<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■東洋埠頭(株)<11月6日>
茨城県那珂郡東海村の常陸那珂事業所構内の新倉庫が完成/天井クレーン装備で重量物物流に対応可能、荷主の物流効率化やサプライチェーン全体の付加価値向上に寄与
東洋埠頭(株)は、茨城県那珂郡東海村の常陸那珂事業所構内で建設を進めていた天井クレーン付き普通倉庫が完成したと発表した。
同事業所が位置する「茨城港」(常陸那珂港区)は近年、茨城県内はもちろん北関東や南東北の国際流通拠点としての活用が進んでいる。同社は1999年に同地に進出し、荷主の物流ニーズに対応した物流ソリューションの提供に努めてきた実績がある。今回完成した新倉庫は複数の天井クレーンを備え、重量物物流に対応可能。天井にはシーリングファンも設置されており、品質管理や作業環境にも配慮した設備となっている。
同社グループは、経営3カ年計画(Fly to the Next 2025)に基づき積極的に事業投資を進めており、今回の新倉庫完成で荷主の物流効率化やサプライチェーン全体の付加価値向上にこれまで以上に寄与できるとしている。
※新倉庫の施設概要
用途:天井クレーン付き普通倉庫
倉庫面積:4,980㎡(約1,500坪)
仕様:平屋建て、鉄骨造
設備:天井クレーン 定格荷重 25t 2基、15t 1基(将来15tクレーン1基増設予定)
■(株)レンタルのニッケン<11月10日>
神奈川県厚木市に物流施設「厚木物流センター」を開設/「NDC国分寺」を新物流施設内に移転して「NDC厚木」としてオープン、物流機能の強化と拠点集約による業務効率化を実現
(株)レンタルのニッケンは11月4日、神奈川県厚木市に新たな物流施設「厚木物流センター」を開設するとともに、従来国分寺で「NDC(Nikken Digital Center)国分寺」を同施設内に移転し、名称を「NDC厚木」に変えてオープンした。
厚木物流センターは、物流機能の強化と拠点集約による業務効率化を目的として設立された新拠点。同社主力工種である建設関連分野の高所作業車やミニマシーン商品の再生・供給体制の強化を図るとともに、物流効率の向上と保管スペースの確保を実現する。同社はまた、2026年度の圏央道全線開通を見据え、厚木物流センターを、首都圏へのアクセス性向上と包括的な商品供給体制を整備するものとして活用する。
同社は、グループ会社の(株)N-LOGIパートナーズとの連携で物流センター構想を具現化しており、今後も商品の集中管理やワンストップでの品揃えと配車を可能とする体制構築を進める。
※「厚木物流センター」の施設概要
所在地:神奈川県厚木市上依知3025番
開設日:2025年11月4日
※「NDC厚木」の施設概要
所在地:神奈川県厚木市上依知3025番 3階
移転開設日:2025年11月4日(火)
■三井物産都市開発(株)<11月11日>
岡山県都窪郡早島町で開発中の物流施設「LOGIBASE岡山早島」が竣工/山陽自動車道「早島IC」至近で西日本への広域配送拠点に最適、テナント企業が11月から1棟利用
三井物産都市開発(株)は岡山県都窪郡早島町で開発を進めていた物流施設「LOGIBASE 岡山早島」が竣工したと発表した。
同施設の立地は、中四国エリアにおける結節点として近年注目を集める山陽自動車道「早島IC」から約3kmに位置し、西日本への広域配送拠点に適する。すでにテナント企業が決定しており、11月から1棟利用するという。
同社は今後も三井物産グループにおいて国内不動産開発事業を担い、企業活動ニーズに対応する物流施設適地を見定め、物流施設開発事業を推進する考え。
※「LOGIBASE岡山早島」の施設概要
所在地:岡山県都窪郡早島町矢尾815
敷地面積:9,388㎡(2,840坪)
延床面積:1万8,638㎡(5,638坪)
規模・構造:鉄骨造、地上4階建て
■(株)ギオン<11月12日>
埼玉県久喜市に大型物流拠点「久喜センター」を開設/大手食品卸の物流拠点として稼働開始、食品物流ネットワークの強化・拡大を実現
総合物流事業を手がける(株)ギオンは、埼玉県久喜市に大規模物流拠点「久喜センター」を開設した。大手食品卸会社の物流センターとして11月8日に本格稼働し、主に食品(冷蔵・冷凍)の管理を担っている。
久喜センターは、温度・品質管理を徹底する同社の強みを活かした拠点で、食品物流ネットワークの強化・拡大を実現したもの。新たな雇用も創出しており、地域経済の発展にも寄与している。
※「久喜センター」の施設概要
所在地:埼玉県久喜市西大輪宇原215-4
稼働開始:2025年11月8日店着分より
取扱品:食品 (チルド帯〔5〜10℃〕、フローズン帯〔-23℃〕)
■東邦ホールディングス(株)<11月12日>
愛知県小牧市と宮城県仙台市での物流拠点新設計画を発表/医療用医薬品等の高機能物流拠点としての役割見込む、迅速・安定的な医薬品供給体制の構築へ
東邦ホールディングス(株)は、東海エリアにおける医療用医薬品等の高機能な物流拠点として、愛知県小牧市に「TBC東海」を構築するほか、東北エリアにも物流拠点を新設すると発表した。
○物流センター新設の背景と目的
同社グループは、昨今の創薬モダリティの多様化と医薬品の需要増加に持続的に対応し、物流ネットワークをさらなる強靭化を図るため、今回、TBC東海の新設を決定した。既存の「TBCダイナベース」および「TBC阪神」と連携し、供給エリアと供給量の再編を図ることで、東名阪の3大都市圏における医薬品の迅速かつ安定的な供給体制をより盤石なものとする方針。同時に、営業所を含めた物流網の最適化により営業所の在庫や配送業務等の負担を大幅に軽減するほか、商物分離をさらに進め、営業担当者がより医療現場での情報提供に注力できる環境を整える。TBC東海の稼働は営業と物流の抜本的な改革を達成するもので、医薬品卸売事業の競争優位性の確立に直結するものと同社ではしている。
東北地方にも物流拠点の新設を構想しており、全国の主要都市圏に物流拠点を配置することで、より強靭な医薬品供給体制を構築する。
○ 「TBC 東海」の特徴
① 徹底した省人化とハイスペックな処理能力を両立させた次世代型物流センター
長年の自動化技術のノウハウを結集し、柔軟性・拡張性・冗長性の高い XY シャトルシステムを自動倉庫に導入。コンベヤ設備を大幅に削減した自動搬送ロボットによる柔軟なシステムを構築することで、出荷処理能力と生産性を飛躍的に向上させる。また、高い出荷精度と完全得意先別パッキングの荷姿とすることで配送担当者の付帯業務を低減し、配送の最適化を実現する。
②メーカー物流倉庫と卸物流倉庫を併設した複合型物流センター
メーカーと卸間の輸送プロセス省略による輸送コストと時間の大幅削減およびサプライチェーン全体の在庫適正化に加え、再生医療等製品などのスペシャリティ医薬品の移動時の品質リスクを解消する効率的で安心・安全な供給を実現する。
③BCP
現在建設中の基幹的広域防災拠点に隣接した立地を活かして、自治体や自衛隊との連携を視野に災害時の医薬品供給体制への寄与を目指す。また、全国の物流センター間でのシステム連携により、システムダウン時に即座にバックアップ機能が作動する冗長性の高い物流ネットワークを構築する。
④サステナビリティ経営への取り組み
自家消費型太陽光発電やEV車両・EV充電スタンドの導入、およびEMS・省エネ制御機能を備えた総合監視盤による空調・照明の一元制御により、設備全体の省エネを推進する。さらに、自動倉庫への回生コンバータの採用や、自動搬送ロボットといったバッテリー式搬送機の導入により、駆動時の電力消費を大幅に削減する。
○東北における物流拠点の新設
今後の医薬品等の取扱高伸長への対応や、現在取り組みを推進している営業、物流体制の質的向上・強化による生産性向上のため、東北に新たな物流拠点を新設する。
※「TBC東海」の施設概要
所在地:愛知県小牧市多気中町391-1
延床面積:7,840坪(2万5,875㎡)
設備投資額:総額約50億円(概算)
竣工時期:2027年2月
稼働時期:2027年度内
取扱品目数:25,000品目
取扱品目:医療用医薬品、検査薬、医療機器、再生医療等製品、医療材料等
カバーエリア:愛知、静岡、岐阜、滋賀、三重、長野
※「東北物流センター」の施設概要
所在地:宮城県仙台市
主な機能:医薬品の保管、配送拠点
着工時期:2026年内予定
■シービーアールイー(株)<11月12日>
JR九州による鳥栖市曽根崎町での賃貸物流施設開発プロジェクトをサポート/開発用地調査・分析から開発計画立案、用地取得まで全面的に
シービーアールイー(株)(以下、CBRE)は、JR九州が佐賀県鳥栖市曽根崎町で手掛ける賃貸物流施設開発プロジェクト「LOGI STATION 鳥栖Ⅰ」を全面的にサポートしたと発表した。
CBRE・福岡支店は、CBREグループのターナー&タウンゼント(株)と連携し、開発用地に関する詳細なマーケット調査・分析を実施。その結果に基づいて基本計画を策定し、不動産価値を最大化する開発計画を立案するとともに、鳥栖市曽根崎町における建築条件付開発用地の取得をサポートしたという。
同プロジェクトの開発地は、九州自動車道「鳥栖IC」から約2km、「小郡鳥栖南SIC」からも約1.5kmと近く、主要幹線道路である国道 3 号線沿いにも面しており、「鳥栖JCT」経由で九州全域への輸送が可能。広域物流拠点としての需要が見込まれるため、物流施設が集積するエリアとなっている。開発される物流施設は鉄骨造・地上2階建てで、その延床面積は約1万6,000㎡規模となる計画。2027年1月に竣工する予定だ。
なお、CBREによるJR九州の物流施設開発支援および関連する取引は今回が6件目。
※「LOGI STATION 鳥栖Ⅰ」プロジェクトの概要
事業会社:JR九州
所在地:佐賀県鳥栖市曽根崎町 1070
施設:賃貸型常温物流倉
敷地面積:1万5,733㎡(約4,759坪)
延床面積:1万6,253㎡(約4,916坪)
構造規模:鉄骨造 地上2階建て
竣工:2027 年 1 月(予定)
CBREサポート業務(予定を含む):用地取得(売買仲介)、PM(基本計画の策定、プロジェクトの全体管理等)、LM(賃貸仲介)
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

