
(株)メディパルホールディングス子会社の(株)メディセオは、兵庫県加東市で建設を進めていた「メディカル流通センター神戸(MRC神戸)」が竣工したと発表した。MRC神戸は、西日本に製造拠点のある製薬企業から委託された商品の受注・保管・管理・出荷などの物流業務(以下、メーカー物流)を担う物流センターで、設備投資額は約64億円となる予定だ。
メーカー物流を担うMRC神戸は、既に稼働している「MRC東京」「MRC中国」に続く3カ所目のMRC。MRC神戸は、2024年1月まで稼働していた「西日本物流センター」をフルリノベーションしたものだ。GDPガイドラインに準拠した高水準の物流機能に加え、多くの省力化・省人化設備を備えており、環境に配慮したグリーンロジスティクスへの対応のほか、サステナビリティ推進にも万全を期す体制が整った格好。メディセオでは、これらのMRCと、顧客の発注による商品の出庫・納品までの配送流通を担う全国13カ所に設置された「ALC」をシームレスに結ぶことにより、製薬企業から最終需要者までのサプライチェーン全体の最適化を図り、医療と患者へのさらなる貢献に努めていくとしている。
〇同施設の特徴
① GDPガイドラインに準拠した高水準の物流機能
GDPガイドラインに準拠し、各メーカー様の手順に対応したSOP(標準作業手順書)を整備し、温度管理、偽薬対策、衛生管理など適切な保管・管理を行う。
② 省人・省力化
将来の労働人口減少に備え、大幅な自動化設備の導入を進めている。重量物の出庫には、ロボットによる自動出庫や作業員の負担軽減を目的としたバランサーを導入。さらに、センター内の搬送は無人搬送車(AGV)や高速パレット搬送台車を導入することで、センター全体での省人化・省力化を実現している。
③ グリーンロジスティクス(SDGs)
保管・輸配送の共同化による輸送車両の効率化を実現することで、温室効果ガス排出量の削減と環境負荷の軽減を目指す。また、入荷予約管理システムの導入により、入荷時のトラック待機時間を短縮し、スムーズな物流オペレーションを実現する。
④ サステナビリティ推進に万全を期す体制を整備
MRC神戸は全ての保管温度帯に対応するとともに自家発電設備・瞬時電圧低下補償装置による安定稼働、免震装置(ミューソレーター)による商品落下・破損防止など、災害発生時にも「止まらない物流」を実現するため、万全の体制構築に努めている。
※「メディカル流通センター神戸」の施設概要
所在地:兵庫県加東市南山6-6-2
敷地面積:3万981㎡(9,340坪)
建築面積:1万5,029㎡(4,546坪)
延床面積:4万4,585㎡(1万3,487坪)
構造:鉄骨造(耐震構造)、地上3階建て
稼働開始:2025年10月中旬
設備投資予定額:総額 約64億円(建物、設備、機器等)