
クラシエ薬品(株)は、福岡県小郡市に九州エリア初の物流拠点「九州配送センター」を開設し、10月1日に稼働させた。
近年、医薬品物流では物流2024 年問題に代表される輸送インフラの課題や、自然災害への備えとしてのBCPの重要性が高まっている。同社はこれまで埼玉県と大阪府にマザーセンターを構え、九州エリア(山口県含む)は「関西配送センター」(大阪府大阪市)から製品を配送していたが、関西・九州間の長距離配送を回避するため、今回新たに九州配送センターを開設したものだ。九州配送センターの開設の目的を整理すると、①配送距離短縮によるリスクの軽減(対象エリアにおいて配送センターから各販売拠点までの配送距離を短縮することで、長距離配送に伴うドライバー不足等の課題に対応)、②物流BCPの強化(物流拠点を増やすことで、万が一大規模な自然災害が発生した際にもリスクを分散できる体制 を整え、災害に強く、安定したサプライチェーンの構築を目指す)、③将来的な物流量増加への対応(在庫保管スペースを増やすことで、物流量の変動にも柔軟に対応できる体制を整える)、④共同配送による配送の効率化およびCO2排出量の削減(他の直販メーカー各社との共同配送により、配送の効率化を図るとともに、環境負荷の低減にも つなげる)―の4点が挙げられる。なお、同社は九州配送センター開設を機に、漢方薬の安定供給をさらに強固なものとする方針だ。
※「KRD-Logisthics 福岡小郡」の施設概要
所在地 :福岡県小郡市山隈字向浦83-11
延床面積:7,774 坪 (うち使用スペース486坪)
構造 鉄骨造:3階建て
配送エリア:山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、 大分県、宮崎県、鹿児島県(沖縄県は除く)