構造:鉄骨造 地上1階
軒高:12m
延床面積:4,664.40㎡(1,410.98坪)

■マーケットエンタープライズ(株)<10月13日>
千葉市に関東エリア6つ目の買取・物流拠点を開設、出張買取需要の高まりを受けリユース事業加速へ


 (株)マーケットエンタープライズは、グループ全体のリユース事業展開を加速するため、千葉県千葉市に新拠点「千葉リユースセンター」を開設した。本施設は、同社グループのリユースセンターの13番目の拠点で、関東エリアのリユースセンターは全6拠点体制となった。
 同社グループは、持続可能な社会を実現するためにリユースを中心とした事業を展開しており、さらなる成長戦略として、買取能力の増強を検討してきた。昨今は、SDGs意識の高まりを背景にリユースが日常生活に浸透しており、物価高で生活者の節約思考が強まったこともあってより一層リユース需要が高まる情勢にある。今回は、リユース需要旺盛な首都圏の買取能力の拡充を目的として新たに本施設開設の運びとなったものだ。個人向けリユースにおける新拠点の開設は4年半ぶりだという。
 従来、千葉県の顧客からの出張を伴う依頼には、東京リユースセンターを中心に対応してきたが、今後は本施設で買取に対応する。千葉市はもとより、千葉県近郊の顧客からの依頼にも積極的に対応し、首都圏の買取能力強化を図る。同社は今期、買取能力増強のため、新拠点開設とともに採用強化も進めてきており、2023年6月期には出張買取件数を前期比2.3倍に増やし、買取件数全体で約4割増を目指すとしてる。

※「千葉リユースセンター」の施設概要
所在地:千葉県千葉市花見川区宮野木台4-1-40
敷地面積:785.96坪 
延床面積:263.95坪
構造:鉄骨造・平屋建
在庫スペック:約1000点

■SGリアルティ(株)、三井不動産(株)<10月14日>
賃貸用物流施設「MFLP・SGリアルティ福岡粕屋」を竣工


 SGホールディングスグループで不動産の賃貸・管理・開発事業を展開するSGリアルティ(株)と、三井不動産(株)の両社は、福岡県糟屋郡粕屋町において開発を進めていた賃貸用物流施設「MFLP・SGリアルティ福岡粕屋」が竣工したと発表した。
 本物件では、三井不動産が開発計画のプロジェクトマネジメントを行い、竣工後はSGリアルティが施設の運営・管理を行う。両社は本物件に双方のノウハウを結集し、より先進的で質の高い物流施設を提供するとしている。テナントは着工時点から(株)日立物流九州の入居が決定しており、一棟賃借するBTS事業として計画を進めてきたもので、日立物流九州における福岡エリア最大の物流施設となるという。
 両社はまた、本物件を環境に配慮した物流施設とする意向で、2023年3月に屋上への太陽光パネルの設置を計画。最高ランクの「ZEB認証」や「DBJ Green Building 認証5スター」といった環境認証も取得する予定だ。

■アサヒビール(株)<10月14日>
2026年操業開始予定の新工場名称を「アサヒビール鳥栖工場」に決定、九州エリア内の需給率向上と配送距離短縮で物流におけるCO2排出量は従来比30%削減となる見込み


 アサヒビール(株)は2026年から操業開始を予定している新工場の名称を「アサヒビール鳥栖工場」に決定した。10月14日には、佐賀県および鳥栖市と「アサヒビール(株)の鳥栖市への進出に関する協定書」を締結しており、現在の博多工場の機能を鳥栖工場に移設する下準備が整った。土地購入費用は約91億円で、土地の購入以外に工場移転に伴う建設費用などについては約400億円を投じる予定だ。
 鳥栖工場はアサヒグループの次世代生産体制のモデル工場として、製造方法の刷新などによりエネルギー使用量を従来比で50%削減し、使用するエネルギーの再生可能エネルギー化も推進する。さらにCO2回収技術の導入などにより、CO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」の2026年中での実現を目指す。また、ビール類・ノンアルコールビールテイスト飲料・RTD・アサヒ飲料商品などグループの多様な商品や容器の製造を行い、物流面での効率化と工場の操業度の向上を図る。九州エリアへ出荷する大部分の商品が鳥栖工場で製造・出荷が可能となるため、九州エリア内の需給率向上と配送距離短縮により、物流におけるCO2排出量は従来比で30%削減となる見込みだ。
 今回の工場移転は、品質を担保したビール類や飲料などの生産能力を十分に確保できることや、天災などの不測の事態に備えた事業継続計画(BCP)の観点で検討してきた。佐賀県鳥栖市は九州全域への効率的な供給や十分な水量を確保できる立地であり、敷地面積を含めて最も条件に合致したため選定に至ったという。敷地面積は現在の博多工場と比較して2倍以上となり、想定年間生産量は1.3倍になる。
 アサヒグループは、「中長期経営方針」に基づき、日本全体の最適生産・物流体制の構築、サステナビリティ戦略の高度化に取り組むとしている。具体的には、国内ビール工場の生産能力を最適化することで操業度の向上を図るとともに、酒類や飲料などの多品種製造が可能なハイブリッド工場の拡大展開により、グループ全体でのコスト競争力向上とさらなる効率化を推進。また、サステナブルな生産設備を導入する新工場をモデル工場として、エネルギーの抜本的な効率化をはじめ、CO2回収技術の導入によるカーボンネガティブの早期実現を目指す。一連の再編により創出する原資を再投資し、将来的には国内グループ全生産拠点におけるカーボンネガティブの実現により、持続可能な社会への貢献と未来のステークホルダーからも信頼されるグループを目指す。

■コアスタッフ(株)<10月14日>
長野県佐久市に4階建ての新物流センターを建設、自動倉庫導入やAGV活用に生産性向上と配送力強化の実現へ


 コアスタッフ(株)は、長野県佐久市に4階建ての「新物流センター(仮称)」を建設する。新物流センターは、延床面積が約1万5,000㎡で、同社の「長野物流センター」の約5倍の規模となる計画。2024年7月の竣工を予定している。 
◇新物流センターの特長 
太陽光パネルと蓄電池の設置により100%自社電源を確保し、停電しない物流倉庫として稼働を予定。自動倉庫の導入と無人搬送車(AGV)の活用に生産性向上、配送力を強化し、次世代に求められる高品質ロジスティクスを実現する。 
◇新物流センター建設の狙いと背景
稼働後は現状10万点ある自社保管在庫を約100万点まで拡大を目指す。委託在庫や買取在庫ビジネスの拡大や、物流受託の強化を予定している。昨今のような半導体・電子部品の枯渇時期には、豊富な在庫ラインアップの保有が強みとなるが、これらは在庫保管スペースが十分にあってこそ実現できるとしている。近年は多くの顧客が在庫スペースやリソースの確保に苦労しており、同社では、今回導入予定の自動倉庫をはじめ、生産性向上につながる什器の導入やプロセスを活用することで物流受託拡大につなげる。物流受託は単に顧客の製品を管理するだけではなく、同社の強みである販売チャネルを活用し、受託製品のうち一定期間販売履歴がないものは委託販売に切り替え、外部に販売を行うという。

※「新物流センター(仮称)」の施設概要
所在地:長野県佐久市猿久保517他 
規模・構造:鉄骨、耐火構造、地上4階 

敷地面積:1万6,761.37㎡ 
建築延床面積:1万5,020.00㎡ 
主な用途:倉庫、事務所
設備:自動倉庫、解析センター、託児所、駐車場118台 
竣工予定:2024年7月 

■安田倉庫(株)<10月17日>
「九州営業所 第二倉庫」を開設


 安田倉庫(株)は、福岡県小郡市において「九州営業所 第二倉庫」を開設した。
同社グループは、2030年のあるべき姿としての「長期ビジョン2030」と、長期ビジョンを実現するための 計画として中期経営計画「変わらず、変える。YASDA Next Challenge 2024」を策定し、さらなる成長に向けた事業体制の構築を目指している。その一環として、物流事業の基本戦略である「付加価値の高いサービスの提供に向けたソリューションの強化とネットワークの拡充」を図るため、2017年7月には福岡県三井郡大刀洗町に「九州営業所」を開設しており、今回の新拠点開設はこれに続くものだ。新拠点はプロロジスパーク小郡内に所在し、九州営業所から車で5分の距離にある。九州各地への交通の要所である「鳥栖JCT」へも車で5分でアクセス可能であり、九州営業所との一体運営により、九州における物流ニーズへの対応力や九州全域向けの配送機能の強化を図っていくとしている。

※「九州営業所 第二倉庫」の施設概要
所在地:福岡県小郡市山隈308 プロロジスパーク小郡(福岡ロジテム内)
開設:2022年9月15日

■日本GLP(株)<10月17日>
兵庫県神戸市で全館冷凍冷蔵物流施設「(仮称)六甲プロジェクト」が始動、藤原運輸(株)が一棟全体を利用する予定


 日本GLP(株)は、兵庫県神戸市で展開する全館冷凍冷蔵物流施設「(仮称)六甲プロジェクト」を始動した。本施設は、JA三井リース建物(株)が開発するプロジェクトで、日本GLPが汎用性のある冷凍冷蔵物流施設として建物・設備や仕様を企画し、開発をサポートする。竣工後に日本GLPが本施設を取得し、藤原運輸(株)が一棟全体を利用する予定。2022年10月に着工し、2024年3月に竣工する予定だ。
 冷凍食品業界は物量が伸長しており、2012年〜2021年の間で、冷凍食品消費量の年平均成長率は2.2%、家庭用冷凍食品の国内生産金額は46%増加し、年平均成長率は4.3%と堅調に拡大しており、今後も安定した成長が見込めるマーケット。日本GLPは、冷凍冷蔵の専門チームを立ち上げ、冷凍冷蔵分野における知見を集約し、現在までに22物件(うち3温度帯:約63万㎡、冷凍冷蔵:約20万㎡)の冷凍冷蔵物流施設を立ち上げた実績があり、うち6物件については日本GLPの負担で冷凍冷蔵設備を設置している。
 本施設は兵庫県神戸市、神戸港を臨む六甲アイランドに位置し、神戸港は従来アジア諸国や関西・九州地方におけるハブ港として機能しており、現在は国際コンテナ戦略港湾において国際海上コンテナターミナル整備事業が進められている。本施設の立地性から、冷凍冷蔵物流事業にとって汎用性が高く、保管効率の高い全館冷凍冷蔵物流施設の建物・設備や仕様とするため、日本GLPが企画し、JA三井リース建物が開発をサポートする。
 藤原運輸は国内外の物流や3PL事業のほか、「保管+α」として商品の品質維持・管理、温度帯別管理、流通加工、梱包、ピッキングなどの多機能物流拠点を展開しており、本施設を冷凍中心に一棟利用する。また、日本GLPが物流関連企業に提供しているワンストップ支援サービス「GLPコンシェルジュ」と連携し、今後の事業拡大に向けた施設としていく意向だ。

※「(仮称)GLP 六甲プロジェクト」の施設概要
所在地:兵庫県神戸市東灘区向洋町東 3-6-2
敷地面積:約5,000㎡
延床面積:約1万100㎡
構造:地上4階建て、耐震鉄骨鉄筋コンクリート造
着工:2022年10月1日
竣工:2024年3月(予定)
認証取得:CASBEE 認証(予定)

■KICホールディングス(株)<10月18日>
東京都あきる野市に「KIC あきる野ディストリビューションセンター」を建設


 KICホールディングス(株)は、KIC あきる野特定目的会社を通じて東京都あきる野市に3月25日に取得した物流施設開発用地で施設建設を開始した。
 同社は、当該計画地で開発するのは「KIC あきる野ディストリビューションセンター」。本センターは、中央自動車道「八王子IC」から約4.6km、圏央自動車道「あきる野IC」から約3.8km、国道16号線「武蔵野橋南交差点」から約1.5km、JR東日本および西武鉄道「拝島駅」から約1.7km と、交通アクセスに恵まれており、東京都心、西東京、埼玉西部並びに神奈川の幅広いエリアを網羅できる物流適地に位置している。本センターには、太陽光発電設備で発電した再生可能エネルギーを供給する HES(Hybrid Electric Supply:複合型電力供給システム)を導入し、発電した電力を入居テナントが直接消費できる地産地消・蓄電型の、①地球環境にやさしく、②経済的にも安価で、 ③蓄電池の利用により停電時にも一定の電力を確保することができ、BCP対策上も有効な電力供給システムを採用する。また、今後のEV自動車の普及を想定し、充電ステーションの設置も予定している。

※「KIC あきる野ディストリビューションセンター」の計画概要
所在地:東京都あきる野市小川東1-1-7
敷地面積:1万4,706.26㎡(4,448.64坪)
用途地域:準工業地域
着工:2022年10月21日
竣工:2023年12月31日
建物構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
階数:地上4階
延床面積:2万5,846.65㎡(7,818.61坪)

■生活クラブ生活協同組合(滋賀)<10月19日>
滋賀県守山市に「新本部センター」を開設、物流量増加と事業拡大の進展で


 生活クラブ生活協同組合(滋賀)は、滋賀県守山市に新本部センターを開設し、10月10日から配送を開始した。 
生活クラブ滋賀の組合員数は2021年6月に3,000人を超え、現在も順調に組合員数が増加しているという。これに伴って物流量が増加し、事業拡大が進展したことから、本部兼配送センターの新築・移転を検討し、今回の新本部センター開設に至った。
 新本部センターは、配送センター機能のほか、生活クラブ組合員も集まれる場所になっていることが特徴。生協で扱う品物の試食会や生産者との交流会ができるキッチン付の集会室、子ども連れで気軽に各種イベントに参加できるようにするための託児室も併設されている。新本部センターのコンセプトづくりには組合員が参加し、決定。雨水タンクも設置されており、雨水をトイレの水洗やセンター内の清掃、洗濯に活用するとしている。今後も太陽光発電パネルの設置構想もあるという。

※「新本部センター」の施設概要
所在地:滋賀県守山市水保町1172-1
敷地面積:600坪
建物:1階:倉庫とトラックヤード(17台分)
2階:事務所、キッチン付き会議室(定員80人)、託児室
〇会議室はパーテーションで区切り、2部屋にして使用可能。
〇雨水タンクを設置。トイレ、清掃、洗濯に使用。

■アサヒロジスティクス(株)<10月19日>
新潟県長岡市に「長岡共配センター」を開設、関東・信越・東北エリアをつなぐ共配網で東日本の食品物流をカバー

 アサヒロジスティクス(株)は10月28日、新潟県長岡市に「長岡共配センター」を開設する。新センター開設は、同社中期経営ビジョン「2026 年度までに東日本を『面』でカバーする幅広く盤石なインフラを確立し、東名阪をつなぐ機能を強化しよう!」の実現に向けたもので、同社では、新潟県内に自社設備である共配センターを開設することにより、関東6か所、東北2か所を含む9か所の共配センターで関東・信越・東北エリアを幅広くカバーし、東日本全域の物流に幅広く貢献するとしている。
 なお、来春を目途にグループの(株)フレッシュ・ロジスティックの長岡センターも新センター内に移転する予定だ。

※「長岡共配センター」の施設概要
所在地:新潟県長岡市蓮潟町398-11(長岡北スマート流通産業団地)
開設日:2022年10月28日
敷地面積:1万4,958.86㎡(4,525.06坪)
延床面積:8,967.04㎡(2,712.53坪)
構造:鉄骨造 2階建
設備:冷凍庫 1,499.58㎡(453.62坪)
冷蔵庫 1,672.32㎡(505.88坪)
常温庫 1階558.73㎡(169.02坪)・2階3,917.23㎡(1,184.96坪)
米飯庫 166.33㎡(50.31坪)※20℃設定
荷物用エレベータ、垂直搬送機、洗浄機、事務室、休憩室他

■福山通運(株)<10月19日>
「大阪船場支店」のリニューアル工事に着手、新倉庫建設で流通加工・保管業務にも対応


 福山通運(株)は、大阪船場支店のリニューアル工事に着手した。同支店は、大阪府の中心部を集配エリアとしており、従来の集配業務に加えて新倉庫を建設し、流通加工及び保管業務を兼ね揃えたロジスティクスターミナルとする計画だ。また、作業の効率化・省人化を図るため、最新の荷物自動仕分け装置をはじめマテハン機器の充実により、労働環境整備も推進していく。

※「大阪船場支店」の主な概要
所在地:大阪市中央区南船場1-4-33
敷地面積:3,680.98㎡
延床面積:9,352.42 ㎡
その他:地上4階建、鉄骨造・太陽光発電設備有
竣工予定:2023年10

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