■物流施設 投資関連情報2025版<11.27~12.3>

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<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>

■KICホールディングス(株)<11月28日>
埼玉県春日部市に冷凍冷蔵倉庫「KIC春日部 FLEX Cold」開発のための用地を取得/神奈川県厚木市の開発案件に続く2物件目、幅広い低温度帯商品に対応可能な設備とする計画


 KICホールディングス(株)は11月28日、埼玉県春日部市で冷凍冷蔵倉庫「KIC春日部 FLEX Cold」の開発用地を取得した。
 同社は、冷凍食品の消費拡大や都市近郊部において老朽化が進む冷凍冷蔵倉庫市場の現状を投資機会と捉えている。今回はこうした需要に対応するため、神奈川県厚木市の冷凍冷蔵倉庫の開発案件に続き、2物件目の冷凍冷蔵倉庫の開発に着手するものだ。同倉庫の特徴は以下のとおり。

□同倉庫の特長および計画概要
 同倉庫は、国道16号および新4号国道を軸に、東北道、外環道、常磐道を通じて首都圏内外をカバーする冷凍冷蔵食品の保管・配送拠点として、交通・配送利便性に優れた立地に位置する。イオンモール春日部に隣接し、従業員確保の観点からも優位性がある。設備面では、冷凍からチルドまで幅広い低温度帯商品に対応可能。環境面では、太陽光発電設備で発電した再生可能エネルギーを供給するHES(Hybrid Electric Supply:複合型電力供給システム)を導入する予定となっており、持続可能なインフラの実現を目指すとしている。

※「KIC春日部 FLEX Cold」の計画概要
所在地:埼玉県春日部市下柳66番1他(地番)
敷地面積:4,307 ㎡(1,302.87 坪)
用途地域: 市街化調整区域
着工:2026年7月(予定)
竣工:2027年12月(予定)
規模・構造:地上3階 鉄骨造
延床面積:6,947.64 ㎡(2,101.66 坪)(予定)

■鴻池運輸(株)<11月28日>
グループの九州産交運輸(株)が佐賀県鳥栖市で新物流拠点開設へ/医薬品や半導体部品などを保管可能な定温・保冷倉庫を完備、2026年4月竣工・稼働開始の予定


 鴻池運輸(株)は、グループの九州産交運輸(株)が佐賀県鳥栖市に定温・保冷倉庫や危険物倉庫を備えた新拠点「鳥栖定温流通センター(仮)」を開設する計画であると発表した。すでに2024年9月に着工しており、2026年4月竣工・稼働開始となる予定だ。
 物流2024年問題による輸送力不足の影響で福岡市近郊から九州全域への配送は今後さらに困難になると予想されている。こうしたなか、新拠点は「鳥栖IC」から0.5kmの好立地に位置し、九州全域に効率的な配送が可能なことから、九州産交運輸における今後の主力配送拠点となる見通し。半導体企業の進出で注目を集める熊本都市圏へのアクセスも良好。今後の需要増加に対応する必要もあると判断し、今回新拠点の開設計画実施に踏み切った。
 なお、新拠点開設に伴い、既存の3拠点(中九州センター〔福岡県小郡市〕)、鳥栖センター〔佐賀県鳥栖市〕、鳥栖コンテナ事業所〔佐賀県鳥栖市〕)は閉鎖し、倉庫機能を新拠点に集約することで、さらなる物流効率化を目指すとしている。

※「鳥栖定温流通センター(仮)」の施設概要
所在地:佐賀県鳥栖市姫方町567-1
延床面積:3万1,336㎡(事務所を除く)
規模:鉄骨造り4階建て倉庫
特徴:倉庫内バース36台、危険物倉庫(別棟 297㎡)、倉庫内バース入退場時の安全装置を設置、GDPガイドラインに準拠(適温・セキュリティ管理・防虫防鼠)、BCP対応(耐震構造、太陽光発電システムと非常用発電機を完備)
稼働開始日:2026年4月

■日鉄興和不動産(株)、トヨタホーム(株)<11月28日>
物流施設「LOGIFRONT」シリーズの中部圏第1弾となる「LOGIFRONT名古屋みなと」が竣工/片面バースを備えた地上4階建てのBOX型、荷物用エレベーター・垂直搬送機各2基標準装備で上下階荷物搬送に十分な能力を確保


 日鉄興和不動産(株)とトヨタホーム(株)は、愛知県名古屋市で共同事業として建設を進めてきた物流施設「LOGIFRONT名古屋みなと」が11月28日に竣工したと発表した。
 同施設は「LOGIFRONT」シリーズとして開発した中部圏で第1弾となる物件。中京工業地帯を形成する主要な工場集積エリアである名古屋市港区に所在し、名古屋第二環状自動車道「南陽IC」から約4.0km、名古屋高速道路「港明IC」から約4.2kmに位置する。200万人都市である名古屋市内に立地し、施設周辺には大型商業施設やコンビニエンスストア、飲食店があるため、従業者の雇用面においても優位な立地環境となっている。
 同施設は、車両と歩行者および自転車の出入口を分離し、安全性に配慮した動線を確保。1階に片面バースを備えた地上4階建てBOX型の施設とし、2分割でも利用可能な汎用性のある平面計画となっている。外観は、断熱性・耐震性・美観に優れた金属断熱サンドイッチパネルを採用。シルバーとダークグレーのモノトーン調を基調として横ラインのアクセントを採り入れ、周辺への圧迫感軽減に配慮したデザインとなっている。エントランスホール、トイレ等の内観は、間接照明と木調で温かみのあるデザインとし、落ち着いた温もりのある上質な空間を演出するものとなっている。
 設備面では、昇降設備として荷物用エレベーター・垂直搬送機をそれぞれ2基標準装備とし、上下階の荷物の搬送に十分な能力を確保。キュービクル等の重要設備は屋上に設置し、入居テナントのBCP対応にも配慮した計画となっている。
 環境面では、日本製鉄グループと連携して、日本製鉄(株)が提供するマスバランス方式を適用したGXスチール「NSCarbolex® Neutral」を、民間デベロッパーとして大型物流施設に初めて採用。鉄骨H形鋼の一部に使用している。日本製鉄の高機能製品・ソリューション技術「NSCarbolex® Solution」に内包される建築ソリューション「ProStruct®」も併せて採用。これらの製品およびソリューションにより、同施設における鉄鋼生産から施工時までのCO2排出量を約10%削減できまたとしている。

※「LOGIFRONT名古屋みなと」の施設概要
所在地:愛知県名古屋市港区当知2-1301
敷地面積:1万555.80 ㎡(3,193.13 坪)
延床面積:2万1,533.29 ㎡(6,513.82 坪)
構造・階数:S造・4階BOX型
着工:2024年9月
竣工:2025年11月

■いちご(株)<12月2日>
「いちご物流施設開発プロジェクト」第5号となる「いちご豊川物流センター」が竣工/(株)拓洋との連携、関東圏以外では初となる愛知県豊川市での開発案件


 いちご(株)は、同社5件目となる物流施設開発案件「いちご豊川物流センター」が竣工したと発表した。
同施設は、関東圏で物流および建設事業を営む(株)拓洋との連携による、関東圏以外では初となる愛知県豊川市での開発案件。いちご地所では、さらに同様のスキームで他にも物流センター開発を進めており、今後もサステナブルで顧客目線に沿った物流施設開発に注力する意向だ。
 同施設は、同社100%子会社 いちご地所(株)が施主となり、2024年9月に着工、今年11月28日に竣工したもので、拓洋が設計・施工、マスターリースを行っている。愛知県により埋め立て分譲された工業団地内に位置し、東三河エリアの消費地に近接しているほか、2025年3月に全線開通した国道23号明豊道路「豊川為当IC」まで約3.3kmと交通利便性が高く、名古屋から浜松まで広域配送が可能となっている。なお、同施設はすでにEC事業者による賃借が内定している。

※「いちご豊川物流センター」の施設概要
所在地:愛知県豊川市御津町御幸浜二号2-13
敷地面積:1万8,325.68㎡(5,543.52坪)
延床面積:9,973.60㎡(3,017.01坪)
構造:鉄骨造 平屋建て
着工:2024年9月
竣工:2025年11月

■(株)ギオン<12月3日>
「中部センター」の移転・新設で取扱能力を約2.7倍増強/中部エリアにおける安定供給体制の確立へ


 総合物流事業を手がける(株)ギオンは、中部エリアにおける業務効率向上と事業拡大を目指すため、「中部センター」を移転し、11月26日から新施設(以下、新中部センター)での業務を開始した。
 新中部センターは、中部エリアにおける継続的な事業拡大と、安定した物流基盤の確保を実現するため移転・新設したもの。大手小売店専用センターとして、常温品・冷蔵品の商品管理、仕分け、および配送を担う。施設規模と機能の刷新を図り、従来以上に高品質で安定的な物流サービスを提供していく。
 新中部センターの取扱能力は、旧中部センターの約2.7倍。増加する取扱物量に対応し、業務効率の大幅な改善も図れるとしている。また、効率的なレイアウトと最新の物流機器導入が可能なため、物流機能を強化してさらに高品質な物流サービスを実現できる。

※「新中部センター」の施設情報
所在地:愛知県小牧市下小針中島2-144 DPL小牧1階
稼働開始:2025年11月26日(水)
取扱品:食品  ※常温、チルド帯

■トランコム(株)<12月3日>
(株)湖池屋専用物流センターを岐阜県海津市に開設・稼働/工場・センター間「中間輸送ゼロ」を実現、CO2排出量の大幅削減で環境負荷低減にも貢献


 トランコム(株)は、(株)湖池屋の中部エリア向け物流を担う「トランコム(株) 海津事業所」を岐阜県海津市に開設し、12月1日に稼働させた。
 同事業所は、湖池屋中部工場の開設に伴い、新たな保管・配送拠点として工場の敷地内に開設した湖池屋専用の物流センター。湖池屋の中部エリア向け商品の輸配送は従来、関東および関西の物流センターから行っていた。同事業所は工場とコンベアで直結しているため、工場・物流センター間の中間輸送(横持ち)完全ゼロを実現し、中部エリア配送の一元化にも貢献する。環境負荷低減効果も大きく、CO2排出量約6割削減も実現する。
トランコムはこれまで、顧客の抱える複雑な物流課題の解決に最前線で取り組んできた。今回 稼働した海津事業所は、湖池屋との連携のもと、輸送の効率化と環境負荷低減という共通の課題解決を実現した事例。トランコムが目指す「菓子業界の物流プラットフォームの構想」を中部エリアで展開する強固な礎となるとしている。今後は、海津事業所を起点に「輸配送ネットワーク拡充によるエリア内での効率的な共同配送の推進」「輸送効率の向上を通じた環境に配慮した物流のさらなる実現」を図り、中部エリアにおける、菓子業界のサプライチェーン全体にわたる最適化を強力に推進する意向だ。

※「トランコム(株) 海津事業所」の施設概要
所在地:岐阜県海津市南濃町庭田829-11(湖池屋中部工場敷地内)
稼働開始日:2025 年12月1日
主な業務:湖池屋ポテトチップス等の中部エリア向け保管・配送
延床面積:6,601.21 ㎡

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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