■物流施設 投資関連情報2022版<4.28~5.4>

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<2022年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■(株)アスコット<4月28日>
⇒仙台市宮城野区で「ラストワンマイル」の一端を担う物流施設用地を取得、物流施設開発の第2号案件として


 (株)アスコットは2022年4月28日、2021年に新規参入した物流施設開発事業の第2号案件として、仙台市宮城野区の土地を物流施設開発用地として取得する契約を締結した。同社では、創業以来20年以上にわたるマンション開発で培った技術・デザインを組み込み、住宅地や都市部に親和性のある先進的な物流倉庫を開発する。着工は2023年春、竣工は2024年夏となる予定だ。
 本用地は、仙台市中心部まで車で約15分(約6.6km)の距離に位置し、中心部を横断する国道45号線に至近なほか、縦断する国道4号線にも近いため、仙台市内全域をカバーすることが可能。エンドユーザーへのラストワンマイルを担う立地に適する。仙台東部道路の「仙台東IC」や「仙台港IC」からそれぞれ約3.5kmと近接し、東北自動車道へもアクセス可能なことから、関東地方や東北各県への広域配送拠点としての交通利便性にも優れる。東北唯一の国際拠点港湾である仙台塩釜港からも約10kmという立地を活かし、海上輸送にも対応可能だ。
 物流事業者の「ラストワンマイル」の一端を担う中小規模の物流拠点は、郊外の大きな物流施設とのハブとしての役割を果たす。消費者居住地に近いエリアに物流施設を設けることで物流のリードタイム短縮、CO2排出抑制により環境保全に貢献する。また、近隣での雇用創出に加え、ドライバーの労働環境を改善など、様々な角度から社会貢献を実現する。
 同社の物流施設「Apls」は、様々な社会問題に対して物流という観点から貢献しながら、生産者、労働者、消費者にとっての「要衝(Prime)」となる物流施設の開発を目指している。2021年に創設した不動産投資事業本部は、1999年のアスコット創業以来20年以上にわたり培ってきたデザイン性と品質に優れた物件開発力(グッドデザイン賞通算14度受賞)、および強固なネットワークを活用した新規事業部門。同社は今後、新たな成長戦略の重要な柱の一つとして、物流施設開発やオフィス開発・バリューアップを中心に事業を推進する。
 ECの急速な普及で宅配需要が爆発的に増加し、特に生活居住空間に近いエリアにおける「ラストワンマイル」の物流網強化が物流事業各社にとっては喫緊の課題となっている。1970年代に建てられた多くの倉庫の老朽化も進んでおり、更新期が迫っている。こうした中、同社では、使い手の立場に立ったものづくりを重視し、東京・大阪・名古屋・福岡・仙台などの大都市圏で「ラストワンマイル」の一端を担う物流施設の開発を展開していく。

■佐川急便(株)<5月1日>
⇒規模を拡大して「横浜緑営業所」を移転、個人宅向け荷物専用仕分けスペース設置で増加するEC需要に対応


 SGホールディングスグループの佐川急便(株)は、神奈川県横浜市に「横浜緑営業所」を移転し、5月1日より業務を開始した。
本施設は、同グループにおいて不動産事業を展開するSGリアルティ(株)が町に調和した都市型配送センターとして竣工したもの。移転後の横浜緑営業所は、増加するEC需要への対応として、個人宅向け荷物専用の仕分けスペースを設置し、安定した高品質な配送サービスを提供する。移転前より施設規模を拡大し、出入庫する車両の導線を整備することで業務効率化を実現するほか、従業員の労働環境改善にも寄与する。
本施設については、佐川急便とこれまで多数の物流施設を手掛けたSGリアルティが共同し、「ひと・まち・想いのながれを生み出し企業と地域をつなぐ配送センター」とのコンセプトのもと、周辺環境との調和、地域の景観維持や建物の反射光に配慮した施設開発を行ったという。エントランスには、来店客や従業員が木のぬくもりややすらぎを感じられるようにするため、佐川林業(株)が保有する国産杉材を使用し、脱炭素社会の実現に向けて取り組むSGホールディングスグループの姿勢を表現した。佐川急便およびSGリアルティは、今後も効果的な施設展開を行うことにより顧客満足度の向上、従業員の労働環境の改善、環境負荷低減に貢献するとしている。

※「横浜緑営業所」の概要
所在地:神奈川県横浜市瀬谷区目黒町35-1
集配区域:神奈川県横浜市(青葉区・緑区・都筑区一部地域)
営業所面積:1万260㎡(3,104坪)
従業員数:273人
車両台数:253台(軽車両含む)

■(株)shoichi<5月1日>
⇒アパレル商品在庫の取引数量増加により奈良県天理市の物流倉庫を増床


 (株)shoichiは、取引数量増加により奈良県天理市に400坪の物流倉庫を増床した。
同社は、主にアパレル商品の在庫処分サービスを全国的に展開しており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年には在庫買取依頼が3倍になった月もあったという。新型コロナ禍でのピークは過ぎたが、消費マインドは減退傾向にあり、在庫買取依頼はコロナ以前に比べて多い状態が継続している。同社はオフシーズン商品の在庫も抱えており、今後も倉庫増床を積極的に行っていく計画だ。
 同社では、日本国内の余剰在庫となった商品を買い取り、2次流通を行っている。買い取った在庫商品は、海外輸出、海外・国内の直営店、国内での卸、直営ECなど、クライアントの要望に応じて様々な販路で再販売している。また、国内余剰在庫の廃棄ゼロを目指しながら、東南アジアの子どもたちを支援する「TASUKEAI 0 PROJECT」も運営している。

■(株)シーアールイー<5月2日>
⇒物流施設「ロジスクエア松戸」を着工、大型車14台が同時接車可能なトラックバース設置予定


 (株)シーアールイーは、千葉県松戸市松飛台の松飛台工業団地内で開発を進める物流施設「ロジスクエア松戸」の建設工事に着手した。竣工は 2023年5月末の予定。  本計画予定地は、都心部から約 20km圏内で首都圏の大消費地への配送に加え、東京外環自動車「松戸IC」より約7.7km、「市川北IC」より約7kmと高速道路へのアクセスも良好。従業員確保についても、北総鉄道北総線「松飛台駅」から徒歩圏(約900m)であり、同工業団地周辺に住宅が密集していることから、優位性を備える。
 本施設は、地上4階建て、延床面積1万5,641.68㎡(4,732坪)の物流施設として開発される。トラックバースは計14台の大型車が同時接車可能で、 倉庫部分の基本スペックとしては、外壁に金属断熱サンドイッチパネルを採用するほか、床荷重は1階が2.0t/㎡、2~4階が1.5t/㎡ (各階 2.5tフォークリフト対応が可能)、有効高さは各階5.5m以上を確保する計画。 テナント区画は2分割での入居が可能な設計で、最小約1,870坪からの利用が可能となっている。昇降設備については、荷物用エレベーター(積載荷重4.1t、60m/分)を2基実装し、倉庫各階およびトラックヤードからも直接荷物の出し入れが行える仕様だ。トラックヤードには大庇を設け、雨天時も入出庫オペレーションがしやすい環境とする。垂直搬送機2基、ドックレベラーを2基実装する計画で、将来的に垂直搬送機の2基増設も可能。庫内空調設備設置の際の配管ルートや室外機置場等の確保等、入居テナントの将来ニーズにも一定の対応ができる仕様とし、様々な物流ニーズに対応し得る機能性・汎用性を兼ね備えた同社基本スペックを満足する計画となっている。
 環境対策としては、全館LED照明、人感センサー、節水型衛生器具を採用し、環境や省エネルギーに配慮した施設計画とし、BELS 評価、CASBEE-建築(新築)の認証を取得する予定。太陽光発電システムも導入し、自家消費するほか、(株)エンバイオ C・エナジーから再生可能エネルギーを調達することで、本施設使用電力を全て100%グリーン電力とする計画だ。また、発電した電力の一部を施設内に蓄電し、停電時に非常用電力として使用できる蓄電池システムの導入も計画しており、入居テナントのBCP(事業継続計画)策定にも貢献するとしている。

※「ロジスクエア松戸」開発プロジェクトの概要
所在地:千葉県松戸市松飛台
敷地面積:7,645.32 ㎡(2,312.70 坪)
用途地域:工業専用地域
主要用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
構造規模:鉄骨造・地上4階建て
延床面積:1万5,641.68 ㎡(4,731.60 坪)
着工:2022年5月1日
竣工:2023年5月31日(予定)

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