■物流施設 投資関連情報2025版<12.4~12.10>

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<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>

■ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(株)、新潟輸送(株)<12月5日>
群馬県邑楽郡板倉町に設置した「菓子共同物流センター」が稼働/“メーカー物流と卸物流の融合”により菓子物流の効率化を図る


 三菱食品(株)子会社の(株)ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(以下、BLP)は、亀田製菓(株)子会社の新潟輸送(株)と、群馬県邑楽郡板倉町に「菓子共同物流センター」を設置し、稼働させた。同センターはBLPが契約する約1,800坪分の倉庫内に、三菱食品・卸売事業における菓子物流センターである「群馬菓子DC」と新潟輸送・菓子共同配送事業の「北関東共配センター」を併設したもので、10月から稼働を開始している。

□本件取り組みの狙い
①三菱食品をベースカーゴとするBLPの卸物流拠点と亀田製菓をベースカーゴとして菓子メーカー各社との共同配送物流を担う新潟輸送の北関東物流拠点を同一建屋内で運営することで、メーカーから卸までの配送車両を従来比削減(年間約300台削減/年間約14tのCO2排出量削減効果)。
②併設物流センター内の庫内運営を新潟輸送に集約することで両社の物流センターに必要な庫内作業者・施設設備の共有化を図り、イニシャルコスト、ランニングコストを圧縮。
③併設物流センター化により、両社の配送車両、配送ルートを一元化することで、車両稼働率を改善。

□今後の取り組み
菓子の物流については、バラ積み・バラ降ろしの物流形態が多く、入荷待機問題などの懸念につながっていることから、メーカー、卸間の物流垂直統合を実現した同拠点ではパレット物流を推進。今後もBLPと新潟輸送が同拠点を活用し、菓子物流のさらなる効率化と物流事業の拡大に向けて取り組み強化に努める。

■伊藤忠ロジスティクス(株)<12月5日>
「つくばメディカル物流センター」内で保税蔵置場許可を取得/医薬品・医療機器の国際貨物取扱拠点に


 伊藤忠ロジスティクス(株)は、茨城県つくば市で運営する「つくばメディカル物流センター」内で、特定保税承認制度(AEO)を活用した保税蔵置場を新たに設置(認証は横浜税関より取得)し、医薬品・医療機器の国際貨物取扱の拠点にすると発表した。
 同社は2022年5月から、体外診断用医薬品・医療機器製造業を登録・運営しており、今回新設した保税蔵置場(保冷〔2~8℃〕]、室温〔1~30℃〕)を活用することで、医薬品・医療機器の輸出入貨物の取り扱いにおいて、航空輸送と連携した高品質なサービス提供が可能となる。
 同社は今後、航空貨物に関するセキュリティ強化の流れを受け、爆発物検査(X線検査、爆発物検査、開披検査)などによる輸出手続きの煩雑化が想定されるとしており、より円滑かつ効率的な輸出入貨物のオペレーション体制を整えることで顧客製品の品質保証を支援していく方針だ。

■NXシンガポール(株)<12月5日>
シンガポール西岸の自社倉庫「トゥアス・グローバル・ロジスティクスセンター」を拡張/倉庫面積約9,200㎡増でJS-SEZ内の企業支援体制を強化


 NIPPON EXPRESSホールディングス(株)グループのNXシンガポール(株)は、シンガポール西岸に位置するトゥアス地区の自社倉庫「トゥアス・グローバル・ロジスティクスセンター」を拡張した。
 シンガポールでは、既存港湾機能を一元化し、2040年までに世界有数のコンテナ取扱能力を持つ次世代港湾を整備する「トゥアス・メガポート計画」が進行中している。今回拡張を行った同倉庫は「トゥアス新港」に近接し、高速道路とのアクセスにも優れる好立地に所在しており、同計画によるメリットの大きい拠点。シンガポール・マレーシア間で新たに設立されたジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)として開発が進む、マレーシア南部のジョホール州との国境にも近く、東南アジアにおける物流変革の最前線に位置している。NXシンガポールが今回同倉庫の拡張に踏み切ったのは今後の需要増に対応することが目的。新たに約9,200㎡を拡張しており、この拡張部分については、需要変動に対応できる柔軟なレイアウトを備え、医療・ヘルスケア、精密機器、消費財などの多様な業界に対応可能な温度管理スペースを設けた。また、グリーン物流への取り組みの一環として、既存棟に太陽光発電パネルを導入し、環境負荷低減への施策も進めている。

※「トゥアス・グローバル・ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:No. 29, Tuas Avenue 13, Singapore 638995
倉庫面積:4万120.78㎡(※拡張部分9,231㎡)
主要設備・特徴:床荷重⇒ 1階22 kN/㎡、2階・3階⇒12 kN/㎡
天井高:1階・2階⇒7.5 m、3階⇒10 m
荷役設備:ローディングベイ57バース
倉庫環境:常温および温度管理倉庫
セキュリティ:24時間365日 CCTV監視、モーションセンサー、電磁錠、警報システム監視
海運CFS機能:有

■(株)サンケイビル<12月5日>
「SANKEILOGI」兵庫県初進出 「SANKEILOGI神戸北」 竣工 交通アクセスと通勤利便性を両立させた環境配慮型ドライ倉庫


 (株)サンケイビルは、神戸市北区で開発を進めていた物流施設「SANKEILOGI神戸北」が竣工したと発表した。
 同施設は「SANKEILOGI」ブランドとして兵庫県初進出となる物件。神戸電鉄三田線「道場南口駅」から徒歩圏で、JR「三田駅」からはバス便(約14分)もあり、通勤利便性が高い。中国自動車道、山陽自動車道、六甲北有料道路の各ICが概ね5km圏内であるほか、物流集積ICである「西宮北IC」から約4.5kmと至近で、物流拠点としての立地環境にも優れる。
 同施設の主な特徴は下記のとおり。

□同施設の特徴
①機能性
・梁下有効高さ5.5m、床荷重1.5t/㎡
・荷物用EV 積載荷重3.5t 2基、垂直搬送機 積載荷重1.5t 2基
・各階にフォークリフト充電スペースを設置
・10tトラックバース20台に加え、トラック待機所を5台分確保
・ドックレベラー2基実装
・1階に事務所、2階にも事務所対応可能区画あり。更衣室やドライバー休憩所等でも利用可
・2分割まで対応可能
②高コストパフォーマンス
・立地とスペックに比してパフォーマンスの高い賃料設定
③環境意識
・太陽光発電システム50kWを屋上に実装し、施設内にて自家消費可能。停電時の太陽光発電による自立運転機能搭載
・LED照明器具の採用
・断熱性に優れたサンドイッチパネルを採用
・非常用発電機設置スペースの確保
・実施設計時でBELS認証6★を取得
④働きやすさ
・お客様を迎え入れるのに相応しい木調を配した、温かみのあるエントランスホール
・各階に男女トイレを設置
・ドライバー用トイレ、テナント従業員用休憩室を設置

※「SANKEILOGI 神戸北」の施設概要
所在地:神戸市北区鹿の子台南町5-2-2(住居表示)
敷地面積:1万1,005.25㎡(3,329 坪)
延床面積:2万1,886.04 ㎡(6,620 坪)
構造・規模:鉄骨造、地上4階建て
用途:倉庫
着工:2024 年7月
床荷重:1.5t/㎡
竣工:2025 年9月
梁下有効高さ 5.5m
照明照度:200lx(倉庫)
ドックレベラー:2基実装
荷物用EV:積載荷重3.5t 2基
トラックバース:10t車用 20台
垂直搬送機:積載荷重1.5t 2基
駐車場:38 台
トラック待機場:5台

■SGリアルティ(株)<12月8日>
福岡県糟屋郡篠栗町で大型中継センター「(仮称)佐川急便九州中継センター」を着工/佐川急便(株)の新たな中継センターとして開発、既存4拠点ならびに2拠点の一部を集約


 SGリアルティ(株)は、福岡県糟屋郡篠栗町で大型中継センター「(仮称)佐川急便九州中継センター」の建設工事に着手した。竣工は2027年5月となる予定だ。
 同社では、同施設新設により、既存4拠点と2拠点の一部を集約する。これにより、中継業務の効率化を図り、積載効率改善やトラック台数適正化、さらにこれら伴うCO2排出量削減などの効果を見込む。さらに、トラックの待機時間や荷物の積み降ろし時間の短縮、ならびにトラックドライバーや倉庫内スタッフの労働環境改善にもつなげることで、九州エリアにおける物流ネットワークの最適化実現に努める。

□同施設のスペック
①福岡IC至近、九州全域へ好アクセス
同施設は、九州自動車道「福岡IC」至近に位置し、福岡市内や九州全域へのアクセスに優れ、広域の物流ネットワークのさらなる効率化が見込める。
②南北のトラックバース、大型駐車場を設置
同施設は、佐川急便(株)の新たな中継センター。1階のトラックバースは建物南北の両側に設置する計画で、大型トラックが最大117台同時接車することができる。また、185台分の大型駐車場も設けるとしており、幹線輸送の効率的なオペレーション実現に寄与する。
③快適な施設空間
同施設内に充実した休憩スペースを設けるなど、ドライバーや倉庫内のスタッフの労働環境改善を図るとともに、快適性も考慮した施設とする方針だ。
④環境に配慮した施設計画
同施設の屋根には、自家消費型太陽光発電設備を設置する。この設備で発電した電力を施設内で使用することで、CO2排出量削減と電力コスト低減を図る。また、環境認証として、CASBEE Aランク(予定)、ZEB ready(予定)の取得も目指すなど、建物の省エネ性能を最大限に高めるほか、エネルギー消費量削減にも努める。さらに、Low-Eガラスや全館LED照明、雨水流出抑制施設を採用するなど、環境負荷の低減に配慮した施設計画とする方針だ。
⑤災害対策を備えた設備
同施設には、72時間稼働可能な非常用発電設備を設置し、災害時でも事業継続が可能なBCP対応施設とする。

※「(仮称)佐川急便九州中継センター」の施設概要
所在地:福岡県糟屋郡篠栗町大字和田、大字津波黒ほか
敷地面積:6万6,853.43㎡(2万223.16坪)
延床面積:3万4,270.92㎡(1万366.95坪)
規模‧構造:地上2階建て‧S造
着工:2025年11月1日
竣工:2027年5月(予定)
稼働開始:2028年6月(予定)

■野村不動産(株)<12月8日>
同社最大規模の高機能型物流施設「Landport東海大府Ⅰ」が竣工/愛知県東海市・大府市とも防災協定を締結、地域の防災力向上に寄与


 野村不動産(株)は、延床面積約 24万6,550 ㎡で同社物流施設ブランド「Landport」シリーズ最大規模の物流施設「Landport 東海大府Ⅰ」が竣工したと発表した。同社は、物流業界が抱える課題解決に向けて「地域コミュニティ活動の促進による雇用創出や物流施設の魅力向上に寄与する取り組み」を進めており、同施設においての一環として12月に 東海市ならびに大府市と防災協定を締結したとしている。

□同施設の特徴
①「Landport」シリーズ最大規模の延床面積約24万6,550㎡の高機能型物流施設

同施設は「Landport」シリーズ史上最大の延床面積となる物流施設。その 特徴・メリットは下記のとおり。
○各階接車可能なWランプウェイ型 :1フロアでの効率的なオペレーションが可能
○中央車路: 雨天時荷役の効率化、豊富なバース数の確保、細かい区画分割を実現
○両面バース(1階のみ):仕入れ先から入荷した商品を倉庫に保管せず、即座に仕分けして出荷するクロスドック手法が可能で、物流効率化に寄与
○低床バース(1階西区画のみ): フォークリフトがバースと倉庫をそのまま往来でき、搬出入効率化に貢献
○特別高圧電力受電:自動化機器や空調設置など、多様なニーズへの対応が可能
○危険物倉庫併設:指定数量以上の危険物保管・取り扱いが可能
○免震構造・非常用発電機:津波・高潮・洪水・土砂災害のハザードマップ影響が低い場所に位置するとともに、有事に備えた免震装置・非常用発電機装備でBCPに貢献

② 首都圏・関西圏および愛知県内主要土地へのアクセス利便性
同施設は首都圏・関西圏両方へのアクセスが良好で、中部エリアで希少な大規模マルチテナント型物流施設。伊勢湾岸自動車道「大府IC」に約0.5km、名古屋市街地をはじめ、小牧や半島部へのアクセスに便利な「大高IC」に約0.5km、「名古屋港」には車で約10分の距離に所在している。名古屋市街地・名古屋港・西三河地区という中京エリアを形成する3つの拠点に対してもアクセスが良好で、消費地配送・ メーカー物流・輸出入貨物の取り扱いなど幅広いニーズに対応することができる。

※「Landport東海大府Ⅰ」の施設概要
所在地:愛知県東海市名和町/大府市共和町(地番)
敷地面積:9万8,265.00㎡(2万9,725.16坪)
延床面積:24万6,550.52㎡(7万4,581.53坪)
構造・規模:PCaPC造・地上6階建て(倉庫5層)、免震構造・Wランプウェイ型
竣工時期:2025年10月竣工済み

■(株)T2<12月10日>
自動運転トラックの無人・有人運転切替拠点を神戸市に明年2月設置へ/関西初となる切替拠点、 神奈川県綾瀬市の切替拠点とあわせて関東・関西間の輸送体制確立図る

 (株)T2は、2027年度からのレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービス開始に向け、兵庫県神戸市の山陽自動車道「神戸西IC」に近接する土地を活用し、高速道路における無人運転と、ICならびに顧客各物流拠点を結ぶ一般道での有人運転を切り替えるための拠点(以下、切替拠点)を関西で初めて設けると発表した。
 切替拠点の建設工事はすでに11月に着手しており、2026年2月での完成を目指す。同社が国内の物流事業者として初めて設ける予定の神奈川県綾瀬市の切替拠点とあわせて、自動運転トラックによる関東・関西間の幹線輸送体制の確立を図る。
 同社は、2027年度からのレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービス開始を目指し、7月からレベル2自動運転トラックによる商用運行を開始している。レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスにおいては、高速道路における無人運転と、ICならびに顧客各物流拠点を結ぶ一般道での有人運転を切り替えるため、ドライバーがトラックを降りる拠点が必要。このため今回は、神奈川県綾瀬市の東名高速道路「綾瀬SIC」に近接する土地を活用し、物流事業者として国内で初めてとなる切替拠点に着工、2026年2月の完成を目指すとしている。

※関西初となる切替拠点の概要
所在地:兵庫県神戸市西区見津が丘
着工:2025 年11月
完成:2026 年2月(予定)
総面積:約1,800㎡
用途:レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービス開始に向け、自動運転トラックの無人・有人運転を切り替えるためのトラックからのドライバー降車、および当該オペレーションを検証するための実証など

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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