<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■(株)セルフィット<5月15日>
ENEOS SSの物流拠点化実証フェーズを首都圏約200エリアに拡大/配送クラウドソーシングアプリ「DIAq」を通じて柔軟かつ高効率な配送体制の構築へ
(株)セルフィットは、三菱商事(株)およびENEOS(株)が出資する合弁会社Life Hub Network(株)と共同で取り組んできた、サービスステーション(以下、SS)を活用した配送効率化に関する実証実験を、首都圏約200エリアに拡大展開すると発表した。
同取り組みは、全国に約1万2,000カ所あるENEOSのSSを物流ハブとして活用することを目指すもの。配送クラウドソーシングアプリ「DIAq(ダイヤク)」を通じて柔軟かつ高効率な配送体制を構築し、2024年問題に象徴される物流業界の構造課題に対する解決策を提示すべるため、現在実証実験を進めている。
Life Hub Networkは、消費地近郊に立地するENEOSのSSが物流車両の乗り入れにも適することから、これを配送拠点として活用するための開発を進めており、セルフィットはラストマイル配送の運用・実装パートナーとして、この取り組みに参画。セルフィットはDIAqを通じたドライバーの確保・管理、および現場オペレーションの設計・運用支援を担い、Life Hub Networkの物流構想を支援している。
荷量・地域特性・交通状況・時間帯など、日々変化する条件に応じて最適なSSを選定・活用するこの仕組みは、従来のような固定的な物流網では実現が難しかった革新的なアプローチとして高く評価されている。SSを物流ハブとして活用できれば、各ドライバーの移動距離を最小限に抑えられるほか、全体の総走行距離も短縮され、配送効率向上および環境負荷軽減につながる。既存インフラの転用で済むため、低コストでスピーディーに拡大展開できる点も見逃せない特徴と言える。
両社は同実証実験の拡大展開に先立ち、約200カ所の展開予定エリアを公開する。DIAqに登録するドライバーからのフィードバックを踏まえ、要望の多いエリアから順次稼働を開始する方針で。配送員にとって実際に「使いやすい」物流インフラを、現場起点で構築していく考えだ。
■イケア・ジャパン(株)<5月15日>
京都府福知山市に商品受取りセンター(大型配送専用)を開設/京都府で2カ所目、全国50拠点体制に
イケア・ジャパン(株)は5月15日、京都府で2カ所目となる「商品受取りセンター福知山」(大型配送サイズ専用)を開設した。商品受取りセンターは、顧客が購入した商品を自分自身で自宅へ運ぶ際に、商品を受け取るための拠点。イケアは商品を同センターまで配送するだけで、ラストワンマイル配送コストを抑えられ、顧客は柔軟な商品受け取り方法を選択することができる。今回の京都府福知山市での同センターの開設により、イケアの商品受取りセンターは全国50拠点に達したとている。
※「商品受取りセンター福知山」の施設概要
受取り場所:(株)ハート急便/京都府福知山市字荒河小字声田和9-9
サービス申し込み受付開始予定日:2025年5月15日
サービス申し込み場所:IKEAオンラインストアまたは全国のイケア店舗
商品受取り可能時間:9:00~17:00(月~土/日曜・年末年始などを除く)
サービス料金:総商品重量上限300kgまで一律3,900円
商品出荷店舗:IKEA鶴浜
■(株)物研<5月16日>
南大阪に6つ目の物流拠点となる「南大阪EC物流センター」を開設/BtoB・BtoCに対応する幅広い流通支援を展開、365日対応でBCP対策も完備
(株)物研は7月、南大阪エリアに6つ目の物流拠点となる「南大阪EC物流センター」を開設する。BtoBならびにBtoCに対応する 幅広い流通支援を行う拠点で、365日対応のほか、BCP対策も完備しており、きめ細やかな発送代行サービスが提供できるとしている。
同施設は、「和泉中央駅」まで5分、「関西国際空港」まで25分、「南港」まで30分、阪和自動車道「和泉・岸和田IC」まで3分と、交通アクセスに優れた立地環境にある。災害にも強いエリアで、雇用環境に恵まれている点も魅力だ。
専用のクラウドWMSを導入しており、確実でスピーディーな庫内作業を実現する。カートシステムとのAPI連携等にも対応可能。ユーザーの要望に合わせたシステムが構築できる。
同社従業員における女性比率は80%を超えるという。女性ならではのきめ細やかな対応とコミュニケーション力が同社のアピールポイントで、営業から事務所(フロント)現場に至るまで、ほぼ女性が対応するとしている。
※「南大阪EC物流センター」の施設概要
所在地:大阪府和泉市内田町4-9-1
敷地面積:5,700坪
延床面積:3,900坪
建物・構造:地上2階建て、耐震構造BCP
プラットフォーム:バース16台
■丸全昭和運輸(株)<5月16日>
広島県東広島市の「広島営業所」の地鎮祭を5月14日に挙行/一般倉庫棟や危険物倉庫棟などで構成、2026年8月竣工予定
丸全昭和運輸(株)は、広島県東広島市に一般倉庫棟や危険物倉庫棟で構成される「広島営業所」を建設するため、5月14日に地鎮祭を挙行した。2026年8月に竣工する予定。
※「広島営業所」の施設概要
所在地:広島県東広島市高屋台2-113-22
構造:倉庫棟 鉄骨造1階建て、危険物倉庫棟 鉄骨造1階建て、事務所棟 鉄骨造2階建て
面積:一般倉庫 延床面積3,000坪(内定温200坪)、危険物倉庫 延床面積300坪(内定温50坪)、危険物定温倉庫屋内荷捌き場 1,200坪
有効階高:倉庫棟 7.5m(定温倉庫 6.5m)、危険物倉庫棟6.95m(定温棟5.5m)
床荷重:1.5t/㎡
設備:バンステージ、作業場空調、大型シーリングファン、太陽光パネル、非常用電源設備、セキュリティ対応
竣工予定日:2026年8月
■中央日本土地建物(株)<5月19日>
岩手県胆沢郡金ヶ崎町で物流施設「LOGIWITH北上金ヶ崎」を着工/ LOGIWITHシリーズの第4弾を東北エリアに展開、延床面積1万9,800㎡の2階建てで両面バースを備える
中央日本土地建物(株)は、岩手県胆沢郡金ケ崎町で物流施設「LOGIWITH(ロジウィズ)北上金ヶ崎」の建設に着手した。
同施設は、東北自動車道「北上金ヶ崎IC」から2.9km、車で約5分の場所に位置する。釜石自動車道や秋田自動車道へのアクセスにも優れており、東北各県へ直接配送が可能。周辺には自動車部品や半導体、医薬品などの工場が集積しており、保管・配送の需要が見込まれるエリアだ。
同施設建物は地上2階建てで、延床面積は約1万9,800㎡。1フロアあたり約9,900㎡の面積を確保する計画(事務所部分を含む)だという。両面バースを備えた設計で、効率的な荷物の積み下ろしが可能。竣工予定は2026年5月となっている。
同社は2022年5月に本格的に物流施設開発事業へ参入。2023年6月には「LOGIWITH厚木」(神奈川県厚木市)、2023年12月には「一宮物流センターⅡ」(愛知県一宮市)、2024年4月には「LOGIWITH八王子」(東京都八王子市)が竣工している。また、2025年2月に着工した「LOGIWITH綾瀬」(神奈川県綾瀬市)の竣工が2026年4月(予定)に控えており、大阪府寝屋川市では物流施設用地も取得済みで、今後さらに物流施設の開発を加速する構えだ。
※「LOGIWITH北上金ヶ崎」の計画概要
所在地:岩手県胆沢郡金ケ崎町六原前二ッ森14-1他
敷地面積:3万1,786.57㎡(約9,615.43坪)
用途地域:非線引き区域
構造:鉄骨造
規模:地上2階建
延床面積:1万9,800㎡ (約5,989.50坪)
駐車場:トラックバース(高床側) 14台、トラック駐車場 26台、一般車両 58台
着工:2025年5月
竣工:202 6 年5月(予定)
■大和ハウス工業(株)、大和ハウスプロパティマネジメント(株)<5月20 日>
全国の物流施設で地域共生活動「DPL地域つながるプロジェクト」を始動/物流施設を地域住民に開かれた施設に、防災イベントやフェスタなどの様々なイベントを企画
大和ハウス工業(株)と大和ハウスプロパティマネジメント(株)は、大和ハウス工業が開発した物流施設「DPL」において地域共生活動「DPL地域つながるプロジェクト」を開始した。
両社は、地震や豪雨などの災害発生時に地域住民の安全・安心を守るため、DPL所在の一部自治体と協定を締結し、同施設を住民の一時避難場所などに活用してきた。また、同施設を地域住民に開かれた施設とするため、カフェテリアの開放や集会所・遊具広場の設置に加え、イベントを開催するなど、地域と共生する施設づくりを推進している。
今回始動したプロジェクトは、DPLにおける地域共生活動を本格化するもの。その第1弾として、5月17日に大和ハウス工業最大の物流施設「DPL流山Ⅳ」において防災イベント「ソナエル防災in流山」を開催した。当日は、同施設周辺の住民約50名が参加。集中豪雨や台風などの発生を想定した車両での避難体験や、VR(拡張現実)・AR(仮想現実)技術を使用した防災体験等を経験し、災害発生時における同施設の活用について学んだという。
同プロジェクトでは今後、防災イベントをはじめ、フェスタやスポーツイベント、施設見学会、職場体験などを開催し、地域住民に開かれた物流施設としてさらに地域共生活動を推進していく。
■SBフレームワークス(株)<5月20日>
千葉県千葉市に新規事業所「美浜事業所」をオープン/同社物流倉庫の総延床面積は12.5万㎡に拡大、全国7拠点体制に
SBフレームワークス(株)は、5月7日に全国で7棟目となる物流倉庫を千葉県千葉市に新設したと発表した。
同社は1990年設立以来、ソフトバンクグループ内外の顧客の物流業務を担ってきた。本社倉庫のほか、2006年の柏事業所(千葉県)の開所以来、大阪事業所(大阪府)、川崎事業所(神奈川県)と東西で事業地域拡大を継続している。今回は設立35周年を迎え、新たに千葉市美浜区に全国7拠点目となる「美浜事業所」を開設。同事業所の開設により、同社物流倉庫の総延床面積は12.5万㎡に達したとしている。
同事業所が立地する新港地域は、海面埋立事業により誕生した千葉市を代表する臨海工業集積地。京葉道路「穴川IC」へのアクセスに優れるほか、2022年9月には東関東自動車道「検見川・真砂SIC(仮称)」の設置も許可されており、交通アクセスのさらなる向上が見込まれている。
1万㎡を超える保管スペースをもつ同事業所は、海上コンテナのデバンニングにも対応可能な3面のトラックバースを有する。同社は同事業所を、休日出荷にも対応するBtoB物流・EC物流サービスの新たな拠点と位置付けており、今後様々な顧客の物流業務を強力に支援することが可能だ。
※「美浜事業所」の施設概要
所在地: 千葉県千葉市美浜区新港66、67番地
■DHLサプライチェーン(株)<5月20日>
大阪市南港の物流施設「DHL大阪ロジスティクスセンター」の起工式を開催/交通利便性に優れた戦略的なロケーション、西日本地域における新たなゲートウェイとしての機能見込む
DHLサプライチェーン(株)は、大阪市住之江区の南港エリアに新設する「DHL大阪ロジスティクスセンター」の起工式を行った。同施設は、西日本地域における物流体制を強化するDHLサプライチェーンの中核拠点。関西圏および西日本全体のサプライチェーンを最適化し、2030年までに事業規模を倍増させるという同社事業目標を支える基盤になるとしている。
同施設は地上4階建てで、約5万5,700㎡(1万7,000坪)の延床面積を有する。テクノロジーセクターと保守部品の物流を中心に、高度な物流ニーズに先進的なソリューションで応えるマルチユーザー型の施設だ。阪神高速道路4号湾岸線「南港中IC」から約1 kmに位置し、大阪中心部や関西国際空港へのアクセスにも優れる。
同施設は環境に配慮したサステナブルな設計。倉庫やオフィスに電力を供給する太陽光発電設備、電力網の安定性を維持するバッテリーエネルギー貯蔵システム (BESS)、商用車および乗用車向け電気自動車の充電設備、雨水の再利用設備、エネルギー効率を最適化するためのモーションセンサー付きLED照明等の設備を備える。また、米国グリーンビルディング協会(U.S Green Building Council)が運営する国際的な環境認証制度「LEED認証」のゴールド取得を目指すとしている。
■(株)MonotaRO<5月20 日>
茨城県水戸市の物流施設「水戸ディストリビューションセンター」の起工式を開催/2027年5月竣工・2028年5月稼働開始の予定、新設備導入と作業フローの集約・変更により既存物流施設の3倍の生産性を目指す
(株) MonotaROは、茨城県水戸市で建設を進めている物流施設「水戸ディストリビューションセンター」の起工式を行った。
同施設は、同社の出荷能力および在庫能力増強を目的に開設する新しい 物流拠点で、2028 年5 月に稼働を開始する予定だ。新設備の導入と作業フローの集約‧変更により、既存物流施設(笠間ディストリビューションセンター)の3倍の生産性(10万行/日→30万行/日)を目指す。より迅速に商品を届けられる配送体制を整備し、事業成長をさらに加速させる意向だ。
水戸ディストリビューションセンターでは、同社物件で初となる免震構造を採用し、災害に備える。同様に初めて太陽光発電も採用する計画だ。
※「水戸ディストリビューションセンター 」の施設概要
所在地:茨城県水戸市下野町字丸山780-2他
建物・構造:地上4階建て
敷地面積:約9万8,000㎡
延床面積:約7万4,000㎡
構造:鉄筋コンクリート造、一部 鉄骨造(シミズNewRCSS工法)/免震構造
建物着工日:2025年5月9日
建物竣工時期:2027年5月(予定)
稼働開始時期:2028年5月(予定)
在庫保有能力:約50万点
出荷能力:30万行/日
主な設備:自動倉庫、AGV(ADAPTO)、自動梱包機など
■アスクル(株)<5月21日>
「ASKUL関東DC」新設に合わせて自社運営物流センターの名称を変更/拠点機能と所在地の明確化が目的、一部物流センターの名称は継続
アスクル(株)は、埼玉県上尾市の大規模物流センター「ASKUL関東DC」(以下、関東DC)新設に合わせて自社運営物流センターの機能と所在地を明確化するため、その名称を以下のとおり変更すると発表した。
関東DCは同社11番目の物流拠点で、2024年3月31日に竣工しており、2025年6月稼働開始に向けて準備を進めている。同社物流拠点としては大阪府吹田市の「ASKUL Value Center 関西」に次ぐ」2番目の賃借面積となる規模を誇り、事業所向け「ASKUL」と一般消費者向けEC「LOHACO」双方の物流を担う。現在、ASKUL Value Center 関西から出荷しているロングテール商品の出荷を関東DCに切り替えることで、東日本地域の顧客への配送距離を短縮し、ロングテール商品についても翌日配送サービスを実現できる見込みだ。
※名称変更となる物流拠点と新名称・所在地
ASKUL Logi PARK 横浜(ALP 横浜)⇒ ASKUL 横浜DC〔神奈川県横浜市〕
DCMセンター ⇒ ASKUL 青海DC〔東京都江東区〕
ASKUL Value Center 日高(AVC 日高)⇒ ASKUL 日高DC〔埼玉県日高市〕
仙台DMC ⇒ ASKUL 仙台DC〔宮城県仙台市〕
名古屋センター ⇒ ASKUL 名古屋DC 〔愛知県東海市〕
ASKUL Value Center 関西(AVC 関西)⇒ ASKUL 関西DC〔大阪府吹田市〕
大阪DMC ⇒ ASKUL 大阪DC〔大阪府大阪市〕
ASKUL Logi PARK 福岡(ALP 福岡)⇒ ASKUL 福岡DC 〔福岡県福岡市〕
※名称変更しない物流拠点
ASKUL関東DC〔埼玉県上尾市〕
ASKUL東京DC〔東京都江戸川区〕
ASKUL三芳センター〔埼玉県入間郡〕
※「ASKUL関東DC」の施設概要
所在地:埼玉県上尾市愛宕3-1-22
竣工:2024年3月31日(2024年6月賃借開始)
稼動開始:2025年6月(予定)
敷地面積:4万5,976,78㎡
延床面積:10万4,931,76㎡
建物階数:5階建て、免震構造
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。