<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■(株)ミスターサービス<10 月9日>
茨城県内初の同社運営拠点となる物流拠点「水戸センター」新設計画を発表/東日本エリアの配送体制と事業拡大を目指す、2026年1月から本格稼働の予定
(株)ミスターサービスは、茨城県水戸市に新たな物流拠点「水戸センター」を新設する。東日本エリアの配送体制強化と事業拡大を目指し、9月25日に着工し、2026年1月から本格稼働させる予定だ。
新拠点は、同社にとって茨城県内初の自社運営拠点。北関東自動車道や常磐自動車道への良好なアクセスを生かし、広域配送体制の中核拠点として機能させる方針だという。新拠点の構造は鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建てで、延床面積は約3,428.37㎡(約1,038.9坪)。商品の在庫・保管、ピッキング、梱包・出荷、返品処理などを主な機能とし、冷暖房設備を導入する予定だ。
新拠点設立の目的は3点。1点目はサービス品質と配送効率の向上で、既存の「笠間事業所」と連携した2拠点体制を構築し、在庫や人員を分散管理することにより、配送先により近い拠点からの出荷を実現し、リードタイム短縮と安定供給の両立を図る。
2点目は、戦略的物流の実践と事業拡大。同社として関東圏初の自社運営拠点として、物流オペレーションを一元管理し、現場の改善データを経営戦略に反映させる。これにより、物流コストの最適化とサービス品質の向上を追求し、事業拡大を推進する。
3点目は、地域経済の活性化と雇用創出。新拠点の稼働に伴い、正社員・パートを含む約40名を新規雇用する計画で、地域人材の活躍機会創出にも寄与する。
新拠点への投資規模は約5,000万円。同社はこの新拠点を足掛かりに東日本全域における顧客ニーズへの対応力強化とサービス品質向上をさらに進めていく。
※「水戸センター」の施設概要
所在地:茨城県水戸市谷津町細田1-1
建物構造:鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建て
敷地面積:約1,302.8坪
延床面積:約1,038.9坪
稼働予定日:2026年1月(予定)
導入設備:冷暖房
主な機能:商品の在庫・保管、ピッキング、梱包・出荷、返品処理など
投資規模:約5,000万円
想定雇用:約40名(正社員・パート含む)
■西濃運輸(株)<10月9日>
青森市内の新取得用地への「青森支店」新築移転計画を発表/輸送品質向上とO.P.P.拡大が目的、2026年10月末竣工の予定
西濃運輸(株)は、地方インフラ・輸送品質の維持向上と、オープン・パブリック・プラットホーム(O.P.P.)拡大を目的として、新たに取得した用地に「青森支店」を新築移転すると発表した。10月9日に新築地の地鎮祭を行っており、2026年10月末に竣工する予定となっている。
移転先は青森自動車道「青森中央IC」から約4kmの好立地に位置する。青森市街地へのアクセスに優れるため、移転後は青森県内のグループ物流ネットワークにおける重要拠点と位置付ける考え。
新施設のプラットホーム面積は現行1,122.0㎡の約2倍となる2,280.0㎡に大幅拡大される。これにより取り扱い物量の増加に対応できるほか、一度に接岸できるトラック台数の増台も図ることができるため、輸送効率・リードタイム向上が見込める。拡大したプラットホームは、同社が推進するO.P.P.において将来的に同業他社と共同使用することも想定されており、業界の課題解決にも積極的に取り組むとしている。
※新築移転「青森支店」の施設概要
所在地:青森県青森市大字野木字山口164-47
敷地面積:1万6,970.57㎡
延床面積:3,872.53㎡
構造:S造 平屋建て
施設機能:1階 両面ターミナルバース(76.0m×30.0m/トラック37台接岸可能)、洗車場、点検整備場を併設
■霞ヶ関キャピタル(株)<10月10日>
マレーシア現地法人がTHP Enstek DevelopmentとMOUを締結/ヌグリ・スンビラン州での冷凍冷蔵・常温倉庫の開発に関する共同事業化に向けた検討を進める
霞ヶ関キャピタル(株)は、マレーシア現地法人 KASUMIGASEKI CAPITAL (MALAYSIA) SDN. BHD.(以下、霞ヶ関キャピタルマレーシア)が同国のTHP Enstek Development Sdn. Bhd.(以下、THP Enstek Development)とヌグリ・スンビラン州での倉庫開発検討に向けた覚書(MOU)を9月29日に締結したと発表した。
今回のMOU締結により、両社は今後、ヌグリ・スンビラン州の産業団地「Techpark@Enstek」を対象地とした冷凍冷蔵倉庫および常温倉庫の開発に関する共同事業化に向けた検討を進める。
MOUの締結式は、9月29日に大阪・関西万博マレーシア・パビリオンで行われた。式典には、ヌグリ・スンビラン州のアミヌディン・ハルン州首相が立ち会った。ハルン州首相らはMOU締結後の10月3日、霞ヶ関キャピタルが日本国内で開発・運営する冷凍自動倉庫「LOGI FLAG TECH 所沢I」を視察。両社は視察を通じて、現地での開発に向けた技術や運営ノウハウの共有、および協業強化に向けた意見交換を行ったという。
霞ヶ関キャピタルマレーシアは今年3月に設立され、8月にはマレーシアにおける初めてのプロジェクトとして土地売買契約を締結し、賃貸型冷凍自動倉庫の開発に着手するなど、マレーシアでの物流事業を急速に展開している。霞ヶ関キャピタルは、日本国内で培った冷凍・冷蔵倉庫や冷凍自動倉庫の知見を最大限に活かし、成長著しいマレーシア市場のニーズに応じた最適な倉庫開発を推進することで、ASEAN域内での物流事業を拡大していく方針だ。
■トラスコ中山(株)<10月10日>
新潟県三条市で建設中の新物流センター「プラネット新潟」の上棟式を実施/東日本エリアの即納体制を強化、2026年10月の全面稼働を目指す
トラスコ中山(株)は、新潟県三条市で建設中の新物流センター「プラネット新潟」の上棟式を実施したと発表した。新センターは、ホームセンター向けの売上拡大に伴い、既存物流センターの在庫保管能力・出荷能力の限界に達しつつあることから、東日本エリアでの即納体制を強化するために建設が決定されたもので、2026年3月末の建屋竣工、同年8月のホームセンタールート向け出荷開始、同年10月の全面稼働(ファクトリールート向け出荷開始)を目指す。
新センターは上越新幹線「燕三条駅」から車で15分(7km)の距離に位置し、敷地面積は7,956坪(2万6,300㎡)。延床面積は1万4,622坪(4万8,338m²)に及ぶ。建屋は倉庫4階、事務所3階の複合構造(柱RC 梁S構造)で、免震構造と消雪装置が設置される。
倉庫能力は、保管点数が16万アイテム、1日あたり出荷行数が3.5万行となる計画。新センター建設に伴う投資総額は、土地・建物約168億円、設備約14億円の合計約182億円に達するものと見られる。建屋は2024年8月に着工しており、稼働開始はホームセンタールート向けが2026年8月、ファクトリールート向けが2026年10月となる予定。また、現在「HC東日本物流センター」に併設されている「新潟支店」も、新センター開設に合わせて移転する計画だ。
※「プラネット新潟」の施設概要
所在地:新潟県三条市福島新田字松橋下丁431-2
敷地面積:7,956坪(26,300 ㎡)
延床面積:1万4,622坪(4万8,338 ㎡)※東京ドーム約1個分
建物構造:複合構造(柱RC 梁 S 構造)、免震構造 、消雪装置
階数:倉庫4階、事務所3階
能力:保管点数 16万アイテム、出荷行数 3.5万行/日
建屋着工:2024年8月
建屋竣工:2026年3月末(予定)
出荷開始:ホームセンタールート向け 2026年8月(予定)、ファクトリールート向け 2026年10月(予定)
投資総額:土地・建物:約168億円、設備:約14億円
■大和ハウス工業(株)<10月15日>
埼玉県加須市の加須川口工業団地内で大型マルチテナント型物流施設「DPL加須」建設に着手/第4類引火性液体に対応する危険物倉庫併設により多様なテナントニーズに対応
大和ハウス工業(株)は、埼玉県加須市の加須川口工業団地内で大型マルチテナント型物流施設「DPL加須」の建設に着手したと発表した。2027年12月15日に竣工し、翌12月16日からテナント入居を開始する予定だ。
同施設は、敷地面積5万1,095.57㎡(1万5,455.07坪)、延床面積12万1,135.75㎡(3万6,643.56坪)に及ぶ大規模施設。9万9,203.90㎡(3万9.18坪)の賃貸スペースを確保。1区画あたり約6,000㎡から利用できる仕様で、最大10テナントの入居を可能だという。
建物は地上5階建ての耐震構造(RC造+S造)を採用。倉庫内の床荷重は1.5t/㎡、梁下有効高さは5.5mに設定されている。
最大の特徴は、敷地内での危険物倉庫の併設。危険物倉庫はS造で建設され、延床面積を649㎡とする予定。消防法上の第4類(引火性液体:石油やアルコール、動植物油などの燃えやすい液体)に対応し、最大で指定数量の960倍まで危険物貯蔵が安全に行えることから、幅広い業種での利用を見込む。
屋上には太陽光発電システム(2,644.18kW)を設置する予定。BELS 5☆取得やNearly ZEB以上の基準の達成を目指すなど、建物の省エネ性能を最大限に高めるとともに、エネルギー消費量の削減を実現する。さらに節水器具や加温自動水栓、全館LED照明、全熱交換器を採用するなど、環境負荷低減に配慮した装備も徹底する計画だ。
※「DPL加須」の施設概要
所在地:埼玉県加須市川口4-13
敷地面積:5万1,095.57㎡(1万5,456.41坪)
延床面積:12万1,135.75㎡ (3万6,643.56坪)
賃貸面積:9万9,203.90㎡ (3万9.18坪)
入居テナント数:最大テナント10社 (1区画約6,000㎡~入居可能)
構造・規模:RC造+S造(危険物倉庫はS造)、耐震構造、地上5階建て
床荷重:1.5t/㎡
梁下有効高さ:5.5m
建物用途:マルチテナント型物流施設
着工日:2025年9月16日
竣工予定日:2027年12月15日
入居予定日:2027年12月16日
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。