■物流施設 投資関連情報2022版<6.16~6.22>

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<2022年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■日本GLP(株)<6月17日>
神奈川県平塚市で「GLP 平塚II」と「GLP 平塚III」を着工、地球環境・就労環境・地域環境に配慮した汎用的施設


 日本GLP(株)は6月17日、神奈川県平塚市で延床面積がそれぞれ約3万7,000㎡と約2万8,000㎡の先進的物流施設「GLP 平塚Ⅱ・Ⅲ」の起工式を執行した。「GLP 平塚Ⅱ・Ⅲ」は、ツインシティ大神地区土地区画整理事業施行地区内に建設され、「GLP 平塚Ⅱ」は2023年6月、「GLP 平塚Ⅲ」は2023年8月に竣工する予定だ。
 「GLP 平塚Ⅱ・Ⅲ」は、Greenをコンセプトとして、地球環境・就労環境・地域環境の3つの側面に対して設計段階から施設稼働後まで配慮し、環境に配慮した持続性を有する施設づくりを行っている。地球環境へのアプローチとして、太陽光発電設備の設置や全館LED照明の採用し、各Green Building認証の取得などESG/SDGsの対応を実現する。就労環境へのアプローチとしては、庫内窓の設置や、バイオフィリックデザイン(人間が先天的に持つ「自然を好む性質=バイオフィリア(biophilia)」を利用した、設計デザイン)を意識した緑あふれる内装、最寄りの公共交通機関からの通勤アクセスを整えるなど、快適な就労環境を作ることで安定的な雇用に貢献する。地域環境へのアプローチとしては、敷地外周にグリーンベルトを設け平塚市が推奨する植樹を行うなど、ポケットパークの設置を予定しており、日常の憩いの場所の提供を目指す。このほか、屋外階段を利用した緑化壁面などシンボリックな建物外観を計画しており、周辺地域との共生・共存を目指し、施設内のカフェテリアのテーブルやソファの素材には再生材を取り入れ、環境的な側面からも配慮された設計を行うとしている。また堅牢な建物を活かし災害時での貢献も目指す。
 「GLP 平塚Ⅱ・Ⅲ」は、いずれも4層のボックス型で、ECや流通加工ニーズなど様々な業種に柔軟に対応できる、汎用性の高いハイブリッド型の先進的物流施設。同社では、ECや3PL、日用品など幅広い業種に対応する多様な仕様プランを提供する。また、大型車入場口の両脇にワイヤー式緑化を施し、施設のシンボルとなるエリアを設けると同時に大型車の認識を容易にし、施設内の動線をスムーズにする。
 「GLP 平塚Ⅱ・Ⅲ」は、新東名高速道路「厚木南IC」から約1.5km、東名高速道路「厚木IC」から約3.0kmの場所に位置し、首都圏を含む広域配送が可能な立地にあり、物流拠点として優れた立地にある。また、周辺には物流関連会社が多く、それら企業との連携によるサプライチェーンの効率化も期待できる。物流適地として評価されている平塚エリアでは物流施設の建設が相次いでおり、旺盛なテナント需要は今後も続くとみられている。また、周辺には大規模商業施設の開業が予定されており、エリア経済も引き続き活性化されていくことが予想されているという。

※「GLP 平塚Ⅱ」の施設概要
所在地:神奈川県平塚市大神
敷地面積:約1万7,800㎡
延床面積:約3万7,300㎡
構造:地上4階建、耐震鉄骨造
着工:2022年6月
竣工:2023年6月(予定)
認証取得:CASBEE認証(予定)、BELS 5Star(予定)、ZEB認証(予定)

※「GLP 平塚Ⅲ」の施設概要
所在地:神奈川県平塚市大神
敷地面積:約1万3,600㎡
延床面積:約2万7,800㎡
構造:地上4階建、耐震鉄骨造
着工:2022年7月
竣工:2023年8月(予定)
認証取得:CASBEE A認証(予定)、BELS 5Star(予定)、ZEB認証(予定)

■(株)ビーイングホールディングス<6月17日>
傘下の(株)A2ロジが運営する「京都低温物流センター」が稼働、京都府での業務拡大に対応


 (株)ビーイングホールディングスは、京都府での業務拡大に伴い、傘下の(株) A2 ロジが運営する新センター「京都低温センター」が2022年6月20日付で稼働すると発表した。
 ビーイングホールディングスグループの物流拠点は2022年6月末日時点で57拠点(うち自社所有物流拠点は6拠点)となる。また、そのエリアは18都府県〔東北エリア(宮城、岩手、福島)、関東エリア(東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬)、中部エリア(石川、富山、福井、愛知、新潟、長野、静岡)、関西エリア(大阪、京都、滋賀)〕に及ぶとしている。

※「京都低温センター」の概要
所在地:京都府城陽市市辺茶臼山2-7

■(株)東京流通センター<6月20日>
「ロジクロス大阪交野」のPM業務を受託、累計受託物件数32物件・総延床面積110万㎡超に


 (株)東京流通センター(TRC)は、ロジクロス大阪交野のPM業務を受託した。
ロジクロス大阪交野は、三菱地所(株)が大阪府交野市星田北にて開発を進め、2022年11月に竣工を予定している地上4階建て延床面積約2万800㎡の冷凍・冷蔵機能を備えた物流施設。TRCは1967年の設立以来50年以上にわたり、東京都大田区平和島で大型物流施設の保有・運営管理を行ってきたが、これまで積み上げてきた物流施設の運営管理ノウハウを最大限に活かした多角的な展開を2017年から開始し、自社保有以外の物流施設のPM業務受託を進めている。現時点におけるPM業務の受託物件は合計32物件、総延床面積は約110万㎡。TRCは今後もノンアセットビジネス事業分野において、より積極的な事業展開を行っていくとしている。

■(株)ロジランド<6月20日>
関西エリア2棟目の「LOGI LAND 東大阪」が竣工


 (株)ロジランドは、大阪府東大阪市に建築していた物流施設「LOGI LAND 東大阪」が竣工したと発表した。
本物件は、地上4階建て延床面積約1万6,337㎡の物流施設。1棟貸倉庫として、SBSロジコム(株)に引き渡しされ、運用が開始されている。本物件は、阪神高速東大阪道「水走IC」から約2.1 km、IC及び東大阪トラックターミナルも近く、周辺には住宅地も多いため、従業員の雇用に有利で、物流拠点として優れた、希少性の高い立地となっている。
 本物件建設前は、敷地前面の道路の幅員がやや狭く、出入口も1か所のみと大型車の運用に懸念があったが、行政との協議を重ね、出入口の新設や道路拡幅等の整備されたことにより、幹線道路からの大型車のアクセスがスムーズな状態となっている。
 同社は、昨今大きな問題となっている建設コストの上昇や用地の高騰に対し、独自の発想と工夫により賃料上昇を抑えており、当初からのコンセプトの一つである、テナントに寄り添った使い勝手の良い物流施設を最適地・適正賃料で提供していくとしている。

※「LOGI LAND 東大阪」物件概要
所在地:大阪府東大阪市布市町1-33-2、36-1
延床面積:1万6,337.56㎡(4,942.11坪)
構造・規模:RCS 造、地上4階建
竣工:2022年6月15日

■(株)アルペン(株)<6月22日>
2024年初旬に国内最大規模の保管・出庫能力を備えた新倉庫「大口DC」稼働、最新マテハン導入などの物流DX促進で既存対比6割の省人化効果見込む


 スポーツ用品販売の(株)アルペンは、 迅速かつ効率的な供給ができる物流システムを構築するため、福玉(株)との協業により、愛知県大口町に4万3,000㎡の大型倉庫「大口ディストリビューションセンター(大口DC)」を2024年初旬に稼働させると発表した。
 大口DCには、村田機械(株)の国内最大規模の搬送機器「シャトル型自動倉庫」と、省スペースで高能力を実現した仕分け機「クロスベルトソーター」を導入する。これら最新マテハンの導入により、アルペンでは物流業務削減の省人化効果について既存対比6割を見込む。
 アルペンは、アパレル、シューズ、小物(フィットネス用品やサポーターなど)、大物(キャンプ用品やゴルフキャディバッグなど)と、非常に幅広いカテゴリの商品を取り扱っており、それら商品を効率良く仕分けて店舗に配送するには様々な課題があったという。このため大口DCでは、カテゴリ別に物流網を再整理し、効率的で無駄がなく、変化に柔軟に対応できる強固な物流網を構築するという新たな物流戦略を立案し、実行するとしている。
 アルペンは、その第1弾として、2021 年に大物、小物カテゴリの専用倉庫「小牧ディストリビューションセンター(小牧DC)」を開設。小物倉庫では日本初導入となる3Dロボット倉庫システム 「ALPHABOT」(村田機械製)を2021年11月から稼働させており、効率的で柔軟性に富んだ強固な物流網構築を進めている。今回のアパレル、シューズカテゴリの専用倉庫となる大口DCの新設はその第2弾となるもので、大規模なマテハン設備を導入し、2024 年初旬の稼働を目指す。アパレルとシューズを一つの拠点に集約し、投資を集中することで、高いコスト効率と投資効果を見込んでおり、これら物流戦略の実践により、①店舗までの供給リードタイムの大幅短縮化、②売場/ブランド別梱包納品による店舗品出しまでの作業簡素化、③出荷物量コントロールによる庫内作業人数および配送の最適化――の3点が実現できるとしている。今後も多品種、小ロット化、EC の需要増を含め、顧客の多様化するニーズに継続的に対応するため、物流への積極的な投資を行っていく方針だ。
 アパレル、シューズは売上構成比が高く、特に物流量、保管量のボリュームが大きい商品群。圧倒的な品揃えのアイテム群から、オーダー商品を迅速にピッキングし、スムーズに出荷先別に仕分けるために導入するのが村田機械製の「シャトル型自動倉庫」と「クロスベルトソーター」だ。大口DCでは、1階に設置するシャトル型自動倉庫と、3階に設置するクロスベルトソーターを、自動倉庫の入出庫装置で直結させる。これにより自動倉庫からの商品の出庫、オーダー商品のピッキングとソーターへの投入、ソーターでのオーダー別仕分けまで一連の工程がシームレスにつながり、従来の手作業によるオーダー商品のピッキング・仕分けに比べ、探さない・歩かない・運ばないオペレーションが可能。出荷ケースの自動製函機や自動封緘機、自動サイズ計量器などの機器も導入するとしており、自動化レベルの高いラインを構築し、約60%の作業工数削減を実現する。
 今回大口DCで導入するシャトル型自動倉庫は、保管棚の各段を走行する搬送台車が商品ケースを搬送し、入出庫装置を経由してピッキングステーションに届ける機器。各段に搬送台車があるため、時間当たりの入出庫能力が高いのが特長だ。一定範囲内の荷姿であれば自動移載できるフリーサイズ対応でもあるため、様々な商品ケースに柔軟に対応することも可能。今回は棚一間口に奥行 2列で商品ケースを保管できる最新型のダブルディープタイプを採用しており、アルペンが扱う多様な商品アイテムを高密度に保管できる。大口DCのシャトル型自動倉庫は全長100m超で、シャトル型自動倉庫としては国内最大級の約10万ケースの保管可能となる。一方、クロスベルトソーターは、水平方向の移載にベルトコンベヤを使用した自動仕分け装置。様々な荷姿を安定して仕分けられるため、高速運用が可能で、時間当たりの仕分け能力が高い。
 国内最高クラスの出荷能力のマテハン設備導入をコンパクトなスペースで実現した大口DCは将来のマテハン機器のさらなる増設も容易な計画で、アルペンでは新物流戦略を中長期で支える物流センターとしていく方針だ。

※「大口DC」で導入する主なマテハンの概要
〇シャトル型自動倉庫<7系列、棚総数8,328棚>
搬送台車:84台
保管能力:4万9,488~9万9,456ケース
〇クロスベルトソーター<全長364m>
投入ステーション:36か所
仕分け間口:404間口

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