■物流施設 投資関連情報2025版<5.22~5.28>

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<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>

■三菱倉庫(株)<5月22日>
タイでの物流施設開発事業に進出/タイの不動産デベロッパーと共同出資、三菱倉庫初の海外不動産開発


 三菱倉庫(株)は、タイの不動産デベロッパーSena Development Public Company Limited(以下、Sena社)との共同出資により、バンコク近郊における物流施設の開発事業に取り組むと発表した。
 同プロジェクトは、同社として初の海外不動産開発案件。開発後は施設を長期保有せず、一定期間の運用を経て売却し、次の物件に再投資する。資産・資本効率の向上を図る資産回転型ビジネスモデルの一環として位置付ける。

〇開発の概要
プロジェクト名:バンナKM23プロジェクト
Sena社との合弁会社 「SENA MLC 1 COMPANY LIMITED」 を設立
総事業費:約30億円 (出資比率 49%)
事業内容:①バンコク近郊のサムットプラカーン県に延床面積 約25,000㎡の物流施設を建設、②三菱倉庫とSena社のネットワークを活用し、テナント企業を誘致のうえ施設を運営

※当該物流施設の概要
敷地面積:約4万1,000㎡ 
延床面積:約2万5,000㎡
賃貸面積:約2万3,000㎡
着工予定:2026年1月
竣工予定:2026年12月

■関電不動産開発(株)<5月26日>
北陸エリアで3件目となる物流施設開発事業 「(仮称)KRD-Logistics石川内灘」の新築工事の着手/約2万8,000㎡の敷地に地上2階建て・延床面積約2万7,000㎡のマルチテナント型物流施設を建設


 関電不動産開発(株)は、 石川県河北郡内灘町で物流施設「(仮称)KRD-Logistics石川内灘」の新築工事に着手した。物流施設は同社主要アセットの一つで、現在8施設を保有・運用しており、今回は北陸エリアで3件目の物流施設開発事業。約2万8,000㎡の敷地に地上2階建て・延床面積約2万7,000㎡のマルチテナント型物流施設を建設する計画で、2026年5月下旬の竣工を目指す。
 同施設が立地する石川県内灘町は、北陸エリアの中心部に位置し、北陸3 県の主要都市へと配送が可能。人口集積都市(金沢市、小松市等)に近く、消費財の物流にも適した地域で、北陸有数の工業都市(白山市等)における産業用ニーズも見込める。北陸の幹線道路である北陸自動車道「金沢東IC」まで、車で約15分、 金沢市中心部(金沢駅)まで車で約20分と利便性も高い。

〇同施設の特徴
① 機能性・汎用性を兼ね備えた倉庫スペック

・テナント区画は合計約7,700坪、4分割での入居も可能
・梁下有効天井高5.5m以上、1階トラックバースは柱スパン10mを確保することで、1スパン2台駐車、計24台駐車可能な計画とし、20台分の待機スペースも配置
・床荷重は1.5t/㎡を確保
・荷物用エレベーター4基、垂直搬送機4基を実装
② ゼロカーボンへの取り組み
・全館LED照明、節水型トイレ・水栓を採用することで省エネに配慮し、BELS評価最高ランク「6スター」と「ZEB Ready」認証を取得予定

※「(仮称)KRD-Logistics石川内灘」の施設計画概要
所在地:石川県河北郡内灘町字千鳥台5-1(地番)
敷地面積:2万7,771.27㎡(8,400.81坪)
延床面積:2万7,221.29㎡(8,234.44坪)
構造規模:鉄骨造 地上2階
主要用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
着工:2025年 5月 26日
竣工:2026年 5月 26日(予定)

■(株)シモジマ<5月26日>
兵庫県内に業容拡大に対応する新たな物流センターを建設/約150億円を投じて2028年6月に竣工する予定、栃木県佐野市の「田沼配送センター」との東西体制構築へ


 包材専門商社の(株)シモジマが兵庫県に新たな物流センターを建設する。業容拡大に対応するため、入出荷能力と在庫保管能力の増強を図るのが目的。栃木県佐野市に設置している「田沼配送センター」で東日本の物流を、新センターで西日本の物流をカバーする体制とし、災害発生時のリスクにも備える。投資予定金額は約150億円。竣工は2028年6月となる予定だ

※新物流センターの概要
所在地:兵庫県
竣工時期:2028年6月(予定)
投資予定金額:約150億円(土地・建物・設備等を含む)

■(株)メディセオ<5月27日>
兵庫県加東市で建設を進めていた「メディカル流通センター神戸」が竣工/西日本製造拠点のある製薬企業から委託された商品の物流業務を担う、設備投資額は約64億円の予定


 (株)メディパルホールディングス子会社の(株)メディセオは、兵庫県加東市で建設を進めていた「メディカル流通センター神戸(MRC神戸)」が竣工したと発表した。MRC神戸は、西日本に製造拠点のある製薬企業から委託された商品の受注・保管・管理・出荷などの物流業務(以下、メーカー物流)を担う物流センターで、設備投資額は約64億円となる予定だ。
 メーカー物流を担うMRC神戸は、既に稼働している「MRC東京」「MRC中国」に続く3カ所目のMRC。MRC神戸は、2024年1月まで稼働していた「西日本物流センター」をフルリノベーションしたものだ。GDPガイドラインに準拠した高水準の物流機能に加え、多くの省力化・省人化設備を備えており、環境に配慮したグリーンロジスティクスへの対応のほか、サステナビリティ推進にも万全を期す体制が整った格好。メディセオでは、これらのMRCと、顧客の発注による商品の出庫・納品までの配送流通を担う全国13カ所に設置された「ALC」をシームレスに結ぶことにより、製薬企業から最終需要者までのサプライチェーン全体の最適化を図り、医療と患者へのさらなる貢献に努めていくとしている。

〇同施設の特徴
① GDPガイドラインに準拠した高水準の物流機能

GDPガイドラインに準拠し、各メーカー様の手順に対応したSOP(標準作業手順書)を整備し、温度管理、偽薬対策、衛生管理など適切な保管・管理を行う。
② 省人・省力化
将来の労働人口減少に備え、大幅な自動化設備の導入を進めている。重量物の出庫には、ロボットによる自動出庫や作業員の負担軽減を目的としたバランサーを導入。さらに、センター内の搬送は無人搬送車(AGV)や高速パレット搬送台車を導入することで、センター全体での省人化・省力化を実現している。
③ グリーンロジスティクス(SDGs)
保管・輸配送の共同化による輸送車両の効率化を実現することで、温室効果ガス排出量の削減と環境負荷の軽減を目指す。また、入荷予約管理システムの導入により、入荷時のトラック待機時間を短縮し、スムーズな物流オペレーションを実現する。
④ サステナビリティ推進に万全を期す体制を整備
MRC神戸は全ての保管温度帯に対応するとともに自家発電設備・瞬時電圧低下補償装置による安定稼働、免震装置(ミューソレーター)による商品落下・破損防止など、災害発生時にも「止まらない物流」を実現するため、万全の体制構築に努めている。

※「メディカル流通センター神戸」の施設概要
所在地:兵庫県加東市南山6-6-2
敷地面積:3万981㎡(9,340坪)
建築面積:1万5,029㎡(4,546坪)
延床面積:4万4,585㎡(1万3,487坪)
構造:鉄骨造(耐震構造)、地上3階建て
稼働開始:2025年10月中旬
設備投資予定額:総額 約64億円(建物、設備、機器等)

■プロロジス<5月27日>
愛知県東海市で計画中のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク東海1」を9月に着工/隣接地で計画中の「プロロジスパーク東海2」はBTS型物流施設として開発予定


 プロロジスは、愛知県東海市の「東海太田川駅西土地区画整理事業」区域内で開発を進めている物流施設「プロロジスパーク東海1」について、今年9月の着工、および2027年5月の竣工を予定していると発表した。また、同区域内の隣接地に計画中の「プロロジスパーク東海2」についてはBTS型物流施設(特定企業専用物流施設)として開発を予定しており、プロロジスパーク東海1とともに入居企業を募集しているとしている。
プロロジスパーク東海1とプロロジスパーク東海2の開発地は、愛知県東海市の中核駅である名鉄常滑線「太田川駅」から徒歩8分に位置し、約34.4haの区域を整備する「東海太田川駅西土地区画整理事業」区域内の産業物流地区に所在している。
 同土地区画整理事業の施行区域は、伊勢湾岸自動車道・名古屋高速4号東海線が接続する「東海JCT」から約4.3㎞の地点に立地しており、開発区域西側の「西知多産業道路」は、名古屋中心部と中部国際空港をつなぐ地域高規格幹線道路で、2027年の全線開通に向け整備事業が進行している。今回の土地区画整理事業の施行に合わせて、土地区画整理事業区域に隣接する位置に西知多産業道路の新たなインターチェンジ「(仮称)大田IC」の開設が予定されているという。なお、西知多産業道路の「加家IC」(既存)からも1.8km、約4分と至近だ。
 名古屋市中心部から約15㎞、名古屋高速を利用して約30分で到達可能であり、伊勢湾岸道路から新東名高速道・新名神高速道を利用することで、東西への広域配送も可能な物流好適地。西知多産業道路の全線開通時には、中部国際空港へ約20分で到達可能となる見込みだ。
 プロロジスパーク東海1は、約7万2,800㎡の敷地に4階建て、延床面積約16万㎡のマルチテナント型物流施設として開発する。大型車両が各階にアクセスできるダブルランプウェイを備え、敷地内は一方通行でスムーズな車両動線を確保します。1フロアは、最大約10,000坪、4階は最小区画800坪からの分割にも対応可能な施設とする計画だ。
 隣接地に計画中のプロロジスパーク東海2は、約2万9,300㎡の敷地に4階建て、延床面積約6万3,700㎡のBTS型物流施設として開発される予定。1階および3階にトラックバースを設け、スロープで大型車両が3階にアクセス可能な施設とする計画だが、入居企業の要望に応じて冷凍・冷蔵倉庫、重量物対応等の特殊仕様にも対応する予定だ。
 両施設とも、入居企業の事業継続性に配慮した防災設備を装備し、施設内ワーカーが便利で快適に就業できる環境を整える計画となっている。

※「プロロジスパーク東海1」の施設概要
開発地:愛知県東海市「東海太田川駅西土地区画整理事業」区域内
階数:地上4階建て
敷地面積:約7万2,800㎡(約2万2,000坪)
延床面積:約16万㎡(約4万8,600坪)
着工予定:2025年9月
竣工予定:2027年5月*

※「プロロジスパーク東海2」の施設概要
開発地:愛知県東海市「東海太田川駅西土地区画整理事業」区域内
階数:地上4階建て
敷地面積:約2万9,300㎡(約8,800坪)
延床面積:約6万3,700㎡(約1万9,200坪)
着工予定:未定
竣工予定:未定

■阪急阪神不動産(株)<5月28 日>
京都府伏見市内で物流施設「ロジスタ京都伏見」の新築工事に着手/2026年7月末に竣工予定、広域だけでなく市内配送にも利便性の高い物流拠点に


 阪急阪神不動産(株)は、物流施設「ロジスタ京都伏見」の新築工事に着手し、竣工が2026年7月末の予定であると発表した。

〇同施設の特徴
① 関西圏および京都市中心部への良好なアクセス

・名神高速道路「京都南IC」まで約5.9km、第二京阪道路「伏見IC」まで約6.4km の地点に立地し、高速道路へのアクセスが良好で、関西圏をはじめとする広域への配送が可能。
・物流施設としてまとまった用地の確保が難しい京都市内に位置する本施設は、四条河原町まで約12km の地点にあり、京都市中心部への配送拠点としても優れた立地。
② テナントニーズに合わせた施設計画・商品企画
・倉庫部分は床荷重1.5t/㎡、各階の天井有効高5.5m を有し、さらに標準の柱間隔11.6m×11.3m を確保した汎用性の高い空間。また、高スペックの荷物用エレベーター(W4.5m×L3.5m)と垂直搬送機(かご車・パレット兼用)を1基ずつ設置しており、効率的な縦搬送が可能。
・1階のトラックバースは、車両保管場所として車庫証明が取得でき、駐車場としても利用が可能なため、トラックを保有する事業者の多様なテナントニーズにも対応可能。
・共用部には、従業員用のラウンジやトラックドライバー用の休憩室などを設け、施設内ワーカーの利便性や快適性の向上を図っている。
③ 太陽光パネル、高効率設備の採用による環境への配慮
・屋上に太陽光パネルを実装し、発電した電力を自家消費するとともに、敷地内の駐車場には電気自動車の充電設備を設置する。あわせて、LED による館内照明、高効率な空調設備を採用することで、ZEB Ready の環境認証を取得予定。
・エントランスには、京都産の杉を用いた天然木ルーバーを採用し、「木材の地産地消」に寄与する取り組みを進める。

※「ロジスタ京都伏見」の施設概要
所在地:京都府京都市伏見区久我西出町7-4 他
敷地面積:約5,000 ㎡(約1,500 坪)
延床面積:約1万1,100 ㎡(約3,400 坪)
構造規模:S造・地上4 階建て
施設タイプ:ボックスタイプ
竣工:2026 年7 月末(予定)

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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