(株)ZOZOは、同社最大規模の新物流拠点「ZOZOBASEつくば3」が2023年11月1日に本格稼働したと発表した。同拠点は、今後の商品取扱高の成長を見据えて開設した5つ目の物流拠点で、商品の入荷・保管・出荷機能を有する。2023年2月の竣工後、工事等を経て、8月より保管・出荷機能を順次稼働開始し、11月1日に入荷を含む全機能が稼働開始した。出荷能力は、最大で1時間あたり1万件を見込んでいるという。
アイテムごとに形状が異なり、かつ小ロットで多品種という商品の特性をもつ同社では、物流拠点の自動化は難しいとされていた。しかし、ZOZOBASEつくば3では、将来的な人口減少への対応として既存拠点の約4倍の設備投資を行い、自動化を推進。結果、国内初導入の自動仕分けシステム「Pocket Sorter」をはじめとする機器を用いたオペレーションにより、既存拠点と比較して約30%の省人化に成功したという。
なお、延床面積や設備能力は同社内における最大規模で、今回の本格稼働開始により、在庫保管可能点数はZOZOBASE5拠点全体の約1.3倍となる見込みだ。
同社は今後も、ZOZOBASEの安定稼働とさらなる効率化を追求し、企業理念「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」の実現を目指していくとしている。
①オペレーションの主な自動化ポイント
(1)入荷した商品を種類別に仕分ける作業を「t-Sort」で自動化
ブランド企業から入荷した商品の保管先ごとに自動仕分けを実施。ZOZOBASEつくば3内に約500基設置しており、1時間あたり約3万2,000点の仕分け処理が可能。
(2)注文された商品の発送順立て管理を「シャトル&サーバ」で自動化
注文が入った商品の一時保管と、発送の優先度を踏まえた順立てを、システムの導入により自動化。約5,000コンテナ(8万5,000点)の商品の保管が可能で、1時間あたり約2,100コンテナ(3万5,000点)の商品の入出荷が可能。
(3)複数注文された商品を注文別に仕分ける作業を「Pocket Sorter」で自動化
レールから吊り下げられたポケットに、注文が入った商品を1点ずつランダムに投入すると、顧客の注文ごとに商品の自動仕分けを実施。複数点注文の場合のみに使用。レールの総延長は約7kmあり、ポケットの総数は約2万6,000で、1時間あたり1万5,000点の仕分けが可能。国内初の導入事例だ。
②デザイン性が高く快適な、2つの休憩室
1Fはデ二ム、プレイド(格子)をテーマに、スタッフが快適に過ごせるよう休憩室を完備。ZOZOUSEDの破棄商材を休憩室内のアート等に使用している。
※「ZOZOBASEつくば3」の施設概要
所在地:茨城県つくば市御幸が丘34
延床面積:約13万7,000㎡(賃借エリア)
階数:地上5階建て
着工:2021年9月
竣工:2023年2月
本格稼働:2023年11月
使用電力:東京電力エナジーパートナー(株)グリーンベーシックプラン
電力種類:再生可能エネルギー由来の電力を100%導入(太陽光・バイオマス由来ほか)
休憩室:(株)乃村工藝社(企画・デザイン・設計・施工)