■(株)ビームス⇒同社最大の物流拠点「ビームス ウエアステーション」を拡張移転、9月下旬から全面稼働/世界初となるリニアモーター式ロボットや自律型ケースハンドリングロボットなども導入、人手不足に対応して自動化による省人化を進める

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 (株)ビームスは、同社最大の物流拠点「ビームス ウエアステーション」を、東京都江東区新砂から同区塩浜(深川地域)に拡張移転し、9月下旬から全面稼働させると発表した。
 同施設は、物流機能における入出荷を行うほか、自社ECサイト用の撮影スタジオやカスタマーサービスデスクなどの機能を備えており、延床面積は移転前の2倍程度(約9,000坪)に達する。拡張移転に伴い、江東区南砂町のサテライト機能も同拠点内に集約するとしており、全面稼働予定日の9月25日以降、同社物流は、ビームス ウエアステーションが東日本エリアを、「ビームス 関西ロジスティクスセンター」(大阪府交野市)が西日本エリアを主にカバーする体制になるという。
 ビームス ウエアステーションには、全面稼働に合わせて複数の先端自動化システムを新たに導入する。具体的には、世界初導入となるリニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」、自律型ケースハンドリングロボットシステム「HaiPick SYSTEM」などの稼働により、将来の国内労働市場を見据えた自動化による省人化を進める。
 ビームスグループは近年、アパレル、雑貨、家具、アートなどを扱う国内外約170店のセレクトショップ運営のほか、オリジナル商品の海外向け卸事業、企業・自治体とのBtoB(企業間取引)を伴う協業など、その業容を戦略的に広げている。今回のビームス ウエアステーション拡張移転と先端自動化システムの導入は、これら事業について物流面から今後の事業継続を図るものだとしている。
 CUEBUS(搬送タイプ)は、「タイル」と呼ばれるリニアモーター内臓のユニットを物流センター床面に置き、そのタイル上を移動する「トレイ」が商品を載せて搬送するもの。ビームスの新物流拠点では、CUEBUSを入荷工程に導入し、トレイを2枚同時に協調制御することで、これまで自動搬送が難しかった「Zラック」の搬送自動化が可能となったという。さらに、ロボットが搬送されるタイル上に自動検品ゲートを設置し、商品タグに取り付けられたRFIDタグを自動で読み取りすることで、検品を自動化し、作業効率向上を実現する。
 HaiPick SYSTEMは、物流業務の一連の流れである商品の入庫・保管・出庫を自動化するもので、高さ約4.7mのラック、自律型ケースハンドリングロボット(ACR)、「HAI PORT Workstation」のモジュールで構成されている。エリア内には57台のACRが稼働し、1台で複数のコンテナの入庫、または出庫に対応することが可能。新物流拠点では、HaiPick SYSTEMの導入により天井高を有効活用することで、多品種少量商品を効率的に保管するほか、HAI PORT WorkstationまでACRが商品を搬送するGTP方式を採用し、さらに次工程で自動仕分け可能なソーターシステムにつなげることで、店舗および自社EC顧客の仕分けを同時に行うことができるとしている。

※「ビームス ウエアステーション」の施設概要
所在地:東京都江東区塩浜1-2-8 DPL江東深川
延床面積:約9,000坪
全面稼働予定日:2024年9月25日
主な機能:入出荷、撮影スタジオ、カスタマーサービスデスクなど

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