■物流施設 投資関連情報2022版<6.23~6.29>

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<2022年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■アサヒビール(株)<6月23日>
博多工場移転先候補地を佐賀県鳥栖市に選定、2026年から「新九州工場(仮称)」として操業開始


 アサヒビール(株)は、博多工場(福岡県福岡市)の移転先として佐賀県鳥栖市を候補地とし土地譲受申込書を鳥栖市に提出した。今後、土地売買契約に係る市議会の議決を経て、正式に決定する予定。博多工場の操業は2025年末をめどに終了し、2026年から「新九州工場(仮称)」として操業を開始する。博多工場跡地の活用については現時点で未定だという。
 今回の候補地は、品質を担保したビール類や飲料などの生産能力を十分に確保できることや天災などの不測の事態に備えた事業継続計画(BCP)の観点で検討した。佐賀県鳥栖市は、九州全域への効率的な供給や十分な水量を確保できる立地であり、敷地面積を含めて最も条件に合致したため選定した。敷地面積は現在の博多工場と比較して2倍以上となり、想定年間生産量は1.3倍となる。
 新九州工場は、アサヒグループの次世代生産体制のモデル工場として、製造方法の刷新などによりエネルギー使用量を従来比で50%削減し、使用するエネルギーの再生可能エネルギー化も推進していく。さらにCO2回収技術の導入などにより、CO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」の早期実現を目指す。また、ビール類・ノンアルコールビールテイスト飲料・RTD・アサヒ飲料商品などグループの多様な商品や容器の製造を行い、物流面での効率化と工場の操業度の向上を図る。今回の移転に伴い、九州エリアへ出荷する大部分の商品が新工場で製造・出荷が可能となる。九州エリア内の需給率向上と配送距離短縮により、物流におけるCO2排出量は従来の30%削減となる見込みだ。
 アサヒグループは「中長期経営方針」に基づき、日本全体の最適生産・物流体制の構築、サステナビリティ戦略の高度化に取り組む。国内ビール工場の生産能力を最適化することで操業度の向上を図るとともに、酒類や飲料などの多品種製造が可能なハイブリッド工場の拡大展開により、グループ全体でのコスト競争力向上とさらなる効率化を推進する。また、サステナブルな生産設備を導入する新工場をモデル工場として、エネルギーの抜本的な効率化をはじめ、CO2回収技術の導入によるカーボンネガティブの早期実現を目指す。一連の再編により創出する原資を再投資し、将来的には国内グループ全生産拠点におけるカーボンネガティブの実現により、持続可能な社会への貢献と未来のステークホルダーからも信頼されるグループを目指していく。

■プロロジス<6月23日>
福岡ロジテム(株)専用(BTS型)物流施設「プロロジスパーク小郡」が竣工


 プロロジスは、福岡県小郡市で「プロロジスパーク小郡」の竣工式を行ったと発表した。
本施設は、総合物流企業である日本ロジテム(株)傘下の福岡ロジテム(株)専用BTS型施設として開発されたもの。大分自動車道「筑後小郡IC」から約300mの至近に位置し、九州自動車道、大分自動車道、長崎自動車道や国道3号など、九州の東西南北を結ぶ主要な幹線道路の結節点「鳥栖JCT」からも約5分の地点に立地しており、九州全域および福岡市内にアクセスしやすく、博多港、福岡空港などの物流ハブや近隣都市を結ぶ立地優位性を備えている。最寄りの甘木鉄道「今隈駅」からは徒歩約6分で、通勤利便性も高い。開発地周辺は、地盤が強固で、ハザードマップ上でも水害や浸水のリスクが極めて低く、防災性・事業継続性の観点からの高く評価されている。
 本施設の敷地面積は約3万2,000㎡。建屋は延床面積約2万7,000㎡で地上2階建て片面バース仕様となっており、荷物用エレベーター2台、垂直搬送機3台が設置されている。敷地内には、化粧品やアルコール類などの保管にも適した危険物倉庫4棟を併設。また、広い敷地を活かして140台の乗用車駐車場に加えて、17台のトラック待機場やトラックドライバー用のトイレを整備し、多数のトラックが同時に出入り可能な設計となっている。34台のトラックバースには大庇を採用することで荷捌き効率を高め、雨天時にも作業がしやすい環境を整えた。また、入居企業の要望で倉庫内の一部は冷蔵倉庫対応になっており、食品を含めた多様な荷物の輸配送拠点として利用可能だ。
 環境負荷軽減の一環として、全館に人感センサー付きLED照明を採用。さらに倉庫には、通常のLED照明比で電力使用量を半減できる高天井用センサー付きインテリジェントLED照明(プロロジス共同開発)を設置した。屋根面には約750kWの太陽光発電の設置を予定している。これらの取り組みにより、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)AランクおよびBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)を取得する予定。

※「プロロジスパーク小郡」 の施設概要
所在地:福岡県小郡市山隈字柳308番1号
敷地面積:1,854.54㎡(9,636坪)
延床面積:2万7,333.00㎡(8,268坪)
構造:地上2階建、鉄骨造
着工:2021年5月
竣工:2022年6月

■(株)阪急阪神エクスプレス<6月28日>
オランダ・ロッテルダムに新倉庫を開設


 (株)阪急阪神エクスプレスのオランダ法人である HANKYU HANSHIN EXPRESS (NETHERLANDS) B.V. は、欧州最大の貿易港を擁するロッテルダムに、新倉庫「Rotterdom Gateway Terminal」(ロッテルダム ゲートウェイ ターミナル〔RGT〕)を開設し、7 月1 日から営業を開始する。
 HANKYU HANSHIN EXPRESS (NETHERLANDS) B.V.は現在、アムステルダム・スキポール空港エリアの 2ヵ所の保税倉庫で、航空貨物および一部海上貨物を取り扱っている。今回のRGT を新設により、海上貨物の CFS(混載貨物の輸出入取扱い基地)としての機能を充実させ、海運事業を強化するとともに、海上輸送と連接するロジスティクス事業の拡大を目指す。
阪急阪神エクスプレスでは、今後も欧州におけるネットワークを拡充し、顧客の多様な物流ニーズに対応していくとしている。

※RGTの施設概要
所在地:Vareseweg 111, 3047 AT Rotterdam, The Netherlands
延床面積:1,000㎡(全て保税エリア/2,000㎡まで拡張予定)
業務内容:海上輸出入貨物取扱、バイヤーズコンソリデーション、
在庫管理(非居住者在庫管理含む)、流通加工、集配送
営業開始日:2022年7月1日

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