コカ・コーラ ボトラーズジャパン(株)、(株)伊藤園/愛知県新城市を中心としたエリアでの物流協業(共同配送)を開始/実証実験から本格運用に移行、持続可能な物流体制構築へ

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 コカ・コーラ ボトラーズジャパン(株)と(株)伊藤園は8月、愛知県新城市を中心としたエリアでの物流協業(共同配送)を開始した。「物流2024年問題」への対応を背景に物流の生産性向上と社会課題解決を図るのが目的。両社は7月に同エリアでの共同配送の実証実験を行っていたが、1カ月を経て、その本格運用に移行した。

 今回の協業は、両社物流拠点から小売店舗への製品配送において、コカ・コーラボトラーズジャパンの物流パートナーが両社製品を混載して配送するもの。具体的には、①コカ・コーラ ボトラーズジャパンが委託する物流パートナーが、店舗配送後の復路で伊藤園・豊橋支店に立ち寄り、伊藤園の製品を積載、②コカ・コーラ ボトラーズジャパンの倉庫に移送して一時保管し、翌日以降に両社性差品を混載し、共通店舗に納品―する仕組みだ。各取引店舗での伝票については、物流パートナーが厳格に管理し、両社が触れることがないように、それぞれのルールに従って処理する。トラックとトラックドライバーをシェアすることで配送1便あたりの積載量増加と輸送距離最小化を図り、配送効率向上と環境負荷低減につなげる。

 伊藤園は、小売店等に製品を配送する際、管轄の支店を中心に自社製品やサービスを営業担当者が直接提供する「地域密着型営業(ルートセールス)」方式を採用している。ただ、流通・小売業界や物流業界が変化するなか、製品配送における取引先店舗間の移動距離が長距離化するケースが発生し、配送効率低下するとの課題があった。

 一方、コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、自社物流拠点から小売店等への製品配送を物流パートナーに依頼しているが、特定エリアにおいては、日によって積載量にバラつきがあり、積載率や配送効率が低下するとの課題があった。

 今回の共同配送の本格運用により、これら両社の物流課題は大幅に改善される見通し。このエリアの運用で得られた知見を生かし、両社は今後、他のエリアにも共同配送の取組を拡大する計画だ。 両社は引き続き非競争分野でのアライアンスを検討し、持続可能な地球環境の保全と企業価値向上の両立に加え、清涼飲料業界の発展に取り組むとしている。

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