日本電気(株)は、複数企業の荷物を同一トラックで運ぶ共同輸配送の取り組みを容易かつ効率的に実現するため、デジタル技術を活用した共同利用型のサービスプラットフォームの運用実証を花王(株)、日通NECロジスティクス(株)、三井倉庫サプライチェーンソリューション(株)、横河電機㈱と2023年9月から2024年3月まで実施する。
ロジスティクス領域では、2024年4月からの働き方改革関連法の適用にともないトラックドライバー不足がさらに深刻度を増す「2024年問題」により、輸送リソースの減少が懸念されている。また、カーボンニュートラルの実現に向けた温室効果ガス排出量の削減が求められている。一方で、輸配送の小口化・多頻度化によりトラックの積載率は約40%にとどまっており、輸配送の効率化が課題となっている。
こうした課題を受け、企業間での共同輸配送の取り組みが一部で始まっているが、条件に合致する企業の探索や条件の調整、オペレーションの煩雑さなどが課題となっており、大規模な取り組みにまでは至っていない状況である。
同実証では、実証に参加する各社の物流データを日本電気(株)が開発中のサービスプラットフォーム「共同輸配送プラットフォーム」上で共有し、AIを活用した共同輸配送のグループ候補の自動抽出や、条件調整および最適化による運行計画の自動作成などを行い、デジタル技術の活用と輸送オペレーションの両面から運用上の課題点の抽出や検証を行う。
日本電気(株)および実証に参加する各社は、業種・業界を越えた共同輸配送の取り組みを拡大し輸配送網の維持・改善やカーボンニュートラルへの対応を推進することで、サステナブルなサプライチェーンの構築を目指す。
本実証の概要
日本電気(株)の「共同輸配送プラットフォーム」を活用し、本実証に参加する各社は、2023年9月から2024年3月にかけて日本全国を対象に共同輸配送プラットフォームの実証を実施する。
・各社の物流データをプラットフォーム上で共有、段階に応じて情報を開示
・共同輸配送を実施するグループ候補の自動抽出
・共同輸配送の運行計画の自動作成
・運行計画の条件調整および代替案の提示
・企業間での荷量見込の共有および共同輸配送の利用推奨
・共同輸配送を行う上での運用上の課題点の抽出および検証、実行効果の確認
・将来的なマルチモーダル輸送、中継輸送の可能性検討