日本通運(株)⇒東京発・北海道向けの医薬品海上輸送サービスを拡充/北海道に輸送する医薬品の取り扱いの1/3を海上輸送に切り替え、モーダルシフト加速で2024年問題に対応

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 NIPPON EXPRESSホールディングス(株)のグループ会社である日本通運(株)は、東京発、北海道向けの医薬品海上輸送サービスを拡充した。北海道向けに輸送する医薬品の取り扱いの3分の1を海上輸送(北海道航路:東京発苫小牧向け)に切り替える。モーダルシフトを加速し、2024年問題に対応した、さらなるサービスの安定供給と、CO₂排出量の低減に取り組む。

【背景】
 NXグループは、長期ビジョン実現のため、「持続的成長と企業価値向上のためのサステナビリティ経営の確立」を推進している。トラック中心の輸送形態から鉄道・船舶を利用した輸送形態へのモーダルシフトを積極的に進め、複数の輸送モードを組み合わせた柔軟なロジスティクスソリューションの提供と、ユーザーのCO₂排出量削減に貢献するサービスの創出に取り組んでいる。一方、物流業界では、4月から適用されたトラックドライバーの時間外労働規制強化に伴い、労働力不足に陥ることが予測されており、長距離トラック輸送の維持について大きな課題を抱えている。
 このような状況下、同社は、医薬品の安定供給と社会課題へのソリューションとして、東京発・北海道向け医薬品輸送の海上輸送サービスを拡充。医薬品輸送の選択肢を増やすとともに、トラックドライバーの拘束時間と運行距離を大幅に短縮する。また、環境負荷の少ない船舶輸送の採用で、CO₂排出量の削減にも貢献する。

【サービス概要】
 東京から北海道への医薬品輸送はこれまで、八戸港や青森港までトラック輸送し、そのままトラック(ドライバーも乗船)をフェリーを載せて苫小牧港や函館港に到着した後、同じドライバーがトラックで配達先まで輸送するのが一般的だった。新たに6月から開始したサービスでは、東京港から貨物を積んだトラックのみをRORO船に載せ(無人航送、製品の積み替えは不要)、苫小牧港で下船後、苫小牧支店の自社ドライバーが道内の輸配送を担当する。また、室温(15~25℃)と保冷(2~8℃)の2つの温度帯の輸送にも対応し、輸送中の温度、位置、物流ステータスなどのデータもタイムリーに提供することが可能だ。今後は、北海道向けに輸送する医薬品の取り扱いの3分の1を新サービスに切り替える。

【モーダルシフトによる効果】
・輸送の選択肢を増やすことで、医薬品の安定供給に貢献
 →悪天候などにより、高速道路や鉄道が使用できない場合のBCPとして活用可能
・トラックドライバーの負担軽減により労働環境を改善し、持続可能なサービスを提供
・これまでのトラック輸送サービスと比較して、CO₂排出量を60%以上削減

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