2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■東京建物(株)<5月29日>
オーストラリアで区分分譲倉庫開発事業に初参画/シドニー近郊で2物件を開発、EC市場の拡大や住環境の変化により高まる個人・中小企業の倉庫需要に対応
東京建物(株)は、オーストラリア・シドニー近郊においてRockwater Brookvale PJ(ブルックバール プロジェクト)およびStream Northmead PJ(ノースミード プロジェクト)の2つの区分分譲倉庫開発事業に参画した。同社がオーストラリアで区分分譲倉庫開発事業に従事するのは同事業が初めて。
オーストラリアでは、安定的な経済成長による中小企業の増加やEC市場の拡大に伴い、中小企業の事務所や倉庫としての拠点需要が高まっている。また、シドニーとその近郊では住宅の高騰や郊外の戸建て住宅から都心のコンパクトな集合住宅への住み替え層(ダウンサイザー)の増加により、居住スペースが減少する傾向にあり、個人のストレージ需要も増加しているという。
同事業は、オーストラリアの不動産仲介グループの資産運用会社Ray White Capital Pty Ltd、およびゼネコン・デベロッパー Hannas Contracting Services Pty Ltdとの共同事業。いずれも約80区画からなる倉庫を開発して区画ごとに分譲を行う。ショールーム等としても利用が可能な中型倉庫区画と、小型倉庫区画を併設し、中小企業や個人など幅広いニーズに対応する。
東京建物グループは、2030年を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」で海外事業の成長等を重点戦略の一つに掲げている。現中期経営計画期間(2025-2027年度)では海外事業について1,100億円の投資を計画。現在、米国、オーストラリア、タイ、中国等で分譲マンション・賃貸マンション・オフィス・物流施設等の開発事業を展開している。オーストラリアでは、2024年にダウンサイザーニーズを取り込んだ分譲住宅の開発事業「Alex&Willow」に参画。引き続き現地有力パートナーとの協業を軸として、資産回転型事業を中心に事業機会の獲得に努めるとしている。
○ 区分分譲倉庫について
同事業では、中小企業や個人など幅広いニーズに対応し、ショールーム・作業場・商材保管庫兼事務所などの利用が可能な中型倉庫区画(主に地上階)と、中小企業に加えて個人利用を見込んだ小型倉庫区画(主に地階)を併設した施設を開発・分譲する。オーストラリアでは、オフィスや住宅と比較し、低コストで運用可能な区分分譲倉庫が個人投資商品としても一定の需要がある。同事業でも、個人や中小企業の自用需要に加え、投資家の需要も一定数見込んでいるという。
○本事業の概要
① Rockwater Brookvale PJ(ブルックバール プロジェクト)
同物件はシドニー中心部から約15km(車で約30分)に立地し、周辺は住宅地に加えてゴルフ場やビーチリゾートが立地するエリア。EC配送拠点としての需要に加え、ゴルフ用品やサーフボードなどを収納する個人の需要も高い。同物件では99㎡~266㎡の中型倉庫区画(計34区画・地上階)に加え、11㎡~110㎡の小型倉庫(計45区画・地階)を計画している。
※Rockwater Brookvale PJの事業概要
所在地:オーストラリア・ニューサウスウェールズ州・シドニー市・ブルックバール地区
敷地面積:4,201㎡
延床面積:1万1,401㎡
分譲区画:11㎡~266㎡、計79区画
構造・規模:RC造、地下1階地上2階
竣工:2025年12月(予定)
②Stream Northmead PJ(ノースミード プロジェクト)
同物件はシドニー中心部から約25km(車で約35分)に立地する。周辺には住宅地に加えて病院や研究施設の集積エリアもあり、関連企業からの需要も見込めるエリアだ。同物件では100㎡~440㎡の中型倉庫区画(計34区画・地上階)に加え、17㎡~89㎡の小型倉庫(計47区画・地階)を計画している。
※Stream Northmead PJの事業概要
所在地:オーストラリア・ニューサウスウェールズ州・シドニー市・ノースミード地区
敷地面積:6,490㎡
延床面積:1万5,154㎡
分譲区画:17㎡~440㎡、計81区画
構造・規模:RC造、地下1階地上2階
竣工:2026年6月(予定)
■野村不動産(株)<5月30日>
自動化・省人化に向けた顧客提案や地域の産業創出により物流業界・地域の課題解決にアプローチ/3年間で15棟・投資額約3,400億円の事業化を決定、物流施設の累計開発・運用棟数60棟、累計投資額8,000億円に到達
高機能型物流施設「Landport」シリーズを手掛ける野村不動産(株)は、2025年4月以降の3年間で物流事業に総額約3,400億円を投じ、全15棟(総延床面積:約130万㎡)の事業化を決定した。これにより2028年3月までの間に、同社が手掛ける物流施設(Landportシリーズ以外の物流施設も含む)の開発・運用棟数の累計は60棟、累計の延床面積は約365万㎡になる見込みだ。
同社は物流事業で、物流業界が直面している様々な課題に対し、首都圏以外のエリアでも物流施設を開発することによる長距離配送の中継輸送への対応や、倉庫内自動オペレーションの最適化を目指す「Techrum」の取り組みなどを推進してきた。今後もさらなる施設開発・運営を加速し、物流業界の課題解決に貢献するとしている。
①今後の「Landport」シリーズの事業展開について
2025年4月以降の3年間での竣工予定施設の総延床面積は約130万㎡に上る。このほか同社初の冷凍冷蔵倉庫の開発や、これまで棟数の少なかった東北・九州エリアにおける棟数増加も予定。同社の物流事業に対する2022年度~2024年度の投資額は10棟で約1,300億円だったが、2025年度~2027年度は15棟で2.6倍となる約3,400億円に増加する見込みだ。これまでLandportシリーズは、主に首都圏エリアに展開してきたが、全国各地に物流施設を展開することで、「荷待ち時間の短縮による物流効率化」や「地域の雇用創出や経済の活性化」などへの寄与度が高まることから、これまで棟数が少なかった首都圏以外のエリアにも事業を拡大していく。
②今後注力していく「Landport」における施設運営面の取り組み
(1)自動化・省人化による課題解決を促す「Techrum」によるソリューション提案数の増加
同社は、自動化・省人化に向けた様々な課題解決を目指し、ロボティクスやICT、搬送機器など物流関連技術を有する企業各社との連携を進めている。同社が核となって組成する企業間共創プログラム Techrumでは2021年から、様々な荷主・物流企業固有の課題解決へ向けた総合的なソリューション提案してきた。Techrumの効果検証拠点である「習志野Techrum Hub」では、実際の環境に近い場所で物流機器を稼働させ、個別物流業務に適した最適化手法を検証する展示会(以下、デモ会)を実施している。
2025年3月までの間で、Techrumに参画しているパートナー企業は115社、デモ会参加企業は421社、効率化に向けたオペレーションの提案件数は153社に上る。将来的には、習志野Techrum Hub以外の施設でも、実際に導入されているソリューションを見学し、効果検証できる拠点の拡大も検討。今後もTechrumによるソリューション提案数を増していく。
(2)物流施設を地域のコミュニティにつなげる取り組みを実施
地域コミュニティ活動の促進による雇用創出や物流施設の魅力向上に寄与する取り組みも行っており、今後さらに注力する。また、今後竣工予定の新規開発物件では、地域住民や自治体、商店などの近隣の地域活動団体のニーズが高い設備を直接ヒアリングし、地域に寄り添った設備導入を可能とする取り組みも進める。
(3)法改定などを踏まえ、人材育成支援のための「CLOサロン」を立ち上げ
2026年4月から一定規模以上の事業者(特定事業者)にはCLO(物流統括管理者:Chief Logistics Officer)設置が義務付けられる。対象企業は3,200社程度の見込みだ。
同社はこうした動きを踏まえ、CLO候補を含む人材が集まり、CLOの役割や実務、荷主企業の組織のあり方などを模索しながら、高度な物流人材を育成する「CLOサロン」を立ち上げた。同社は今後も物流業界の課題解決に向け、CLOサロンを継続的に実施する予定だとしており、人材育成の支援にも貢献していく意向だ。
○新たに発表する施設の詳細(計画は今後変更の可能性あり)
※「Landportつくばみらい」の施設概要
所在地:茨城県つくばみらい市紫峰ヶ丘3-36-2
敷地面積:1万7,085.06㎡(5,168.23坪)
延床面積:3万8,587.27㎡ (1万1,672.64坪)
構造・規模: 鉄骨造・地上4階建て 、スロープ型
竣工時期:2025年6月(予定)
※「Landport東海大府Ⅰ」の施設概要
所在地:愛知県大府市共和町/東海市名和町
敷地面積:9万8,265.00㎡(2万9,725.16坪)
延床面積:24万6,539.45㎡(7万4,577.95坪)
構造・規模:プレキャストコンクリート造・地上6階建て、ダブルランプ型
竣工時期 2025年10月(予定)
※「Landport仙台岩沼」の施設概要
所在地:宮城県岩沼市下野郷字新開迎121-1
敷地面積:1万9,876.97㎡(6,012.78坪)
延床面積:2万5,810.27㎡(7,807.61坪)
構造・規模:鉄骨造・地上2階建て、ボックス型
竣工時期:2026年2月(予定)
※「Landport野田」の施設概要
所在地:千葉県野田市下三ヶ尾
敷地面積:4万7,013.33㎡(1万4,221.53坪)
延床面積:10万9,624.68㎡(3万3,161.47坪)
構造・規模:鉄骨造・地上4階建て、シングルランプ型
竣工時期:2026年3月(予定)
※「Landport柏Ⅱ」の施設概要
所在地:千葉県柏市大青田
敷地面積:4万4,673.76㎡(1万3,513.81坪)
延床面積:11万771.62㎡(3万3,508.42坪)
構造・規模:鉄骨鉄筋コンクリート造・地上6階建て、ダブルランプ型
竣工時期:2026年7月(予定)
※「Landport東海大府Ⅱ」の施設概要
所在地:愛知県大府市共和町
敷地面積:6万2,426.96㎡(1万8,884.15坪)
延床面積:13万3,102.57㎡(4万263.52坪)
構造・規模:プレキャスト・プレストレストコンクリート造・地上4階建て、スロープ型
竣工時期:2027年3月(予定)
※「Landport福岡古賀Ⅰ」の施設概要
所在地:福岡県古賀市青柳
敷地面積:3万4,062.00㎡(1万303.75坪)
延床面積:8万5,880.49㎡(2万5,978.84坪)
構造・規模:鉄骨造・地上5階建て、シングルランプ型
竣工時期:2027年4月(予定)
※「(仮称)福岡苅田物流計画」の施設概要
所在地:福岡県京都郡苅田町大字与原
敷地面積:2万9,426.54㎡(8,901.53坪)
延床面積:3万534.69㎡(9,236.74坪)
構造・規模:鉄骨造・地上2階建て、ボックス型
竣工時期:2027年4月(予定)
※「(仮称)Landport京都伏見」の施設概要
所在地:京都府京都市伏見区向島上五反田
敷地面積:5万5,491.88㎡(1万6,786.29坪)
延床面積:12万9,895.00㎡(3万9,293.23坪)
構造・規模:鉄骨造・地上5階建て、ダブルランプ型
竣工時期:2027年5月(予定)
※「(仮称)Landport北上」の施設概要
所在地:岩手県北上市相去町大松沢
敷地面積:4万5,794.00㎡(1万3,852.69坪)
延床面積:3万9,724.53㎡(1万2,016.67坪)
構造・規模:鉄骨造・地上2階建て、ボックス型
竣工時期:2027年8月(予定)
※「(仮称)Landport福岡久山Ⅱ 」の施設概要
所在地:福岡県糟屋郡久山町大字久原
敷地面積:1万8,267.10㎡(5,525.79坪)
延床面積:2万1,044.30㎡(6,365.90坪)
構造・規模:鉄骨造・地上2階建て、ボックス型
竣工時期:2027年10月(予定)
※「(仮称)Landport福岡古賀Ⅱ」の施設概要
所在地:福岡県古賀市青柳
敷地面積:3万6,394.00㎡(1万1,009.18坪)
延床面積:9万1,915.89㎡(2万7,804.55坪)
構造・規模:鉄骨造・地上5階建て、シングルランプ型
竣工時期:2028年2月(予定)
※「(仮称)Landport北伊丹」の施設概要
所在地:兵庫県伊丹市北伊丹
敷地面積:5万7,975.72㎡(1万7,537.66坪)
延床面積:11万312.37㎡(3万3,369.49坪)
構造・規模:鉄骨造・地上4階建て、ダブルランプ型
竣工時期:2028年2月(予定)
※「(仮称)新習志野駅前物流施設計画」の概要
所在地:千葉県習志野市茜浜
敷地面積:3万5,870.59㎡(1万850.85坪)
延床面積:未定
構造・規模:未定
竣工時期:未定
☆このほか九州エリアでも1件施設展開を予定している。
■佐川グローバルロジスティクス(株)<6月2日>
熊本県菊池市に「菊池営業所」を開設/半導体関連物流需要に対応、地域産業を支援
SGホールディングスグループでロジスティクス事業を展開する佐川グローバルロジスティクス(株)は、熊本県菊池市に「菊池営業所」を開設した。同営業所の開設は、同社が2024年11月29日に熊本県菊池市と締結した立地協定に基づくもの。熊本県内では半導体メーカーの工場が稼働し、半導体関連の物流需要が急速に拡大している。同社は同営業所開設により、拡大する物流需要に対応し、在庫集約による管理負荷の軽減や、ジャストインタイム納品による生産性の向上など、物流面から地域産業を支える。
SGホールディングスは、2025年度に開始した中期経営計画「SGH Story 2027」で、重点戦略の一つに「国内ロジスティクスの付加価値向上」を掲げている。佐川グローバルロジスティクスはこれに基づき、半導体などの成長領域商材をターゲットとしたサービス展開に注力し、これまで培ってきたノウハウを活用した高付加価値な物流サービスの提供を目指す。
○「菊池営業所」の特徴
・帯電防止設備による精密機器対応
帯電防止設備を設置しており、精密機器や半導体製造装置の部品保管など、特定のニーズに対応した物流サービスを提供する。
・輸出拠点との連携
半導体関連製品の輸出で多く利用されている「博多港」や「下関港」からの船舶輸送の際、福岡県内の同社営業所を輸出前の一時保管場所として提供するなど、拠点間連携に寄与する。
・半導体産業の集積を見据えた活用
熊本県は将来的に半導体関連企業のさらなる集積が見込まれており、同営業所は門前倉庫や県内配送のバッファ倉庫としての活用も見込める。
※「菊池営業所」の施設概要
所在地:熊本県菊池市旭志伊坂字西大笹717-1
面積(借り入れ分):倉庫、バース1,815.00坪、事務所42.43坪
■大和物流(株)<6月2日>
南九州エリアをカバーする物流拠点「鹿児島物流センター」が稼働開始/九州地域の在庫分散対応倉庫需要に対応、南九州エリアの物流ハブ拠点として総合的な物流サービスを提供
大和物流(株)は、2024年4月から鹿児島県霧島市で開発を進めていた物流施設「鹿児島物流センター」が竣工し、2025年 6月1日に稼働を開始したと発表した。
物流2024年問題を背景に、商品を複数拠点で管理する在庫分散対応倉庫の需要が高まっている。また、九州地域では製造業・非製造業ともに設備投資が高水準で推移する一方、物流施設への投資は都市部に偏在しており、特に地方での供給不足が著しい。同社はこれを踏まえ、既存の「鹿児島営業所」を移転・拡張し、「鹿児島物流センター」として開設することで、荷物の保管および積替え機能を強化することを決めた。同拠点を南九州エリアにおける地域物流のハブ拠点とすることで、同社は今後、在庫保管、積替え、エリア配送、流通加工など、物流の効率化と安定化に貢献する物流サービス提供を加速するとしている。
○「鹿児島物流センター」の特徴
①物流拠点に適した立地優位性
同拠点は、九州の主要高速道路である九州自動車道「溝辺鹿児島空港IC」から約950mに位置し、南九州エリアへの配送拠点として優れた立地にあります。さらに、近隣の鹿児島空港には、県内外の主要都市と結ぶ貨物ターミナルが整備されており、国内外への流通拠点としても高い利便性を備えています。
②保管商品に応じた柔軟な運用を可能にする施設仕様
同拠点は、保管する商品の特性に応じた対応ができるよう、高床式と低床式の2種類のバースを備えています。高床式バースは床面が地面より高いため、大雨や洪水時の浸水リスクを軽減できるほか、地面からの湿気を防ぐことで、保管物の品質保持にも効果的です。そのため、電子機器や自動車部品、ヘルスケア関連商品などの保管に適しています。一方、低床式バースでは、フォークリフトやクレーンで地面から直接荷物を出し入れできるため、鉄骨、建材、機械などの重量物の取り扱いに最適です。さらに、荷物用エレベーター3基と垂直搬送機2基の縦搬送設備を備えており、荷物の大小関係なく 1・2 階に荷物を配置することができるため、柔軟かつ効率的な物流オペレーションを実現できます。
③霧島市との連携による地域雇用の創出
霧島市との立地協定に基づき、同拠点では新たに従業員を雇用し、地域社会の活性化に貢献していきます。今後も取り扱い貨物量の増加に応じて増員を予定しており、継続的な雇用機会の創出を通じて、霧島市のさらなる発展に寄与する意向だ。
※「鹿児島物流センター」の施設概要
所在地:鹿児島県霧島市溝辺町麓321-10
敷地面積:1万8,972.31㎡(5,739.12坪)
延床面積:1万9,074.00㎡(5,769.89坪)
構造:鉄骨造・地上2階建て
バース形状:西面:高床式/北面:低床式
床荷重: 1階 2.0t/㎡、2階 1.5t/㎡
搬送設備:荷物用エレベーター ⇒4.6t( 1基)、3.6t(2基)、垂直搬送機⇒1.8t(1基)、1.5t(1基)、ドックレベラー(1基)
環境設備:太陽光発電設備(パネル容量:13万9.68kW パワーコンディショナー:111.1kW)⇒すべて自家消費 年間約25tのCO₂を削減
開設:2025年6月1日
■(株)関通<6月2日>
兵庫県尼崎市の次世代型新物流拠点「関通 MEGA 物流センター」が竣工/延床面積約3万5,000㎡超の関西エリア最大規模の物流拠点、多様化する顧客ニーズに合わせた最適な物流ソリューション提案が可能に
(株)関通は、兵庫県尼崎市で関西エリア最大規模となる新物流拠点「関通MEGA物流センター」(床延面積約1万800坪)が竣工し、5月26日に竣工式を行ったと発表した。同拠点の開設で関西エリアでの保有倉庫は計7拠点、総面積約5万2,760坪に拡大し、多様化する顧客ニーズに合わせて最適な物流ソリューションに提案が可能になったとしている。
○「関通MEGA物流センター」の特徴
①「都市近接 × 高速アクセス」物流効率を最大化する新拠点
兵庫県尼崎市に位置する同拠点は高速道路網が整備されており、交通渋滞を避け、短時間で主要都市にアクセスできる。また、大阪・神戸市内への配送を行う際にも、都市部への侵入が容易で、効率的なルート設定が可能なため、配送時間の短縮・コスト削減に大きく寄与する。
②湾岸アクセスと交通網で国際輸送も効率化
同拠点は湾岸に近く、「大阪港」「神戸港」へは車で30〜40分程度の距離にあり、国際輸送における利便性が高い。海上コンテナ輸送を必要とする場合でも、スムーズな荷受け・発送が可能。また、阪神高速道路や「新大阪駅」「尼崎駅」など主要な高速道路や鉄道路線へのアクセスが良好で、物流効率向上に加え、輸送コスト削減やドライバーの負担軽減にも寄与する。
③エリアに拠点を集中させることで、総合力を高めて柔軟・迅速に対応
同社は、倉庫間で常時連携可能な距離内に物流センターを配置する「ドミナント戦略」を採用している。同拠点の3km圏内には7つの倉庫が集約しており、スムーズな物流連携が常時可能。1拠点での対応キャパシティの限界値をエ同居ア戦略により回避することで、顧客の成長や出荷増大に柔軟に対応することができる。
④入居テナントへの配慮
同拠点は、地上4階建ての物流施設。施設内には倉庫のほか、ラウンジや喫煙所も完備しており、労働環境の快適性向上も見込める。館内は全てLED照明を採用しており、省エネと環境配慮も徹底している。
※「関通MEGA物流センター」の施設概要
所在地:兵庫県尼崎市西向島町15-8
敷地面積約:1万6,694.54 ㎡
延床面積:約3万5,929.95㎡
規模・構造:地上4階建て・S造
竣工:2025年5月31日
■三井不動産(株)<6月2 日>
愛知県一宮市で開発を進めていた物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク一宮」が竣工/全国配送・市内配送を両立する好立地、スロープ方式採用で重量物保管にも対応
三井不動産(株)は、愛知県一宮市で開発を進めていた物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク一宮」(以下、MFLP一宮)が5月31日に竣工したと発表した。
○「MFLP一宮」の特徴
①物流効率と人材確保を両立する好立地
同施設は、首都圏・関西圏への広域配送に対応し、「物流の2024年問題」の解決策の一つである「中継輸送」の拠点としても利用可能。「一宮西 IC」「一宮稲沢北 IC」に近接しており、それぞれ名神高速道路・東海北陸自動車道へのアクセスにも優れる。さらに愛知県内の南北を横断する主要幹線道路の「西尾張中央道」に面しており、名古屋市内への配送もスムーズに行える。また、最寄り駅の名古屋鉄道尾西線 「苅安賀(かりやすか)駅」からのアクセスも徒歩 9 分と、従業者の通勤利便性も優れる。
②「重量物の取り扱い」と「働きやすさ」を追求した施設
スロープ方式の採用で1・2 階倉庫は 3.0t/㎡の重量に対応しており、重量物保管が可能。また 2 階トラックバースは低床で、トラックバースと倉庫内をフォークリフトで自由に往復できるため、重量物の取り扱いにおける作業効率が向上する。また、3階には従業員用のラウンジを設置。ソファ席やリクライニングチェア、カウンター席などに加えて、個室の会議スペースも用意した。また、曲面天井や小上がりなど設け、施設内ワーカーがリラックスして休憩できる環境を整えた。
③地域素材を使用し利用者に安らぎを与える施設デザイン
外装は、施設南側 2・3 階の外壁を一部突出させており、この範囲は外壁色を他と切り替えるとともに、連装窓やガラリにより水平方向の広がりを強調した意匠とし、同施設の外観を特徴づけた。エントランスホールは来訪者を地域の素材で暖かく迎え入れるような空間を目指した。柔らかな光を拡散する光膜天井を設置するとともに、古くから織物の産地として名高い一宮市で生産された尾州織物クロスを仕上げに採用している。
④環境に配慮した物流施設
昨今の ESG 推進の高まりを意識しつつ、環境配慮に対しての取り組みを多数実施。その一つとして、屋上に設置された約542kWの太陽光パネルを館内消費で利用することを予定している。このような環境配慮の取り組みを通して、DBJ Green Building 認証(4スター)、「Nearly ZEB」認証を取得する予定だ。
※「MFLP一宮」の施設概要
所在地:愛知県一宮市萩原町林野字天田32-1
敷地面積:3万757.90 ㎡
延床面積:6万5,908.99 ㎡
規模・構造:4 階建て・スロープ・S造
竣工:2025 年5月31日
■アズワン(株)<6月3 日>
福岡県古賀市に新物流センター「九州DC」を開設/GTP実現するMH機器導入で全体作業効率37%向上を見込む
アズワン(株)は、福岡県古賀市に新たな物流センター「九州DC」をセイコー運輸(株)・福岡LC(2024年12月竣工)内に開設した。
新設倉庫では、ギークプラス社製のMH機器「PopPick」を導入。商品を保管する高層棚(3.8m)をAGVが搬送し、ピッキング場所でピッキング位置に自動セットアップする“GTP”を実現するもので、全体作業効率37%向上を見込む。
同社は同施設の開設を通じ、産業用先端半導体等の一大生産拠点として注目を集めている九州エリアに対し、昨今の物流面での社会課題の解決のほか、物流を核とした戦略的サービス拡充を進める。
※「九州DC」の施設概要
所在地:福岡県古賀市青柳233-1
延床面積:約8,500㎡(地上2階建て)
本格稼働日程:2025年6月16日出荷分より
■(株)ミスミグループ本社<6月4 日>
「西日本流通センター」移転先の兵庫県川西市で起工式を実施/延床面積は現行センター比7.5倍の4.5万㎡に、40万点の在庫保有でBCP対応力も大幅向上
(株)ミスミグループ本社は6月2日、現在の「西日本流通センター」(兵庫県三田市)の移転先となる兵庫県川西市で起工式を行った。
移転先拠点の延床面積は、現行の西日本流通センター比で約7.5倍に拡張。自動化に向けた設備も導入し、在庫保管および出荷処理能力の増強を図ることで、BCP対応力の大幅な向上にも寄与する。同社は今後、一層のサービス向上を通してIA(インダストリアル・オートメーション)産業の顧客に対し、グローバルでの時間価値の提供、および生産性向上に貢献していく。
移転先拠点は2026年4月に稼働する予定。移転先となる新拠点は、日本最大級の物流施設プロジェクト「ESR川西ディストリビューションセンター1」に入居する。延床面積は4.5万㎡(現センターの7.5倍)。搬送ロボットや自社開発のデジタルピッキングカートなどの自動化技術の積極導入により、約40万点の在庫保有と、1日あたり10万行の出荷を可能とすることで、有事にも安定供給を継続できる体制を構築する。
※移転先「西日本流通センター」の施設概要
所在地:兵庫県川西市東畦野字長尾1-444 ESR川西ディストリビューションセンター1
倉庫延床面積:4万5,518㎡(1万3,769坪)
在庫能力:40万点
出荷能力:1日あたり10万行
稼働日程(予定):2025年5月末竣工、2026年4月 稼働開始
■西濃運輸(株)<6月4 日>
石川県金沢市に全天候型の新物流拠点「金沢支店金沢倉庫」を開設/5,000坪を超える大型倉庫、商品保管や入出庫管理から流通加工までワンストップサービスを提供
西濃運輸(株)は6月11日、石川県金沢市に5,000坪を超える大型倉庫「金沢支店金沢倉庫」を開設する。
○「金沢支店金沢倉庫」の特徴
同倉庫は、北陸地方の中心部である石川県金沢市に立地している。交通面では、北陸自動車道「白山IC」から約2.5km、「金沢西IC」から約3.1kmの場所に位置し、西濃運輸金沢支店からも約4kmと近く、同支店の優れたリードタイムを活かし、関東・関西・中部圏の中心部への翌日配送が可能。また、「金沢港」から約7kmと近いことから、船舶を活用した国際輸送にもスムーズに対応することができる。
積雪量が多い北陸エリアに対応するため、融雪装置やシャッターなどを導入。雨風や気象状況に左右されず、安定した荷役作業と商品保管が可能な全天候型倉庫とし、悪天候時でもトラックの積み下ろしや入出庫作業が遅滞なく行える環境を整えた。これにより、BCP対策にも配慮した、災害時のリスクに強い倉庫となっている。
同倉庫では、輸配送のほか、商品保管から入出庫管理、在庫管理、庫内作業(流通加工)まで、様々な物流サービスを対応しており、ロジスティクスのワンストップサービスの提供が可能となっている。
※「金沢支店金沢倉庫」の施設概要
所在地:石川県金沢市打木町東2023
主体構造:鉄骨造・地上2階建て 高床倉庫(一部低床部分有り)
延床面積:5,729.18坪 (1万8,939.45㎡)
倉庫面積:5,136.63坪(1万6,980.60㎡)
トラックバース:大型車最大11台接岸可
梁下有効天井高:5.5m~7.0m
竣工時期:2025年05月
入居可能日:2025年06月以降
■(株)東京流通センター<6月4 日>
東京・平和島のマルチテナント型物流施設「物流A棟」が4月にリースアップ/TRC物流ビル全棟が満床稼働、物流効率化・社会課題解決を推進
(株)東京流通センターは、2023年8月に竣工したマルチテナント型物流施設「物流ビルA棟」が4月にリースアップし、全物流ビルが満床稼働したと発表した。
物流ビルA棟は、東京都心・「羽田空港」、首都高速ICに近接しており、東京モノレール「流通センター駅」からも徒歩1分と雇用優位性も高く、物流拠点として最適かつ希少な立地で再開発されたもの。都心エリア最小クラスの小割倉庫(標準435坪・最小144坪から)を通じ、無駄のない拠点構築を実現。豊富な電源容量尾、給排水・給排気に対応しており、倉庫+α(ラボ、オフィス、ショールーム、メンテナンス拠点など)の複合ニーズにマッチすることから、物流系からテック系企業まで多業種、総数約50社の企業が物流A棟にテナントとして入居している(物流ビル全体では総数約100社がテナントして入居)。
※「物流A棟」の施設概要
所在地:東京都大田区平和島6-1-1
延床面積:約20万2,000㎡(約6万1,000坪)
貸付面積:約15万5,000㎡(約4万7,000坪)
規模:建屋⇒地上7階建て(1~6階 地上+屋上駐車場)、駐車場⇒442台(普通乗用車242台・大型車76台他)
構造:RC-S造・免震構造
竣工:2023年8月31日
○倉庫仕様
床耐荷重:1.5t/㎡
柱スパン:10.15×11m
天井高:1F⇒梁下有効5.7m、2~6F⇒梁下有効5.5m
プラットフォーム:1F⇒0.8m(一部低床)、2~6F⇒1.0m
照度:平均300ルクス
ドックレベラー:各区画に設置スペース確保
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。