<2026年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■(株)ニッカネ<3月19日>
新埼玉営業所と物流特化型施設「首都圏第一センター」による埼玉2拠点体制が軌道に/人手不足や幼児施設向け需要の急増に対応、物流DX導入で業務負荷軽減・精度ならびに作業速度の向上を実現
(株)ニッカネは、 2月に実施した埼玉営業所移転、ならびに旧埼玉営業所を物流特化型施設とした「首都圏第一センター」の稼働開始を経て、3月から新体制による供給業務を本格化させたと発表した。栃木県を中心に東日本全域で業務用食品卸を展開する同社は、深刻化する人手不足や幼児施設の急増に対応するため、営業と物流を分離した2拠点体制へ移行した。
首都圏では高齢化に伴う福祉施設需要の増加に加え、待機児童解消に向けた保育園や幼稚園の新設が進む。こうした環境下で、同社の幼児施設向け需要は従来の約5%から16.4%へと急伸した。栄養管理やアレルギー対応など高度な要件が求められるなか、従来の24時間稼働では対応に限界が生じていたことから、物流機能の強化が急務となっていた。
新体制では、物流DXを軸に「人にやさしい物流」を掲げ、作業効率と精度の向上を図る。冷凍・冷蔵庫内での滞在時間を最小限に抑える仕分けシステムや、最大6カ所の届け先を同時に集荷できるマルチカートシステムを導入し、スタッフの負担軽減と作業スピードの向上を実現した。さらに、バーコードリーダーによるデジタル検品を採用し、経験に依存しないミスの少ない作業環境を整えた。
旧埼玉営業所を物流専用施設として活用した点も特徴だ。長年勤務してきたパートスタッフの通勤負担を考慮し、地域に根ざした雇用を維持したまま供給能力を拡大した。これにより、首都圏全域に対する供給網は従来比で倍増し、福祉施設や幼児施設への安定供給体制が強化された。
同社は1975年の創業以来、1万アイテムを超える業務用食品を扱い、現在は売上378億円、従業員850名規模へ成長している。健康経営を軸に働き方改革も進めており、共働き世帯の増加や高齢化といった社会課題に対し、食品供給の面から貢献する姿勢を強める。新拠点の本格稼働により、首都圏の「食のインフラ」を支える企業としての役割を一段と高める構えだ。
■日本通運(株)<3月19日>
西川ゴム工業(株)の物流拠点再編支援で「NX広島観音LC」の運営業務を開始/物流拠点集約と導線最適化・WMSでの在庫可視化などで供給体制を強化、モーダルミックス活用で環境負荷も低減
日本通運(株)は、西川ゴム工業(株)の物流拠点再編を支援し、広島市の物流施設「DPL広島観音」内に設けた「NX広島観音LC」で1月6日から運営業務を開始した。3月9日には開所式を実施し、工場製品の保管・荷役から自動車OEM向け納入までの業務を同施設に集約。今後も作業・保管・輸送の効率化を進め、安定した供給体制の構築を目指す。
西川ゴム工業では、従来拠点の老朽化や周辺環境の変化に伴う運用制約に加え、人手不足や物流費の高騰が課題となっていた。日本通運はこれらの課題解決に向け、分散していた拠点を見直し、24時間稼働が可能な同施設への集約を提案してきた。
新拠点では、導線とレイアウトの最適化により荷扱い回数を削減し、運営の標準化を進めた。需要変動やイレギュラー対応に強いオペレーション体制を整えたほか、鉄道コンテナ輸送を含むモーダルミックスを推進し、生産拡大に合わせた供給継続性の向上と環境負荷低減の両立を図る。
新拠点は広島港や市中心部に近く、広島都市高速3号線「吉島IC」へのアクセスにも優れる。輸配送の機動力が高い立地に加え、床面高の確保など水害リスクを抑えた構造を採用し、災害時のBCP強化にも寄与する。
倉庫内にはセキュリティカメラを設置し、WMSによる在庫可視化やハンディターミナルによる作業実績の把握を進める。誤出荷や滞留の抑制、在庫管理の高度化、作業品質の平準化を図る仕組みも整える。将来的にはワンストップ体制の構築や自動倉庫の導入など、省人化と効率化をさらに推進する方針だ。
日本通運は今後、名古屋エリアでも拠点再編を予定しており、広域での安定供給体制の強化に取り組む。
■霞ヶ関キャピタル(株)<3月23日>
神奈川県愛甲郡で物流施設開発用地を取得/次世代型物流施設ブランド「LOGI FLAG」で冷凍自動倉庫の開発へ
霞ヶ関キャピタル(株)が神奈川県愛甲郡で物流施設開発用地を取得したと発表した。
同社は、2030年のフロン規制に向けた冷凍冷蔵倉庫の設備投資、冷凍食品の消費増加による冷凍冷蔵倉庫の需要拡大に加え、労働力不足、就業者の高齢化等の課題に対応するため、冷凍冷蔵倉庫および冷凍自動倉庫の開発を積極的に進めている。今回取得した開発用地では、同社次世代型物流施設ブランド「LOGI FLAG」で冷凍自動倉庫を開発する予定だ。
※当該物流施設開発用地の概要
所在地:神奈川県愛甲郡
予定用途:物流施設(冷凍自動倉庫)
敷地面積:約9,900㎡
■(株)ロジネットジャパン<3月23日>
(株)ロジネットジャパン九州が福岡県糟屋郡粕屋町で物流施設「LNJ福岡センター(仮称)」を着工/広域輸送と国際貨物の対応を強化、定温物流の需要増対応で温度管理エリアも整備
(株)ロジネットジャパンは、連結子会社の(株)ロジネットジャパン九州が4月1日に福岡県糟屋郡粕屋町で「LNJ福岡センター(仮称)」を着工すると発表した。九州エリアでの営業強化を進めてきたロジネットジャパングループが広域輸送網拡充と国際貨物対応力向上を目的に新たな物流拠点を整備する。
ロジネットジャパングループは2019年4月に福岡市へ営業拠点を設置し、2020年2月にロジネットジャパン九州を設立した。現在は事業エリアを沖縄県まで広げており、新拠点の建設で九州全域での事業拡大をさらに進める。
新センターは、ロジネットジャパングループが展開する総合輸送サービス「LNJEX」を強化する役割を担う。トラック、鉄道、航空機、船舶を組み合わせた輸送網に、九州での積み替え、貨物集約、一時保管、流通加工の機能を加えることで、九州・関西・関東を結ぶ輸送品質の向上を図る。
また、温暖化対策需要の高まりを背景に、ターミナルの一部を温度管理可能なエリアとして整備する。長距離輸送後の商品を一時保管し、定温車両で配送する仕組みを構築するほか、流通加工に対応できる作業環境の整備も検討している。
国際都市として成長を続ける福岡では、越境ECなど国際貨物の需要が増加している。新センターにはインランド・デポ(保税蔵置場)設置が可能で、輸入貨物の一時保管から流通加工までを一体で行うワンストップ物流サービスの提供を目指す。
立地は福岡市中心部から北東へ約10km。福岡都市高速「多の津IC」から約1.1km、「粕屋」から約1.5km、九州自動車道「福岡IC」から約3.5kmと交通利便性が高い。周辺では工業団地や商業施設の開発が進んでおり、物流拠点としてのポテンシャルが高い地域に位置する。
※「LNJ福岡センター(仮称)」の施設概要
所在地:福岡県糟屋郡粕屋町戸原北4丁目
敷地面積:1万537.5㎡(3,187.6坪)
延床面積:4,616.26㎡(1,396.4坪)
構造:鉄骨造・地上1階建て(事務所棟2階建て)
着工:2026年4月1日
竣工・稼働開始:2027年1月(予定)
■プロロジス<3月24日>
東京・府中市内で取得した大型物流施設を「プロロジスアーバン東京府中1」として提供へ/中小規模ニーズ対応で小分割区画・多用途利用を可能にする改修に着手、駅近と高速道アクセスを生かしラストワンマイルと広域配送を両立
プロロジスは、東京都府中市武蔵台でJR「北府中駅」至近の大型物流施設を取得し、都市型物流施設「プロロジスアーバン東京府中1」として提供する。府中エリアは物流倉庫の供給が少ない地域として知られ、同社は小規模区画を整備する改修を通じて中小規模の需要に応える。工事は2026年秋に完了する予定で、入居企業の募集を開始する。
同施設は、敷地約1万6,800㎡、延床約3万9,600㎡の地上4階建て。1階と4階は既存入居企業が稼働しており、2階・3階を小分割工事の対象とする。各区画は280~680坪で、組み合わせにより幅広い面積帯を提供できる。梁下有効高5.5m、床荷重1.5t/㎡と汎用性が高く、空調付き区画や給排水管の引き込みが可能な区画も整備する。物流用途に加え、製品メンテナンス、組み立て・加工、R&Dなど多様な用途に対応する。
2階には大型トラックが接車可能な「共用バース・荷捌きエリア」を2カ所設け、垂直搬送機と荷物用エレベーターで3階と双方向に結ぶ搬送動線を確保する。中小規模の賃借面積でも大型物流施設の共用設備を利用できる点が特徴だ。富士山を望むカフェテリア、ミーティングルーム、24時間営業の無人コンビニなどを備える。
防災面では、自主管理公園を併設し、災害時には防災拠点として機能する。公園には平時はベンチ、災害時はかまどとして使える「かまどベンチ」を設置し、防災備蓄倉庫から水や食料を提供する仕組みを整える。屋根面には1メガワットの太陽光パネルを搭載し、環境負荷低減にも寄与する。
立地はJR「北府中駅」から徒歩約10分で、JR「立川駅」まで約15分、JR「新宿駅」まで約40分、JR「東京駅」まで約50分と主要駅へのアクセスに優れる。自動車15分圏内に50万人、30分圏内に220万人が居住し、三鷹・府中・立川など東京西部の主要エリアをカバーするラストワンマイル拠点として適する。中央自動車道「国立府中IC」から約3.9kmと広域配送にも対応する。
同社の都市型物流施設「プロロジスアーバン」シリーズは今回で10棟目。既存物件はいずれも満床で、ショールームや撮影スタジオ、研究開発施設など物流の枠を超えた用途で利用されている。新施設でも多様なビジネスニーズに応える拠点を目指す。
※「プロロジスアーバン東京府中1」の施設概要
開発地:東京都府中市武蔵台1-1-3
敷地面積:1万6,876.98㎡ (5,107坪)
延床面積:3万9,612.93㎡ (1万1,983坪)
構造:地上4階/鉄骨造
工事完了:2026年秋 予定
■プロロジス<3月25日>
大阪府豊中市で開発を進めていたBTS型物流施設「プロロジスパーク豊中」が竣工/ヤマト運輸(株)向けに老朽化した既存事業所を建て替え、環境配慮型建材を採用しGHG約770tを削減
プロロジスは、大阪府豊中市でヤマト運輸(株)向けに開発を進めていたBTS型物流施設「プロロジスパーク豊中」が竣工したと発表した。老朽化していた既存事業所を建て替え、ラストマイル配送拠点として再整備したもので、ヤマト運輸は同施設をリースバック方式で利用し、豊中市内の集配業務を担う。
同施設の開発地は「大阪国際空港(伊丹空港)」から約1kmに位置し、阪神高速道路「豊中IC」から約7分、「大阪空港IC」から約6分とアクセスに優れる。豊中市全域に約20分で到達できるほか、大阪・兵庫の主要地域にも近く、希少性の高い立地とされる。周辺は住宅地が広がり、雇用確保の面でも優位性がある。
同施設は約4,500㎡の敷地に地上4階建て、延床約1万1,800㎡で開発された。ラストマイル配送拠点として、多数の小型配送車両が同時に着車できるよう、スロープで各階へ直接アクセスできる構造を採用した。1階には荷物の発送・受取が可能な受付を設け、来客動線と分離した倉庫エリアにはドックレベラー2基を備えた高床式バースを配置し、大型車両の荷下ろしを効率化した。2階から4階の倉庫は低床仕様で、小型配送車両が全面的に乗り入れ可能だ。さらに、EV化の進展を見据え、各階に合計約80台分のEVチャージャーを整備する計画で、屋上には従業員用として68台分の駐車場を設けた。
建物計画では周辺環境への配慮も重視し、窓や換気口を必要最小限に抑え、スロープを屋内化することで車両走行音や作業音の漏れを抑制した。環境負荷低減の取り組みとして、電炉材や高炉セメントB種を採用し、GHG約770tを削減した。電炉材は鉄スクラップを再生した鋼材でCO2排出量を抑えられ、高炉セメントB種は副産物の高炉スラグを混合することでCO2排出量を約40%削減できるという。
プロロジスは今後も環境配慮と効率性を両立した物流施設の開発を進め、地域のラストマイル配送網の強化に貢献する構えだ。
※「プロロジスパーク豊中」の施設概要
所在地:大阪府豊中市走井2-78-13(地番)
敷地面積:4,575.38㎡(約1,384.05坪)
延床面積:1万1,851.01㎡(約3,584.93坪)
構造:地上4階建て、鉄骨造
着工:2024年11月
竣工:2026年3月
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。
