関西ペイント(株)は、愛知県春日井市に調色工場や販売、倉庫・物流の3部門で構成される新拠点「関西ペイント株式会社愛知ステーション」の建設に着手する。
同社は、2022年4月にスタートした第17次中期経営計画でサプライチェーン刷新を重点施策の一つとして掲げており、これまでこの構想を進めてきている。また、2025年4月からスタートする第18次中期経営計画の重点方針の一つに「構造改革による収益性と効率性の強化」を掲げ、環境循環性と経済性の双方を向上させるサプライチェーンの刷新を進めており、新拠点建設はその具体的なアクションの一つ。 塗料需要が大きい中部地区で製造・販売・物流を統合するとともに、自動化による生産効率のアップと現場従業員の負担軽減、さらには在庫集約・共同配送によって事業競争力の強化を図るとしている。
顧客が求める色は無限にあり、調色工場には顧客の求める色や機能を作り出すカスタマイズ対応力が必要。顧客により近い場所で、必要な種類と量の塗料を効率的に製造し、素早く配送することが求められている。また、調色工場には事業性とサステナビリティ性の両立が求められており、今回の新拠点建設は中部地区における競争力の大幅な向上を目指した戦略投資と位置付けられている。
〇施設計画概要
①サステナブルなものづく
新拠点では、省人化したスマートファクトリーを目指す。最新鋭設備導入により、調色時間を大幅に短縮。年間70tの産業廃棄物が削減可能となり、サステナブルなものづくりを実現する。
②物流拠点としての機能
新拠点は、東名高速道路「春日井IC」を降りた国道19号線沿いにあり、中部地区最大需要地の名古屋市まで30分という好立地で、西日本・東日本への配送に優れた物流拠点。東西物流の中間地点に位置しており、近年、社会課題となっている物流問題にも対応できる。
③BCP対策
最新設備導入により、工場内の溶剤臭の揮散を最小化した働きやすい作業環境を実現。沿岸部から遠くに立地し、地盤も強固なため、BCP対策も万全。
④集客力アップと塗装店の技術向上
新拠点は70名規模のプレゼンルーム・大型塗装ブースが完備されており、自動車補修・建築・防食・工業分野の全ての顧客を迎えることのできるオープンな施設。関係各社で定期的に開催するプレゼンテーションや塗装デモを新拠点だけで完結することができ、関西ペイントの最新塗料に触れられる場として、また塗装技術の研修等が実施できる場として活用する。
※「関西ペイント株式会社愛知ステーション」の施設概要
所在地:愛知県春日井市大泉寺町
敷地面積:1万3,600㎡
施設構成:調色工場部門、販売部門、倉庫・物流部門
着工:2025年1月
竣工:2026年3月予定
操業:2026年7月予定
投資金額:約37億円